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主に社会問題について法律的に考えてみる。など。
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2010/09/25 [Sat] 04:46:57 » E d i t
沖縄県の尖閣諸島沖(中国名・釣魚島)の日本領海内で起きたで中国漁船と石垣海上保安部(沖縄県石垣市)の巡視船が衝突した事件で、石垣海上保安部が公務執行妨害容疑で逮捕した中国人船長、せん其雄(せん・きゆう、せんは憺のつくり)氏(41)について、那覇地検は平成22年9月24日、処分保留のまま釈放すると発表しました。捜査を徹底せず、不明確な根拠のままで釈放を決めたことから、日本側の“超法規的措置”との指摘は免れない。

 「中国漁船は7日朝、沖縄県石垣市・尖閣諸島(中国名・釣魚島)・久場島(くばじま)の北西約10キロで停船を命じられたが逃走し、追尾してきた第11管区海上保安本部(那覇)の巡視船に衝突。11管は8日、漁船を故意にぶつけて海上保安官の立ち入り検査を妨害した疑いで、船長を逮捕した。船長は、故意ではなかったと否認していた。」(読売新聞2010年9月24日14時40分)




1.報道記事を幾つか。

(1) 共同通信:2010/09/25 01:09

中国人船長、処分保留で釈放へ 那覇地検「日中関係を考慮」

 沖縄県・尖閣諸島周辺の日本の領海内で今月7日、海上保安庁の巡視船に中国漁船が衝突した事件で、那覇地検は24日、公務執行妨害の疑いで逮捕、送検されていた漁船のセン其雄船長(41)を処分保留で釈放することを決めた。国土交通省によると、船長は25日未明、チャーター機で石垣空港を出発、帰国する。

 那覇地検は「わが国国民への影響や、今後の日中関係を考慮すると、これ以上、身柄を拘束して捜査を続けることは相当ではないと判断した」と異例の説明。事実上の捜査終結とみられる。

 中国側が繰り返し抗議し釈放を要求する中、23日深夜には中国河北省で日本人4人が中国当局に拘束されていることが発覚。直後の釈放決定は「政治決着」をうかがわせ、政界からの批判に加え、周辺諸国には「中国の圧力に屈した」との見方が広がった。

 仙谷由人官房長官は記者会見で、検察独自の判断との認識を表明し「情状や犯行状況など総合的な判断と理解している」と強調。柳田稔法相は「指揮権を行使した事実はない」と述べた。

 中国外務省の姜瑜副報道局長は「船長に対する日本のいかなる司法手続きも不法で無効」と指摘する談話を出した。

 那覇地検によると、船長は容疑を否認。地検は「故意に衝突させたことは明白」と断定し、巡視船の乗組員が海に投げ出される恐れがある危険な行為だったとした。その上で「計画性は認められない」と指摘。巡視船の損傷程度や、乗組員にけががなかったことなども処分保留の理由とした。

2010/09/25 01:09 【共同通信】」



(2) 中国新聞平成22年9月25日付

責任押し付け合い “醜態”さらす政府 '10/9/25

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 中国漁船衝突事件は24日、逮捕、送検されていた中国人船長を処分保留で釈放決定。日中間最大の懸案は突然、大きく動いた。誰の判断なのか―。「那覇地検」という首相官邸。「政治の関与」をにおわす地検側。逮捕した海上保安部の対応を疑問視する声も。安全保障にもかかわる重大問題なのに、政府内部で責任を押しつけ合う“醜態”をさらした。

 ▽「地検に聞いて」

 「地検に聞いてほしい」。仙谷由人官房長官は、那覇地検が釈放決定を発表した約1時間半後の記者会見で、那覇地検が「今後の日中関係を考慮した」と説明したことの真意を質問され、素っ気なく言い放った。

 外務省の幹部は「われわれが働き掛けたわけじゃない」と、今回の決定には首相官邸サイドの意向があったことを強く示唆。“弱腰外交”との批判を外務省が受けないよう予防線を張った。

 地検を所管する法務省の柳田稔法相は「那覇地検は、上級庁の福岡高検、最高検と協議して判断した。法相として指揮権を行使した事実はない」と硬い表情でペーパーを読み上げ、関与を否定した。

 法務省内部からは「こうなることは逮捕時点で想像できた。海保の対応に問題があったのでは…」との指摘も漏れるが、海保筋は「担当検事も起訴するつもりだった。海保の処理は適切だった」と反論する。

 「完全に官邸首脳、官房長官案件だ。こういうのは絶対に痕跡は残さない」。官邸筋は政府首脳が判断したことを強くにおわせた。

 ▽一転弱気に

 仙谷長官は14日、中国漁船の行動を「故意、意図的にぶつけてきている」と批判し「日本の国内法で粛々と措置しなければならない」と言明。満州事変の発端となった柳条湖事件から79年となる18日の前には、中国の世論に配慮して釈放に踏み切るとの憶測も流れたが、首相周辺は「あり得ない。政治的な判断は入らない」と否定していた。

 流れが変化したのは21日。中国の温家宝首相が訪問先のニューヨークで拘置中の中国人船長を「即時に無条件で」釈放するよう要求。閣僚級の交流停止などに加え、さらなる対抗措置も辞さない姿勢を鮮明にした。

 この直後、政府筋は「中国側の対応はエスカレートしている。(29日の拘置期限を待たずに)できるだけ早く結論を出した方がいい」と初めて弱気に。

 23日、中国・河北省で建設会社「フジタ」の日本人4人が軍事管理区域に許可なく侵入したため20日に拘束したと中国側が日本側に通報。レアアース(希土類)の中国から日本への輸出手続き停滞も判明し、中国は矢継ぎ早にカードを繰り出した。

 ▽米の影

 22日、米ニューヨークの日米外相会談。クリントン国務長官は、尖閣諸島に「日米安保条約は明らかに適用される」と明言し、中国をけん制。同時に対話による早期解決も要求した。日本政府の選択の余地は狭まっていたのも事実だ。

 中国国内の日本への反発は消えていない。中国人民大国際関係学院教授は「初めから船長を逮捕しなければ良かったのではないか。なぜ適切な政治判断ができなかったのか」と指摘。民主党代表選の「政治空白」が背景となったと見ている。中国の日本研究者らの間では「民主党は政権政党としての経験が浅く、大局に立って外交を考えられない」との失望感が広がった。

 自民党の谷垣禎一総裁は「『国内法に基づき処理する』と言いながら腰砕けになった」と批判。10月1日に召集される臨時国会で政府を追及する方針だ。」




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2010/09/22 [Wed] 12:58:11 » E d i t
障害者割引郵便制度の悪用に絡む厚生労働省の偽証明書発行事件で、大阪地検特捜部が押収したフロッピーディスク(FD)内の文書データを改ざん(変造)したとの疑いが平成22年9月21日、朝日新聞のスクープにより明らかになりました。すぐに捜査に着手した最高検は平成22年9月21日、証拠隠滅罪の容疑で、同事件の主任検事前田恒彦(43)を逮捕しました。なお、前田恒彦検事は9月21日までの大阪地検の事情聴取に改ざんを認めましたが、「誤ってやった」などと故意を否定する説明をしているようです。

もっとも、朝日新聞は、「朝日新聞 会社案内2010」において、調査報道によって「大阪地検特捜部も2009年2月、強制調査に乗り出し」「厚生省の職員と局長も逮捕しました」と誇らしげにしていました。要するに、朝日新聞が冤罪を作ってしまったのです。今回のスクープは「罪滅ぼし」のつもりでしょうか。




1.朝日新聞のスクープ記事の一部(9月21日付朝刊では1・34・35面にわたって記事にしていました)と、報道に対する村木元局長のコメント、村木元局長の主任弁護人を務める弘中惇一郎弁護士のコメントを紹介しておきます。

(1) 朝日新聞平成22年9月21日付朝刊1面(14版)

検事、押収資料改ざんか 

郵便不正事件  捜査見立て通りに FDデータ書き換え
2010年9月21日3時31分
  
 郵便割引制度をめぐる偽の証明書発行事件で、大阪地検特捜部が証拠品として押収したフロッピーディスク(FD)が改ざんされた疑いがあることが朝日新聞の取材でわかった。取材を受けた地検側が事件の捜査現場を指揮した主任検事(43)から事情を聴いたところ、「誤って書き換えてしまった」と説明したという。しかし、検察関係者は取材に対し「主任検事が一部同僚に『捜査の見立てに合うようにデータを変えた』と話した」としている。検察当局は21日以降、本格調査に乗り出す。

 朝日新聞が入手した特捜部の捜査報告書などによると、FDは昨年5月26日、厚生労働省元局長の村木厚子氏(54)=一審・無罪判決=の元部下の上村(かみむら)勉被告(41)=虚偽有印公文書作成・同行使罪で公判中=の自宅から押収された。FD内には、実体のない障害者団体が郵便割引制度の適用を受けるため、上村被告が2004年6月に発行したとされる偽の証明書や文書の作成日時などに関するデータが入っていた。特捜部は証明書の文書の最終的な更新日時を「04年6月1日午前1時20分06秒」とする捜査報告書を作成。FDは押収の約2カ月後にあたる7月16日付で上村被告側に返却され、村木氏らの公判には証拠提出されなかった。

 朝日新聞が今夏、上村被告の弁護団の承諾を得てFDの記録を確認したところ、証明書の文書の最終的な更新日時が「04年6月8日午後9時10分56秒」で、特捜部が捜査報告書に記した最終更新日時と食い違うことが分かった。

 このため、朝日新聞が大手情報セキュリティー会社(東京)にFDの解析を依頼。本来は「6月1日」であるべき最終更新日時が「6月8日」と書き換えられていた。その書き換えは昨年7月13日午後だったことも判明。この日はFDを上村被告側に返す3日前だった。

 また、他のデータについては上村被告が厚労省の管理するパソコンで操作したことを示していたが、最終更新日時だけが別のパソコンと専用ソフトを使って変えられた疑いがあることも確認された。検察幹部の聴取に対し、主任検事は「上村被告によるFDデータの改ざんの有無を確認するために専用ソフトを使った」と説明したとされるが、同社の担当者によると、このソフトはデータを書き換える際に使われるもので、改ざんの有無をチェックする機能はないという。

 特捜部は捜査の過程で、上村被告の捜査段階の供述などを根拠に「村木氏による上村被告への証明書発行の指示は『6月上旬』」とみていた。だが、証明書の文書データが入ったFD内の最終更新日時が6月1日未明と判明。村木氏の指示が5月31日以前でなければ同氏の関与が裏付けられず、最終更新日時が6月8日であれば上村被告の供述とつじつまが合う状況だった。

 朝日新聞の取材に応じた検察関係者は「主任検事から今年2月ごろ、『村木から上村への指示が6月上旬との見立てに合うよう、インターネット上から専用のソフトをダウンロードして最終更新日時を改ざんした』と聞いた」と説明。FDの解析結果とほぼ一致する証言をしている。(板橋洋佳)

■主任検事が大阪地検側の聴取に対して説明した主な内容は次の通り。

 上村被告宅から押収したフロッピーディスク(FD)を返す直前、被告がデータを改ざんしていないか確認した。その際、私用のパソコンでダウンロードしたソフトを使った。改ざんは見あたらなかったため、そのソフトを使ってFDの更新日時データを書き換えて遊んでいた。USBメモリーにコピーして操作していたつもりだったが、FD本体のデータが変わってしまった可能性がある。FDはそのまま返却した。」


【郵便不正事件】 障害者団体向けの郵便割引制度を悪用し、実体のない団体名義で企業広告が格安で大量発送された事件。大阪地検特捜部は昨年2月以降、郵便法違反容疑などで広告会社元取締役らを逮捕した。捜査の過程で、自称障害者団体を同制度の適用団体と認める偽の証明書が厚生労働省から発行されたことが発覚。特捜部は発行に関与したとして、同省元局長の村木厚子氏らを逮捕・再逮捕した。
 村木氏の公判では、同氏の関与を捜査段階で認めたとされる元部下らの供述調書が大阪地裁に「検事が誘導して作成した」と批判され、村木氏は今月10日の判決で無罪を言い渡された。」



