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2010/08/31 [Tue] 20:11:52 » E d i t
今、民主党代表選の行方に関心が集まっています。しかし、その前に、前原誠司沖縄北方担当相(国土交通相を兼務)は、公共事業の見直しという民主党の政権公約を破って、有権者を裏切る行動に出ています。

沖縄本島中部の泡瀬干潟の埋め立て事業をめぐり、前原誠司沖縄担当相は平成22年8月3日、昨年11月から中断している1期工事(約96ヘクタール)を再開する方針を決めてしまったのです。福岡高裁那覇支部が昨年10月、土地利用計画に「経済的合理性がない」として一部予算の支出差し止めを命じ、判決が確定していたのに、それを無視したかのような判断をしたのです。



1.報道記事を幾つか。

(1) 東京新聞平成22年8月31日付朝刊26面「こちら特報部」

普天間「県内」の見返り?  沖縄・泡瀬干潟埋め立て再開 

 「コンクリートから人へ」を掲げて公共事業の見直しを進めてきた民主党政権。ところが前原誠司沖縄北方担当相(国土交通相を兼務)が、中断されていた泡瀬干潟(沖縄県沖縄市)の埋め立て事業の再開を了承。さらに内閣府は来年度の沖縄振興予算の概算要求に再開経費を盛り込んだ。不採算を理由に開発計画に難色を示していたはずの前原担当相が突然、“変節”したのはなぜか。 (出田阿生)

◆政府、振興策で変節

 まず泡瀬干潟問題をおさらいすると―。干潟は約270ヘクタールあり、サンゴ礁や多くの希少生物が生息する貴重な海だ。ここを埋め立ててリゾート開発する計画を沖縄市が打ち出したのが1987年。人工島は一期と二期に分け計約187ヘクタールに上り、事業費は450億円以上。工事は2002年に始まった。

 反対住民は「貴重な自然資源に加え、市の財政も破壊する」と提訴。09年10月、福岡高裁那覇支部は「計画は経済的合理性に欠ける」として公金支出を差し止める判決を出し、確定した。同市は二期工事を断念、一期工事(96ヘクタール)は見直すとしていた。

 一方、前原担当相は現地を視察し、東門美津子同市長との会談で「採算は取れるのか」と疑問視する考えを表明。「民主党政権になって、海の公共事業の見直しも始まったと地元は湧き返った」(環境保護団体)

 ところが前原担当相は今月3日、一転して東門市長が持ち込んだ見直し計画を了承。「約1000億円の事業費で、1600億円の経済波及効果」という市長の説明を評価し、事業再開を約束した。

 この変節について沖縄大の桜井国俊教授(環境学)は「大臣は経済的合理性を確認できたというが、とんでもない。完全な出来レースだ」と指摘する。隣接する中城(なかぐすく)湾港の整備事業で出る土砂が、干潟の埋め立てに使われる―というからくりがあるためだ。

 前原担当相は見直し計画を了承した日、来年度以降に集中整備する「重点港湾」を発表。この中に、泡瀬干潟や中城湾港を含む「中城湾」も含まれた。国の湾港整備事業では、深くしゅんせつした土砂の処分先確保のために埋め立て事業を再開する必要も出てくる。

 関係者によると、中城湾は重点港湾から外される見込みだったが、仲井真弘多(ひろかず)知事と政府との交渉で復活したとされる。

 その背景について、桜井教授は「米軍普天間飛行場移設の問題があるのでは」と推測する。

 菅政権は県外移設を断念し、名護市・辺野古沿岸に移設する自民党政権時代の路線を継承。県民は県内移設に強く反対しているため、政府は見返りとして沖縄振興策を強化しているとみる。

◆「自然破壊、事業破綻」の声も

 それ以前に振興どころか開発事業の採算を危ぶむのが「泡瀬干潟を守る連絡会」の前川誠治事務局長だ。「半分は公共のスポーツ施設というが、市も赤字を予測。残りは民間施設だが進出企業も決まらない。減少傾向にある観光客が大幅増加することを前提にした計画で破綻(はたん)は目に見えている」

 桜井教授も「埋め立て再開は、市民の税金をどぶに捨てるだけでなく、地元が干潟という自然資源を活用して発展するという可能性も奪う。アメどころか、毒まんじゅうだ」と話している。」



(2) 日刊ゲンダイ(2010年8月10日)

前原国交相の重大背信
【政治・経済】
2010年8月10日 掲載

八ツ場ダムに続き沖縄も

●結局、コンクリート派の正体バクロ


 民主党政権の裏切りがまたまた発覚だ。前原国交相が八ツ場ダムの本体外工事を容認したのに続き、沖縄市の泡瀬干潟の埋め立て事業でも凍結していた工事の再開を決めたのである。

 なぜか、新聞はほとんど報じていないが、これは絶句するような背信だ。

 問題の泡瀬干潟は嘉手納基地がある沖縄市の東海岸に位置する沖縄最大の干潟で、美しいサンゴ礁も広がる生物の宝庫だ。国は2000年、この干潟を埋め立て、ホテルや公共施設を県と市がつくる東部海浜開発を承認する。事業費は650億円。ホテルの需要予測のずさんさが発覚し凍結された時期もあったが、計画はゴリ押しされ、干潟やサンゴは絶滅の危機にひんしたため、反対運動も激化した。

 しかも、である。昨年10月、高裁が問題の干潟埋め立てには経済合理性がないとして、「公金支出差し止め」の判決も出している。前原も当時は工事の中断を表明。「経済合理性を厳しくチェックする」と否定的な立場だったのに、今月3日、東門美津子沖縄市長から計画の見直し案を説明されると豹変(ひょうへん)。工事再開方針に転じたのだ。

 市の計画は1000億円の事業費に対して、1600億円の経済効果があるとしていて、前原は「堅めの予想がされている」とか評価したが、冗談じゃない。

「埋め立て事業のメーンはホテル誘致などのリゾート開発ですが、沖縄の売りは夕日が沈む西海岸。だから、リゾートホテルは西側に集中していて、東海岸で成功したリゾート事業は少ない。民間企業誘致やスポーツ施設なども計画していますが、隣に完成した埋め立て地もガラガラで、スポーツ施設も市内に既にある。それなのに、なぜ、新たな埋め立て地をつくり、自然を壊すのか。沖縄市の中心街はシャッター通りで、中心市街地の活性化に税金投入した方が経済合理性にかなっています」(ジャーナリスト・横田一氏)

