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2008/05/20 [Tue] 23:59:36 » E d i t
「離婚後300日以内に生まれた子は前夫の子」と推定する民法772条の規定のため、母親が出生届を提出できず無戸籍となった兵庫県の女性(27)が、6月中旬に出産予定であることが分かりました。出生届には母親の本籍地を記載する必要があるため、自治体は出生届を受理しておらず、子供もまた無戸籍となる可能性が高いことになりました。


1.まず報道記事を幾つか。

(1) 毎日新聞平成20年5月20日付朝刊1面

無戸籍児:離婚後300日規定で無戸籍の女性、出産へ 出生届、不受理の恐れ

 離婚後300日規定により親の出生届が受理されずに無戸籍となった兵庫県内の女性(27)が妊娠し、6月中旬に出産する予定であることが分かった。戸籍法は、出生届に母親の本籍地記載を義務付けている。地元自治体も「現状では出生届は受理できない」としており、生まれる子供も女性と同様に無戸籍となる可能性が高い。無戸籍となった人が出産するケースが明らかになるのは初めて。

 女性の50代の母親は、前夫の暴力などが原因で離婚。離婚から73日後、後に再婚した男性との間に女性を産んだ。母親は、規定を覆す手続きの複雑さや、前夫に居所を知られたくない事情から、前夫を巻き込んだ裁判をすることが難しい状態だった。このため女性は無戸籍となり、小学校には4年間しか行けなかった。医療サービスも受けられず、投票もできなかった。

 女性は昨年夏、小中学校の同級生の夫(27)と結婚式を挙げたが、戸籍がないため婚姻届を出すことができず、事実婚の状態。昨年秋に妊娠が分かり、順調なら6月中旬に出産する。不安に思った女性は今月、地元自治体に相談したが、「母親の戸籍がなければ、子供の出生届は受理できない」との対応だった。女性は「子供にまで自分がした苦労はさせたくない」と話している。

 法務省民事局は「無戸籍となった人が出産する例は今まで聞いたことがない。どうすべきか今後検討したい」と話している。【工藤哲】

毎日新聞 2008年5月20日 東京朝刊」




(2) 毎日新聞平成20年5月20日付朝刊30面

無戸籍児:27歳女性出産へ 「子に同じ思いイヤ」 2代続けて「無戸籍」も

 ◇以前から懸念、早急に対策を

 「これ以上、私と同じ思いをさせたくない」。離婚後300日規定により無戸籍となった兵庫県の女性(27)は、自分と同じ無戸籍となる可能性の高い子供の出産を控え、不安な思いを毎日新聞の取材に訴えた。初めて明らかになった母親と子供の「2代に及ぶ無戸籍」。無戸籍児家族の会は20日午前、鳩山邦夫法相と面会し、女性のケースなどを例に規定の早急な見直しを求める。

 戸籍も住民票もない女性。私立幼稚園には通えたが、自治体は女性の母親に「小学校には入れない」と説明した。しかし、同じ集合住宅にいる子供は小学校に通う。ふびんに思った母親が校長と掛け合い、入学がかなったのは、3年生の年齢になってからだった。

 入学して1年生と同じ授業を受けたが、3カ月後に3年生に編入され、授業についていけなくなった。「1年生に帰れ」。同級生の言葉に傷つき、学校から足が遠のいた。女性は中学でも、あまり学校に行けなかった。高校には行っていない。

 小学校の同級生の男性(27)と再会したのは数年前。それまで家に引きこもりがちだったが、そのころから母親の仕事を手伝うようになった。男性とは07年夏、家族だけで式を挙げた。その日に婚姻届を出す予定だったが、前日に母親から無戸籍と告げられた。

 「事実婚」とならざるをえなかったが、女性は「結婚して一緒の姓になるはずだった」と言う。07年秋に妊娠が分かり無戸籍はより切迫した問題になった。保険証もなく、帝王切開になった時の医療費の負担も心配になり、今月に入り家族の会に相談を持ちかけた。【工藤哲】

==============

 ■解説

 「無戸籍の人が子供を産めば、その子もまた無戸籍になってしまう」。無戸籍児の存在が明らかになり、関係者の間では懸念は以前からささやかれていた。今回のケースは、こうした事態が現実になったことを示している。

 戸籍法は、出生届に「父母の名前と本籍」の記載を義務付ける。このため、母の戸籍がなければ子供は無戸籍とならざるをえない。女性の母親が、女性の無戸籍を解消しない限り、無戸籍は代々続くことになる。

 無戸籍児の社会問題化により07年以降は行政サービスの徹底が図られている。ただ最も公的な証明である戸籍記載について、300日規定で多くを占める「離婚前妊娠」の場合は従前と変わりがない。

 このため、今回の母親のように前夫を巻き込んだ裁判ができない場合などで無戸籍児となる状況は今も変わらない。国会や行政は、異常な状態を改めるべく対策を早急に講じるべきだ。【工藤哲】

毎日新聞 2008年5月20日 東京朝刊」




(3) NHKニュース(5月20日 17時7分)

民法が障壁 親子で無戸籍か

 女性が離婚して300日以内に産まれた子どもは戸籍上、前の夫の子どもと見なす民法の規定が障害となって戸籍がないまま暮らしてきた兵庫県の27歳の女性がまもなく出産を迎え、生まれてくる子どもも戸籍を得られない見通しになっていることがわかりました。法務省によりますと、2代にわたって戸籍が得られないのは異例だということです。

 出産を予定しているのは、兵庫県に住む27歳の女性です。50代の母親が、前の夫の暴力が原因で離婚し、その73日後に女性は生まれました。実の父親は母親がその後再婚した男性ですが、民法では、離婚して300日以内に出産した子どもは戸籍上、前の夫の子どもと見なす規定があることや前の夫に住所を知られたくないといった事情から母親が出生届けを出さなかったため、女性には戸籍がありません。