(2) 朝日新聞平成22年9月21日付夕刊1面

村木元局長「恐ろしい」「一部のせいにせず検証を」
2010年9月21日13時5分

 郵便不正事件で被告となった厚生労働省の村木厚子元局長(54)は21日、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見した。「こんなことまであり得るのかと恐ろしい気持ちがした」と語ったうえで、「一部に変な人がいたんだという話にせず、事件全体について何があって、なぜこうなったのか検証してもらい、検察のあり方に生かしてほしい」と、検察に事件全体の検証を求めた。

 村木元局長は今回のFD改ざん疑惑の内容を新聞報道でしか知らないとしたうえで、「(供述を裏付ける際に)頼りになる客観的な証拠にこういうことをされたら、何を頼りにしていいかわからない」と語った。最高検が捜査に着手したことについては「検察の信用がかかった問題だ。何があったのか真相解明して欲しい」と望んだ。

 これに先立ち、村木元局長の主任弁護人を務める弘中惇一郎弁護士も同日午前、会見を開き、「検察の根幹を揺るがす大きな問題だ」と厳しく批判。今後、証拠隠滅容疑などで主任検事を刑事告発することも視野に対応を検討することを明らかにした。

 弘中弁護士は「検察側からの説明は一切ない」としたうえで、朝日新聞が報じた内容を前提に会見を進めた。「主任検事として事件をコントロールする立場の人がこういうことをしたのなら前代未聞だ」と指摘した。

 公判前整理手続きの段階で、検察側が問題のFDを証拠請求しなかったことについては「(起訴内容を裏付ける)一番重要な証拠なのに、なぜ証拠請求しないのかと不審に思っていた」と述べた。」



 イ:要するに、大阪地検特捜部の前田恒彦検事(43)は、、事件をコントロールする主任として、「村木さんから上村さんへの指示が6月上旬である」とのストーリーを作り上げていたため、そのストーリーに合わせるために、専用のソフトを使用して最終更新日時「6月1日」から「6月8日」に改ざんしたのです。それによって、無罪の決め手となる証拠が消滅し、有罪証拠の決め手となる客観証拠に改変してしまったのです。

無罪を示す証拠が有罪を示す証拠に改変されてしまうと、誰であろうとも容易に有罪にできるのであり、多くの冤罪が生まれてしまうのです。村木厚子同省元局長は、「こんなことまであり得るのかと恐ろしい気持ちがした」と語っていますが、今回の報道によって誰しもが捏造証拠で冤罪になり得る恐れを感じ、村木さんの言葉に共感したはずです。

このような証拠の捏造は、適正な証拠であるべきとする証拠裁判主義(刑訴法317条)に反することはもちろん、適正手続の保障(憲法31条)や公平な裁判(憲法37条)に反するものであって、絶対に許されないのです。

もっとも、前田恒彦検事は、改ざんを認めても、「誤ってやった」などと故意を否定する説明をしています。しかし、改変する専用ソフト――改変をチェックする機能はない――を使い、有罪証拠に改変したのですから、故意ではないという言い訳は困難でしょう。


 ロ:この有罪証拠の捏造事件は、大きく2点問題となります。

1点目としては、前田恒彦検事は、「主任検事として事件をコントロールする立場の人」でありながら、有罪証拠を捏造した疑いが濃厚なのですから、大阪地検特捜部全体が組織的に有罪証拠を捏造を行っているのではないか、または組織的に有罪証拠の捏造を放置していたのではないか、との疑念が生じます。

記事によれば、「朝日新聞の取材に応じた検察関係者は「主任検事から今年2月ごろ、『村木から上村への指示が6月上旬との見立てに合うよう、インターネット上から専用のソフトをダウンロードして最終更新日時を改ざんした』と聞いた」と説明」したとのことです。ある検察関係者は、今年2月に直接捏造の告白を聞いていながら今まで黙認してきたのですから、少なくとも大阪地検は捏造告白を隠蔽し「有罪証拠の捏造を放置していた」ことは確かといえるでしょう。

そうすると、村木厚子同省元局長への無罪判決で、特捜捜査の問題点が指摘された事件は、検察組織全体の信用性が損なわれる事態へと発展したのです。



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2010/09/21 [Tue] 01:22:00 » E d i t
お彼岸を迎えました。平成21年9月19日、諸宗山無縁寺回向院(東京都墨田区)において秋季彼岸会「家畜総回向」がありましたので、この法要のため参詣してきました。「家畜総回向」を含めたペット供養については、「Because It's There ペット供養関係」で何度か触れています。


諸宗山回向院は、安政大地震、関東大震災、東京大空襲など様々な天災地変・人災による被災者、海難事故による溺死者、遊女、水子、刑死者、諸動物など、ありとあらゆる生命が埋葬供養されており、有縁・無縁にかかわらず生きとし生けるすべてのものを供養する寺院です。この回向院は、今からおよそ350年前の明暦3年(1657年)に開かれた浄土宗の寺院ですが、「有縁・無縁に関わらず、人・動物に関わらず、生あるすべてのものへの仏の慈悲を説く」というのが、この寺院の理念となっています。



1.お彼岸の頃と重なるのですが、9月20日から26日は、動物愛護週間です。動物愛護管理法4条により、国民の間に広く動物の愛護と適正な飼養についての理解と関心を深めるため、9月20日から26日を動物愛護週間と定めています。そして、動物愛護週間には、全国各地で様々な動物愛護行事が行われます。

東京都内での行事は、平成22年度は「ふやさないのも愛」をテーマで開催されました。毎年、上野恩賜公園噴水池前広場で実施されているのですが、平成22年度は会場の都合という理由で、動物愛護週間前に実施してしまいました。

「◆平成22年9月12日(日)動物愛護シンポジウム(基調講演・パネルディスカッション) 13:00~16:30
【東京国立博物館(平成館講堂)】

●テーマ:ふやさないのも愛~繁殖制限を考える~ 動物たちの殺処分を減らすために、とても重要な繁殖制限。
 不妊や去勢について「なんとなくわかっているつもりだけど……」
という方は多いのではないでしょうか。
 この機会に、不妊・去勢や猫の室内飼育の重要性について勉強しませんか?
 また、手話通訳の用意をしておりますので、受付にてお申し出下さい。

●基調講演:小方宗次氏(ヤマザキ学園大学准教授)~ペット(犬・猫・ウサギ等)の不妊去勢手術について~
 ◆不妊去勢手術の必要性
 ◆各動物の性成熟期・繁殖スタイル
 ◆不妊去勢手術のメリット・デメリット
 ◆早期不妊手術とは

●講演1:加隈良枝氏(帝京科学大学講師)~猫の適切な飼い方について~
 ◆猫の歴史・生態・行動学
 ◆猫の飼い方(三原則)

●講演2:高木優治氏(新宿区保健所)~地域猫活動について~
◆適切な飼い方がされていないために、飼い主のいない猫が存在。
◆地域猫活動の官民協働体制

●講演3:林典子氏(ハロー動物病院院長)~ウサギの適切な飼い方について~
◆ウサギの不妊手術方法
◆繁殖力の強いウサギの適切な飼い方
◆学校飼育動物のウサギの現状

●パネルディスカッション:◆コーディネーター:小方宗次氏
◆パネリスト:講演者


◆平成22年9月18日(土)動物愛護ふれあいフェスティバル 13:00~16:30 
【上野恩賜公園噴水池前広場、こども動物園】
大テント
・動物愛護セレモニー
・勝ち残り○×クイズ大会
・愛犬のしつけ方教室
・聴導犬の実演
・動物紙芝居
中テント・ペット写真展
・おりがみ動物園
・動物クイズ広場
パネル展示コーナー・動物愛護週間ポスターコンクール入賞作品展
・動物個体識別事業
・災害に備えよう
動物愛護相談センター広場・動物愛護相談センターのお仕事紹介
 ~人と動物との共生社会の実現を目指して~
・パネル展示
・クイズコーナー」(「動物愛護週間中央行事実行委員会」のHPより引用)


今年のテーマは「ふやさないのも愛」であり、動物たちの殺処分を減らすための一方法です。

日本では30万頭もの犬や猫が殺処分されていますが、ドイツでは殺処分数はゼロです。日本のペットショップでは、売れる可能性が低くなった「生後約6ヶ月のビーグルの子犬を、生きたままポリ袋に入れて」、そのまま冷蔵庫に入れることで凍死させ、ゴミとして捨てるという信じがたい行為さえ、行っているのです(太田匡彦(著)『犬を殺すのは誰か ペット流通の闇』(朝日新聞出版、2010年)20頁)。日本とドイツでは、ペットの命の尊さがあまりにも違っているのです。

あまりにもむごいペット事情については、いつかまた触れる予定ですが、最近でた書籍としては、太田匡彦(著)『犬を殺すのは誰か ペット流通の闇』(朝日新聞出版、2010年)松坂星奈(著)『帰る家のないどうぶつたち』(PHP研究所、2010年)があります。ぜひご覧ください。



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2010/09/19 [Sun] 23:59:34 » E d i t
平成22年9月17日発足した菅改造内閣については、各新聞社が論評しています。そのうち、東京新聞は9月19日付「筆洗」において秀逸なコラムを掲載していましたので、紹介します。



1.東京新聞平成22年9月19日付朝刊

筆洗
2010年9月19日

 <自分の実力以下の地位につくと大人物に見えるが、自分の実力以上の地位につくとしばしば小人物に見えてしまう>。辛辣(しんらつ)な人間観察で知られる十七世紀のフランスの作家ラ・ロシュフコーの箴言(しんげん)だ

▼菅改造内閣の閣僚や党幹部の顔触れを拝見しつつ、「大人物」を探してみる。火中のクリを拾って幹事長に就任した岡田克也前外相は代表経験者だが、政権党の幹事長は実力相応のポストか

▼小沢一郎元幹事長が代表代行を受ければそれこそ「大人物」にふさわしかった。首相の説明では、「選挙疲れ」が固辞の理由というが、信じる人はだれもいまい

▼こうして見ると、片山善博前鳥取県知事の起用、馬淵澄夫国交相の抜てきをのぞくと、意外性の少ない人事だった。その分、際立ったのは政権の露骨な「脱小沢」の姿勢だ。小沢グループの入閣はゼロ。小沢氏を支持した二人の大臣は閣外に去った

▼若手中心の小沢グループの議員は副大臣や政務官で取り込む作戦のようだ。代表選で勝利した後に約束した「挙党態勢」はどこへやら。巨大な党内「野党」を挑発する人事で、「ねじれ国会」を乗り切れるのだろうか

▼いま、国の危機は党内抗争を許す状況にはないのに、世論の風頼りの「脱小沢」路線に傾く首相。「大人物」こそ浮かばなかったが、実力以上の地位についた「小人物」はすぐ浮かんだ。あえて名は伏す。」





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2010/09/17 [Fri] 21:28:39 » E d i t
菅改造内閣は平成22年9月17日夕方、皇居での閣僚の認証式を経て、正式に発足しました。

民主党の両院議員総会が平成22年9月17日、開かれ、岡田幹事長、玄葉政策調査会長、鉢呂国会対策委員長の新しい執行部人事が正式に承認されました。その両院議員総会で、菅首相は「代表選挙が終われば、ノーサイドで『412人内閣』をつくると約束したので、その方向に向けて進めていきたい。ぜひとも民主党政権が412人の力をあわせて、日本の20年におよぶ閉そく状況を打ち破る新たなスタートにしたい」と述べました。

しかし、菅首相は、党内人事及び改造内閣人事において、「代表選挙が終われば、ノーサイドで『412人内閣』をつくる」「民主党政権が412人の力をあわせる」という、挙党態勢を図るとした両院議員総会での言葉に著しく反する行動を示しています。



1.報道記事を幾つか。

(1) ANNニュース(09/17 14:44)

「脱小沢」示した布陣に 菅総理が内閣改造(09/17 14:44)

 菅総理大臣は、民主党代表の再選を受けて内閣改造を行いました。7人の大臣が留任や横滑りしたほか、代表選で菅総理を支持した議員が初入閣するなど、「脱小沢」の姿勢を示した布陣です。

 仙谷官房長官:「総務大臣・片山善博、国土交通大臣・馬淵澄夫、経済財政担当大臣・海江田万里、国家公安委員会委員長・消費者・少子化担当大臣・岡崎トミ子」

 このほか、法務大臣に柳田参院幹事長、文部科学大臣に高木義明衆院議員、厚生労働大臣に細川律夫副大臣、経済産業大臣に大畠章宏衆院議員、そして環境大臣に松本龍衆院議員が決まりました。