 民主党は政策集インデックス2009年で〈泡瀬干潟干拓事業など環境負荷の大きい公共事業は、再評価による見直しや中止を徹底させます〉〈特に干潟とサンゴ礁については、その周辺も含めた保全を図り、日本に残された貴重な自然・生態系を保全します〉と謳(うた)っていた。ひどい公約違反だ。

 前原といえば、普天間移設問題でも、砂利採取場を保有する地元名護市の建設業者、「東開発」の仲泊弘次会長らと密談しているところを琉球新報にスッパ抜かれた。結局、コンクリート派の沖縄族議員ではないか。国民をバカにした話だ。」


前原国交相は、いつも当初は、政権公約を遵守することを強調するのです。

ところが、国交相就任直後、八ツ場ダムの中止を謳っておきながら、「八ツ場ダムの本体外工事を容認した」のです。そして、前原担当相は泡瀬干潟(沖縄県沖縄市)を視察し、東門美津子同市長との会談で「採算は取れるのか」と疑問視する考えを表明しておきながら、一転して、泡瀬干潟(沖縄県沖縄市)の埋め立て事業の再開を了承してしまうのです。

「民主党は政策集インデックス2009年で〈泡瀬干潟干拓事業など環境負荷の大きい公共事業は、再評価による見直しや中止を徹底させます〉〈特に干潟とサンゴ礁については、その周辺も含めた保全を図り、日本に残された貴重な自然・生態系を保全します〉と謳(うた)っていた。ひどい公約違反だ。」



前原国交相は、いつも最初だけは政権公約を遵守するかのような発言をするのですが、後で政権公約を平気で破ってしまうのです。政権公約で、泡瀬干潟干拓事業を明記して中止対象としていたのに、干拓事業を認めてしまうのですから、とても信用できない人物といえます。政権公約を単なるパフォーマンス程度にしか考えていない、前原誠司氏は、自民党へ行くべきです。



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2010/08/31 [Tue] 04:36:18 » E d i t
新聞各社は、世論調査を行っており、いずれも菅直人氏の方が小沢一郎氏よりも高い支持が集まっています。どちらが首相にふさわしいか、民主党代表かという違いはありますが、毎日新聞の世論調査では、菅氏が78%、小沢氏が17%、共同通信社の世論調査では、菅氏が69.9%、小沢一郎前幹事長15.6%、読売新聞の世論調査では、菅氏が67%、小沢氏が14%となっています。


1.支持率はともかく、その支持するか否かの理由については、注目する必要があります。幾つか挙げておきます。

(1) 読売新聞平成22年8月30日付朝刊3面

世論の菅氏支持、小沢氏への根強い批判が追い風

 民主党代表選に関する読売新聞社の緊急全国世論調査では、菅首相への支持が、積極的な評価ではなく、首相が短期間で交代することへの懸念や、小沢一郎前幹事長に対する根強い批判に支えられていることがわかった。

 次の代表に菅氏がふさわしいとする理由をみると、民主支持層に限っても、「首相が短期間で代わるのは良くない」66%と「小沢氏と距離を置いている」25%を合わせて91%に達した。「政策に期待できる」は6%、「指導力がある」は2%に過ぎなかった。

 小沢氏の代表選出馬に対しては、民主支持層でも77%が「納得できない」と回答した。「政治とカネ」で説明責任を果たしているとは思わないとの答えは86%(民主支持層)に上っている。こうした小沢氏への批判は、「菅VS小沢」の一騎打ちの構図で、菅氏に有利に働いていると見られる。

 菅内閣の支持率は前回調査(6~8日実施)の44%から54%に回復した。しかし、最近の円高・株安への対応については、菅内閣を支持する人でも78%が適切ではないと答え、厳しい視線を向けていることは明らかだ。(以下、省略)」



(2) 毎日新聞 2010年8月30日 東京朝刊

 「菅首相続投の方がいいと答えた人に理由を聞いたところ「首相をたびたび代えるべきではないから」が83%を占め、消極的支持の弱さは否めない。」



(3) 菅直人氏に対して、無知無能で無為無策な人物であると非難していますが、世論調査でも、「政策に期待できる」は6%、「指導力がある」は2%とあるように、菅直人氏は中身がなく、本来の首相として資質がないことは多くの方が了解済みです。

「菅内閣が最近の急激な円高や株安に適切に対応しているとは思わない人は82%に達した」(読売新聞平成22年8月30日付朝刊)というほど、誰もが菅直人氏の能力を信頼していないのです。こうなると、例え、菅直人氏が再選されたとしても、先は短いでしょう。中身がないのですから。

このように、菅首相への世論の支持は、政策や指導力という積極的な支持理由ではなく、「首相が短期間で交代することはよくない」、「小沢一郎嫌い」という消極的な支持理由にすぎないのです(読売新聞:2010年8月29日23時00分)。


(4) 菅直人氏には中身がないこともあって、菅直人氏の側近も世論調査頼み、いわゆる「世論調査至上主義」の代表選を行うことを明言しています。

 「毎日新聞世論調査:民主党代表選 「首相続投を」72% 菅陣営、世論武器に

 「国民の世論と党内があまりにも乖離(かいり)した形で終わるのは民主党らしくない。ちゃんと(世論に)近づいていく」。菅首相の側近、寺田学首相補佐官は29日のNHK番組で、国会議員票の「劣勢」を指摘され、首相支持の世論に沿って情勢が変わることに期待感を示した。」(毎日新聞 2010年8月30日 東京朝刊


しかし、こうした「世論調査至上主義」「世論調査政治」は妥当なのでしょうか? 世論調査に基づく“民意”の絶対視は危いのではないでしょうか? この点について、東京新聞8月30日付朝刊「こちら特報部」が触れていたので、紹介しておきます。