 女性は、去年の夏から男性と結婚生活を送っていますが、戸籍がないため婚姻届けは出せませんでした。女性は来月の出産を控え、地元の自治体に相談しましたが「母親に戸籍がないので生まれてくる子どもの出生届けを受理するのは難しい」と言われたということです。

 法務省民事局は「戸籍のない人が出産する例は今まで聞いたことがない。何らかの対応ができないか、検討したい」と話しています。戸籍がない子どもの親たちでつくる「家族の会」の井戸正枝事務局長は「親子がともに戸籍を得られないような状況を変えるには、民法の規定を根本的に変えるしかない」と話しています。」





2.これらの記事を見ると、民法772条の不条理さがよく現れています。

(1) 女性の母親は前夫との離婚から73日後、後に結婚した別の男性との間に女性を出産したため、女性は無戸籍となり、最初は「小学校には入れない」状態でした。何とか掛け合い、小学校の「入学がかなったのは、3年生の年齢になってから」でした。しかも、「入学して1年生と同じ授業を受けたが、3カ月後に3年生に編入され、授業についていけなくなった」ことやイジメにあったことから、小学校には4年間しか通えていないのです。ですから、「女性は中学でも、あまり学校に行けなかった」であり、「高校には行っていない」のです。

このように、この女性が有している教育を受ける権利(憲法26条1項)は、ほとんど保障されなかったのです。民法772条は、憲法上の人権である、教育を受ける権利さえも奪うものになっているのです。

戸籍がないために、「医療サービスも受けられず、投票もできなかった」のですから、生存権(憲法25条)の保障も十分でなく、選挙権(憲法15条)の保障もなかったのです。この女性が有しているべき人権の数々が、奪われたままなのです。



(2) 女性は、「去年の夏から男性と結婚生活を送っています」が、戸籍がないため「事実婚」の状態にならざるを得ないのです。そして、女性は来月の出産を控え、地元の自治体に相談しましたが「母親に戸籍がないので生まれてくる子どもの出生届けを受理するのは難しい」と言われたのです。

これらのことは、戸籍がないために法律婚を選択できないという差別を受けるのですから、自由な婚姻を保障し、個人の尊重と平等に基づく家族制度の確立を目指した憲法24条に反するともいえるのです。また、生まれてくる子供もまた、無戸籍となるのですから、またしても 教育を受ける権利を奪う可能性が生じているのです。

この女性が「これ以上、私と同じ思いをさせたくない」として、子供が無戸籍になってしまい、同じ苦しみを味わうことを避けたいと願うことは、至極当然のことでしょう。しかし、民法772条の規定が維持されるならば、この子供は無戸籍のままであり、「無戸籍の連鎖」を生じてしまうのです。

ここまで、憲法の人権規定が奪われてしまっているのですから、「人間に値する生存」が確保できておらず、「個人の尊厳(憲法13条)」という人権尊重主義の核心の原理が没却されているとさえ、いうことができます。民法772条自体が問題であることは明白でしょう。



(3) 「無戸籍児の存在は、我が国が批准する『児童の権利に関する条約』7条(出生後ただちに登録される)の趣旨にも反する」(栃木県議会)ものです(毎日新聞 2007年12月27日東京夕刊)。母親が無戸籍であり、その子供もまた無戸籍となるという、無戸籍児の連鎖は、民法772条の嫡出推定自体に重大な問題があることを示したものといえるのです。

もっとも、現在は、離婚後300日規定に関する法務省通達があります。すなわち、 離婚後300日以内に生まれた子で、出生届に「離婚後妊娠」を示す医師の証明書を添付すれば「前夫の子でない(現夫の子)」との届けを認める内容です。平成19年5月21日以降の出生届から適用していて、証明書には、妊娠推定時期が明記されており、その期間内の離婚では「離婚前妊娠」と判断されます。

しかし、「離婚交渉が長引き、離婚届の提出が事実上の離婚の日より遅れることが常である中、通達の救済は対象の約1割」(石川県議会)であり、通達自体にも問題があるのです(毎日新聞 2007年12月27日東京夕刊)。このように、通達や運用では対処できないことを露呈しているのです。


なお、民法772条を改正することなく、運用を変更することで対応すべきとする意見もあります。例えば、水野紀子・東北大学教授は、民法772条は改正すべきではないが、役所は、前夫との子でないことが明らかな場合、現夫との子としての出生届を受け付けるように、より柔軟な運用にするべきであると主張しています(毎日新聞平成19年1月19日付朝刊)。

しかし、「民法772条は改正すべきではない」という根拠は、フランス民法でも同様の規定があるということだけであって、今回の事例を見ても分かるように、「無戸籍の連鎖」という現実の不合理さを何ら解決できておらず、机上の空論にすぎず全く妥当ではありません。水野教授は、代理出産問題に限らず、何かと「フランスでは」と言い出して正当化するのですが、それは日本法や日本の現状を無視した単なる「出羽守(でわのかみ)」であって、唾棄すべき態度なのです。(もう、家族法学者を辞めるべきです)




3.「無戸籍の連鎖」は、多くの憲法上の人権が保障されないことの連鎖をもたらします。民法772条の規定の見直しを求める地方議会からの声も多く、5月20日現在114の議会で意見書を可決していることは(毎日新聞2008年5月20日付)、住民と直接接している自治体が危機感を抱いていることを示しているといえるのです。

「今回の母親のように前夫を巻き込んだ裁判ができない場合などで無戸籍児となる状況は今も変わらない。国会や行政は、異常な状態を改めるべく対策を早急に講じるべきだ。」(毎日新聞)


この「無戸籍の連鎖」という「異常な状態」は、この女性の家族以外にも発生する可能性を十分に秘めているのであり、早急に解消すべき問題です。とすると、民法772条自体に問題があるのですから、通達や運用で対処すると言った小手先の対応ではなく、民法772条自体の改正を行うべきなのです。


(嫡出の推定)
民法第772条  妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。
2  婚姻の成立の日から二百日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から三百日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。」



