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2009/07/28 [Tue] 23:59:23 » E d i t
森英介法相は平成21年7月28日午前、山地悠紀夫さん(25)=大阪拘置所=、前上博さん(40)=大阪拘置所=、中国籍の陳徳通(41)=東京拘置所=ら3人に対して、死刑を執行したと発表しました。

森法相の下では3度目であって合計9人を執行しています。これで、未執行の死刑確定囚は101人となっています。衆院解散中の執行は1993年に一時止まっていた死刑執行が再開されて以来、例がありません。

執行は1月29日以来半年ぶりで、鳩山邦夫元法相時代から前回執行まで続いた2~3カ月に1回のペースは途切れた格好となっていますが、森法相は会見で「執行と執行との間隔や時期などは全く意識していない」などと、お惚け発言をしています(「死刑囚3人の刑執行 裁判員制度開始後初めて」(【共同通信】(2009/07/28 12:31)))。



1.報道記事を幾つか。

(1) 朝日新聞平成21年7月28日付夕刊1面(4版)

3人の死刑執行 半年ぶり
2009年7月28日11時46分

 森法相は28日午前に記者会見を開き、死刑囚3人の死刑を同日朝に執行した、と発表した。死刑の執行は今年1月に4人に対して行われて以来、約半年ぶりで、森氏が昨年9月に就任してからは3回目。確定死刑囚はこれで101人となった。

 執行されたのは、05年2~6月、大阪や兵庫に住む14~25歳の自殺志願者3人をインターネットの自殺サイトで誘い出して殺害した前上(まえうえ)博死刑囚(40)▽05年11月に大阪市のマンションで27歳と19歳の姉妹を殺害した山地悠紀夫死刑囚(25)▽99年5月に川崎市で同居していた中国人ら3人を殺害し、3人にけがを負わせた中国籍の陳徳通死刑囚(41)――の3人。前上死刑囚と山地死刑囚は大阪拘置所で、陳死刑囚は東京拘置所でそれぞれ執行された。

 前上死刑囚は07年、山地死刑囚は06年にそれぞれ大阪地裁から死刑判決を言い渡され、弁護人が控訴したが、いずれも本人が控訴を取り下げて07年に死刑が確定。陳死刑囚には横浜地裁川崎支部が01年に死刑判決を宣告。東京高裁、最高裁も一審判決の結論を支持し、06年に確定した。

 死刑は、約1年の在任期間中に13人に執行した鳩山元法相の在任中、約2カ月に一度の割合で執行された。森氏も昨年9月に就任して以来、昨年10月、今年1月と比較的近いペースで執行したが、今回はそれと比べて大きく間隔が空いた形となった。」



(2) 毎日新聞平成21年7月28日付東京夕刊1面

死刑執行:3人に執行 半年ぶり--法務省

 法務省は28日、大阪市の姉妹殺害事件の山地悠紀夫死刑囚(25)=大阪拘置所=や、自殺サイトを悪用した男女3人連続殺人事件の前上博死刑囚(40)=同=ら3人の死刑を執行したと発表した。死刑執行は1月29日以来6カ月ぶりで今年2回目。森英介法相の執行命令は3回目。これで確定死刑囚は101人になった。

 執行は5月21日の裁判員制度施行後初めて。07年12月の死刑執行以降、執行はほぼ2カ月に1回のペースだったが、今回は国会審議に加え、同制度の施行準備や、足利事件の再審開始決定(6月)をめぐる対応などで間隔が空いたとみられる。

 確定判決などによると、山地死刑囚は05年11月17日、大阪市浪速区のマンションに侵入。当時27歳と19歳の姉妹を刺殺し、現金を奪い室内に放火した。

 前上死刑囚は練炭自殺を装ってインターネットの自殺サイトへの投稿者を勧誘。05年2~6月、大阪府内で、当時14~25歳の中学生や大学生ら男女3人を窒息させ殺害した。地裁公判で「半年以内に手続きを終えてほしい」と述べていた。

 陳徳通死刑囚(41)=東京拘置所=は99年5月、川崎市のマンションで同居中国人男女から家賃の未払いなどを理由に暴行されたことを恨み、当時23歳と30歳の男性2人と27歳の女性1人の計3人を殺害した。

 死刑確定から執行までの期間は、山地死刑囚が2年1カ月、前上死刑囚が2年、陳死刑囚が3年だった。【石川淳一】

毎日新聞 2009年7月28日 東京夕刊」



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テーマ:死刑 - ジャンル:政治・経済

2009/07/27 [Mon] 23:58:55 » E d i t
民主党は、今回の衆議院選挙においても「官僚主導政治」からの脱却」「官僚支配の打破」という公約を掲げています。では、もし衆議院選挙において、民主党を含む野党が過半数の議席を占めると、「官僚主導政治」からの脱却」「官僚支配の打破」という公約が実現される可能性が高くなります。そうした民主党の公約に、霞が関の官僚は、民主党とのパイプ作りに奔走し、戸惑い、びくびくしているとの記事が出ていますので、紹介したいと思います。


1.政権交代に怯える官僚の様子を載せた記事を紹介する前に、なぜ、「官僚主導政治」からの脱却」「官僚支配の打破」をする必要があるのか、について知っておく必要があります。その点に触れた書籍から引用しておきます。