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2010/08/30 [Mon] 05:19:23 » E d i t
仙谷由人官房長官の3政治団体が、仙谷氏の長男が経営する不動産管理会社に、昨年12月までの2年8カ月間に、業務委託費として毎月10万円ずつ、計320万円を支払っていたことが平成22年8月29日、分かりました。要するに、仙谷由人氏は政治資金を政治活動に使うことなく、長男の資金援助していたのであり、菅直人首相側に立つ、仙谷由人氏にも「政治とカネの問題」があることが判明したのです。



1.報道記事を。

(1) 朝日新聞平成22年8月29日付朝刊1面

仙谷氏の政治資金、長男側へ支出 320万円ビル家賃に
2010年8月29日4時32分
  
 仙谷由人官房長官の三つの政治団体が事務所費や人件費名目で、仙谷氏の長男(36)側に2年8カ月で計320万円を支出していたことが、政治資金収支報告書などで分かった。320万円は、長男が代表を務める司法書士事務所が実質的に使っている東京・西新橋のビルの家賃などにあてられており、長男側の経費を政治資金で補填(ほてん)していた疑いがある。

◆事務所・人件費名目で

 仙谷事務所は長男側への支出について、政治団体の業務の一部を委託した対価だとし、問題はないと説明する。一方、司法書士事務所の関係者は取材に対し、「政治団体としてはほとんど使われていなかった」と証言しており、実態とかけはなれた支出の可能性がある。

 3政治団体は、仙谷氏が代表を務める資金管理団体「制度改革フォーラム」と「21世紀改革研究会」、同氏の支援者が代表の「仙谷由人全国後援会」。いずれも政治団体や個人から寄付を受け、「制度改革フォーラム」は民主党からも寄付を受けている。

 仙谷氏の長男は2007年3月、東京・西新橋の9階建てビル2階にある一室(約100平方メートル)に司法書士事務所を開設した。3政治団体はこれを機に、東京・銀座の仙谷氏の弁護士事務所にあった「主たる事務所」をこの一室に移転する届けを総務省に出した。仙谷氏の弁護士事務所も同時期に、この一室に移った。

 長男や関係者によると、長男は07年3月、仙谷氏から25%の出資を受けて不動産会社「コモンズ」を設立、自ら代表取締役に就いた。コモンズは、西新橋のビルのオーナーから、この一室を月額約60万円で賃借し、司法書士事務所や仙谷氏の弁護士事務所、3団体に転貸。それぞれから家賃や光熱水費の分担金を受け取っているという。

 3団体はコモンズに対し、07年5月~09年12月に月額10万円、計320万円を支払った。収支報告書などによると、07年分は「制度改革フォーラム」の「事務所費」から支出、08年と09年分は3団体の「人件費」からそれぞれ支出している。仙谷事務所は、電話の応対や郵便物の受け取りといった政治団体の業務の一部を委託した対価だと説明する。

 ところが、司法書士事務所関係者らの話によると、この一室には政治団体が使用する専用のスペースや専用電話もなく、秘書ら常駐者もいないという。08年分の政治資金収支報告書とともに総務省に提出された「21世紀改革研究会」の領収書には、司法書士事務所ではなく、議員会館にある仙谷事務所の電話番号が記されていた。

 朝日新聞の取材に対し、司法書士事務所の関係者は「政治団体に関連する郵便物が時々届き、秘書の人が受け取りにくる程度だった」などと話した。

 長男は取材に対し、「以前は(政治団体の)会合などにもよく使われた。もらっている分の使用実態はある」などと話している。(砂押博雄、岩波精)

     ◇

 仙谷事務所の話 仙谷本人にも経緯を聞いたが、政治団体に関連する電話の応対や郵便物の取り扱いを代行してもらうことに対する対価であり、問題はないと考えている。支出を「事務所費」から「人件費」に切り替えたのも、業務委託という性質を考慮したに過ぎない。」



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2010/08/29 [Sun] 19:06:03 » E d i t
小沢一郎氏が民主党代表選に立候補することを表明し、しかも小沢氏が代表となるだけの支持が集まっている反面、検察審査会の議決次第では強制起訴される可能性があります。そこで、新聞各社が、「現職の首相は起訴される可能性があるのか」という問題について、記事にしています。



1.この問題は、憲法75条の解釈問題であり、最近では、岡田克也外相は8月20日昼の記者会見で、「起訴される可能性のある方が首相になることには、わたし自身は違和感がある」と批判したことを巡って問題となっています。

首相派反撃 民主党代表選  小沢氏出馬けん制
2010年8月21日

 岡田克也外相は二十日の記者会見で、「起訴される可能性のある方が代表・首相になることには、私自身は違和感を感じている」と述べ、小沢氏が検察審査会の結論次第では強制起訴となることを理由に、小沢氏出馬の動きを強くけん制した。」(東京新聞平成22年8月21日付朝刊【スコープ】)


(1) 岡田外相の発言は、憲法75条上間違った内容だったのですが、東京新聞など報道機関はその発言を肯定的に扱い、憲法75条上、間違いであるとの指摘はしていませんでした(「「起訴の可能性ある人に違和感」と岡田外相発言~岡田外相は、政治家を辞めて憲法を学ぶべきでは?」(2010/08/20)参照)。しかも、報道機関は、間違いを指摘するどころか、岡田外相の憲法に無知な発言を引用して、盛んに対立候補擁立自体を阻止するような批判を繰り広げていたのです。

社説:小沢氏擁立論 民主党の勘違いに驚く

  与党の代表選は実質、首相を選ぶ選挙だ。言うまでもなく小沢氏の資金管理団体をめぐる政治資金規正法違反事件はまだ決着していない。小沢氏が強制的に起訴される可能性がある検察審査会の議決が今秋に控えている。首相に就任すれば野党は連日、この問題で攻め立てるだろう。果たしてこれまで一度も国会の場で事件の説明をしていない小沢氏が乗り切れるだろうか。国会は直ちに動かなくなる公算の方が大きい。」(毎日新聞 2010年8月22日 東京朝刊