民法772条の規定は、現在の「離婚後300日以内に誕生した子」は「前夫の子」とする規定を改めて、「後夫の子」と推定する規定に変更するべきです。なぜなら、一般経験則上、離婚に至る前に別居するのが通常であり、離婚手続完了後(再婚禁止期間経過後)すぐに再婚した場合は、再婚相手と同棲するなどして再婚相手と性的関係がある可能性が高いので、生まれてくる子は後夫の子であると推定した方が合理性があるのですから(「離婚後300日問題(民法772条問題)~離婚後に出産、子供の戸籍は?」(2007/02/12 [Mon] 13:46:48))。

テーマ:法律全般 - ジャンル:政治・経済

コメント
この記事へのコメント
中途半端な記憶に基づいてのコメントで申し訳ないのですが、確か民法第772条の立法趣旨って元々は「子の権利保全」にあるんじゃありませんでしたっけ。
つまり、女性の社会的立場や法的権利が著しく低かった旧法制度下で、夫から三行半突きつけられて一方的に離縁された妻が離婚時に身ごもっていた場合、その出生子を私生児にしないため(元の夫に子の扶養義務を課するため)の救済的な条文だったとか・・・そんなことを学生時代に教わった記憶が漠然とあります。

もしそうであるとすると、いま発生している事態は、条文の字義的解釈は兎も角として立法趣旨とは完全に相反したものと言いうるので、十分な立法根拠(法改正根拠)になりうると考えられるのではないでしょうか。

ただし、一般経験則に基づいて一律の判断を定めてしまうと、その「一般」が全件数に対してどの程度の比率になるかにも拠りますが、いま思いつく限りでは相続権や扶養義務などで逆に不利益を生じる虞なしとしないので、DNA鑑定等の一定の客観的合理性を持った根拠の提示があれば、その証拠の示すところに従うべきとするような柔軟性は持たせたほうが良いのではないかと愚考いたします。

逆を言えば、前記のような科学的客観証拠の提示があれば772条の推認が働かないよう手当できるならば、立法手順を踏んでの法改正までは必要がないのかもしれません。
2008/05/21 Wed 14:31:12
URL | 惰眠 #Oy5awZbQ[ 編集 ]
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2008/05/21 Wed 15:09:15
| #[ 編集 ]
>惰眠さん:2008/05/21 Wed 14:31:12(5月24日追記し、それに伴って修正しました)
コメントありがとうございます。


>確か民法第772条の立法趣旨って元々は「子の権利保全」にあるんじゃありませんでしたっけ。
>女性の社会的立場や法的権利が著しく低かった旧法制度下で、夫から三行半突きつけられて一方的に離縁された妻が離婚時に身ごもっていた場合、その出生子を私生児にしないため(元の夫に子の扶養義務を課するため)の救済的な条文だったとか・・・そんなことを学生時代に教わった記憶が漠然とあります。

772条の嫡出推定規定は、沿革的には、本当に夫の子供なのかなどという第三者の疑問を排除し、夫の名誉を守ることにありました(内田『民法4』170頁、二宮周平・榊原富士子『21世紀親子法へ』43頁)。現在では、家庭の平和を乱すことを防止することと説明され、さらには、子供に適切な父親を与えることにあると説明されています(新版注釈民法(23)152頁)。

ですので、「子の権利保全」という説明は、広く捉えればそういう説明も可能かもしれませんがあまり一般的ではなく、また、「女性の社会的立場や法的権利が著しく低かった旧法制度下で、夫から三行半突きつけられて~」という説明の方は、間違っています(追記を参照して下さい)。

婚姻解消後300日規定の根拠については、医学的知見によると300日を超えて出産することは幾らかあっても稀であるので、300日までを懐胎期間と定めて、離婚後もなるべく前夫の子であるとして、父子関係を安定させようとしたものです。要するに、医学的知見に基づいて定めたわけです。

なお、「離婚後300日問題(民法772条問題)~離婚後に出産、子供の戸籍は?」でも、趣旨の説明はしています。
http://sokonisonnzaisuru.blog23.fc2.com/blog-entry-289.html


>前記のような科学的客観証拠の提示があれば772条の推認が働かないよう手当できるならば、立法手順を踏んでの法改正までは必要がないのかもしれません。

前夫と死別し、その後婚姻していない場合には、前夫の子と推測するのは妥当です。しかし、離婚の場合は別なのです。

経験的には、離婚に至る前に別居するのが通常であり、離婚手続完了後(再婚禁止期間経過後)すぐに再婚した場合は、再婚相手と同棲するなどして再婚相手と性的関係がある可能性があるため、生まれてくる子は後夫の子である可能性が高いのです。このように、離婚後300日以内に誕生した子は前夫の子というよりも、後夫の子と推定すべきだったのです。

そのため、772条2項が離婚後300日以内に誕生した子を前夫の子と規定すること自体に問題があるとも言われています(川上房子「妻の出産した婚外子」婚姻法改正を考える会編著「ゼミナール婚姻法改正」(1995年、日本評論社)234頁、二宮周平著「家族法(第2版)」(2005年、新世社)52頁)。「離婚後300日問題」の根本問題は、772条2項が離婚後300日以内に誕生した子を前夫の子と規定したことだといえるのです。「科学的客観証拠の提示」があれば十分ということではないのです。

繰り返しておきます。民法772条の推定規定自体は存続させる必要があることを前提として、離婚の場合に、前の夫の子と推定するのか、今の夫の子と推定するのか、どちらが妥当なのかが問題なのです。


たしかにDNA鑑定を役所に提出すれば足りるという扱いでもかなり救済できると思います。

ただし、仮にDNA鑑定だけで処理するとしても、今の司法では、必要な鑑定は「新夫の子」としての証明ではなく「前夫の子ではない」ことの証明のために行われるので、前夫がDNA鑑定に応じなければならないことが難点です。ただし、今の夫と子供のDNA鑑定を裁判所又は役所に出せば済むのであれば別ですが。

仮に、DNA鑑定でよいとしても、費用がかかる難点はありますし、その鑑定する機関の信頼性の問題もあります。DNA鑑定は、決定的な解決手段とはいえないように思います。