 「多くの課題は内閣が法案にまとめて国会に提出する前から、政権の一部である与党内部から強い反発を受けていた。国会提出後は当然ながら、野党の批判にさらされた。最終的に法案が法律になるまで、そうした論争の場は与党の部会であったり、国会であったりした。新聞をはじめとするメディアは、主に批判する国会議員を主要なプレーヤーに見立てて論争を報じた。報道に接する国民はしたがって、政策をめぐる政治家の議論と受け止めてきた。

 ところが、本当は論争の陰に別の重要なプレーヤーがいたのだ。官僚である。

 官僚は政策を作った真の当事者である。しかし、第1段階である与党内の審議プロセス(与党の事前審査)では「説明者」の立場として登場する。自分たちはけっして説明者以上にはなろうとはせず、法案の適否をめぐる議論は国会議員の役割にまかせている。だから、メディアは国会議員の議論として報じる。

 だが、その議員たちにメディアや国民には見えない舞台裏で根回しして、法案の反対論を抑える(あるいは賛成論を展開する)論法を教えているのは官僚なのだ。もともとの政策を作ったのが官僚であるだけでなく、与党内の政策審議プロセスでも、官僚が法案成立に向けて重要な役割を演じているのである。

 普通の国民にはもちろんのこと、メディアにさえも舞台裏の官僚による「ご説明」プロセスの詳細はほとんど見えない。だが、それが日常的に行われていることは、ひとたび議員会館に足を踏み入れてみれば、すぐ分かる。毎日のように国会と議員会館の通行パスを首からぶらさげた官僚たちが何十人も議員会館を飛び回り、議員への「ご説明」に明け暮れている。議員への「刷り込み工作」。それが、官僚のもっとも重要な仕事なのだ。

 議員会館の密室で日常的に行われている官僚と議員のやりとりは、政策審議そのものといっていい。党の部会や国会のでの議論はいわば、議員会館で打ち合わせた質疑応答を単にそのまま繰り返す「三文芝居」になっている場合さえ少なくない。これは与党に限らない。国会質問の要点を官僚に事前レクチャーしてもらう野党議員もいる。

 もちろん、それぞれ信念をもった政治家が賛成派と反対派に分かれて、ガチンコで応酬するときもある。

 そんなガチンコ討論でも、官僚がまったくタッチしていない議論はないと断言してもいいだろう。官僚は部屋の隅で発言こそ控えているが、自分たちが立案した政策を通すという明白な意図をもって、事前にバッジを付けた人々に「ご説明」し、自分たちの意図する一定の方向に議論を誘導しようとしているのである。

 狙う相手は、あらかじめ反対が予想される野党議員ではない。むしろ、政権を担っている与党議員こそが官僚のターゲットになっている。

 この点は「政治家」と「官僚」の役割を原理的に考えるうえで、極めて重要である。


 官僚の役割とは一体、なにか。

 政治家はしばしば「官僚は私たちに政策の選択肢を提供する立場」といい、官僚も「決めるのは議員の先生たち。私たちは黒子」という。新聞はじめメディアもつい、そうした建前の世界にはまってしまう。だが、官僚が選択肢を提供するだけの黒子であるなら、なぜ政治家を一定方向に誘導しようとするのか。

 それは官僚が選択肢を示すのではなく、政策をあらかじめ選択していて、政治家を自分たちと同じ結論に導こうとしているからだ。いや、そもそも複数の選択肢が用意されていることなど、本当にあるのだろうか。「選択肢を提示する」という言い方は官僚の常套文句だが、実はその中で本当の「お薦め候補」はちゃんと決まっている。お薦め候補に落とすために、わざとお薦めでないものも混ぜているのが実態なのだ。

 官僚は初めから政策を決め打ちしているのである。

 これは、まさに「官僚が政治家の役割を担っている」ことにほかならない。

 そして政治家はといえば、官僚の振り付けに従っている。官僚にとって、政治家は自分たちの代理人なのだ。分かりやすく、ご主人様とポチの関係になぞらえて言えば、本来、ご主人様は国民に選ばれた政治家=議員バッジを付けた人々であるはずだ。ご主人様に従って奉仕するポチは官僚である。「国民の公僕」とは、そういうことだ。

 だが、政治の実態は官僚がご主人様であり、政治家がポチであるかのような主従逆転した関係になっている。官僚と政治家の役割が主客転倒しているのである。

 官僚の物腰はあくまで丁寧で、政治家に対しても受け身に出る。だが、どちらかがどちらを振付けているかをみれば、真の主従関係は明らかである。官僚が政治家を振付けている例はよく目にしたが、残念ながら、ほんのごく一部を除いて、私は官僚を振り付けている政治家をほとんど知らない。

 ベテランの新聞記者なら「官僚の『ご説明』攻勢や政治家への振り付けなど、そんなことはとっくに知っている」と言うかもしれない。だが、それは主客が転倒したした世界に慣れ切っているだけではないのだろうか。政治家と官僚のあるべき姿、果たすべき役割について原理的に詰めたうえで、実態を見て批判せずに、場当たり的に「官僚は政策の選択肢を提供する黒子」などという官僚に都合のいい建前論に傾斜してしまう。それが新聞の典型的パターンではなかったか。

 政策論議を舞台裏で誘導しているのは官僚である。

 「霞が関」とはよく言ったものだ。まさに霞がかかったようで、姿はよく見えないが、実は官僚こそが真の主役である。」(講談社、2009年)50頁~54頁)