民主党代表選―なんのために戦うのか 

  政治資金では、いまだに国会で何の説明もしていない。検察審査会の判断次第では強制起訴の可能性も残る
 けじめをつけないままの立候補は、民主党政権からの民心のさらなる離反を招くだけだろう。」(朝日新聞平成22年8月21日付朝刊「社説」)


(2) ところが、驚くべきことに、報道機関は8月26日に至り、訂正記事を掲載するなどの反省をすることなく、事実上、岡田外相の発言が間違いであるという内容の記事を掲載しているのです。岡田外相の発言を引用して煽りたてた記事は一体、何だったのでしょうか実に恥知らずな態度といえます。(憲法75条の問題を除いたとしても、岡田外相の発言は、無罪推定の原則を無意味にするものですから、妥当でないことは明らかだったのです。)

社説:民主党代表選 大義欠く小沢氏の出馬

しかも、小沢氏自身を東京第5検察審査会が一度「起訴相当」と議決しており、2度目の議決次第では強制起訴される可能性がある憲法の規定により閣僚の訴追(起訴)には首相の同意が必要とされ、首相の起訴も自身の同意が必要とみられる。「推定無罪」が原則とはいえ、こうした問題に直面しかねない小沢氏は首相候補として適格性が問われる。各種世論調査で小沢氏が要職に就くことに世論の風当たりがなお強いことは当然である。」(毎日新聞 2010年8月27日 東京朝刊)


◆首相は起訴されないの?

 ◇憲法上、本人同意が必要 職務を考慮、在任中は時効停止

 なるほドリ 小沢一郎・民主党前幹事長の代表選への立候補が取りざたされてるね。確か検察審査会が政治資金規正法違反の疑いで審査しているはずだけど、仮に代表選に勝って首相になったら、審査会で「起訴すべきだ」と議決されても起訴できない可能性もあるんだって?

 記者 憲法75条には「国務大臣は、その在任中、内閣総理大臣の同意がなければ、訴追されない」という規定があります。訴追とは起訴のことです。この規定は国務大臣の職務の重要性をかんがみたとされ、内閣の一員に対する起訴は最大限慎重になされるべきだとの考えに基づくとされています。首相も国務大臣に含まれるとの解釈が有力で、首相を起訴するためには本人の同意が必要になると考えられているのです。

 Q もしも本人が同意しなかったらどうなるの?

  同意がないまま起訴すると、起訴の手続きが無効となる可能性があります。ただし、これはあくまで在任中の話です。75条には「これがため、訴追の権利は害されない」とも書かれています。この部分については、首相や国務大臣の在任中は同意がなければ起訴されないものの、時効が停止され、退任と同時に起訴が可能になるとの解釈が有力です。」(「質問なるほドリ:首相は起訴されないの?=回答・三木幸治」(毎日新聞 2010年8月26日 東京朝刊)


このブログでは一度触れた問題ですが、報道機関は事実上、訂正を図ったとはいえ、相変わらず記事には間違いがあり、またしても読者に間違いを流布しています。そこで、「現職の首相は起訴される可能性があるのか」という問題について、再び論じてみたいと思います。



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2010/08/28 [Sat] 15:26:25 » E d i t
小沢一郎・民主党前幹事長は平成22年8月26日、民主党代表選への立候補を表明しました。


1.報道記事を幾つか。

(1) 時事通信(2010/08/26-13:29)

小沢氏、代表選出馬を表明=「挙党態勢」拒否に反発、鳩山氏は支持-民主

 民主党の小沢一郎前幹事長は26日午前、都内で鳩山由紀夫前首相と会談し、9月1日告示、14日投開票の代表選に出馬する意向を伝えた。この後、記者団に「代表選に出馬する決意をした」と表明した。これにより、代表選は、再選を目指す菅直人首相と小沢氏との一騎打ちの構図が事実上固まり、党を二分しての激しい戦いとなるのは必至だ。
 会談で鳩山氏は、小沢氏の人事面での処遇などで不調に終わった25日夜の首相との会談内容を説明した。これに対し、小沢氏は「民主党と旧自由党合併の時からの同志の協力が得られるなら出馬したい」との決意を伝え、鳩山氏は「支援する」と応じた。
 鳩山氏は会談後、記者団に「わたしの一存で、小沢先生に民主党に入ってもらった経緯から、応援するのが大義だ」と小沢氏支持を表明。これまで首相の再選を支持していたことに関しては「行動している首相を一議員として応援するのは当然という意味で申し上げた」と説明した。小沢氏は、鳩山氏との会談に続き、都内の事務所で三井辨雄国対委員長代理と会い、出馬の理由として「挙党態勢が首相に受け入れられなかったので決めた」と語った。党内では、小沢氏が「政治とカネ」の問題を抱え、支持も広がっていなかったことから、不出馬との見方もあった。小沢氏としては、自身に批判的な実力者を首相が内閣や党の要職に据える「脱小沢」路線を継続すると判断、出馬を決断した。
 小沢氏は、党内最大の自身のグループを固めるとともに、「挙党態勢」を掲げて、鳩山グループなど党内に幅広く支持を訴えていく考えだ。小沢氏は26日昼に衆院議員会館に羽田孜元首相を訪ね、支援を要請した。これに関連し、山田正彦農林水産相は都内で記者団に「決断を評価したい」と支持を強く示唆した。 
 一方、首相は30日にも正式に立候補を表明する見通しで、前原誠司国土交通相、野田佳彦財務相の両グループや岡田克也外相が支持を表明済みだ。(2010/08/26-13:29)」


(2) 時事通信(2010/08/26-22:28)

「脱小沢」継続に反発=党分裂、再編も視野-小沢氏

 小沢一郎前幹事長が民主党代表選への出馬を決断したのは、菅直人首相が「脱小沢」路線を継続する姿勢を変えず、これに強く反発したためだ。鳩山由紀夫前首相を仲介役に、小沢氏は人事で要職を求め復権を狙ったが、首相は拒否。代表選で首相に対抗できる有力候補が「反菅」勢力に見当たらない中、小沢氏は党内の主導権を奪回するためには、勝利に確信は持てなくとも自らが出馬せざるを得ないと判断したようだ。
 「挙党態勢を鳩山さんが申し入れたが、首相が受け入れなかったので決めた」。小沢氏は出馬表明後、三井辨雄国対委員長代理ら「親小沢」系議員と会うたび、出馬の理由をこう説明した。(以下、省略)(2010/08/26-22:28)」