 馬淵澄夫氏:「先ほど総理から連絡がありまして、国土交通大臣に決まった。『閣僚として菅内閣を支えてほしい』ということで言葉を頂きました。『微力ながら、しっかりと頑張らせて頂きます』とお答えしました」

 初入閣は9人に上る一方、仙谷官房長官ら7人が留任や横滑りしました。小沢元幹事長のグループからの入閣はなく、小沢氏と距離を置く姿勢を見せた布陣です。

 仙谷官房長官(留任):「菅総理は挙党態勢を十二分に意識して、今回、そして適材適所を意識して組閣をされたと考えます」

 蓮舫行政刷新担当大臣(留任):「菅総理がずっと言われてきた『適材適所』。私がどうか分かりませんけど、新しい人も含めて専門性の高い方がおつきになっていると思います」

 この後、皇居での認証式を経て菅改造内閣は正式にスタートします。菅総理は午後9時から記者会見し、今回の内閣改造の狙いや今後の政権運営について自らの考えを説明することにしています。」



(2)  読売新聞:2010年9月17日19時35分

小沢グループ冷遇で党内混乱…野党、冷ややか

 菅改造内閣の顔ぶれについて、野党各党からは17日、「挙党一致の態勢とは言えない」と冷ややかな声が相次いだ。

 民主党代表選で敗れた小沢一郎元代表グループの議員が冷遇されたことで、同党内の混乱が続くとの見方も広がっている。

 自民党の谷垣総裁は17日、党本部で記者団に対し、「(民主党内で)小沢氏に近い方は『お手並み拝見』と見ているのではないか。与党をきちっと掌握し、課題に迅速に応える態勢かどうかは疑問だ」と述べた。

 円高や尖閣諸島周辺の日本領海内で起きた中国漁船衝突事件を挙げ、「国会で機動的対応ができていない。一刻も早く国会を開くべきだ」と述べ、臨時国会の月内召集を重ねて訴えた。

 公明党の山口代表は、国会内で記者団に、「小沢氏のグループに配慮した人事になりきれておらず、内閣の政治主導がどこまで実現できるか、懸念が持たれる」と語った。みんなの党の渡辺代表は、「民主党代表選の明白な論功行賞人事だ。改造内閣の脆弱(ぜいじゃく)な高支持率は、国会が始まると化けの皮がはがれてくる」と指摘した。

(2010年9月17日19時35分 読売新聞)」



(3)読売新聞平成22年9月17日付夕刊2面

挙党一致、結局は「排除の論理」…小沢系反発

 菅内閣の改造人事では、民主党代表選で菅首相を支持した議員が登用される一方、党内最大の小沢一郎元代表グループの議員は冷遇されている。小沢グループからは「首相は挙党一致と言っていたが、結局は『排除の論理』で人事をやっている」と反発が出ている。

 小沢グループの中堅議員は17日朝、「これから国会運営が大変な時に、首相は党内にも敵を抱えてどうするつもりなのか。小沢グループが野党提出の内閣不信任案に乗ったら、政権が倒れることを分かっているのか」と不満を漏らした。同グループの別の議員は「敗れたとはいえ、代表選で200人の議員が小沢氏を支持したことを首相は忘れている」と指摘した。

 一方、代表選で小沢氏を推した鳩山前首相グループからは、グループの大畠章宏会長の経済産業相での入閣のほか、海江田万里衆院財務金融委員長が入閣した。大畠氏は17日午前、国会内で記者団に「首相から午前10時過ぎに電話で経産相を頼まれた」と明かした上で、「円高でもの作りが大変な時期だ。若い学生の就職も大変だ。責任が重い」と語った。

 首相の側近議員は大畠氏起用について、「小沢グループに加え、鳩山グループも人事で外して敵対勢力を増やすわけにはいかないという判断だ」と解説した。

 ただ、鳩山グループの中堅議員は、改造内閣の陣容について、「『脱小沢』色が強すぎる」と疑問を呈した。(以下、省略)

(2010年9月17日19時07分 読売新聞)」




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2010/09/15 [Wed] 08:24:28 » E d i t
民主党代表選は平成22年9月14日、東京・芝公園の「ザ・プリンスパークタワー東京」で投開票が行われ、菅直人代表(首相)(63)が、小沢一郎前幹事長(68)に圧勝し、再選を果たしました。代表選は菅首相の党代表としての任期満了に伴うものであり、菅氏の代表任期は2年後、2012年9月末までです。



1.まず、代表選に関する報道記事を幾つか。

(1) 時事通信(2010/09/15-00:42)

菅首相を再選=小沢氏に大差、国会議員票も上回る-17日にも内閣改造

 民主党代表選は14日午後、都内のホテルで開いた臨時党大会で、党所属国会議員による投票を行った。郵送済みの地方議員票、党員・サポーター票を合わせた開票の結果、菅直人首相(63)が小沢一郎前幹事長(68)を大差で破り、代表に再選された。任期は2年。首相は地方議員と党員・サポーター票で小沢氏を圧倒し、ぎりぎりまで競り合った国会議員票でも、わずかながら小沢氏を上回った。
 首相は代表再選を受け、党役員人事を行った上で17日にも内閣改造に踏み切る方針。小沢氏本人や同氏支持議員の処遇を含め、党内融和をどう図るかが課題となる。首相は15日以降、小沢氏や鳩山由紀夫前首相ら代表経験者と会い、今後の政権運営への協力を求める意向だ。
 首相は臨時党大会後に記者会見し、「いよいよ本格稼働という位置付けで進んでいきたい」と述べ、経済対策などに全力で取り組む考えを強調した。
 再選を決めた後、首相は会場であいさつし「約束したようにノーサイド。民主党全員が力をフルに発揮できる挙党態勢で頑張り抜くために、全党員の協力をお願いする」と結束を呼び掛けた。一方、小沢氏は、支持議員が衆院議員会館で開いた会合に出席し、「今後とも皆さんと一緒に、また一兵卒として民主党政権を成功させるために頑張っていきたい」と語った。
 代表選は総計1222のポイント制。獲得したのは、首相721ポイント、小沢氏491ポイントで、国会議員5人(10ポイント分)が棄権・無効票だった。 
 内訳は、国会議員票(1人各2ポイントで計822ポイント)が首相412ポイントに対し、小沢氏400ポイント。100ポイント換算の地方議員票は首相60ポイント、小沢氏40ポイントだった。衆院の小選挙区ごとに集計される党員・サポーター票は、菅氏が249ポイントで51ポイントの小沢氏と5倍近い差が付いた。地方票が首相に流れた背景には、「政治とカネ」の問題を抱える小沢氏への抵抗感があったとみられる。
 1日の代表選告示以降、首相と小沢氏は相手の政治姿勢、政策を厳しく批判。党を二分する激しい戦いを繰り広げた。(2010/09/15-00:42)」



(2) 時事通信(2010/09/14-22:30)

菅氏、党員・サポーター票で圧倒=福島、静岡、兵庫などで全勝-民主代表選

 14日投開票された民主党代表選は、菅直人首相が、ポイント換算された党員・サポーター票の約8割、地方議員票の6割をそれぞれ獲得。国会議員票でも激戦を制して首相が小沢一郎前幹事長を上回った。ただ、党員・サポーター票を得票数で比べると約4万票差しかなく、首相の圧勝は代表選の仕組みに支えられた側面もある。
 党員・サポーター票は、300小選挙区ごとに1ポイントずつ割り振られ、首相は249ポイント、小沢氏は51ポイントを獲得した。投票率は66.9%。今回と同様の形で実施された2002年9月の代表選時の51.3%を大幅に上回った。
 地域別では、首相は福島、群馬、静岡、京都、兵庫、徳島、福岡など20府県で全勝。大票田の東京、大阪、愛知でもほとんどのポイントを占めた。逆に、小沢氏が全勝したのは地元の岩手を含め、富山、石川、沖縄の4県にとどまった。
 これを得票数で見ると、首相は13万7998票、小沢氏は9万194票。それほど開きはないのに200ポイント弱の大差が付いたのは、得票数に応じてポイントを比例配分する方式でなく、小選挙区ごとに1票でも上回った候補がポイントを獲得する仕組みだったからだ。例えば、小沢氏側近の樋高剛衆院議員の地元である神奈川18区では、首相と小沢氏の差はわずか21票だった。
 得票数に応じて比例配分された地方議員票では首相が60ポイント、小沢氏が40ポイント。党員・サポーター票の得票数と同様の割合となった。
 一方、全ポイントの7割弱を占める国会議員票では、206人(412ポイント)が首相に票を投じた。菅陣営の中核を成した首相、前原誠司国土交通相、野田佳彦財務相の各グループの勢力の合計を大きく上回り、小沢氏支持を打ち出した鳩山由紀夫前首相や羽田孜元首相の両グループなどの一部も首相を支持したとみられる。
 小沢陣営は党員・サポーター票の劣勢を挽回(ばんかい)するため、ぎりぎりまで国会議員へ働き掛け、「国会議員票は50票差で上回った」と分析していた。しかし、投票結果を見ると、衆院1回生議員ら態度未定者の半数以上は首相支持に流れたとみられる。(2010/09/14-22:30)」


 イ:投票結果は、総計1222ポイントのうち、菅氏が721ポイント、小沢氏が491ポイントを獲得しています。国会議員の投票は、菅氏が206人、小沢氏が200人でした。ポイント結果だけを見ると、菅直人氏の圧勝と評価できます。

意外に感じたのは、結果よりも、「衆院の小選挙区ごとに集計される党員・サポーター票は、菅氏が249ポイントで51ポイントの小沢氏と5倍近い差が付いた」点でした。マスコミの小沢バッシング報道や世論調査(菅直人80%、小沢20%)に付和雷同して、無能な菅直人氏を支持してしまったのかと、残念に感じていたのです。

そう思っていたら、メディアの世論調査における「恣意的・感情的な市民」と異なり、(多少は影響されつつも、)そこまでは民主党の党員・サポーターは阿呆ではありませんでした

得票数で見ると、首相は13万7998票、小沢氏は9万194票それほど開きはないのに200ポイント弱の大差が付いたのは、得票数に応じてポイントを比例配分する方式でなく、小選挙区ごとに1票でも上回った候補がポイントを獲得する仕組みだったからだ。例えば、小沢氏側近の樋高剛衆院議員の地元である神奈川18区では、首相と小沢氏の差はわずか21票だった。
 得票数に応じて比例配分された地方議員票では首相が60ポイント、小沢氏が40ポイント。党員・サポーター票の得票数と同様の割合となった。」


得票数で見ると、首相は13万7998票、小沢氏は9万194票だったのですから、メディアの世論調査と異なり、大きく差が開いてはいなかったのです。メディアが、何度も何度も「世論の80%は菅直人支持」ということを連呼し、小沢バッシングを繰り広げていたにも関わらず、それに抗して40%の市民は小沢支持に回ったのですから、40%という票は相当な信念をもって小沢氏に投票したものといえそうです。

これに対して、菅直人氏側支持の市民は、3カ月しかたっていないという極めて消極的・一時的な理由での支持だったのですから、今後、減少していくだけの票と判断できそうです。
(なお、作家の高村薫さんは「党員・サポーター票で菅氏は圧倒したが、金権体質の小沢氏では困るという世論の表れ」などとコメントしています(東京新聞平成22年9月15日付朝刊28面)。得票数では「圧倒してない」のですから、間違ったコメントです。あいかわらずというべきか、高村さんの分析能力の無さには困ったものです。)


ロ:国会議員の投票については、菅氏が206人、小沢氏が200人でした。
意外に小沢氏支持が少なかったと感じましたが、それよりも、206人もの議員が、無能な菅直人氏を支持するなんてと、正直、呆れました。というのは、投票前に演説が行われたのですが、小沢氏と比べて、菅直人氏の演説は内容がなく、ひどく失望させられる内容だったからです。