毎日のように何十人もの官僚たちが議員会館を飛び回り、議員への「ご説明」に明け暮れ、議員への「刷り込み工作」を行っています。こうして、「議員会館の密室で日常的に行われている官僚と議員のやりとりは、政策審議そのもの」なのです。ですから、党の部会や国会のでの議論は、実は、「議員会館で打ち合わせた質疑応答を単にそのまま繰り返す『三文芝居』になっている場合さえ少なくない」のです。

このように、官僚こそが政治家の役割を担っているのであって、「政策論議を舞台裏で誘導しているのは官僚」なのです。要するに、政治の実態は、国民や政治家がご主人様ではなく、「官僚がご主人様であり、政治家がポチである」のです。「ポチ犬扱いの政治家」から脱却しようではないか、というのが「官僚主導政治」からの脱却の意味であるといえます。



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2009/07/26 [Sun] 23:59:41 » E d i t
民主党の小沢一郎代表代行は平成21年7月24日午後、都内で記者会見し、衆院選で検討していた東京12区への「国替え」を見送り、同区に同党参院議員の青木愛氏(43)を擁立すると発表しました。

青木氏は、テレビ番組のリポーターなどを経て、小沢氏の勉強会に参加したのを機に政治家を志望し、03年総選挙に衆院千葉12区で落選し、比例南関東ブロックで復活当選し、05年総選挙で落選後、小沢氏の秘書を勤め、07年参院選の比例区に立候補して当選を果たしています。

東京12区では、青木愛・参院議員(43)・民新、太田昭宏・党代表(63)・公前、池内沙織・[元]団体役員(26)・共新、饗庭直道・幸福党役員(42)・諸新が立候補を予定しています。このように、公明党の太田代表が立候補を予定しているため、青木氏は直接対決する候補者ということになります。

太田氏は7月24日、「大阪市内で『(青木氏を)十分に知らない』」(東京新聞7月25日付)と答えていますが、テレビ朝日の人気テレビ番組だった「トゥナイト2」の女性リポーターを務めた経験から知名度があります。

「■元リポーター 現・参院議員

 民主党は24日、衆院東京12区(北区と足立区の一部)に青木愛参院議員(43)の擁立を発表した。青木氏と小沢代表代行が同日、東京都北区で記者会見して明らかにした。また、衆院兵庫8区からの立候補を決めた新党日本の田中康夫代表の推薦を決めた。青木氏は03年衆院選で千葉12区から立候補し、比例区で復活当選。05年衆院選で落選後、07年の参院選比例区で当選した。テレビ番組のリポーターを務めた経験がある。」(朝日新聞平成21年7月25日付朝刊2面)




1.報道記事を幾つか。

(1) 東京新聞平成21年7月25日付朝刊1面

小沢氏、国替えせず 民主 東京12区は青木愛氏
2009年7月25日 朝刊

 民主党の小沢一郎代表代行は二十四日、東京都北区で記者会見し、衆院東京12区(北区、足立区西部)への自身の国替えを見送り、同党の青木愛参院議員(43)=比例代表=を公認候補として擁立すると発表した。小沢氏は地元の衆院岩手4区から出馬する見通し。東京12区は公明党の太田昭宏代表が立候補を予定しており、小沢氏の動向が注目されていた。

 小沢氏は「私自身が出馬を検討したが、諸般の状況があり、私に代わり必ず勝利できる候補者を探した。全国の選挙情勢を考えた結果だ」と説明した。

 人選について「最初から彼女で、という思いはなかったが、勝てる候補として出馬をお願いした」とし、衆院選後の公明党との連携の可能性については「考えていない」と述べた。

 記者会見に同席した青木氏は、今月十七日に出馬要請を受けたことを明かし、「政権交代を実現するには、この時しかないと判断し、役に立てればと決意した」と語った。

 一方、太田氏は二十四日、大阪市内で「(青木氏を)十分に知らないが、いずれにしても厳しい選挙だ。勝利に向けてより一層力を注ぎたい」と記者団に語った。

 青木氏は衆院選公示に伴い参院議員を自動失職する見通し。二〇〇七年参院選の比例代表名簿に従って広野允士元参院議員(66)が繰り上げ当選する。」



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テーマ:衆議院選挙 - ジャンル:政治・経済

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2009/07/25 [Sat] 14:18:48 » E d i t
今回の衆議院選挙は、自民党・公明党による政権を維持するか(=麻生太郎氏を依然として首相として認め続けるのか)、それとも民主党を中心とした現在の野党による政権を認めるのか(=民主党の鳩山代表を首相として認めるのか)という「政権選択選挙」となりました。

このいわば「決戦」について、投票と言う形で参加する有権者にとっては、多様な視点で判断をする方が適切です。そこで、朝日新聞は「09政権選択 決戦への視点」と題して、朝日新聞社の3記者が捉えた視点での論説を掲載していましたので、その論説を紹介したいと思います。



1.朝日新聞平成21年7月23日~25日付朝刊

(1) 朝日新聞平成21年7月23日付朝刊1面「09年政権選択 決戦への視点(上)」

「繕う政治」の末路

編集委員  星 浩

 「勝負時だ。解散に踏み切るべきだ。あなたも九州男児だろう」。自民党の古賀誠氏は今春、党選挙対策委員長として麻生首相に早期解散を迫った。同じ福岡県選出の仲間として決断を求めたのだ。