 イ:小沢氏は鳩山氏との会談後、鈴木克昌、松木謙公の両衆院議員ら小沢氏直系の議員グループ「一新会」の幹部を都内の個人事務所に集め、「挙党態勢ということで菅さん側に話をしてきたが、全く受け入れられなかった。国の危機を打開するためにも、立候補することにした」と語っています((朝日新聞平成22年8月26日付)。

菅直人氏側は、消費税引き上げなどと公然と公約違反を述べ、小沢氏による選挙対策を歪めた結果、参院選で民主党敗北をもたらしたのですが、誰も責任をとりませんでした。「小沢排除」は問題があり、一人では何もできないのに、感情的に反発する「お子様な」前原氏、仙谷氏、岡田氏、野田氏に影響を受けた菅氏は、ここに至っても「小沢排除」路線を継続しているのです。

このように、小沢一郎前幹事長が民主党代表選への出馬を決断したのは、無責任な菅直人首相が気がふれたように「小沢外し」路線を強行する姿勢を変えないため、これに強く反発したためです。


 ロ:小沢氏側が反発することについて、どうやら菅首相の側近らには「誤算」だったようです。

 「小沢氏との全面対決は、首相を支える側近らには誤算だった。再選戦略の裏方役を務める仙谷由人官房長官は最近まで、「政治とカネの問題を抱える小沢さんは代表選に出られない」と周囲に繰り返していた。小沢氏の「傀儡(かいらい)」候補なら首相は勝つ。無投票再選すらある。代表選後も引き続き菅―仙谷ラインで実権を握れる、と踏んでいた。
 それだけに、小沢氏本人の立候補は驚きだった。中でも「想定外」(仙谷氏周辺)だったのが、鳩山氏が早々に小沢氏支持を表明したことだ。26日夜に開かれた仙谷氏が所属する「非小沢」系議員グループの会合では、鳩山氏への不満が噴出した。」(朝日新聞平成22年8月28日付朝刊1面)


再選戦略の裏方役を務める仙谷由人官房長官は最近まで、「政治とカネの問題を抱える小沢さんは代表選に出られない」と周囲に繰り返していたわけですが、その予測はみごとに外れました。「小沢氏との全面対決は、首相を支える側近らには誤算」だったようですが、無罪推定の原則があり、政治家の誰もが「政治とカネの問題」を抱えているのですから、法律論的には、小沢氏が代表選に出ないと予測すること自体が的外れなのです。

仙谷氏、枝野氏は、郵政民営化選挙の選挙対策に関する責任者でしたが、その戦略はみごとに失敗し、郵政民営化選挙で大敗し、それに懲りることなく、参院選でもまた責任者となり、またしても敗北しました。そして、民主党代表選に関しても、予想通りというべきか、またしても判断を失敗したのです。要するに、仙谷氏と枝野氏は、先読みが下手で選挙下手なのです。

こうした失敗を繰り返すのですから、仙谷由人氏は、有権者を含め、他人を気持ちを推し量ることが苦手ということなのでしょう。小沢氏側の心情を推し量ることができないから、また失敗したのです。誰でも――特に力ある者であれば――「排除の論理」を受け続けば、法的手段に訴えるなど、当然反発するものですから、そうした心情を理解できない仙谷由人氏に対して、人間的に不信感を抱きます


 ハ:民主党という政党を離れ一般的な社会と同じレベルで考えるならば、同じ民主党の仲間でありながら、「小沢外し」の状態は単なる理不尽なイジメにすぎません小沢氏側に民主党の選挙を頼り切って政権交代が実現できたのに、「小沢外し」路線というイジメを強行する姿勢を続けられると、妄想を抱いてたこと自体が、おかしいのです。小沢氏がいなければ、選挙で毎回敗北しているくせに、小沢氏を排除しようというのだから、頭がどうかしている連中としか言いようがありません。イジメを行っている者には、ときどき、どうしようもなく頭がおかしい輩がいることは、誰もが経験則上、知っています。非小沢氏側はそういう輩のようです。

憲法論的には、「小沢外し」といったイジメは個人の尊重の原理(憲法13条)に反しますし、「政治とカネの問題を抱える小沢さんは……」といった思い込みは、無罪推定の原則(憲法31条)がある以上、行動の自由を不当に制約し有罪視するような思い込みであって、妥当ではありません仙谷由人氏は、弁護士資格を有しながら憲法論を含めた法律論に疎かったことに、「小沢氏側の反発」「誤算」の根本原因があるようです。



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2010/08/25 [Wed] 20:23:35 » E d i t
菅直人氏は、首相として一体、何をしたいのでしょうか? 民主党代表選挙よりも、いま就任している行政のトップとしての役割(首相)を果たすべきではないでしょうか? その点に触れた記事がありましたので、紹介したいと思います。


1.報道記事や読者投稿などを。

(1) 夕刊フジ平成22年8月25日付(24日発行)5面「編集局から」

 「来月14日に行われる民主党代表選は、菅首相と小沢前幹事長が直接対決するのかどうかの一点に注目が集まっていますが、その余波が我々の生活にまで及びそうな状況に、首を傾げる人も少なくないのではないでしょうか。

 菅首相は23日、「3年間は解散しない」と明言。そもそも「解散」とは国民に政策などの信を問うための重要な手段であり、選挙基盤が弱い1年生議員を取り込むために担保するものではないはず。

 また、予定されていた経済金融情勢に関する首相と日銀総裁の会談は23日朝、何と電話会談に。代表選の結果次第で政策が変わる可能性もあることから、日銀も政府も様子見状態になっています。