よく考えれば、今の夫の子であることが明白なのに、なぜわざわざDNA鑑定といったような費用と時間をかける必要があるのでしょうか。実に無駄なことです。今の夫の子であるとの推定規定にすれば、そんな無駄は不要です。


>いま思いつく限りでは相続権や扶養義務などで逆に不利益を生じる虞なしとしないので

前の夫の子と推定するのが妥当なのか、今の夫の子と推定するのか、どちらが妥当かという問題なのですから、今の夫の子にすることで不利益は生じません。

むしろ、離婚して同居していない前夫を父親とするよりも、同居しているはずの再婚後の夫の方を父親として扱う方が、子供の養育にとって好ましいと思います。前夫からDVを受けて逃げている場合であれば、なおさら前夫を父親と扱うのは妥当ではありません。

仮に前夫がDVを行っていないとしても、前夫にとっては、自分の子供でないと分かっているのに、なぜ自分の子供として扶養義務を負わされるのかと、不合理であると感じるはずです。


<5月24日追記>

やはり気になったので。

>女性の社会的立場や法的権利が著しく低かった旧法制度下で、夫から三行半突きつけられて一方的に離縁された妻が離婚時に身ごもっていた場合、その出生子を私生児にしないため

嫡出推定規定が設けられたのは民法制定時(明治31年)ですので、「旧法制度下」とは江戸時代のことだと思います。その江戸時代は、男尊女卑ではありましたが、実態は女性の地位は決して低くありませんでした。ですから、「旧法制度下」に「女性の社会的立場や法的権利が著しく低かった」というのは、疑問に感じます。

三行半という離縁ができた江戸時代の実態について、昔は、「夫から三行半突きつけられて」離婚したという理解をしていました。

しかし、研究が進み、その理解は間違っているとされています。妻の側が、夫に対して三行半という離縁状を求めたものであって、また、庶民における離婚は、夫が専制的に離婚できたわけではなく、親類・仲人等を交えての協議(熟談)による離婚でした(高橋ほか『民法7』(有悲閣アルマ)64頁)から、夫の側が勝手に妻を離婚することは難しかったのです。むしろ、妻の側から一方的に離婚できる場合もあるなど、妻の方が有利に離婚できたのです。

妻の方が再婚率が高く、妻が再婚をするために離縁状が必要だったことから、夫には離縁状(三行半)を書く義務があったと評価されています。このように、「夫から三行半突きつけられて」という理解は、実情とは異なっていることがよく分かると思います。

なお、武士階級では、妻は持参金を背景として強い発言力があったことから、妻の地位は低いものではなかったようです。

明治時代に民法が制定され、それによって家制度の強化、男尊女卑の強制になってしまったことで、女性の地位は著しく下がってしまったというのが、現在の一般的な理解です。


ちなみに、江戸時代は、親子関係の成立の主たる目的は跡継ぎを確定することにあったので(二宮周平・榊原富士子『21世紀親子法へ』40頁)、子供が生まれてきたら万々歳なのです。必要とあれば、養育費用は関係のあった男たちが分担するという、大らかな慣行さえもありました。ですから、「一方的に離縁された妻が離婚時に身ごもっていた場合、その出生子を私生児にしないため(元の夫に子の扶養義務を課するため)」ということは、あり得ないように思います。
2008/05/23 Fri 21:39:52
URL | 春霞 #5oClkA7g[ 編集 ]
>非公開コメントの方へ:2008/05/21 Wed 15:09:15
コメントありがとうございます。
非公開コメントですので、修正した形にして引用することにします。


>既に批准しているはずの、子供の権利条約を遵守するなら、このような問題は起こるわけがない

もうホント、そのとおりです。日本では、条約を締結しようとも、ちっとも遵守しなかったります(人権規約など)。

地方自治体の方が、「無戸籍児の存在は、我が国が批准する『児童の権利に関する条約』7条(出生後ただちに登録される)の趣旨にも反する」(栃木県議会)と厳しく批判しているのに、法務省は法改正に抵抗し、無戸籍の者を放置するのですから、訳が分かりません。国民の権利を保護するのは国の役目なのに。条約の方が法律よりも、法形式上、優位にあることも、法務省はすっかり無視していますし。
2008/05/23 Fri 21:52:43
URL | 春霞 #5oClkA7g[ 編集 ]
別の視点から。
ちっときつい言い方になるが、妊婦も悪いし、その妊婦の母親がすべて責任を負うべきであると考えます。

ルール自体は確かに旧世代のものであることは否定しませんし、それは時代により変更されるのは構わないと思います。


親が自分勝手な都合(あえて言い切ります)で子供を無戸籍しておきながら
27年も放置したからこうなったのではと。
残念だけど、現状の制度では親が動かない限りは救済されないのよね。ここは改正されるべきであるとは思います。
もうひとつの理由としてそんな時期に妊娠したこと自体は不問にします。そのこと自体は民法には違反していませんというのが理由です。
個人の信条ですからね。ここでグダグダ言うのは法律論から考えてみたら意味がないことですし。
もし、この人たちが300日問題を解決した上で改正を叫ぶならばまだ納得がいくが、
ルール違反を堂々とやっておきながら己の都合の良いようにルール改正を求める。
これってちゃんとルールを守った方々に失礼なんでは?と思うのですよ。

そこを置き去りにすると変なことになるんじゃないかと本気で心配してたりします。

2008/05/25 Sun 13:44:26
URL | akikan #xh7JCHKQ[ 編集 ]
>akikanさん:2008/05/25 Sun 13:44:26
コメントありがとうございます。

>妊婦も悪いし、その妊婦の母親がすべて責任を負うべきである
>親が自分勝手な都合(あえて言い切ります)で子供を無戸籍しておきながら
>27年も放置したからこうなったのではと

この27歳の女性の戸籍を作る場合に、この女性の母親の今夫の子供とするためには、前夫の協力(DNA鑑定など)が必要となります。しかし、この母親は夫の暴力などを理由として離婚したのですから、通常、協力を求めることは難しいですし、協力を求めたら、前夫に殺されてしまうかもしれません。