 「マコトちゃん、おれはずっと東京育ちだからなあ」

 気まずい沈黙が続き、解散は先送りになった。麻生氏の失言や閣僚の失態も重なって自民党への逆風は強まるばかり。現職閣僚さえ「最悪の状況」(金子国土交通相)と嘆く総選挙となった。

 逆風は、いまに限ったことではない。93年には政治改革をめぐって党が分裂。総選挙の後、10ヶ月とはいえ、結党以来初めての野党暮らしを味わった。01年の森首相の時にも自民党政治は大きく揺らいだが、小泉純一郎氏の登場で息を吹き返した。

 13年前、橋本内閣の官房長官だった梶山静六氏が、すでに自民党の「揺らぎ」を感じ取っていたことを思い出す。

 「赤より腐敗の方がまし、というのが自民党の存在理由だった。右肩上がりで増えた富を、うまく配分したことも長期政権の秘訣(ひけつ)だ。その二つとも怪しくなって、自民党の足元がぐらついている。創造的破壊が必要なのだが……」

 東西冷戦下、カネをめぐる腐敗があっても、共産主義になるよりは良い。経済成長で財布の中身が増えるなら文句は言うまい――。国民は、そんな思いで自民党政治を支持してきたという。

 冷戦は終わり、昔のような成長も見込めない。これまでとは違う「旗」が必要だ。だが、実際に続いたのは、その場しのぎの「繕い」だった。

 例えば、核兵器を積んだ米艦船の寄港などを認めた密約問題。外務省の北米局長経験者は「冷戦下では、国会にウソをついてもいいから核の脅威に備えた」と語る一方で、「冷戦が終わり、核の持ち込みもなくなった以上、せめて情報を公開して説明責任を果たすのが政権党の役目ではなかったか」と言う。

 自民党の河野太郎衆院外務委員長が真相究明を訴えるが、同調者は広がらない。麻生首相も「密約はなかった」。冷戦時代のウソをさらに繕う姿勢だ。

 小泉氏の「構造改革」は低成長時代の「国のかたち」を問いかけたが、小泉政権が終わると、党内では「継続だ」 「見直しだ」と応酬が続いただけ。麻生氏も、成果や弊害を総括することはなかった。

 「繕い」に代わる新しい政治を作り出せない――政権党の混乱の底流にある構図だ。

 かつてのライバル・社会党は自民党政治に注文をつけ続けたけれど、単独で政権を担う用意はなかった。小選挙区制が導入されて5度目の総選挙。民主党がようやく政権を狙うところまで育ってきた。

 いま瀬戸際に追いつめられた自民党から聞かれるのは、にわかづくりの「一致結束」と民主党の政策への中傷だ。新しい旗は見えてこない。半世紀も政権にいる与党でも、自己革新を怠れば国民の判断次第で野党に転落する。そこまでたどり着いたことに、政権選択選挙の「歴史的」な意味がある。」



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2009/07/23 [Thu] 23:58:01 » E d i t
衆議院は平成21年7月21日午後1時からの本会議で解散され、政府は直ちに臨時閣議を開き、第45回総選挙について(定数480)「8月18日公示-同30日投開票」とする選挙日程を正式に決定しました。立候補予定者は、8月30日の衆議院選挙投開票日に向けて、8月18日の公示を待たずに40日間の事実上の選挙戦に入りました。

 「衆院解散 総選挙

 政府は21日午前8時の定例閣議で、憲法7条(天皇の国事行為)に基づく衆院解散を閣議決定した。皇居で天皇陛下から解散詔書への署名を得た後、午後1時からの衆院本会議で、河野衆院議長が詔書を朗読して、衆院は解散された。

 首相は21日午前10時半過ぎ、首相官邸で、連立を組む公明党の太田代表と与党党首会談を行い、選挙戦への協力を要請した。太田氏は、「具体的な政策を出して、(野党との)論争を国民に見てもらうことが大事だ」と応じた。

 解散決定の閣議は、26分間の短時間で終了し、全閣僚が解散の閣議書に署名した。閣議の中で、首相は、「未来に向かい安心で活力ある社会を責任を持って実現しなければならない。国民のさらなる理解と協力が必要だ。解散を断行して、国民の信を問うことを決断した」と表明した。

 閣議書への署名を拒否することに一時、含みを持たせていた与謝野財務相は21日の閣議後の記者会見で、「皆が気持ちよく選挙が出来るように、スタート時点で混乱がないようにした」と説明した。」(読売新聞平成21年7月21日付夕刊1面)




1.総選挙は、小泉政権下で自民党が大勝した2005年9月の郵政選挙以来、4年ぶりの実施となります。また、解散から投開票日までの期間は40日間ですが、それは現憲法下で最長であり、8月の衆院選は戦後初めてです。

総選挙により、自民、公明両党の連立政権が継続するのでしょうか、それとも民主党中心の非自民政権誕生するのでしょうか。すなわち、このまま麻生太郎首相が続投することを認めるのか、それとも鳩山由紀夫民主党代表が首相に就任することを認めるのか――。本格的な政権選択選挙が始まりました(東京新聞平成21年7月21日付朝刊1面)。

(1)朝日新聞平成21年7月22日付朝刊1面(14版)