再選でも求心力強まらず=田中秀征元経企庁長官-民主代表選

 再選によって菅首相の求心力が強まることにはならない。むしろ、小沢氏の力が党内を二分するほど大きいことが明らかとなった。菅首相の政権運営は一層厳しくならざるを得ない。
 投票前の決意表明は、小沢氏が菅氏を圧倒した。小沢氏が確固たる決意を表明し、骨太の政見を述べたのに対し、菅氏は情緒的、感傷的な話が多く、出席者にこびるような空虚な話が大半を占めた。菅氏の性格や政治手法が浮き彫りにされ、がっかりした国民が多いだろう。(2010/09/14-20:49)」(時事通信(2010/09/14-20:49)


菅直人氏の演説は、民主党には様々な色々な経験者がいるとして、「会社員、経営者、公務員……」などと50以上の職業を挙げたのには呆れてしまいました。「小学生の水増し作文じゃあるまいし、職業を多数並べて字数増やすなんて馬鹿じゃないの?」と。また、「世の中の不条理と戦っていく」などと情緒的な内容ばかりで、「は? 何したいのか全く意味不明」と感じました。もし、菅直人氏の演説を聞いて、菅直人氏を支持した議員がいたとすれば、国会議員を辞めさせるべきでしょう。ひどく下手な演説を良しとするのですから。

メディアが、何度も何度も「世論の80%は菅直人支持」という「見せかけの世論」ことを連呼し、小沢バッシングを繰り広げていたにも関わらず、それに抗して約半数は小沢氏支持だったのです。輿石東参院議員会長が、周辺には「小沢さんの得票は本心からの200人だが、菅さんの206人は消極的な支持だ」と漏らしているように(YOMIURI ONLINE2010年9月14日23時48分))、小沢氏側を支持した国会議員は、菅直人氏支持の国会議員と異なり、相当の決意をもって「反菅直人」を意思表明した者といえそうです。

とはいえ、党員・サポーターや地方議員がそれぞれ40%にまで及んでいるにも関わらず、国会議員は50%にとどまったことは問題だったように思われます。むしろ、国会議員の方が、「見せかけの世論」に騙された度合いが強かったのかもしれません。


 ロ:民主党代表選では、無能で無為無策な菅直人氏が再選される結果になりました。

しかし、今回の代表選挙では、「小沢外し」を表明する前原氏、仙谷氏らによるなりふり構わない選挙戦術、メディアによる執拗な小沢バッシングにも影響されずに、固い決意で小沢氏を支持した者が多数いたのです。メディアによる誹謗中傷に負けずに小沢氏を支持する者――いわば赤穂浪士・四十七士のような――「反菅直人・脱菅直人」を掲げる党員・サポーターや地方議員がそれぞれ40%、国会議員には50%いたことが分かったことこそが、大きな収穫であったように思われます。



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2010/09/14 [Tue] 08:02:10 » E d i t
菅直人首相と小沢一郎前幹事長が立候補している民主党代表選は平成22年9月14日午後、都内のホテルで臨時党大会が開かれ、党所属国会議員による投票が行われます。国会議員による投票は午後2時半過ぎから始まり、同日午後3時半ごろ当選者が確定する見込みです。



1.民主党代表選を実施したことに対しては、世間からの批判も多かったことは確かです。公務を投げ出して代表選に励む菅直人氏を始めとする多くの閣僚の言動には、誰もが非難したくなるはずです。議員への戸別訪問まで行う菅直人氏には呆れるばかりです。

しかし、今回の代表選は、菅直人氏及び小沢一郎氏の政治家としての資質を知ることができた点では、評価できると思います。作家の保坂正康さんは「角栄にあって小沢にないもの、小沢にあって菅にないもの」(週刊現代2010年9月25日号53頁以下)において、次のように論じています。

 「民主党代表選という政治劇は、図らずも菅直人と小沢一郎という二人の政治家の実像を丸裸にする過程にもなりました。

 私は最近、田中角栄元首相の評伝『田中角栄の昭和』(朝日新書)を上梓しましたが、田中角栄という人物を、二人の間に置いて見てみると、二人の政治手法の違いが際立って見えることに気付きます。

 小沢さん、菅さんの政治家としての資質が象徴的に表れたのは9月1日の共同記者会見の場でした。

 小沢さんは挨拶の中で、「戦後の民主主義が必ずしも十分に正確に理解されないままに今日に至ったと思う」という現状認識を示した上で、「約束した政策の実行はもちろん大事だが、その前提として政治主導、国民主導の政治が必要なんだ」と述べています。

 それに対して菅さんは、「今日も朝から防災訓練で静岡に出かけて、小中高生とともに土嚢・簡易担架の製作などを一緒にやってきた」などと防災の日に首相が当然やらなければならない仕事のアピールから始まり、「やるべきことは、一に雇用、二に雇用、三に雇用だ」と、雇用不安に取り組む姿勢を強調しました。

 つまり、小沢さんが政治哲学や思想を語ったのに対し、菅さんは語るべき思想や哲学がない。だから、ひたすら国民に対し、「私はみなさんのために働いていますよ。私を支持すればあなたの利益になりますよ」という利益誘導的な話をするしかなかったのです。

 田中角栄氏は、おいしいものを食べたい、便利な生活がしたい、もっと裕福になりたいという戦後の国民の欲望をストレートに政策にしてきた政治家です。「大衆迎合政治の権化」と言ってもいい。高尚な思想や哲学とは無縁でした。

 小沢さんは間違いなく田中角栄氏の政治的遺産を継ぐ人物ではありますが、政治哲学や思想を重視する部分においては角栄的なものと一線を画しています。この面だけ見れば、むしろ菅さんのほうが、大衆迎合的なポピュリストとしての性質を色濃く持っていることがわかります。」


 「私は特に小泉純一郎氏以降の首相を見ると、政治家の劣化が甚だしく進んでいると感じています。彼らに共通するのは、2世、3世の政治家であり、政治を「家業」としていることです。

 菅さんと小沢さんをここに当てはめると、菅さんは世襲議員ではありません。対する小沢さんは、父・小沢佐重喜氏の急死を受けて、大学院生の身分から立候補した紛れもない世襲議員です。しかしその後の歩みを見ると、菅さんの長男が2度、衆議院選挙に立候補したのに対し、小沢さんのほうは、少なくとも今のところ、3人いる息子たちが立候補するという話は出ていません。世襲である小沢さんは、政治家という家業を自分の代で止める覚悟があるのに対し、非世襲の菅さんは逆に、政治を家業にしようとした。菅さんは息子の立候補に賛成ではなかったとも言われますが、それは世間では通らない言い訳でしょう。

 代表選を見ていて、菅さんが小沢さんへの批判の意味を込めて「クリーンな政治」を連呼しているのも気になります。これもきれにごとだけを追求しようとする市民運動家の論理なのでしょう。

 しかし現実というのは、きれいな部分もありますが、半分は汚い部分もあります。それが人間社会であり、政治はまさにその両面の中で行われる権力闘争です。そのこと自体は、政治の泥沼の中に永年立ち続けている菅さん自身もよくわかっているはずです。だったら「小沢さん、政治とカネについて、もう一度きちんと説明してください」と一度言ったらそれで十分でしょう。それなのに、世論受けを狙って、きれいごとばかり繰り返している。そうした市民運動家の感覚で、一国の宰相が務まるとは私には思えないのです。」


小沢一郎氏と菅直人氏の政治家としての資質は実に対象的です。

政治哲学や思想を語る小沢氏に対して、政治哲学や思想を語ることができず、利益誘導を示すだけの菅氏。
世襲である小沢さんは、政治家という家業を自分の代で止める覚悟があるのに対し、非世襲の菅さんは逆に、政治を「家業」とし、世襲化をもくろんでいます。
政治はきれいごとでは済まないのに、それを知っているにも関わらず、「クリーンな政治」を連呼し、世論受けを狙う菅氏。

こうして比較すれば、過去の自民党的な体質であるのはむしろ菅直人氏なのです。比較すれば、宰相として相応しい資質を備えているのは、どちらかと言えば、政治哲学や思想を語る小沢一郎氏ということなるでしょう。党員・サポーター・地方議員、そして、民主党の国会議員は、両名のうちどちらを民主党代表として選択するのでしょうか?



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2010/09/14 [Tue] 05:13:54 » E d i t
郵便制度悪用に絡む厚生労働省の文書偽造事件で、虚偽有印公文書作成・同行使の罪に問われた元局長村木厚子さん(54)の判決で、大阪地裁(横田信之裁判長)は平成22年9月10日、無罪を言い渡しました。

この事件については、このブログでは、事件の内容以前に、村木さんを当初から犯人視した報道を繰り広げてきたメディアに対して批判をしています。すなわち、朝日新聞が、元局長逮捕・起訴という冤罪を造り出したことを自慢しているという点です(「厚労省文書偽造事件(上):大阪地裁は元局長・村木さんに無罪判決~しかし、朝日新聞は自ら冤罪を起したことを自慢している!」(2010/09/13 [Mon] 04:00:25))。

この事件に対して、同様の報道批判を行っているのが、松本サリン事件において犯人視されるなど報道被害・冤罪被害を受けた河野義行さんへのインタビュー記事がありましたので紹介したいと思います。



1.日刊ゲンダイ2010年(平成22年)9月14日付(13日発行)7面

緊急インタビュー 河野義行さんも怒った! 小沢報道と松本サリン、郵便不正事件は同じです

 厚生労働省の村木元局長の冤罪事件を報じる新聞を見て、順序が逆だろうと思いました。新聞は検察の批判記事を書きまくっていましたが、事件当初、自分たちはどう書いていたのか。村木さんを犯人扱いしてきたではないか。それなのに、手のひら返しで、検察批判に転じる。すいぶん、身勝手なものです。

◆あまりにおかしい大マスコミの身勝手報道

 まず、自分たちの報道姿勢を反省し、それから検察批判が順序でしょう。松本サリン事件で私が犯人扱いされてきた時とまったく一緒の光景が繰り返されている。あの時も新聞は「長野県警、謝れ」みたいな報道をしましたが、一緒になって犯人扱いしてきたのは新聞です。私が恐ろしいと思ったのは当時、メディアが私に潔白を証明しろ、と迫ってきたことです。彼らにとって、捜査機関は絶対である。間違えるわけがない。それが違うと言うなら、自分で示せ、と。容疑者が真犯人かどうか、立証責任は捜査機関や検察にあるのに、通じない。

 そして、松本サリン事件とまったく同じ構図なのが、小沢さんの政治と金の問題だと思います。

 小沢さんは検察が本人を何度も事情聴取し、事務所や関係先も徹底的に家宅捜索した結果、不起訴になった。それなのに、メディアは「おまえは疑われているのだから、自分で疑いを晴らせ」と迫るのです。これは恐ろしいことです。

 村木さんと違って、小沢さんは逮捕もされていないんですよ。それなのに、何年間も犯人扱いされ、説明責任を求められる。捜査当局=権力者の間違いを監視し、チェックするべき報道機関が、捜査当局のお先棒を担ぎ、法治国家を否定するようなことをする。

 その背景には、さまざまなことがあるでしょう。小沢憎しがあるのかもしれないし、捜査当局との癒着もある。冤罪がなぜ、なくならないのかというと、組織の長が最初に一定の方向性を示すと、なかなか変えられないのです。見込み違いは、トップの能力を問われるからです。

 だから、なかなか軌道修正ができない。証拠がないと、容疑者に大声を上げる。当局が描いた事件に持っていこうとし、供述を強要することになる。私のときがそうでしたが、変わっていない。

 新聞がしっかりしなければいけないのに、小沢報道を見る限り、暗澹(あんたん)たる気持ちになります。(談)」



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2010/09/13 [Mon] 04:00:25 » E d i t
郵便制度悪用に絡む厚生労働省の文書偽造事件で、虚偽有印公文書作成・同行使の罪に問われた元局長村木厚子さん(54)の判決で、大阪地裁(横田信之裁判長)は平成22年9月10日、文書偽造を部下に指示したことを否定し、無罪を言い渡しました。検察側は懲役1年6月を求刑していましたが、元局長は一貫して無罪を主張していました。


1.報道記事を幾つか。

(1) 時事通信(2010/09/10-22:40)