戸籍は作れず、殺される……。実にリスクが大きいことです。知り合いにも、直接、押しかけることはなくなりましたが、別れてから十数年も経っているのに、未だに無言電話をかけてきているヤツがいます。コワすぎです。ですから、今回の事案において、「親が自分勝手な都合」で「27年も放置した」のがいけないとはいえません。


>ルール違反を堂々とやっておきながら己の都合の良いようにルール改正を求める。
>これってちゃんとルールを守った方々に失礼なんでは?と思うのですよ

民法772条2項が離婚後300日以内に誕生した子を前夫の子と規定すること自体に問題があるとも言われています(川上房子「妻の出産した婚外子」婚姻法改正を考える会編著「ゼミナール婚姻法改正」(1995年、日本評論社)234頁、二宮周平著「家族法(第2版)」(2005年、新世社)52頁)。ですから、元々、ルール(離婚後300日規定)がおかしいのですね。

「離婚後300日問題(民法772条問題)~なぜ最近になって「300日規定」が問題視されるようになったのか?」で触れたことですが、<1>出産年齢の高齢化により、300日規定の不合理性がより顕在化したこと、<2>300日規定により、前の夫の子とされる子供が多数存在すること、<3>DVの増加・過激化などで前夫のかかわりを避けざるを得ない状況が増えてきたことです。
http://sokonisonnzaisuru.blog23.fc2.com/blog-entry-297.html

このように、良くないルール(離婚後300日規定)の不合理性が、近時、一層顕在化したわけです。だから、法改正をしようとしているのです。

ちなみに、民法772条自体、判例による修正が多すぎて、空洞化しているとさえ、言われて久しいのです。ですから、民法772条の墨守を唱える学者はほとんどいないというのが実態でしょうね。

「ちゃんとルールを守った方々」としていますけど、ここで問題となっているのは、嫡出推定の問題であり、前夫の子供と推定するのか、後夫の子供と推定するのが妥当なのかということです。ルールを守る、守らないという話ではないように思いますけど。


>そこを置き去りにすると変なことになるんじゃないかと本気で心配してたりします

少なくとも、民法772条の「離婚後300日規定」は不合理な規定ですし、嫡出推定の話にすぎません。ですので、何か「変なこと」になるのかな、と思います。
2008/05/26 Mon 01:41:23
URL | 春霞 #5oClkA7g[ 編集 ]
春霞さん、ご教授ありがとうございます。
そうすると私が学生時代に聞いたのは、その講義を担当していた教授の「自説」と言うか「オレ解釈」を中途半端に記憶してたってことですね。多分。
2008/05/26 Mon 16:21:05
URL | 惰眠 #Oy5awZbQ[ 編集 ]
あまり反論はしたくないのですが・・・・
論点がずれているようなので再び書き込みます。

法改正を求めるのは問題ないが、ルール違反を行った人たちが法改正を叫ぶことが問題なのです。
これはこの民法が悪い法律であるかどうかは別だと思いますけど・・・・・・

無戸籍の家族のすべてが止むを得ない理由とは限りません。確実に自分勝手な理由が存在してると思います。

悪い法律ではありますが、ルールはルールなので遵守してもらわないと、いやいやながらもルールを守ってきた人たちを侮辱したことにならないでしょうか?


だから前にも書きました通り、とりあえず戸籍は確保した上で法改正を求めるのが筋ではないだろうかと申し上げました。

>そこを置き去りにすると変なことになるんじゃないかと本気で心配してたりします

この場合自己都合も止むを得ない事情も一緒くたにされています。
止むを得ない事情であるならば賛成するが、自分勝手な理由で法改正されるのはゴメンだ。言いたいことは理解いただけたらありがたいのですが。
光市の裁判みたいなことにならないか本気で心配なのです。
2008/05/26 Mon 23:41:34
URL | akikan #xh7JCHKQ[ 編集 ]
>惰眠さん:2008/05/26 Mon 16:21:05
コメントありがとうございます。


>私が学生時代に聞いたのは、その講義を担当していた教授の「自説」と言うか「オレ解釈」を中途半端に記憶してたってことですね

江戸時代の婚姻関係については、家族法の分野というよりも、日本の歴史に属するものですし、本当の実情は、それほど昔から知られた事実ではないのです。ですから、民法学者の中でも真実を知らない方が結構いるのでしょうし、家族法学者でも、かなり精通した学者でないと知らないと思います。最近まで法律書には、江戸時代の状況はまるで書いていませんし、今でもほとんど書いていません。

おそらく、惰眠さんが講義で聞いた教授の「自説」なのだと思いますが、昔はそのような「自説」を述べる教授は数多くいたのでしょう。むしろ、説明してみただけでも立派なのかもしれません。ですから、惰眠さんがその教授の「自説」を信じてしまっても、全く惰眠さんの責任ではないと思います。

……その割には、手厳しく書いてしまい、すみません(汗)。昔、この当たりの話が議論になったとき、徹底的に教え込まれたことを思い出し、ついつい熱心に書いてしまいました。
2008/05/29 Thu 00:17:04
URL | 春霞 #5oClkA7g[ 編集 ]
>akikanさん:2008/05/26 Mon 23:41:34
コメントありがとうございます。


>論点がずれているようなので再び書き込みます

なるほど、了解しました。


>無戸籍の家族のすべてが止むを得ない理由とは限りません。確実に自分勝手な理由が存在してると思います。
>悪い法律ではありますが、ルールはルールなので遵守してもらわないと、いやいやながらもルールを守ってきた人たちを侮辱したことにならないでしょうか?
>止むを得ない事情であるならば賛成するが、自分勝手な理由で法改正されるのはゴメンだ

法改正若しくは改善を求めている「民法772条による無戸籍児家族の会」の会員については、解決方法が見つかっているのにも関わらず、意図的に届出していないという家族は現在のところ、1組もいないとのことです。