政権争奪 火ぶた
衆院解散 来月30日総選挙
2009年7月22日0時58分

 衆院が21日解散され、与野党は8月18日公示、同30日投開票の総選挙へと走り出した。麻生首相は記者会見で「安心社会実現選挙」と位置づけ、「政党の責任力」を問うとして民主党との政権担当能力の違いを訴えた。自民党は公明党と過半数維持を狙うが、支持率低下や地方選連敗で守勢を強いられている。鳩山代表が先頭に立つ民主党は、社民、国民新両党と選挙協力を進め、官僚主導の政治を打破するための「政権交代選挙」と打ち出し、初の政権奪取を目指す。40日間の真夏の選挙戦が幕を開けた。

■麻生首相 「政党の責任力」問う

 麻生首相は21日夕、官邸での会見で、冒頭「私の不用意な発言のため、国民の皆様に不信を与え、政治に対する信頼を損なわせた。深く反省している」と陳謝。「麻生降ろし」など自民党内の混乱も「私が至らず、国民の皆様に不信感を与えた。おわび申し上げる」と頭を下げた。

 その上で国民との「三つの約束」として(1)景気回復の実現(2)雇用、老後、子育てに不安のない「安心社会」の実現(3)景気回復後の消費税率引き上げを含む抜本的な税制改革と国会議員や公務員の削減などの行政改革――を挙げた。「行き過ぎた市場原理主義から決別する」とも明言した。

 また、政権担当能力に関連し、民主党の子ども手当の創設や高速道路の無料化を「財源の裏打ちのないケタ違いのバラマキ政策」と批判。北朝鮮制裁の貨物検査特措法案の廃案も民主党が審議に応じなかったためとして「一番喜んでいるのは北朝鮮ではないか」と指摘した。

 首相は、自民党内の独自マニフェストをつくる動きを「党が一致して戦わなければならない時に独自のマニフェストで勝ち抜くことはできない」と牽制(けんせい)。総選挙の勝敗ラインや敗北した場合の責任論は「今の段階で安易に言うのは軽率だ」と明言を避けた。

■鳩山代表 「歴史的な使命」強調

 一方、民主党の鳩山代表も21日、党本部で記者会見し、「『政権交代選挙』に突入する。歴史的な使命をもって民主党は戦わなければならない。民主党はチャレンジャーだ。マニフェストを堂々と掲げて勝利を勝ち取っていく」と決意表明した。

 鳩山氏は「単に自民党、公明党の連立政権を打ち破るためだけの選挙ではない。目的は、明治以来の官僚主導の政治から国民が総参加して新しい政権を作り出す、革命的に大きな目的をもった政権交代だ」と強調。解散をめぐる自民党の混乱について「自民党がすでに統治能力を失っている姿を国民にさらけ出している」と語り、民主党中心の政権樹立に意欲を示した。

 また、「現職は小選挙区で勝ち上がらないと政権交代などおぼつかない。政権獲得後の人事にまったく影響がないかといえば、必ずしもそうではない」と比例区復活当選者を政権奪取後に重要ポストに起用しない考えを示唆した。

 しかし、自らの虚偽献金問題の再説明については歯切れが悪く、「説明しているつもりだが、なかなか国民に伝わっていない。2回目の記者会見みたいな話が一部で出ているが、そのような考えはもっているわけではない」と釈明。必要に応じて弁護士が対応する考えを示した。」



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2009/07/21 [Tue] 05:10:29 » E d i t
麻生太郎首相は平成21年7月21日午後1時からの衆議院本会議で、衆議院を解散します。政府は、解散後の臨時閣議で、第45回衆議院選挙=定数480(小選挙区300、比例代表180)=について、「8月18日公示-同30日投開票」の衆議院選挙日程を決定する予定です。

 「民主党が政権を奪取するか、自民、公明両党が政権を維持するかを焦点に、解散から投票まで戦後最長40日間に及ぶ事実上の選挙戦が始まる。05年に当時の小泉純一郎首相が「郵政解散」に踏み切ってから4年。この間、首相は安倍晋三氏、福田康夫氏、麻生氏へと1年おきに3回代わり、自民党の総裁交代による政権の「たらい回し」への批判も強まった中での衆院選となる。

 首相は21日午前の定例閣議で、憲法7条(内閣の助言と承認による天皇の国事行為)に基づく衆院解散を閣議決定。閣議後に解散詔書が内閣から皇居に届けられ、天皇陛下の署名を受ける。衆院本会議は午後1時から開かれ、河野洋平議長が解散詔書を読み上げて解散になる。政府はその後の臨時閣議で衆院選の日程を正式に決める。」(毎日新聞平成21年7月20日付朝刊1面)



衆議院選挙の最大の争点は、現在の与党である自民・公明両党か、野党である民主党・社民党・国民新党などどちらに政権を委ねるのか、はっきり言えば、(都議会選挙での自民と民主の得票数の差からすれば)民主党が政権を獲得するとして、民主党が単独で過半数の議席を獲得できるかどうか、がかかっているといえます。

ところが、民主党に対しては、「キャリアがない。本当に任せられるか不安だ」「大体、誰がやっても同じだよ」といった批判が向けられているようです(野田佳彦『民主の敵 政権交代に大義あり』(新潮新書、2009年)「はしがき」より)。言い換えれば、自民党にこそ政権担当能力があるのであり、政権交代する意義は乏しい、という批判です。