村木元局長に無罪=検察構図を全面否定-障害者郵便悪用事件・大阪地裁

 障害者団体向け割引郵便制度の悪用事件で、偽の団体証明書を作成したとして、虚偽有印公文書作成・同行使罪に問われた厚生労働省元局長村木厚子被告(54)=休職中=に対する判決が10日、大阪地裁であった。横田信之裁判長は、証明書作成について「部下に指示した事実は認められず、共謀は認定できない」と述べ、無罪を言い渡した。検察側は懲役1年6月を求刑していた。
 村木元局長は捜査段階から一貫して無罪を主張。元局長の関与を認めた元部下らの供述調書が「検察官の誘導があった」として証拠採用されておらず、判決は、検察が描いた事件の構図を全面否定した。検察側は控訴するかどうか検討するとしているが、捜査手法が問題となるのは必至だ。
 判決は、供述調書や公判証言について、客観的証拠に符合するかどうかの観点から信用性を慎重に検討した。
 この結果、自称障害者団体「凛(りん)の会」元代表倉沢邦夫被告(74)=一審で一部無罪、検察が控訴=が石井一参院議員に厚労省への口添えを依頼したとの検察側主張について、「アポイントメントを取ったが、その後、石井議員に予定が入った」と否定。同省内で「議員案件」として証明書発行が決定していたとの点についても、「客観的状況と整合しない」と退けた。
 一方、同省元係長上村勉被告(41)=公判中=が「独断で発行した」と証言したことについては「客観的証拠に符合する」と指摘。「一般人から見ると不自然だが、上村被告の行動傾向からは不自然とは言えない」と述べた。(2010/09/10-22:40)」



(2) 朝日新聞平成22年9月11日付朝刊1面

厚労省・村木元局長に無罪判決 郵便不正事件で大阪地裁
2010年9月10日19時5分

 郵便割引制度をめぐる偽の証明書発行事件で、虚偽有印公文書作成・同行使罪に問われた厚生労働省の元雇用均等・児童家庭局長、村木厚子被告(54)の判決公判が10日、大阪地裁であった。横田信之裁判長は、検察側が描いた事件の構図の大半を否定。「村木元局長が証明書発行を部下に指示したとは認められない」と述べ、無罪(求刑懲役1年6カ月)を言い渡した。大阪地検は、2週間の控訴期間内に今後の対応を上級庁と協議する。

 村木元局長は2004年6月、自称障害者団体「凛(りん)の会」が郵便割引制度の適用を受けるための偽の証明書を発行するよう、担当係長だった上村(かみむら)勉被告(41)=同罪で起訴、公判中=に指示したとして、昨年7月に起訴された。

 検察側は、凛の会元会長の倉沢邦夫被告(74)=一審・同罪は無罪、検察側控訴=が石井一(はじめ)・参院議員(76)に証明書が発行されるよう頼み、石井議員が当時の塩田幸雄・障害保健福祉部長(現・香川県小豆島町長)に口添えした「議員案件」だったと指摘。捜査段階の上村被告らの供述に基づき、塩田元部長の指示を受けた当時課長の村木元局長が上村被告に証明書を不正発行させたと主張していた。

 横田裁判長は今年5月の公判で、検察側が証拠採用を求めた上村被告らの供述調書計43通のうち34通について、「検事の誘導で作られた」などとして採用しないと決定。残りの9通や関係者の手帳などの客観的証拠などから、証明書発行が議員案件だったのか▽村木元局長が上村被告に発行を指示したのか――などを検討した結果、証明書発行が「議員案件」ではなかったと判断。また、村木元局長から上村被告への発行の指示は認められないと結論づけた。(平賀拓哉)

 厚生労働省は10日午後、大阪地裁での村木厚子・元雇用均等・児童家庭局長の無罪判決を受けて、「判決の詳細は十分承知していないが、村木元局長の主張が認められたと聞いている。判決自体はまだ確定していないので、厚労省としても今後の動きを注視していきたい」とのコメントを発表した。

     ◇

 〈郵便不正事件〉 障害者団体向けの郵便割引制度を悪用し、実態のない団体名義で企業広告が格安で大量発送された事件。大阪地検特捜部は昨年2月以降、郵便法違反容疑などで強制捜査に着手。厚生労働省から自称障害者団体「凛の会」が同制度の適用を受けるための偽の証明書が発行されたことが分かり、特捜部は昨年7月、発行に関与したとして村木厚子元局長や同会の元会長ら4人を虚偽有印公文書作成・同行使罪で起訴した。」




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2010/09/12 [Sun] 23:24:41 » E d i t
2001年に米ニューヨークの世界貿易センタービル(WTC)やワシントン郊外の国防総省などに乗っ取られた旅客機が突っ込み、約3千人が犠牲になった米中枢同時テロは2010年9月11日、発生から9年を迎えました。

11日、ニューヨークやワシントンでは追悼式典が行われたのですが、今年はWTC跡地「グラウンド・ゼロ」近くのイスラム教モスク(礼拝所)建設を巡り世論が二分され、キリスト教牧師がイスラム教の聖典コーランを焼く行事を企画(その後中止発表)する中での追悼となり、会場周辺は厳戒態勢が敷かれました(「米同時多発テロ:発生9年 厳戒態勢下の追悼」毎日新聞 2010年9月12日 東京朝刊)。

9月13日付追記で、鈴木宗男衆院議員のムネオ日記から一部引用しました。



1.追悼式を中心とした報道記事を幾つか。

(1) 共同通信:2010/09/12 01:28

同時テロ9年、米各地で追悼 イスラム世界と戦争せず

 【ニューヨーク共同】2001年に米ニューヨークの世界貿易センタービル(WTC)やワシントン近郊の国防総省などに乗っ取られた旅客機が突っ込み、約3千人が犠牲になった米中枢同時テロから9年を迎えた11日、WTC跡地付近など各地で追悼式典が開かれた。オバマ米大統領は国防総省の式典で「イスラム(世界)と戦っているわけではないし、戦争に乗り出すことも決してない」と演説、宗教的寛容を訴えた。

 WTC跡地近くのモスク(イスラム教礼拝所)建設計画やフロリダ州のキリスト教会牧師によるイスラム教の聖典コーラン焼却計画をきっかけに、保守派を中心とする一部の米国民の反イスラム感情が顕在化。オバマ氏は就任後2度目の「9・11」で亀裂の拡大防止と修復に務めた。

 オバマ氏は式典に先立つ週末恒例の国民向けビデオ演説でも、信仰の違いに乗じて米国民の結束を引き裂こうとする一部の試みに「屈してはならない」と呼び掛けた。

 ニューヨークの式典では、遺族のほかバイデン副大統領やブルームバーグ市長らが出席。旅客機2機がWTCの北、南2棟にそれぞれ突入した時刻と、さらに両ビルが崩壊した時間に合わせ計4回黙とうした。

 弦楽器の荘重な音楽が流れる中、銀行の駐在事務所長だった菊地原聡さん=当時(43)=ら日本人を含むWTCでの犠牲者2752人の名前が次々と読み上げられた。

2010/09/12 01:28 【共同通信】」



(2) 東京新聞平成22年9月12日付朝刊1面【国際】

「9・11」テロから9年 モスク論争の中、追悼式
2010年9月12日 朝刊

 【ニューヨーク=加藤美喜】ハイジャックされた旅客機がニューヨークの世界貿易センタービル二棟とワシントンの国防総省に突入するなどし、約三千人が犠牲となった米中枢同時テロから十一日で九年を迎えた。同センター跡地近くに持ち上がったモスク(イスラム教礼拝所)建設計画が全米で論争を巻き起こす中、各地で遺族が参列してしめやかに追悼式典が営まれた。 

 世界貿易センター跡地脇の公園を会場に行われた式典では、旅客機二機が突入した時刻などに合わせて黙とうが行われ、日本人を含む犠牲者二千七百五十二人の名前が順次読み上げられた。オバマ大統領は国防総省の式典に出席し、「米国はイスラム教と決して戦争をしない」と演説。米国民に対し、宗教的な憎悪や偏見に屈しないよう呼び掛けた。

 モスク建設計画をきっかけに米国では一部国民の反イスラム感情が顕在化し、フロリダ州の教会牧師が「9・11」当日にイスラム教の聖典コーランを燃やす計画を発表。焼却計画は直前に中止されたが、イスラム社会の強い反発を呼び、アフガニスタンでは大規模な抗議デモが起きた。十一日はテロ後初めて、イスラム教のラマダン(断食月)明けを祝う祭りの日と重なった。米国内では祭りを自粛する動きも出ている。」



(3) asahi.com:2010年9月12日0時8分

9・11演説、米大統領「イスラム教と戦うことはない」
2010年9月12日0時8分

 【ワシントン=望月洋嗣】オバマ米大統領は11日、同時多発テロで180人余りが死亡した米国防総省での追悼式典にゲーツ国防長官らと出席し、イスラム教を敵視する米国内の風潮を意識して「我々はイスラム教と戦っておらず、決して戦うことはない」と演説した。

 遺族ら数百人を前に演説したオバマ大統領は、「9月11日に我々を攻撃したのは、特定の宗教ではなくアルカイダだ」と強調。「敵が最も恐れるのは、我々が忠実な米国人であり続けることだ。これは現在の戦争で最も強い武器であり、死者への最高の敬意だ」と述べ、多様性や寛容さを重んじ、団結するよう国民に訴えた。」



今年の9月11日は「モスク建設計画をきっかけに米国では一部国民の反イスラム感情が顕在化」するなど、おかしなことになっています。

オバマ米大統領は2010年9月10日、中枢同時テロから丸9年を前にホワイトハウスで行った記者会見で、オバマ氏は「イスラム教徒の米国民は何百万人もおり、アフガニスタンで戦っている米兵もいる。彼らはわれわれの仲間だ」と述べ、イスラムへの偏見を戒めています(「米大統領、テロ脅威は長期間継続 イスラムと協調呼び掛け」共同通信:2010/09/11 11:46 )。オバマ大統領は、国防総省の式典においても、「米国はイスラム教と決して戦争をしない」と演説しています。米国民に対し、ごくごく当たり前と思えることを何度も演説し、宗教的な憎悪や偏見に屈しないよう呼び掛けているのです。

なお、「「9・11」テロに関して、1面で掲載したのは東京新聞だけでした。朝日、読売、日経は1面に掲載することもなく、毎日新聞に至っては9月11日の追悼式に関して、9月12日の紙面には全く掲載していないのです。日本のマスコミの間では「9・11」テロに対して関心が乏しくなっているようです。



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2010/09/11 [Sat] 23:58:16 » E d i t
北海道開発庁長官などに在任中、2社から計1100万円のわいろを受け取ったとして受託収賄やあっせん収賄など四つの罪に問われた新党大地代表の衆院外務委員長、鈴木宗男さん(62)=比例北海道ブロック=の上告に対し、最高裁第1小法廷は平成22年9月7日付けで、上告を棄却する決定をしました。懲役2年、追徴金1100万円とした一、二審判決が確定します。鈴木宗男さんは「請託や賄賂の授受はない」と無罪を主張していました。



1.報道記事を幾つか。

(1) 時事通信(2010/09/08-18:44)

鈴木議員の実刑確定へ=無罪主張の上告棄却-受託収賄など4事件・最高裁

 受託収賄、あっせん収賄など四つの罪に問われた衆院議員鈴木宗男被告(62)の上告審で、最高裁第1小法廷(金築誠志裁判長)は7日付で、被告側上告を棄却する決定をした。懲役2年、追徴金1100万円の実刑とした一、二審判決が確定する。
 鈴木被告は確定後、公選法などの規定により失職し、収監される。刑期を終えても5年間は立候補できなくなる。
 鈴木被告は、政治資金規正法違反罪と議院証言法違反罪を含め、一貫して全面無罪を主張していた。
 2004年の一審東京地裁判決は、すべての事件を有罪と認定した上で、「高度の廉潔性を求められる要職にありながら国民の信頼を裏切った」と非難。「反省は皆無で、虚偽の陳述をしてはばからない被告に刑を猶予するのは相当ではない」として、実刑を言い渡した。
 二審東京高裁も08年、「行政に不当な影響を及ぼし、社会の信頼を害した」として、一審を支持していた。
 鈴木被告をめぐる一連の事件では、佐藤優外務省元主任分析官(50)ら12人が起訴され、鈴木被告を除く11人の有罪が確定している。
 一、二審判決によると、鈴木被告は北海道開発庁長官、官房副長官だった1997~98年、林野庁への口利きの見返りなどとして、2社から1100万円のわいろを受領するなどした。
 鈴木被告側は最高裁に異議を申し立てる方針で、収監されるのは早くても数週間後となる見通し。捜査段階や一審公判中の拘置期間の一部が除かれるため、服役するのは長くても1年5カ月程度となる。(2010/09/08-18:44)」