ですから、ルール改正を求めている「民法772条による無戸籍児家族の会」については「止むを得ない理由」があり、「確実に自分勝手な理由が存在してる」とはいえないようです。
http://ameblo.jp/family772/entry-10099551059.html

他の疑問点については、この「民法772条による無戸籍児家族の会」の「よくある質問」をみると、分かるのではないかと思います。
http://ameblo.jp/family772/theme-10007270575.html


「悪い法律ではありますが、ルールはルールなので遵守せよ」ということは分かります。

ただ、家族法(親族法・相続法)の分野では、それを強調することは難しいでしょうね。

家族は、市民社会及び国家の最小集団であり、それらの基盤であると考えられてきたため、秩序維持の観点から、家族の法律関係は自由な取り決めに委ねることはできず、強行法規性という要素が強いのです。

ところが、家族関係は、晩婚化、未婚率の上昇、離婚の増加、老齢者の増加など、家族の実態が変化しており、それに対応して家族法については何度も部分改正されています(1976、1980年、1987年、1999年など)。このように、強行法規性という要素が強く、個々人の柔軟な対応で対処できないだけに、問題が生じれば、機敏に法改正することが求められているわけですね。

実態としても、家族関係を巡る事情は、結婚・離婚などで多数の親族が関係してくると、個々の家族の生活事情と関連して感情的な軋轢が多くあるのです。ですから、解決するルールがあっても、十数年も争うことも珍しくなく、時には軋轢を悲観して自殺者まで出てくることもあります。家族関係には、こうしたドロドロした事情があることを十分に理解したうえで、家族関係の処理を考えなければなりません。そしてまた、大人のドロドロした事情に右往左往されてしまうのが幼い子供たちでもあります。

このように、家族関係では「ルールはルールなので遵守せよ」と求めても難しい面が多々あり、「悪い法律」ではなおさら難しいと思うのです。

もう1つ。
家族法の分野に限らず、「悪い法律ではありますが、ルールはルールなので遵守せよ」というのは、現在の法律論としては多少疑問に感じます。

悪い法律なら、積極的に法改正すべきであり、不合理な規定(立法の不備)の放置は「立法不作為」として違憲無効(積極的な解決策も必要)となることがあるので、悪い法律も遵守せよということを貫くことは難しいのです。

大上段に構えると、日本国憲法も「法の支配」の原理に基づいていますが、その「法の支配」は、法の内容的な正しさを求めているのですから、「悪法も法なり」を貫くのは難しいと思うのです。

……今回は論点がずれていないと思いますが、どうでしょうか(汗)
2008/05/30 Fri 23:54:38
URL | 春霞 #5oClkA7g[ 編集 ]
>実態としても、家族関係を巡る事情は、結婚・離婚などで多数の親族が関係してくると、個々の家族の生活事情と関連して感情的な軋轢が多くあるのです。ですから、解決するルールがあっても、十数年も争うことも珍しくなく、時には軋轢を悲観して自殺者まで出てくることもあります。家族関係には、こうしたドロドロした事情があることを十分に理解したうえで、家族関係の処理を考えなければなりません。そしてまた、大人のドロドロした事情に右往左往されてしまうのが幼い子供たちでもあります。

私が個人的に思うこととして、むしろ逆のような気がします。772条が辛うじて秩序を保つ役割をしてのではないかと思うのです。
正直私の身内は相当どろどろしていますし。民法の縛りがあったからこそ維持されていたのではないかなと思う次第であります。
それと、対効果比で考えた場合、300日問題の啓蒙のほうが法改正を求めるより優れているのではないだろうかととも思う。単に改正を求めることだけが対策ではないし。

私の両親は離婚こそしていませんが772条に守られた気がします。
軋轢に巻き込まれた人間が言う意見も尊重してもらいたい次第であります。
法改正だけでは片手落ちの状態ではないかと。
2008/06/04 Wed 00:47:35
URL | akikan #xh7JCHKQ[ 編集 ]
300日問題の周辺
300日問題について、知りたいと思い、拝見させていただきました。

300日のラインで守られる人権、はじき出されてしまう人権、特にはじきだされてしまった方々については
積極的な救済が必要だと、感じています。
なぜか、、、

akitanさんが言われているような
>親が自分勝手な都合(あえて言い切ります)で子供を無戸籍しておきながら
>27年も放置したからこうなったのではと。

というような、実態に目をそむけ、主観にとらわれすぎた、いわゆる差別を助長してしまうのは、許されないと思うからです。

300日ルールはいまや排他的な、差別をするための
法律という感じがしてなりません。

問題がおきている以上、当事者が解決する問題、と
するのではなく、当事者を救済するために、みんなで問題に目を向け、より多くの人が幸福を得る形に変更してはどうでしょうか。
2008/06/06 Fri 18:23:59
URL | りんたろう #YG9ONXHE[ 編集 ]
>akikanさん:2008/06/04 Wed 00:47:35
コメントありがとうございます。お返事が遅れてすみません。


>772条が辛うじて秩序を保つ役割をしてのではないかと思う

民法772条は、父子推定の規定であり、第三者が自分の子と主張するなどして家庭の平和を乱すことを防止し(家庭平和の維持)、早期に父子関係を安定させようとしたものです。あけすけに言えば、「自分が真実の父親でないのに、父親であるとして我慢しろ」というものであり、子供に対しても「真実の父親を探すのは諦めろ」と冷徹に言い放ち、争いを強制的に止めるものでもあります。

ですから、争いを強制的に止める点で、772条が「秩序を保つ役割」はあることは確かですね。

しかし、「自分が真実の父親でないのに、父親であるとして我慢しろ」「真実の父親を探すのは諦めろ」で、良いのかが問題なのです。真実の父子でないのに父子として我慢でき、納得できればそれでいいのです。あくまで家族の問題なのですから。