 不透明な経済情勢、荒廃が進む社会。喫緊の課題は山積しているのに、すべてに優先して代表選がある。何か本末転倒のような気がします。

 民主党としては重要なことなのでしょうが、あえて言えば“身内の行事”。そんなものは先延ばしにして国難に対処しろ―というのは暴論でしょうか。」



(2) 夕刊フジ平成22年8月26日付(25日発行)5面「編集局から」

 「何ヶ月も続いてきた“円高株安・放置プレー”の挙句、日本経済はますます世界の市場から狙い撃ちされているような感があります。

 菅首相と白川日銀総裁の中身のないお笑い電話会談(23日)に続き、24日夕には野田財務相が緊急会見で「注意深く見守っていきたい」だと。何が緊急なんだか(タメ息)。

 政府と日銀のあまりにも無策ぶりに一般紙の論評も日に日に激化。25日の朝刊各紙は「経済無策 見透かす市場」(読売新聞)、「政府 代表選控え『無策』」(毎日新聞)。朝日新聞にいたっては「財務相の口先介入失敗」と1面で揶揄しています。

 日本経済新聞が「日銀、追加緩和を検討」と唐突にぶち上げていますが、“動かない日銀”だけに、これも口先のたぐいと受け止めた方が後の失望感が少ない?(以下省略)」



(3) 朝日新聞平成22年8月25日付朝刊14面「声」欄

首相、施策を明確にすべきは今――神奈川県鎌倉市・60代

 菅直人首相は自らの内閣で、特に9月の民主党代表選後、この国と国民のために何をやろうとしているのか、さっぱり見えずとても不安だ。

 先のテレビでも、鳩山由紀夫前首相らの研修会にからんで、記者が代表選では何を訴えてゆくのか質問したのに「しかるべき時期に自分の考えを明らかにしたい」と答えていた。しかし、即座にそれにこたえられないなんて、政治家としてあっていいことなのだろうか。

 首相の言動を振り返ると、鳩山政権の下で、副総理、国家戦略担当大臣、財務大臣でありながら、鳩山氏をサポートするような発言はみえず、ほとんどだんまりだった。

 首相になった途端、財政危機を強調して消費税の引き上げに言及したが、参院選の敗北を受け棚上げの方針らしい。また、市民運動に携わってきた経緯から、米軍普天間飛行場の県外・国外移設に力を入れるのかと思いきや、日米合意の順守をより強調するなど、野党やマスコミに迎合するような発言ばかりが目立つ。

 昨年9月、明治維新以来の大改革と打ち上げた、あの熱気はどこへ行ってしまったのか。「国民の生活が第一」と約束したあの民主党政権の高い志はどこへ行ってしまったのか。今こそ首相は、何をやろうとしているのかはっきり示したほしい。」




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2010/08/21 [Sat] 15:06:51 » E d i t
今日から、国際民事訴訟法について取り上げていきます。


1.「向井・高田夫妻の代理出産、出生届不受理決定~最高裁平成19年3月23日決定」(2007/03/24 [Sat] 15:21:14)で紹介したように、向井夫妻の代理出産事件において、一般の方は、はじめて国際民事訴訟法の議論に正面から接したのではないかと思います。

最高裁平成19年決定は、国際民事訴訟法上間違った議論をしていたのですが、間違いを理解できている方はあまりいませんでした。その多くが、国際民事訴訟法について無知であったことが原因でした。向井夫妻に関する代理出産問題は、国際民事訴訟法について、こうも知らないのかと痛感させられた事件でした。

最近では、国際的な民事紛争についてどこの国で裁判を行うのかという、国際裁判管轄の問題が、国会では問題となっていました。国際的な経済活動に伴う民事紛争の適正かつ迅速な解決を図るために、日本の裁判所が管轄権を有する場合等について定める必要があるとして、平成22年3月2日に第174回国会(常会)において「民事訴訟法及び民事保全法の一部を改正する法律案」が提出されましたが、鳩山首相辞任の影響で、不成立となりました。

このように、家族関係や国際的な取引が生じる場合に問題となる国際民事訴訟法を知ることは、大きな意義があるといえます。



2.国際民事訴訟法の第一人者といえば、澤木敬郎・元立教大学教授と高桑昭・成蹊大学教授ですが、澤木先生は1993(平成5)年9月20日に62歳という若さで亡くなられていますし、高桑昭先生はもはや国際民事訴訟法に関する書籍を書く意欲はないようです。そうなると、いまや誰も国際民事訴訟法の第一人者の文章を知る機会がないのです。それは社会的に大きな損失といえます。

こうした第一人者の書籍がないせいか、国際民事訴訟法に関して理解の乏しい学者――特に弁護士出身の学者――が、国際民事訴訟法に関する書籍を出版したり、論文を発表し始めており、多数の学生・一般人に間違いを流布しかねないため、危機感を感じています。

元々、国際私法や国際民事訴訟法を専門とする学者が少なかったのですが、ロースクールが創設されたため、ちょっとかじった程度の弁護士が学者として幅を利かせるようになりました。本来、学問的な発展のためには、自然淘汰が必要なのに、学者の少なさから自然淘汰させることがないため、間違いが訂正されない状況がかなりあります。特に、ロースクールでは、試験科目に入っている関係上、国際民事訴訟法に関する授業があるのが一般的ですが、間違った知識を持った学者が教えている状況が多々あるので――法学部出身でない者が法的センスを欠いたまま鵜呑みで受け入れてしまう――、恐ろしさは激増中であるといえます。

ところで、澤木先生は、生前、国際民事訴訟法に関する書籍を書くことに意欲的で、書籍化することを前提にして2年ほど授業を行っていたのですが、惜しくも書籍化する前に亡くなられました。その後、書籍化を心待ちにしていたのですが、いまだに書籍化されることがなく、澤木先生の国際民事訴訟法の講義をインターネット上において紹介する方さえもいないのです。

そこで、澤木先生の国際民事訴訟法の講義を書き起こしたものを紹介することで、世に先生の功績を残し、世の中にはびこる国際民事訴訟法に関する誤解を食い止めたいと思います。

なお、1993(平成5)年当時と異なり、民事訴訟法が改正され、国際私法に関する法例も「通則法」に改正されました。判例も幾つか出ています。また、法案は成立していませんが、国際裁判管轄に関する法案もあります。そうした点は、「注記」という形などで紹介することにして、元の文章は変更しないことにします。