(2) 朝日新聞平成22年9月9日付朝刊1面

鈴木宗男議員、失職・収監へ 最高裁が上告棄却
2010年9月8日19時47分
  
 北海道開発局の工事や林野庁の行政処分をめぐる汚職事件で、最高裁第一小法廷(金築誠志裁判長)は、不正に口利きした見返りに業者から現金計1100万円を受け取ったとして、受託収賄やあっせん収賄など四つの罪に問われた「新党大地」代表の衆院議員・鈴木宗男被告(62)の上告を棄却する決定をした。7日付。懲役2年の実刑、追徴金1100万円とした一、二審判決が確定する。

 現職の国会議員が実刑確定により失職するのは、ゼネコン汚職事件であっせん収賄罪に問われた中村喜四郎元建設相以来で、戦後4人目。鈴木議員は現職の衆院外務委員長。

 鈴木議員は最高裁に異議を申し立てる方針。棄却された時点で刑が確定する。確定すれば公職選挙法と国会法の規定に基づいて失職し、収監される。すでに勾留(こうりゅう)された437日のうち、一審判決で220日を刑期から差し引くとされているため、遅くとも約1年5カ月後に出所する。ただし、事件当時の公選法の規定で、刑期を終えてから5年間は選挙に立候補できない。

 鈴木議員が失職すると、新党大地の比例名簿2位だった八代英太氏(73)が名簿から外れる届けを出しているため、3位で鈴木議員の秘書・浅野貴博氏(32)が繰り上げ当選する見通し。

 鈴木議員の上告審では、北海道開発局の港湾工事をめぐる600万円の受託収賄罪について、当時の北海道開発庁長官だった鈴木議員に「職務権限」があったかどうかが争点になった。

 第一小法廷は、長官には工事実施についての指揮監督権限はなかったものの、予算計画の作成にあたって職員を指導する立場にあったと指摘。「職員への指導の形を借りて、特定の業者に受注させるよう開発局幹部に働きかけたことは長官の職務に密接な関係がある」と述べ、受託収賄罪の成立を認めた。5人の裁判官全員一致の意見だった。

 2002年の東京地検特捜部による鈴木議員関連の捜査では、7事件で計12人が起訴された。鈴木議員の元秘書2人や、佐藤優・元外務省主任分析官ら11人の有罪がすでに確定している。(延与光貞)」



(3)「新党大地」代表の鈴木宗男衆院議員は、無実であることを主張してきましたが、その主張は認められず、受託収賄やあっせん収賄など四つの罪に関して有罪判決が確定してしまいました。

 「2004年の一審東京地裁判決は、すべての事件を有罪と認定した上で、「高度の廉潔性を求められる要職にありながら国民の信頼を裏切った」と非難。「反省は皆無で、虚偽の陳述をしてはばからない被告に刑を猶予するのは相当ではない」として、実刑を言い渡した。」(時事通信)


 「内閣の要職にありながら、行政の公平性や政治への信頼を失わせたことは疑うべくもない。「利益誘導」型の口利き政治こそが、この事件で問われたものだった。(岩田清隆、延与密貞)」(朝日新聞平成22年9月9日付朝刊34面)


裁判所は、無実を主張すると「反省は皆無」とされ、通常なら執行猶予程度の犯罪でも実刑にしてしまいます。マスコミも、ずっと無実を主張してきたことを断罪するかのように、「行政の公平性や政治への信頼を失わせた」と言ってしまい、最初から有罪視することに疑問を抱くことなく、かつ社会的に抹殺を図ることを当然視するのです。これでは、どうして無実を主張できるというのでしょうか。あまりにリスクが高すぎるのです。

マスコミは、今回の事件のように、様々な疑惑を報道してもそのほとんどが犯罪となっていないのに、結果的に有罪判決がでれば、その判決に賛同して――虎の威を借る狐のように――「『利益誘導』型の口利き政治こそが、この事件で問われた」などと、被告人があたかも多くの犯罪を犯したかのように断罪するのです。

他方で、郵便制度の悪用にからむ厚生労働省の文書偽造事件のように、最初は調子にのって容疑者を断罪する報道をしていたにも関わらず、途中で無実の公算が強くなると、検察側を断罪し始め、無罪判決が出るとそれに賛同して――虎の威を借る狐のように――検察を断罪するのです。

日本の裁判の有罪率は99.9%であり、元々無実を主張することさえはばかれるのに、報道機関はすべての容疑に関して有罪推定の意識で容疑がかかった者を断罪し、より無実を主張しづらい社会を形成し、自らの報道に対する反省もありません。市民が、恐れるべきは、犯罪ではなく、マスコミであるようにさえ、思えるのです。



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2010/09/08 [Wed] 22:02:57 » E d i t
民主党代表選では、菅直人氏と小沢一郎氏の政見(代表選公約)に関して政策はかなり異なりますが、特に注目すべき点は米軍普天間飛行場移設問題です。

菅直人氏は、「普天間移設問題では日米合意を踏まえ取り組むと同時に、沖縄の負担軽減に全力に取り組む」としています。共同会見でも「これ以上、方向性が定まらない状況を継続すると悪影響が出る」と合意の実行に全力を挙げる立場を表明しています。

これに対して、小沢一郎氏は、「普天間移設問題は沖縄県民と米国政府が理解し、納得する解決策を目指し、改めて話し合う」としています。「菅・小沢氏の政見要旨=民主代表選」時事通信(2010/09/01-13:36)。小沢氏は共同会見で「白紙に戻すと言っているわけではない」としつつ、「沖縄県も米国政府も納得できる知恵を出せば必ず(解決)できる」と強調し、合意の見直しに取り組む姿勢を示しています(時事通信(2010/09/01-21:39))。 

簡潔に言えば、菅直人氏と小沢一郎氏とでは、また「沖縄を見捨てる」道を選択するのか否かの違いがあるわけです。私たちは、どちらの道を選ぶべきなのでしょうか。投書とインタビュー記事を引用しておきます。



1.投書とインタビュー記事。

(1) 朝日新聞平成22年9月7日付朝刊14面「声」欄

沖縄県民は小沢氏に期待する――沖縄県糸満市・60代

 民主党代表選では、ほとんどの沖縄県民が小沢氏の勝利を願っていると思います。民主党支持者ではない私もその一人です。理由は普天間飛行場問題への姿勢です。過重な米軍基地の負担を少しでもいいから軽くしてほしいというのは、全県民の一致した願いです。だからこそ知事はじめ県内全市町村の首長らが県内移転に反対しているのです。

 全県民の反対にもかかわらず沖縄に再び基地を押しつける政治は、民主主義と言えるのでしょうか。菅首相の対応には幻滅です。県民を裏切り、最終的に県内移設を結論としたのは鳩山由紀夫前首相ですが、鳩山氏が一時、真剣に県外移設を模索したことだけは、疑いません。しかるに菅首相は就任当初から問題解決にあたる姿勢すら見せません。1%の国土に75%の基地を押しつけ、こんなに嫌がる県民に平気で「感謝する」などと言える人が本当に市民運動出身者なのでしょうか。

 小沢氏は「沖縄も米政府も納得できる案は必ずできる」と主張しています。その「剛腕」に大いに期待します。」



(2) 日刊ゲンダイ2010年(平成22年)9月9日付(8日発行)5面

私は小沢一郎を支持する<4>――俳優・菅原文太

今の日本はチリの鉱山に埋まった作業員と同じさ

 人々が困難な状況に陥った時こそ、リーダーの力量が問われる。チリの鉱山で33人もの作業員が地下に閉じ込められただろ。あの事故だって、現場監督が優れた統制能力を発揮したから、皆、整然として救出を待っていられる。あの暗闇のパニック状態だ。舵を取るべきリーダーが誤った判断をすれば、全員が生きていたかどうかは分からないよな。

 今の日本の状況は地下に閉じ込められたチリの作業員と同じさ。先行きの見えない暗闇で国民は皆さまよっている。日本人にもチリの作業員と同じように、しっかりと舵を取れるリーダーが必要な時だと思うね。

 オレが小沢さんを支持しようと思ったのはね、沖縄の問題だよ。先月半ばに辺野古の美しい海を訪れて、こんなところに滑走路を造るべきじゃないと改めて思った。

 沖縄問題は戦後日本の米国一辺倒が招いた、あらゆる問題の縮図だとオレは考えている。復帰前から現地の人に触れて感じることだけど、彼らは助けを待っているよ。なのに、救い出す立場の本土の政治家が一致して沖縄に視線を向けることはない。遠い、よその国のようにしか見ていない。チリの作業員は4カ月後に脱出できるそうだが、沖縄県民は戦後65年間も“地下”に閉じ込められている。そう言っても過言ではないんじゃないかな。

 菅さんは総理になって沖縄の「お」の字も言わなくなり、前例踏襲で辺野古に基地を造ろうとしている。代表選ではしきりに市民活動家としてのルーツを縷々(るる)述べているけど、市民運動に関わったアナタにとって沖縄は大事じゃないのか。そんなに米国が怖いのか。ぜひ聞いてみたいね。

 政治家も官僚もメディアも自民党時代から変わらぬ米国追従一辺倒の中、小沢さんは「日米中の関係は対等な正三角形であるべきだ」と主張している。出馬会見でも「沖縄も米政府も納得できる解決策が知恵を出せば必ずできる」と力強く語っていた。彼の思想と姿勢があれば、米国相手にも粘り強く交渉してくれると希望を託したい。 

 真の改革は辺境から訪れるもの。明治維新の中心となった薩長とも江戸や京都から見れば辺境さ。21世紀はさらに遠い沖縄から変革を起してくれと、小沢さんにはエールを送りたいな。

好かれてばかりの男は面白くない

初対面でハラの据わった人物と感じたね

 先日、週刊誌の対談企画で小沢さんに始めて話を聞く機会があった。数々の修羅場をくぐってきているから、ハラが据わっていたね。今の政治家は大衆におもねり過ぎて総じて軽い。嫌われたっていいじゃないか! 男は外に出れば7人の敵ありさ。好かれてばかりの男は面白くない。オレなんかも映画界ではエライ嫌われていたからな。敵が揚げ足を取ろうが、放っておけばいい。三船敏郎さんのように「男は黙って」じゃないと。

 今回の代表選が小沢さんの「最後の大勝負」と言う向きもあるけど、これで終わりだなんて思っちゃダメだ。男はいったん立ち上がったなら、命ある限り戦い続けないと。負けても、また挑戦すればいい。

 小沢さんはオレよりも9歳も若い。まだまだ、これからさ。

 聖書には「新しい革袋には新しい酒を」という言葉がある。せっかく政権交代で「新しい革袋」を作ったのに、中身は官僚主導で「古い酒」のままだ。小沢さんには新しい酒を入れ直して欲しいな。古い酒がおいしいのは泡盛だけ。特にウマイんだよ、沖縄の古酒は(笑い)。

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すがわら・ぶんた 本名同じ。1993年、宮城県栗原市出身。早大中退後、新東宝にスカウトされ、58年に本格デビュー。73年、「仁義なき戦い」でキネマ旬報主演男優賞、75年、「トラック野郎・御意見無用」などでブルーリボン主演男優賞を受賞。現在、飛騨・清見で夫人とともに田舎暮らし。山梨の休耕田を借り、農業支援にも取り組んでいる。」



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2010/09/07 [Tue] 20:43:09 » E d i t
民主党代表選を巡っては、小沢一郎元民主党幹事長に対して強制起訴があることを前提とした報道が連日、なされています。マスコミは、無罪推定の原則(憲法31条)といった憲法や刑訴法の原則を平然と踏みにじり、検察審査会の決定はまるで「神の啓示」のごとく扱っているのです。

しかしながら、元裁判官や元検察官など法曹関係者からは、検察審査会において強制起訴を認めたことに対して強く批判がなされています。刑事事件に関わったことのある法律関係者の多くが、検察審査会に対して批判的であると言っていいかもしれません。


1.検察審査会とは、検察審査会制度は,検察官が被疑者を起訴しなかったことがよかったのかどうかを選挙権を有する国民の中からくじで選ばれた11人の検察審査員が審査する制度です。この制度は、公訴権の行使に民意を反映させて,その適正を図るために設けられたとされています。

(1) この「民意の反映」が「冷静・公正な思慮に基づく民意」であり、合理的な疑いを入れない程度に有罪と認めるだけの証拠があると判断した結果、起訴すべきだとの結論を出していれば、まだマシなのです。しかし、現実は、単に、感情論に基づいて、思い込みで有罪の証拠があると妄想して有罪視しているだけの結論になっているのではないでしょうか? 客観的に有罪の見込みがないのに起訴すべきと認めてしまっているのではないでしょうか? 