ですが、真実の父子でないと分かっており、真実の父子関係に正したいと騒動になっているのに「父子として我慢しろ」では、その家族にとって不幸です。離婚後300日問題では、離婚して自分が父親でないのにその子供の父親とされてしまい、前夫の家族・今夫の家族双方にとって不幸な状態なのです。それを我慢しろというのは不合理ですし、子供にとっては、真実の父親と父子関係を認められないのですから、憲法13条で保障されている「自己の出自を知る権利」を侵害されているといえるのです。

772条を削除しろというのではないのです。父子関係につき真実の父子関係に正したいと騒動が生じたのならば正す方法を簡易にし、できるだけ騒動が生じないような規定に改正する方が家族関係が安定するのであり、それは家庭平和の維持という772条の趣旨にかなうだろうということなのです。


>対効果比で考えた場合、300日問題の啓蒙のほうが法改正を求めるより優れているのではないだろうかととも思う。単に改正を求めることだけが対策ではないし。

江戸時代からの伝統に近いのですが、明治民法当初は、日本人は妊娠又は子供が生まれてから婚姻届を出すこと多く、そのため、戸籍(婚姻届)と父子推定を連動させた772条は、制定当初から判例や運用上修正されてきました。そのため明治時代から長年かけて、772条の推定制度はほとんど空洞化しているのが現状であり、DVの深刻さが影響して「無戸籍の連鎖」が生じています。

そして、家族関係の変化は止めることはできません。だいたい、検察官も民法772条に気づかずに起訴した事件が起きたくらいなのですから、「300日問題の啓蒙」をしたところで、限界があります。↓をご覧ください。
「離婚後300日問題(民法772条問題)~地検も知らない民法772条?」
http://sokonisonnzaisuru.blog23.fc2.com/blog-entry-299.html

今は、300日規定だけ問題なっていますが、結婚、離婚、子供の関係など民法規定で規制されているのですから、すべて問題が生じれば民法規定に戸惑う市民が多いはずです。「300日問題」だけ「啓蒙」しても問題の1つだけですし、その問題に直面して初めて意識するものですから、あまり意味がないように思います。

もしかしたら、家族法に関係する規定すべて啓蒙するのですか? しかし、それだと多すぎて誰もすぐに忘れてしまい、元々、聞かないかもしれません。

ですから、明治時代から長年かけて772条を空洞化したですから、どんなに啓蒙しようが772条の規定どおりに戻すことは不可能です。「対効果比で考えた場合」、「300日問題の啓蒙のほう」よりも「法改正を求め」た方が「優れている」のです。


家族法の規定は、家族関係の変化に伴い、常に民法を改正し戸籍実務を変更してきました。つい最近も、最高裁は国籍法3条の点につき、家族関係の変化を考慮して、違憲と判断しました。家族関係は常に変化し、その変化は止めることはできないのです。ですから、家族関係の変化を考慮して、民法772条を変更することも大したことではないのです。
2008/06/08 Sun 18:39:52
URL | 春霞 #5oClkA7g[ 編集 ]
>りんたろうさん:2008/06/06 Fri 18:23:59
はじめまして、コメントありがとうございます。


>300日問題について、知りたいと思い、拝見させていただきました

ありがとうございます。


>>親が自分勝手な都合(あえて言い切ります)で子供を無戸籍しておきながら
>>27年も放置したからこうなったのではと。
>というような、実態に目をそむけ、主観にとらわれすぎた、いわゆる差別を助長してしまうのは、許されないと思うからです。

同感です。
無戸籍となると、(役所側に住民票を作成してもらい、健康保険に加入できればいくらか救済できますが)単なる日本にいる海外から旅行者と大して変わりません。教育など国民なら当然に得られるべき権利・利益を得ることさえ、役所と交渉を行わなければならないのですから。

このように「無戸籍」にすることはデメリットが多すぎるのですから、「親が自分勝手な都合(あえて言い切ります)で子供を無戸籍しておきながら」なんて、まず考えにくい想定なのです。それなのに、そうした思い込みが生じてしまうことは、仰るとおり、「主観にとらわれすぎた」ものですね。

無戸籍になる人たちは、国民全体からすれば少数派でしょう。こうした「主観にとらわれすぎた」意識が蔓延するようだと、仰るとおり、少数派に対する「差別を助長」することになってしまいます。

現に、「民法772条による無戸籍児家族の会」(http://ameblo.jp/family772/)には、多くの「心無い誹謗中傷やいやがらせ」がなされているようです。まったく恥知らずな人間が多いものだと、嫌悪感を抱きます。

ただし思うのは、家族法の規定や現状を知らない人が多いから、「心無い誹謗中傷やいやがらせ」が生じてしまい、恥知らずな人間が出てくるのだと思います。

どんな問題でも共通することですが、問題となった物事をよく調べるという意識さえ持っていれば、「心無い誹謗中傷やいやがらせ」はできなくなるはずです。最近の日本社会は、何でも物事には多様な側面があることを考えることなく、感情に流れやすいなと感じています。特に、この問題は法律問題なのですから、個人の主観的な経験や思い込みで判断してはいけないはずなんですけどね。
2008/06/08 Sun 18:46:39
URL | 春霞 #5oClkA7g[ 編集 ]
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2008/06/10 Tue 00:28:11
| #[ 編集 ]
多様な側面と単一民族の日本
コメントありがとうございます。

多様な側面を考えない、というご指摘に共感いたします。
戸籍の問題は、親子または家族とは何かということを問われているように思います。
特に最近は親子、家族の形もいろいろな形があり、
これからは医療の発達などでもっとその形は増えるかもしれません。

どうも日本人は、人任せ、蓋をするのが得意なようで
マイノリティの問題になると途端に深い豊かな想像をはたらかせなくなってしまうような気がします。

単一民族だから、なのでしょうか。

という言い方も、あまり想像力のない言い方かもしれませんが。。。

自分とお隣さんは、違う考え方もし、違う生き方、違う幸せも探すこともある、ということをスマートに身につけるには今の日本には何かが足りないような気がしてなりません。(キムタクのような首相でしょうか。)

脱線してしまいましたが、親子とはなにか、家族とは何か、という観点からこの300日問題をさらに考えてみたいと思います。




2008/06/10 Tue 04:05:07
URL | りんたろう #t8akqkqw[ 編集 ]
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2008/06/10 Tue 17:09:07
| #[ 編集 ]
>非公開コメントの方へ:2008/06/10 Tue 00:28:11
コメントありがとうございます。
非公開コメントですので、修正した形で引用します。


>無戸籍の救済を否定するものではありませんが、もう片方の当事者を差し置いて議論が先行するのはおかしいと思う

何度も書いていると思いますが、ここで紹介している事案では、暴力を振るっていた夫から逃げている母子ですよ? もう片方の当事者=暴力を振るっていた夫にどう配慮しろというのですか? 