第1回目となる今回は、澤木先生が書かれた目次を紹介します。


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2010/08/20 [Fri] 20:49:58 » E d i t
自民党議員や自民党政権下の閣僚は、憲法の意味さえ知らずに無茶な発言をすることがありました。憲法に義務規定をもっと増やすべきだなど、憲法は国家権力を制限するものであるという基本的な理解を欠いていたのです。

民主党議員は、野党時代、そこまで愚かではなかったのですが、岡田外相もまた、自民党のお家芸であった「伝統」を引き継いでいるようです。
(岡田外相発言について触れている記事があったので、<追記:平成22年8月21日付>をしました。)


1.時事通信((2010/08/20-13:35)

「起訴の可能性ある人に違和感」=小沢氏の出馬待望論けん制-岡田外相

 岡田克也外相は20日昼の記者会見で、民主党代表選で党内に小沢一郎前幹事長の出馬を望む声が出ていることについて、「起訴される可能性のある方が首相になることには、わたし自身は違和感がある。民主党立党の原点に返ったときにどうなのか」と述べた。小沢氏の資金管理団体の事件をめぐり、検察審査会の2度目の議決が出ることを念頭に、小沢氏の出馬をけん制したものだ。 
 岡田氏はまた、「外相として国のトップがそう何回も代わることは国益上大きなマイナスだと肌身で感じている。しっかりと菅直人首相を支えたい」と首相の再選支持を重ねて表明した。(2010/08/20-13:35)」




2.岡田外相は、「起訴される可能性のある方が首相になることには、わたし自身は違和感がある。」と述べていますが、この内容は日本国憲法75条の理解を欠いた、無知な発言です。


「日本国憲法第75条 

 国務大臣は、その在任中、内閣総理大臣の同意がなければ、訴追されない。但し、これがため、訴追の権利は、害されない。」



(1) 憲法75条は「国務大臣は、その在任中、内閣総理大臣の同意がなければ、訴追されない」と規定しています。この文言上は、内閣総理大臣が訴追されるのか否か明示してはいませんので、ここにいう「国務大臣」のなかに内閣総理大臣が含まれるのか、若干争いがあります。

憲法75条の趣旨は、検察権行使の規制による国務大臣の活動の自由や内閣の安定性・継続性を確保するためと解されています。これは、内閣の構成員たる大臣の訴追は、内閣の総辞職に追い込まれかねませんが、行政権は内閣に属すると定め(憲法65条)、憲法上、国民が政治問題について内閣に委ねるとした以上、政治問題はあくまで国民が判断する問題であって、検察権によって政治が左右されることを防ぐという意味になります。

言い換えれば、憲法75条は、国政の決定はあくまでも国民が最終的な決定権を有するのであって、検察権の行使によって国政を左右させないという宣言(政治判断)をしているわけです。そうだとすれば、憲法75条は、内閣総理大臣は在任中、訴追されないことを意味すると結論になります。

また、簡単に考えても、憲法75条によれば、一般の国務大臣は、首相の同意がなければ訴追されないのですから、国務大臣を任命する者という最も大きな権限を有する者は、国務大臣よりも十分に保護されるべきですから、内閣総理大臣が訴追されるという結論は、論理的に不合理です。

そこで、通説的見解は、内閣総理大臣は、その在任中は、刑事訴追(公訴提起)を受けることがなく、また逮捕されることもない特典が認められると解しています。(なお、「逮捕」の点はまた別個に争いがあります。)


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2010/08/09 [Mon] 05:28:27 » E d i t
8月9日の今日、長崎は、65回目の原爆の日を迎えました。午前10時35分から爆心地に近い平和公園(長崎市松山町)で営まれる「長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」(平和祈念式典)には、被爆者や遺族が参列し、菅直人首相も参列する予定です。

菅首相の「核抑止必要」発言へは強い非難が向けられています。こうした非難について、朝日新聞のみが十分に取り上げていたので、その記事を紹介しておきます。(なお、毎日新聞や読売新聞は、被爆者による非難については無視しました。毎日や読売にとっては被爆者はどうでもいいのでしょう。東京新聞も、朝刊での記事はなく、被爆者に冷淡な態度となっています。東京新聞も、真っ当な記者が中日新聞へ移動したためか、変わったなと感じます。)



1.朝日新聞平成平成22年8月7日付朝刊1面「核なき世界へ」

広島発 今こそ非核

「軍縮の年」米英仏が初参列

 広島に1発の原爆の米国が投下してから65年後の6日、核保有国の米英仏の大使ら代表が初めて、平和祈念式に参列した。背景には、オバマ大統領が昨年目標として掲げた「核なき世界」の実現に向けた、核軍縮の機運の高まりがある。地球上には数万発の核兵器がなお存在するが、被爆地の「ゼロ」への願いに、世界が耳を傾け始めた。

 6日午前8時、広島市中区の平和記念公園。米国のジョン・ルース駐日大使は、米政府代表として初めて、広島平和記念式に参列した。ダークグレーのスーツ姿。正面の慰霊碑をじっと見つめ、隣席の駐日カナダ大使らと短く言葉を交わしながら着席した。秋葉忠利・広島市長が平和宣言で、核軍縮を掲げるオバマ政権に触れても、身じろぎせず前を向いていた。

 この日はメディアには対応しなかったが、米大使館を通じ「未来の世代のために、私たちは核兵器のない世界の実現を目指し、今後も協力していかなければならない」との談話を出した。

 大使の出席には「核なき世界」を掲げたオバマ大統領の政策が反映している。前日の5日、クリントン国務長官は国務省で記者団に対し、「この記念日を認識するのは適切」という、オバマ大統領自身の判断があってのことだと強調した。

 やはり核保有国として発参列したフランスのクリストファー・プノー臨時代理大使によると、英米仏の3ヶ国は東京の大使館を中心に昨年から協議を始め、今年の式典に一斉に発参列する方針を固めた。オバマ氏の昨年4月のプラハ演説以降「世界のムードが変わった」中、共同歩調を取った方が、核軍縮へむけた核保有国からのメッセージが強くなる」と判断したという。