感情的に起訴を認める検察審査会やそれを肯定するマスコミ報道を放置すれば、無罪推定の原則(憲法31条)といった憲法や刑訴法の原則を無視することが普通となり、客観的に有罪の見込みがないのに起訴することが妥当という意識が蔓延しかねません。

そこで、その間違いを正すべく、法律的に間違った内容を展開しているコラム(朝日新聞平成22年6月1日付夕刊6面「窓~論説委員室から」)を引用し、その間違いを厳しく指摘したいと思います。


(2) 朝日新聞平成22年6月1日付夕刊6面「窓~論説委員室から」

99%と51%との間で

 「正直言って、こんな展開になるとは想定していませんでした」。最近、話題が検察審査(しんさ)会に及(およ)ぶと、戸惑(とまど)った表情を見せる法律家や学者が少なくない。

 検察の不起訴(ふきそ)処分をひっくり返し、強制的に裁判にかける権限が審査会に与えられて1年。民意の反映が目的だが、社会の耳目を集めた事件なので、専門家にはやや無理筋と映る「起訴すべきだ」との議決がいくつか出されている。

 「想定外」の背景には起訴や裁判に対する考えの違(ちが)いがあると言っていい。

 「容疑者やその家族にも生活がある。有罪が確実に見込めなければ起訴できない」とする検察。時に重大な過ちもなくはないが、ともあれこの姿勢が有罪率99%という現状をもたらした。

 一方、検察審の議決からは、有罪無罪にかかわらず、法廷(ほうてい)で事実関係を明らかにし、責任の所在を議論することに意義があるとの思いがうかがえる。「51%の確率で有罪が疑われれば起訴」で無罪も多いのが英国流だそうだが、それに通じる面があると指摘(してき)する研究者もいる。

 どちらが正解というものではないだろう。「有罪率99%」が裁判の形骸(けいがい)化などの弊害(へいがい)を生んだのは否めないが、さりとて「51%ルール」はいかにも乱暴で、世の中に受け入れられるとは思えない。

 99%と51%の間を揺(ゆ)れ動きながら、当面はひとつひとつの事件や容疑者に、冷静に向き合うほかない。足して二で割って済ませられないところが、刑事司法の奥(おく)深さでもある。<渡辺雅昭>」


イ:法律家や学者は、マスコミに対しては、ありのままに伝えたりはしません。

 「正直言って、こんな展開になるとは想定していませんでした」。最近、話題が検察審査(しんさ)会に及(およ)ぶと、戸惑(とまど)った表情を見せる法律家や学者が少なくない。
 検察の不起訴(ふきそ)処分をひっくり返し、強制的に裁判にかける権限が審査会に与えられて1年。民意の反映が目的だが、社会の耳目を集めた事件なので、専門家にはやや無理筋と映る「起訴すべきだ」との議決がいくつか出されている。」


コラムでは、検察審査会に対しては「戸惑う」としていますが、法律家や学者の多くは戸惑うどころか批判的です。

検察審査会に批判的な理由は、単に、コラムに書いているような「専門家にはやや無理筋と映る起訴相当としたから」ではありません。起訴相当とした検察審査会は、証拠不十分なのに起訴すべきだと判断したり、「他に証拠があるはずだ」などと決めつけた挙句、感情的な判断から有罪に違いないとまで判断しているのです。これでは、無罪推定の原則を念頭においた判断ではないばかりか、「証拠裁判主義」(刑訴法317条)に明らかに反してしまいます。刑事裁判の基本原則を無視するまでに、検察審査会がおかしくなってしまったのなら、有害でしかなく、強制起訴を認めるような法改正をするべきではなかったと、深く後悔しているのです。


 ロ:しかし、渡辺雅昭・朝日新聞論説委員は、そうした検察審査会に対して肯定的です。

そして、その趣旨に沿った形で、このコラムは、<1>現在の刑事司法は、容疑者の不利益を考慮して慎重な起訴にすべきとしてきたが、検察審査会は、「有罪無罪にかかわらず、法廷で事実関係を明らか」にすべきとしており、それは「起訴や裁判に対する考えの違い」による、<2>どちらが正解というわけではなく、現在の刑事法の考えである「99%」と、検察審査会の考えである「51%」の間を揺れ動きながら、個別事件ごとに処理するしかなく、それが妥当だ、としているのです。

しかし、99%は日本での有罪率ですが、これに対して、「51%」は、英国での有罪率ではなくて、捜査機関側による起訴する時点の有罪の見込みです。このように、同じ有罪率の問題ではないので、比較できないはずなのに、比較している点で、この論説自体が破綻しています。(英国でも有罪率は51%ではありません。)

間違いだらけのコラムですが、まず、こうした比較を平然としてしまうようなできの悪い学者は、まずいません。こうした間違いを流布しているのは、元々は、政治家です。ですから、この間違いコラムを書いた、渡辺雅昭・朝日新聞論説委員は、政治家の受け売りで書いたと思われます。そこで、政治家の説明を引用しておきます。


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2010/09/05 [Sun] 16:56:01 » E d i t
民主党代表選においては、菅直人氏と小沢一郎氏が立候補していますが、検察審査会について批判的に言及した小沢氏の発言に注目が集まっています。

平成22年9月5・6日付追記:小沢一郎氏が、検察審査会の審査対象のあり方について考えを述べることは、「検察審査会への圧力として作用することは明らかである」とする批判への検討を追記しました。)



小沢氏、検査審に疑問呈す 『素人が決める仕組み』
2010年9月3日 夕刊

 民主党代表選に立候補した小沢一郎前幹事長は三日午前、テレビ朝日番組で、自らの資金管理団体の政治資金規正法違反事件に関連し、検察審査会の在り方に疑問を呈した。 

 小沢氏は、検察審査会について「強制力を持った捜査当局が不起訴と言ったことについて、いわば素人が良い、悪いと言う今の仕組みが果たしていいのか、という議論は出てくる」と指摘した。」(東京新聞平成22年9月3日付夕刊


東京地検特捜部は、小沢氏の資金管理団体の政治資金規正法違反事件に関連して、1年もかけて執拗に――足利事件でも1年も捜査機関は菅家さんを付け狙い、有罪とされたが冤罪であることが判明――捜査したのに、証拠不十分であるとして不起訴としたわけです。

そのため、小沢氏は、検察庁が証拠不十分であるとして「不起訴と言ったことについて、いわば素人が良い、悪いと言う今の仕組みが果たしていいのか」どうかと述べ、証拠不十分での不起訴は、検察審査会の審査対象を限定する必要があるのではないかと、疑問を呈したのです。(なお、小沢氏の発言では、証拠不十分での不起訴であることを明言してはいませんが、小沢氏が関わった事件では、証拠不十分での不起訴だったのですから、その点は当然に発言に含まれるでしょう。)

この発言に対して、報道機関は、「法律的にどの点で不当なのか」を示していないので分からないのですが、「小沢氏、検査審に疑問呈す」という見出しからすると、何となく非難めいた記事であるようです。しかし、証拠不十分での不起訴は検察審査会の対象から除外すべきだという、小沢氏の発言は本当に不当なのでしょうか? 3人の法律関係者(元裁判官と元検察官)へのインタビュー記事を引用しておきます。



1.朝日新聞平成22年7月3日付朝刊17面「オピニオン 耕論」

◆審査会は冤罪を防ぐために

――秋山賢三(あきやま・けんぞう)さん 元裁判官


 私は、司法手続きに司法が参加すること自体は、大変意義のあることだと思いますが、それは市民の英知を活用して、無実の人を処罰しないため、つまり、冤罪を生まないためにこそ行われるべきだと思います。

 その意味で、刑事法のプロである検察官が有罪にできないと判断し不起訴処分にした事件を強制的に起訴する権限を、くじ引きで選ばれた、法律知識のない市民に簡単に与える現行制度には反対です。

 日本では、起訴された被告の99.9%が有罪になるという実態があり、社会は「起訴=有罪」と受け止める傾向が強いのです。公務員は起訴されると休職となり、給料は4割カットされるし、民間会社員は起訴されると解雇されるケースも多い。物心両面の負担は言うまでもありません。

 だからこそ、起訴の判断は慎重さが求められるのです。まして、検察審査会に持ち込まれる告訴・告発事件の場合、容疑者とされる人が容疑事実を否認しているケースがほとんどですから、起訴の判断にはより一層の慎重さが求められます。

 検察という組織は、有罪にできると判断すれば必ず起訴します。その検察官が起訴しない事件について一般市民に起訴できる権限を与えるわけですから、冤罪を生む危険性が大きくなったと思います。

 理由は<1>審査員が一般に法律に詳しくない<2>限られた審査時間の中ですべての証拠を精査できるかどうか疑問<3>事前にメディア報道を見聞きして、予断と偏見を持って審議に臨む可能性が高い<4>被害者感情に短絡的に同調する可能性が高い、などです。

 例えば、明石歩道橋事故のような大規模事故の場合、業務上過失致死罪の適用が問題になります。こうした過失犯では、結果を予見できたか、回避できたかどうかが有罪・無罪の判断を分けますが、長年積み重ねられた多くの判例を知らなければ、正しい判断はできません。

 実際過去には、検察審査会が不起訴相当の議決を出したため、再捜査して起訴したものの、結果的に無罪判決が確定した事件は「甲山(かぶとやま)事件」「岡山遊技場放火事件」など、数多くあるのです。

 検察審査会の議決には強制力のない時代ですらそうだったのですから、議決に強制力が付与された現在の制度の下では、冤罪が生まれる可能性はかなり高まると思います。

 こうした危険性を回避するため、検察審査会の議決に強制力を付与する条件として、以下のことを提案したい。

 <1>「起訴相当」の議決をするためには、現在11人の委員中8人以上の賛成でいいとされているが、これを全員一致の賛成が必要とする<2>現行法では「起訴相当」の議決2回で強制起訴となっているが、これを3回(または4回)とする<3>捜査資料の公開を徹底する、という三つです。

 検察官は起訴の権限を独占し、しかも起訴するかどうかに関して大きな裁量権を認められており、それに対する市民からの監視とチェック機能は必要です。しかし、検察審査会のように、検察官が起訴しない事件を起訴させる方向に市民が関与するのではなく、検察官が起訴すべきでない事件を起訴させないためのチェック機能こそ市民に求められていると思います。 (聞き手・山口英二)
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1940年生まれ。67~91年裁判官。徳島地裁で徳島ラジオ商殺し事件の再審開始決定に関与。退官後は主に冤罪事件の弁護を担当。」



(1) 法曹のみならず法を学ぶ者であれば誰でも尊敬している、元裁判官で弁護士の秋山賢三さんは、「検察審査会のように、検察官が起訴しない事件を起訴させる方向に市民が関与するのではなく、検察官が起訴すべきでない事件を起訴させないためのチェック機能こそ市民に求められている」とし、不当な不起訴か否かを是正する検察審査会自体に否定的な見解なのです。

そして、検察審査会を肯定したとしても、「刑事法のプロである検察官が有罪にできないと判断し不起訴処分にした事件を強制的に起訴する権限を、くじ引きで選ばれた、法律知識のない市民に簡単に与える現行制度には反対」>としています。要するに、法律知識のない素人の市民が、安易に強制起訴ができるようになった現行検察審査会法は妥当でないとしているのです。

「法律知識のない素人の市民が、安易に強制起訴ができるようになった現行検察審査会法は妥当でない」との考えは、検察審査会の権限を限定するべきとする点で、小沢一郎氏の見解と共通します。しかも、不当な不起訴か否かを是正する検察審査会自体に否定的な見解を採用している点では、検察審査会の存在を是認する小沢一郎氏の見解よりも一層、検察審査会に批判的なのです。