こうした「キャリアがない」などの批判は、一般社会でも見聞きする内容であって、政治の世界にだけに限られる問題ではないので、本来的には取るに足らない批判です。しかし、取るに足らない批判とはいえ、反論する必要はあるでしょうから、こうした批判に対してどのように考えるべきかの判断材料を提供するため、3つの論説を紹介したいと思います。

いずれも朝日新聞のオピニオン面に掲載された論説あり、「こんな自民に誰がした 09政権選択」、「政権交代を問う 09政権選択」という(まとめた)表題の下での論説です。前者は、「なぜ自民党は政権担当能力を失ったのか?」という点についての論説であり、後者は、「政権担当の準備が整っていなければ与党になれないのか?」という点についての論説となっています。



1.朝日新聞平成21年7月19日付朝刊7面「こんな自民に誰がした 09政権選択」

「御用聞き」で決断できない

飯尾潤(いいお・じゅん)さん・政策研究大学院教授(現代日本政治論)

 首相が2代続けて政権を投げ出し、選挙の顔として麻生首相を選んだのに、役員人事などで迷走した挙句、都議選で大敗。麻生降ろしの動きも中途半端に終わりそうだ。日本の政治が変革を迫られているのに、変革できないで混乱が起きている。その象徴が自民党だ。

 最大の変化は、政治家に決断が求められる状況になったということだ。高度成長期には財源が豊富だったので、新規の政策をどんどん打ち出せばよかった。しかも求められたのは発展途上国型の政策で、欧米先進国にモデルがあった。それを官僚が勉強し、よいところを組み合わせて政策を作る。政治家は、それが日本の実態に合うように注文をつけていればよかった。つまり、決断は必要ではなく、政治家は楽だった。

 ところが日本が先進国になり、経済成長が止まった。にもかかわらず昔ながらの政策を続けるから、財政赤字が膨らむ。新規の政策を実行するには、古いものをやめなければならない。政治家には、どの政策をやめるか選択する決断が求められている。ところが、いまだに官僚任せの状況が続いている。

 政治家に大きな負荷がかかる時代だからこそ、政党の役割が大きくなる。政党が「民意を集約して決断できる」体制をつくらなければならない。だが、自民党は伝統的に民意の集約が苦手だ。個人で陳情を受け付けて、そのまま役所に伝える「御用聞き」が活動の中心だったからだ。これは「政府・与党二元体制」と合わせ、自民党政治家にとって居心地のいい仕組みで、政権の長期化に貢献した。

 自民党はそれに慣れているものだから、今求められている「民意を集約して決断する」ということが難しい。決断の必要性は彼らもよく認識していて、「強いリーダーが必要だ」などと言っている。小泉元首相は、決断はしたが「民意を集約して」という部分が欠けていた。小泉後の自民党にとっては、トップに権力を集中しつつ、その権力を支える政策形成システム、民意の集約システムを備えることが大きな課題だったが、それには手をつけなかった。

 「政府・与党二元体制」の下では、自民党は真の意味での「政権党」ではなかった。与党が政府を批判したりした。具合が悪いことが起きると、首相のすげ替えをしてきた。本来なら政権党が責任を取って下野しなければならないのに、すべての責任を政府のトップである首相に押し付け、党は生き残るシステムだ。それが派閥抗争による政局だった。この「疑似政権交代」で国民の怒りは収められ、政権を維持し続けた。そういう成功の記憶があるから、小泉元首相の後、苦しくなるとそれを繰り返した。だが、このやり方はもう効かない。リーダーを選ぶことは政党の最も重要な機能なのに、それを世論調査に頼るようになってしまったからだ。

 派閥政治には問題もあるが、かつての派閥は本当にその人物を信じて行動する集団だっただけに、それなりの人物がリーダーとなっていた。今は派閥のそういう機能も失われた。

 日本のためにも自民党の自己変革が求められる。時間は限られるが、目先の選挙対策を超え、党のあるべき姿を皆で議論すべきだ。自民党の再生には、過去にとらわれない積極性が必要だ。 (聞き手・山口栄二)

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 62年生まれ。92年東京大大学院法学政治学博士課程修了。埼玉大助教授などを経て、00年から現職。著書に「日本の統治構造」など。」



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2009/07/20 [Mon] 01:40:43 » E d i t
医療法人徳洲会は平成21年7月15日、がんなど病気の患者から摘出した腎臓を第三者に移植する「病気腎移植」の臨床研究について、グループの倫理委員会で承認を得たと発表しました。今月内にも体制を整え、万波誠医師が勤める宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)と、東京西徳洲会病院(東京都昭島市)で臨床研究という形で、病気腎移植を再開するとのことです。



1.この件については、中日新聞が最も詳しい内容を載せています。なお、東京新聞でも掲載していますが、中日新聞の記事よりも何行か削除していますので、中日新聞の記事を引用します。

(1) 中日新聞2009年7月16日 朝刊

病気腎移植を再開 徳洲会が倫理委で了承、月内にも
2009年7月16日 朝刊

 がん患者などから摘出した腎臓を別の患者に移植する病気腎移植について、医療法人徳洲会は15日、グループの倫理委員会を開き、小さながんを摘出した腎移植の臨床研究の実施計画書を、内部監査委員会を設置するなどの条件付きで了承した。月内にも体制を整え、万波誠医師が勤める宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)と、東京西徳洲会病院(東京都昭島市)で臨床研究という形で、病気腎移植を再開する。