今年5月に開かれた核不拡散条約(NPT)再検討会議が、「核なき世界」実現も視野に入れた最終文書の採択にこぎつけたことも、大使たちの参列を後押しした。プノー氏は「今まさに機運がある。今年は核軍縮のために重要で意義ある年だ」と強調した。

 英国のデービッド・フィットン臨時代理大使も式典参列後、「今こそ参列する時だと思った。我々にとっても大変意味があるし、広島や長崎の人たちにとっても大切なことだとわかっている」。前日に聞いた被爆者の証言を、繰り返し思い出したとも語った。

 潘基文国連事務総長はこの日、広島で講演。「グラウンド・ゼロ(爆心地)からグローバル・ゼロ(地球上に核のない状態)へ」と訴えた。演題が今年の8月6日を象徴していた。「今がその時だ」

 ただ、今後の道のりは決して平らかではない。米国では記念式に大使が出たことすら議論を呼ぶ現実もある。(前川浩之、丹内敦子)」



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2010/08/06 [Fri] 21:06:33 » E d i t
今年の8月6日は、65回目の「広島・原爆の日」です。



1.記事をいくつか。

(1) 東京新聞平成22年8月6日付夕刊1面

広島、65回目の「原爆の日」 国連総長や米大使も
2010年8月6日 夕刊

 広島市は六日、被爆から六十五年の「原爆の日」を迎え、広島市中区の平和記念公園では「原爆死没者慰霊式・平和祈念式」(平和記念式典)が営まれた。原爆投下国である米国からルース駐日大使、国連の潘基文(バンキムン)事務総長がいずれも初めて出席。核保有国の英仏もそれぞれ初参加し、過去最多の七十四カ国が参列した。 

 ルース大使は式典後「私たちは核兵器のない世界の実現を目指し協力しなければならない」との声明を在日米大使館を通じ発表。被爆地からは謝罪を求める声も出ていたが、大使が式典で被爆者と言葉を交わす場面はなかった。大使館は出席の理由を「第二次世界大戦の全犠牲者に敬意を表すため」とした。

 潘氏はあいさつで、被爆者の証言の各国語への翻訳など軍縮教育の必要性を指摘。「名声に値するのは核兵器を持つ者ではなく拒む者だ」と述べ、被爆者が生きている間の核廃絶実現を訴えた。

 秋葉忠利市長は平和宣言で、五月の核拡散防止条約(NPT)再検討会議の最終文書が核兵器禁止条約の必要性に言及したことに触れ、「市民の声が国際社会を動かす最大の力になりつつある」と指摘。日本政府に対して、米国の「核の傘」からの離脱や非核三原則の法制化を要求し、核廃絶の実現を「人類に課せられた責務」と訴えた。

 菅直人首相は非核三原則の堅持を誓い、各国代表に「核による被害を二度ともたらさないでほしいという、日本国民の思いを受け止めていただきたい」とあいさつした。式典には米英仏のほか、核保有国からロシアとパキスタンが参加。過去出席例のある中国とインドは今回欠席した。事実上の保有国イスラエルや、核開発疑惑のあるイランも参列した。」



(2) 東京新聞平成22年8月6日付夕刊1面

献花なし「何しに来た」 被爆者、大使に不満あらわ

 「献花もせず、何をしに来たのか。被爆の実相を肌で学んで、人類的な大きな罪を犯したことをきちんと謝ってほしかった」。広島県原爆被爆者団体協議会理事長の金子一士さん(84)は式典終了後、不満をあらわにした。

 ルース大使は着任後の昨年10月に広島を訪れ原爆資料館や原爆ドームを視察。「深く心を動かされた。核兵器のない世界を目指し、共に力を合わせることの重要性を強く感じた」と語っていた。

 だが、この日は被爆者と言葉を交わす場面はなく、会場を後にした。「軽く見ているのではないか。参列したのも他の国に合わせただけ」

 式典開始直前、オバマ大統領が11月の日本訪問の際に広島、長崎に来る可能性について米長官が「現時点では、その計画はない」と語ったことが明らかになった。

 金子さんは「来ないのはヒロシマを拒否することにつながる。『核なき世界』もまゆつばだ」と切り捨てた。」



(3) 朝日新聞平成19年8月10日付朝刊11面「声」欄
 

◆原爆の犠牲者 2つの地獄図――静岡県・80代

 1945年8月9日。海軍航空隊員だった私は沖縄で負傷し、長崎市から約40キロ離れた佐賀県嬉野市の海軍病院に入院していた。

 午前11時頃、空襲警報で防空壕(ごう)に避難しようと病室を出た時、稲妻のような閃光(せんこう)がひらめき、地軸を揺るがすようなごう音がし、病院が揺れた。音のした方を振り返ると、南の空に白いキノコ雲が浮かんでいた。

 同日夕方、瀕(ひん)死の夥(おびただ)しい数の老若男女がトラックで運び込まれ、病院は修羅場と化した。高熱で戦闘帽が焼けただれた顔に張り付き、溶けて紫色にめくれ上った皮膚とシャツがくっついた少年。灼熱(しゃくねつ)で髪と顔が溶け、ずたずたのモンペ姿の女学生。名札の住所・氏名の文字が左胸に焼き付いた小学生。苦痛を訴える悲鳴、うめき。私は初めて阿鼻叫喚(あびきょうかん)の「地獄」を見た。

 凄惨(せいさん)なうめき声に恐怖の一夜を過ごした私は、明け方、異様な静寂にただならぬ気配を感じ、跳ね起きた。搬入された数百人と思われる人々のほぼ全員が、死亡していたのである。

 翌10日、私を含む従前の傷病兵は近隣の旅館に移動させられた。

 16日朝、復員証明書を渡された私は、東に向かう無蓋(むがい)の貨物列車に乗り込んだ。広島駅から10キロほど手前で線路が飴(あめ)のようにぐにゃりと曲がり、列車が動かなくなった。川の岸辺に水ぶくれした無数の死体。廃墟(はいきょ)と化した広島市街。ぼろぼろの服をまとい、精気を失い、幽鬼に似た人々。私は他の復員兵ら20~30人と東をめざして5時間ほどさまよい歩き、この地で再び、「地獄」を見たのである。」




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