「証拠に基づいた認定」というよりも感情論によって結論を出している、最近の検察審査会の審理の現状に危惧を抱く法曹は多いので、この秋山説(立法論)が、法曹界の多数を占める考えといってよいでしょう。ですから、小沢一郎氏の発言に対しては、法曹界の多数は賛成しているはずで、報道機関が小沢氏の発言を問題視するのか不思議でなりません

沢氏の発言に対して、朝日新聞平成22年9月4日付朝刊1面は、「『不見識だ』驚く法曹界」という見出しを出していますが、これは多数の意見に反する「虚偽の見出し」というべきです。むしろ、「『見識がある』肯定的な法曹界」と書くべきでした。「強制起訴制度の導入はするべきではなかった」と、後悔している法曹の方が多いのですから。

もちろん、裁判員制度や強制起訴制度の導入を積極的に推進した、弁護士の四宮啓氏(国学院大学教授)だけは、小沢氏の発言を批判――批判内容は意味不明ですが――しています(朝日新聞平成22年9月4日付朝刊)。しかし、制度導入の問題点に目をつぶった「信者」なのですから、思想的に小沢氏の発言に否定的なのは当然でしょう。



(2) 元裁判官で弁護士の秋山賢三さんが、このような見解を採用しているポイントは、法律知識のない素人が検察審査会で強制起訴が可能となった点で、多くの事件で冤罪の危険性が高まったのであり、市民が冤罪を作り出すようなことは止めるべきだということです。

何人にも無罪推定の原則(憲法31条)が保障されているにも関わらず、報道機関も一般人も「起訴=有罪」と受け止める傾向が強く、有罪視報道は相変わらず続いています。このような不当な社会的な制裁に加えて、「公務員は起訴されると休職となり、給料は4割カットされるし、民間会社員は起訴されると解雇されるケースも多い」のです。さらに、刑事手続によって、容疑をかけられた者は、経済的・精神的・肉体的にも著しい不利益を受けるのですから、起訴の判断は慎重さが求められるのです。

まして、「検察審査会に持ち込まれる告訴・告発事件の場合、容疑者とされる人が容疑事実を否認しているケースがほとんどですから、起訴の判断にはより一層の慎重さが求められ」るのですが、その検察官が起訴しない事件について、法律の知識が乏しい一般市民が、極めて少ない審査時間で、強制起訴できる権限まで与えたのですから、より冤罪を生む危険性が大きくなったのです。
 

 「実際過去には、検察審査会が不起訴相当の議決を出したため、再捜査して起訴したものの、結果的に無罪判決が確定した事件は「甲山(かぶとやま)事件」「岡山遊技場放火事件」など、数多くあるのです。
 検察審査会の議決には強制力のない時代ですらそうだったのですから、議決に強制力が付与された現在の制度の下では、冤罪が生まれる可能性はかなり高まると思います。」


秋山賢三さんが指摘するように、強制起訴を認めていなかった過去の事例でも、多くの冤罪を生んでいました。強制起訴が可能になった現在、冤罪の可能性が高まったと危惧するのは、ごく当然の判断です。

検察官の起訴権限に対して市民からの監視とチェック機能は必要です。しかし、検察審査会のように、検察官が起訴しない事件を起訴させる方向に市民が関与するのではなく、検察官が起訴すべきでない事件を起訴させないためのチェック機能こそ、すなわち、冤罪を作り出す方向ではなく、冤罪を防止する方向に市民は、行動するべきなのです。検察審査会が引き起こした「甲山(かぶとやま)事件」「岡山遊技場放火事件」という冤罪事件に対して、心から反省して対応するべきなのです。

こうした秋山賢三弁護士の考えに賛同する法曹関係者は多いように思われます。





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2010/09/04 [Sat] 12:52:46 » E d i t
民主党代表選挙が平成22年9月1日に告示され、届け出順に小沢前幹事長と菅総理大臣の2人が立候補し、はそれぞれ「政見」(代表選公約)を発表し、共同記者会見で説明しています。なお、この代表選は、今月14日が投票日であり、2週間の選挙戦に入りました。


1.菅直人氏と小沢一郎氏の「代表選公約」の違いと共同記者会見後の論説を引用します。

(1) 時事通信(2010/09/01-21:39)

公約の扱い、普天間で相違=争点鮮明に-民主代表選・政策比較

 1日告示された民主党代表選に立候補した菅直人首相、小沢一郎前幹事長はそれぞれ「政見」を発表し、共同記者会見で説明した。子ども手当や高速道路無料化などを盛り込んだ昨年の衆院選公約(マニフェスト)の扱いや財源、米軍普天間飛行場の移設問題などで両氏の立場の違いが明確になり、争点が浮き彫りになった。

 衆院選公約について、首相は政見で「実現に誠実に取り組む」としながらも、「財源の制約などで実現が困難な場合は、国民に率直に説明し、理解を求める」と修正に言及。会見では「消費税を含む議論が必要」と指摘した。

 これに対し、小沢氏は会見で「衆院選で約束したことを着実に実現していく」と強調。財源については、政見で、国家予算の全面組み替えと無駄の削除により「充てる」と確約した。

 普天間問題に関し、首相は政見で、沖縄県名護市辺野古への移設を確認した5月の「日米合意を踏まえ取り組む」と明記。会見でも「これ以上、方向性が定まらない状況を継続すると悪影響が出る」と合意の実行に全力を挙げる立場を表明した。小沢氏は会見で「白紙に戻すと言っているわけではない」としつつ、「沖縄県も米国政府も納得できる知恵を出せば必ず(解決)できる」と強調。政見では「改めて話し合う」と、合意の見直しに取り組む姿勢を示した。 

 一方、首相は政見で「クリーンな政治に向けた改革」を掲げ、企業団体献金の禁止などについて「年内に党方針をまとめる」と明記。会見では「クリーンでオープンな民主党をつくる」と訴えた。小沢氏は政見で「政治とカネ」の問題に触れておらず、会見でも具体的な取り組みに言及することはなかった。(2010/09/01-21:39)」



(2) 日刊ゲンダイ2010年(平成22年)9月4日付(3日発行)7面「日本経済 一歩先の真相―高橋乗宣」

小沢氏を批判する菅首相は闘う相手を間違えている

◆「雇用」がスローガンで終わる限界

 民主党代表選で驚かされたのが、菅首相の闘争心である。小沢氏との一対一の対決が確実になった途端、それまでのチンタラがうそのように、日銀の白川総裁と会談したり、経済対策の基本方針を打ち出したりと、精力的に動き出した。さすが市民運動家出身、闘いの場面になると目の色が変わるようである。

 候補者2人による共同記者会見でも、「お金がまつわるような古い政治から脱却しなければならない」と、政治とカネの問題を抱える相手を批判。「予算委員会で長い間小沢さんが座っている姿は想像できない」と、欠席が多い小沢氏を皮肉った。

 マスコミの前では、挙党一致とか何とか言っているようだが、国民の目の前で展開されているのは、まぎれもない権力闘争である。小沢氏を排除するための戦いだ。

 しかし、いまの民主党政権に、ドタバタの闘争劇を演じていられるヒマなどあるのか。民主党は政権交代当時の高い支持は失っている。そのうえ、菅首相が権力に固執するあまり、仲間を口汚くののしる醜態をさらせば、国民は失望し、政権は崩壊する。日本の社会や経済は、それを許せるような状況ではないのだ。

 小沢氏の言動を見ていると、人間的には好きになれそうにない。しかし、自らの力をフルに使って物事を前進させる才能は希有(けう)に思える。彼のような政治家に活動の場を与えることは、菅首相が掲げる挙党一致に欠かせないはずだ。民主党は、いま、難題が山積した日本の課題に対処しなければならないのである。すべての力を結集して、命懸けで取り組む必要があるはずだ。この難局は、だれかを排除してやれるほど甘いものではないだろう。

 とりわけ菅首相は、政策責任者として力不足である。何をどう変えようとしているのかを示せないため、言葉を弄して周囲をけむに巻こうとしているフシがある。どうも信頼に欠けるのだ。

 例えば、代表選では、「雇用重視」を主張し始めているが、どうやって雇用を確保するのかが見えてこない。雇用を改善するには、景気を上向かせなければならない。企業活動を活性化させる策も必要だ。そういう視点を欠いたままで雇用問題を語るから「雇用」がスローガンにしか聞こえないのである。

 市民運動家的野党の時代なら、それでよかっただろう。だが、一国の総理がスローガンを唱えて終わりではダメだ。どんな人材でも使えるものは使えばよいのである。

 久しぶりの闘いに血が騒いでいるのかも知れないが、菅首相が闘うべき相手は小沢氏ではない。古い体制を守るとする勢力だ。そこをはき違えられては困るのだ。(金曜掲載)」





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政治問題 *  TB: 1  *  CM: 2  * top △ 
2010/09/01 [Wed] 00:21:01 » E d i t
民主党代表選に関して、菅総理大臣と民主党の小沢前幹事長による「対決回避」に向けた会談が平成22年8月31日、行われましたが、物別れに終わりました。その結果、9月1日告示の民主党代表選は再選を目指す菅直人首相と小沢一郎前幹事長の一騎打ちの構図となりました。


1.菅直人氏は平成22年8月30日、鳩山由紀夫前首相と会談し、小沢一郎前幹事長との「トロイカ体制」の重視と挙党態勢の確立要求を受け入れていました。しかし、菅直人氏は、31日に至り、一方的に、「トロイカ体制」の重視と挙党態勢の確立要求を破棄してしまったのです。

(1) 時事通信(2010/08/31-19:30)

小沢氏支持重ねて表明=対決回避できず「残念」-鳩山氏

 民主党の鳩山由紀夫前首相は31日午後、党代表選への対応について「選挙になれば前から申し上げている通りだ」と述べ、小沢一郎前幹事長を支持する考えを重ねて明らかにした。衆院議員会館で記者団の質問に答えた。
 鳩山氏の仲介にもかかわらず、菅直人首相と小沢氏の対決を回避できなかったことに関しては、「昨夜(30日夜)は、いわゆる挙党態勢で一時的に首相の理解をいただいたので、その方向で収束できるかと期待したが、一夜明けて必ずしもそのような状況にならなかった。残念な思いだ」と語った。その上で、「結果が出たら、党内の結束がさらに高まるような状況をつくりあげていきたい」と強調した。 (2010/08/31-19:30)」



(2) ところが、鳩山氏が、「昨夜(30日夜)は、いわゆる挙党態勢で一時的に首相の理解をいただいたので、その方向で収束できるかと期待したが、一夜明けて必ずしもそのような状況にならなかった。残念な思いだ」と語っているように、菅直人氏は、約束を一方的に一夜で破棄してしまったのです。

何の約束もなしに――当然、「小沢外し」のまま――小沢一郎氏と会談したのですから、「物別れ」に終わるのは当然
でした。

「トロイカ体制」の重視と挙党態勢の確立要求を約束した、「8月30日の菅・鳩山会談は、何だったのでしょうか。菅直人氏にとっては、鳩山氏との約束は、一夜で破棄してしまうほど軽いものなのでしょうか。「トロイカ体制」の重視と挙党態勢の確立要求を破棄し、何の約束もなしに、一体、何のために菅直人氏は小沢一郎氏と会談したのでしょうか。鳩山氏及び鳩山氏のグループは、馬鹿にされた気分になったはずです。

何度も触れているのように、菅直人氏は、株安円高対策が必要とされていたのに無為無策のままであったように、無知無能で無為無策の人物です。ですから、「トロイカ体制」の重視と挙党態勢の確立要求の受入れは、菅直人氏自身は容易だったのです。しかし、前原氏、枝野氏、野田氏、岡田氏という「4人組」が、菅直人氏を焚き付け、「トロイカ体制」の重視と挙党態勢の確立要求を破棄させてしまった、というのが真相でしょう。

もし、小沢一郎氏が代表に選ばれた場合には、菅直人側に投票した議員はすべて当然ながら干されることは必至です。当然、前原氏、枝野氏、野田氏、岡田氏、仙谷氏は、閣僚や党の役職から外され、菅直人氏は事実上の閑職扱いになるでしょう。もし、3年後まで小沢氏が代表であった場合には、前原氏、枝野氏、野田氏、岡田氏、仙谷氏は、衆議院選挙の際には公認を得られず、政治生命が終わってしまうかもしれません。



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