 病気腎移植は原則禁止とされているが、厚生労働省が今年1月、小さい腎臓がんを修復した腎臓を含め、臨床研究を認める見解をあらためて示したことを受け、徳洲会は実施計画書の作成を進めてきた。

 徳洲会によると、臨床研究は、直径4センチ以下の小さいがんを切除した腎臓が対象。患者が摘出を希望した場合のみ協力を要請する。

 ドナー(臓器提供者)、移植する患者とも20歳以上とし、感染症や他の部位のがん患者などは除外する。

 臓器提供は、移植手術を行う2病院のほか、徳洲会の病院で泌尿器科のある3病院と、呉共済病院(広島県呉市)、長崎医療センター(長崎県大村市)の計7病院となる。

 ドナーや移植患者から同意を取る時は、複数の第三者の確認を必要とし、各病院に設置した倫理委員会と、東京西徳洲会病院に設置する外部の専門家を含む「修復腎移植検討委員会」で適切かを検討する。

 どの患者に移植するかは、医師らのほか、患者らがつくる特定非営利活動法人を含む外部の選定委員会を設置して決める。移植手術は、宇和島徳洲会病院では万波医師が執刀。東京西徳洲会病院の手術も、時間が許す限り立ち会う。

 5年で5例の症例を目標とし、症例が集まった時点で、先進医療や保険適用の申請を行うとしている。

 このほか、親族間で偶発的に見つかった他の病気腎の移植についても、臨床研究として始める。

 【病気腎移植】 がんなどで摘出された腎臓を修復した上で、腎不全などで苦しむ別の患者に移植する手法。万波誠医師らのグループが1991年から42例の手術を実施したとされるが、「臓器摘出の経緯などが不透明」などの強い批判が集まり、社会問題になった。これを受け厚生労働省は2007年7月に、臨床研究以外は手術を原則的に禁止する方針を打ち出した。」



(2) 改正臓器移植法が平成21年7月13日、成立しましたが、同法は公布日から1年後に施行するもので、まだ先のことです(なお、本人が事前に書面で意思表示をしていれば、臓器移植が必要な親族に優先提供できる規定は公布日から半年後に施行します)。法律的な可能性としては臓器移植は増加することになりますが、臓器移植増加に対応できるだけの医療体制が整っていないのですから、実際上、増加するかは全く不透明です。

これに対して、臓器移植の一種である修復腎移植については、万波誠医師とそのグループによる「修復腎移植」の第1例は1991年1月に広島県呉市の呉共済病院で行われ、それ以来2006年9月までに計42例が実施されていました。

そして、小さな腎臓がんや尿管がんを切除して行われた、これまでの修復腎移植では、万波誠医師を中心とする「瀬戸内グループ」による悪性腫瘍16例(腎細胞癌8,下部尿管癌8)、ニコル教授(オーストラリア)による腎臓がん55例、ブエル教授(米国)による14例のいずれも、移植患者へのがん再発転移はありません(「移植への理解を求める会」の「修復腎移植Q&A」より引用)。

ですから、すでに日本だけでなく海外においても、修復腎移植の実績が存在しているのであって、有効性も(医師の技量にも影響されるとはいえ)一定限度、確認できているのです。日本では修復腎移植に対応した医療体制が整っていたのですから、経験済みの医療体制を踏まえたうえでの実施が可能なのです。

日本臓器移植ネットワークでの腎臓移植希望登録者数でさえ1万1千名を超えているのに、腎臓移植は、2008年にやっと210例となった程度なのです(2007年では187例。生体腎移植を含めると毎年1000例前後)。ですから、腎臓移植の平均待機期間は2007年度で約14年にも及んでいるのです「献腎移植登録説明会」(平成21年8月・愛知腎臓財団)(PDF)参照)。

しかも、移植によって必ずしも生着し機能するわけではないのですが、一度、腎臓移植を受けると、二度以上腎臓移植を受ける方はほとんどいないのです。長い待機期間を経た後に献腎移植を受け、又は色々な確執がありながら生体腎移植を受けた患者や家族にとって、すぐに腎臓が機能しなくなったときの嘆きは、察するに余りあるものがあります。

「移植への理解を求める会」による推計によると、全国で年間1万2千個の腎臓が治療のために全摘出・廃棄されているのが現実です。こうした摘出・廃棄される腎臓を利用する修復腎移植は、(1万2千個のうち、1、2割は修復すれば使える腎臓とはいえ)「脳死を人の死とする」ことに納得できない人々が数多い中で慌しく改正された臓器移植法の効果に頼るよりも、はるかに現実的で実効的な移植医療です。

こうした現実的で実効的な修復腎移植が、7月中にも実施可能ということは、腎臓移植を待っている患者やその家族、そして、将来において患者となり得る多数の市民にとって、臨床研究という形ではありますが、やっと現実的な移植医療が復活したといえるのです。


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2009/07/19 [Sun] 23:59:25 » E d i t
次期衆院選の前哨戦となる東京都議会議員選挙(定数127、42選挙区)は平成21年7月12日投票、即日開票されました。自民党は過去最低に並ぶ38議席と惨敗、公明党と合わせた与党で勝敗ラインの過半数(64)を3議席割り込んでいます。自民党が第1党の座から転落するのは、議長選に絡む汚職事件を受け行われた1965年の都議選以来44年ぶりです。これに対して、民主党は前回の35を大幅に上回る54議席を獲得し、初の第1党となりました。投票率は54.49%で、前回を10.50ポイント上回っています。