>27年ってとっても長いです。母親が拒絶を止めれば解決するのでは?

母親が拒絶を止めるとはどういうことですか? 母親がわざと離婚していないとか、そういう妄想を抱いているのですか? 暴力を振るった夫から逃げているのですから、妻側としてはさっさと離婚したいはずです。どうしてわざと離婚しないのだという妄想を抱けるのか、全く理解できません。

男女共同参画白書平成19年版では、次のようになっています。

「警察庁の統計によると,平成18年中に検挙した配偶者(内縁関係を含む)間における殺人,傷害,暴行は2,239件,そのうち2,082件(93.0%)は女性が被害者となった事件である。女性が被害者となった割合は,殺人は179件中117件(65.4%)と,やや低くなっているが,傷害は1,353件中1,294件(95.6%),暴行は707件中671件(94.9%),とそれぞれ高い割合になっており,配偶者間における暴力の被害者は多くの場合女性であることが明らかになっている(第1-4-3図)。」
http://www.gender.go.jp/whitepaper/h19/zentai/danjyo/html/honpen/index.html

母子は、死を覚悟してでも、離婚のために暴力夫と対峙しろというのですか? 死んでしまったら、離婚や戸籍の解決なんて全く無意味です。非公開コメントの方さんが主張していることは、明らかに非現実的です。

暴力夫は、何年経っても執拗に追いかけてくることがあります。27年経っているからといって、到底大丈夫などと約束できません。↓の事案では、別居から30年経っているのに暴力夫は離婚に応じないのです。こうした事例は少なくないのです。27年も経っているから何とかなるはずだ、なんて安易な考えです。

「無戸籍問題:新たに「無戸籍2世」の存在が明らかに~こうなると“無戸籍の連鎖”の存在は全国的には相当数あるのではないか。」(2008/06/04 [Wed] 07:00:11)http://sokonisonnzaisuru.blog23.fc2.com/blog-entry-1179.html


無戸籍問題、離婚後300日問題にしても、このブログでは、772条の改正が必要なことを法律書を引用して十分に書いていますから、貴方の考えが間違っていることは理解できたと思います。
ならば。お名前は伏せておきますが、非公開コメントさんが某ブログでコメントしている内容は、はっきりいって嫌がらせです。すぐに止めるべきです。

何か疑問があるのでしたら、図書館などで法律書を紐解いてご自分で調べてみたら如何でしょうか。ここのブログでもお答えはしますが。
2008/06/10 Tue 22:51:25
URL | 春霞 #5oClkA7g[ 編集 ]
>非公開コメントの方へ:2008/06/10 Tue 17:09:07
コメントありがとうございます。
コメント内容の性質上、修正した形での引用も難しいので、メールでお答えいたしました。
2008/06/10 Tue 23:33:56
URL | 春霞 #5oClkA7g[ 編集 ]
>りんたろうさん:2008/06/10 Tue 04:05:07
コメントありがとうございます。


>戸籍の問題は、親子または家族とは何かということを問われているように思います。
>特に最近は親子、家族の形もいろいろな形があり、これからは医療の発達などでもっとその形は増えるかもしれません。

今後も、ますます夫婦関係の弛緩、老齢者の増加、国際結婚の増加など、家族関係はますます変わっていきますから、それに対応して、戸籍の在り方、家族法も変えていくことになります。

こうして家族関係がどんどん変わっていくとしても、多くの人は、自分なりの家族の形への思い入れがあるわけですから、変化していく家族関係に抵抗を感じてしまうのだと思うのです。

変わっていく家族関係も「そういう家族の形もある」と思えればよいのですけどね。「自分なりの家族の形を強制的に変えろ」と言っているのではなく、「多様な家族関係を否定しないで欲しい」ということなのですが。


>マイノリティの問題になると途端に深い豊かな想像をはたらかせなくなってしまうような気がします

皆さん、意外と豊かに暮らしているから、マイノリティの側のことを理解できないということもあるでしょうが、もっと酷い生活状況にあるから、「深い豊かな想像をはたらかせ」る余裕がないということなのかもしれませんね。「私のほうがもっと酷いのだから、それくらい我慢しろ」と言う感じでしょうか。批判を向けるべき相手が違うだろうと、思いますけどね。


>単一民族だから、なのでしょうか。
>という言い方も、あまり想像力のない言い方かもしれませんが。。。
>自分とお隣さんは、違う考え方もし、違う生き方、違う幸せも探すこともある、ということをスマートに身につけるには今の日本には何かが足りないような気がしてなりません。

「単一民族だから」という点は、さすがにどうかは分かりません。

ただ、変化していく家族関係に反発してしまうのは実情を知らない点があるでしょうし(未知のことへの不安感)、「違う考え方、違う生き方、違う幸せ」を受け止めようとしても、日本社会への不安感があるために受け止めきれないからかなと、漠然と思っています。


>キムタクのような首相でしょうか。

フジテレビのドラマ「CHANGE」ですね。
何度か見ていますが、うまく作ってますし、評判も良いドラマのようですね~。小泉元首相やその秘書のネタが見え隠れするので、好みが分かれそうですけど。
2008/06/12 Thu 00:47:27
URL | 春霞 #5oClkA7g[ 編集 ]
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2008/05/21(水) 15:05:12 | ??ļ?
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