都議会選挙での自公敗北という結果を受けて、与党内では衆院解散の先送り論とともに「麻生降ろし」の動きが広がっていたのですが、麻生首相は「麻生降ろし」を阻止するため、7月13日、21日の週に衆議院を解散し、8月30日投開票の日程で総選挙を行うと正式に表明しました。

その後、衆議院では(麻生首相の衆議院解散予告を後押しするため)内閣不信任案が提出され、7月14日午後、内閣不信任案は否決されましたが、参議院では麻生首相への問責決議案が可決されました。問責決議案可決という結果を受けて、野党は衆参院での審議に応じないため、7月28日の会期末を待たずに事実上閉幕しました。まだ「解散予告」の段階ですので、衆議院選挙8月30日投開票が確定したわけではありませんが、事実上、衆議院選挙に突入することになったわけです。


1.まず、都議会選挙の報道から。

(1) 東京新聞平成21年7月13日付朝刊1面(12版)

自公過半数割れ 
都議会、民主が第一党 『麻生降ろし』強まる
2009年7月13日

 東京都議会議員選挙(定数一二七、四十二選挙区)は十二日、投開票が行われた。民主は現有に二十を上乗せして五十四議席を獲得、初の第一党となった。知事与党の自民・公明は、過半数を割り込んだ。石原慎太郎知事は野党多数の議会を前に、厳しい都政運営となる。自民党内では、麻生太郎首相の自発的退陣を求める声が噴出。首相は退陣するか、自らの手で衆院解散に踏み切るか、ぎりぎりの決断を迫られる。

 都議会で自民が第二党に陥落したのは、一九六五年、都議会議長選をめぐる贈収賄事件をきっかけに解散した「黒い霧解散」後の出直し都議選で、当時の社会党が四十五議席を獲得して第一党となって以来、四十四年ぶり。

 投票率は54・49%。過去二番目に低かった前回二〇〇五年の43・99%を10・50ポイント上回った。

 民主は五十八人を公認。複数擁立区を前回の十一から十三に増やすなどの積極策が奏功し、無党派層のほか自民支持層も取り込み、世田谷で三議席を獲得するなど、各地で複数当選を果たした。

 一人区では武蔵野、小金井の現職に加え、千代田、中央、青梅で新人が当選。昭島では推薦候補が勝利。全七区のうち六区を制した。

 自民は五十八人を擁立。勝敗ラインを「自公で過半数維持」とハードルを低くし、手堅い戦いで臨んだが、党都連幹事長ら、大物現職が次々に落選。多摩地区など、保守層が強いとされる地域でも議席を奪われた。

 公明は前回と同数の二十三人を擁立、五回連続の全員当選を果たした。

 共産と、地域政党の東京・生活者ネットワークは、現有議席を減らした。

 無所属は、非自公の二人が当選した。」



(2) 東京新聞平成21年7月19日付朝刊22面【東京】「都議選ショック 記者座談会(上)」

党の旗立てず『自分だけでも』
2009年7月19日

 自公が過半数を割り、民主が第一党に躍進した都議選の結果は国政にも衝撃を与えた。8月30日に予定される総選挙を見据え、都議選の取材に当たった担当記者らが、自民凋落(ちょうらく)、民主台頭の舞台裏について、紙上座談会で語り合った。

 司会 現場で見た自民の負けっぷりは?

  江東区の新人候補陣営は告示日に「街頭で自民党という旗を立てると、全然ダメ。本人だけだと、そんなに反応悪くないんだけど…」と困惑していた。第一声では「自民候補二人一緒(に当選)とか言っている場合じゃない。何としても○×(本人の名)をうからせて」と必死だった。勝ち負け以前に、自民党では戦いにならないという感じだった。

  ある衆院議員は東国原英夫宮崎県知事を名指しし、「あの人のせいで、自民党がゴタゴタした印象を広く与えてしまった」と怒り心頭だった。それもあって都議選への関心度が上がったわけだけど、自民党系の区長は「都議選なのに、メディアが全国的なニュースにしてしまっている」と迷惑そうに話していた。

  自民は「国政と都政は別」と言いながら閣僚らが応援に回っていたけど、逆効果なのを知って、大物の応援を断った陣営もある。「応援は(石原慎太郎)知事と区長だけでいい」と言っていた候補者もいる。

  知事は「自分の選挙よりまじめにやった」と言うように応援に力が入っていた。ただ、「自分のことばかり話していて、応援としては物足りない」という声もあった。それと、民主が主張する永住外国人の地方参政権付与について「外国人は帰化すればいい」と批判。実はこれは知事与党の公明も推進の立場なんだけど、公明の演説でも言っていた。

 司会 開票日のショック、動揺ぶりは?

  僅差(きんさ)で敗れた自民の重鎮は、マスコミをだますように事務所から逃げた。陣営関係者は「(落選が)初めてのことなので」「妻の体調が悪いから」と、しどろもどろだった。

  都議会議長の比留間敏夫氏(府中市)はかろうじて当選したけど、自民の大物が落選していくのを知り、「自分も落ちる」と覚悟したという。

  ショックは、本人以上に衆院選立候補予定者の方が大きいかもしれない。五選が確実視された現職都議が敗れた青梅市では、地元の衆院議員が顔面蒼白(そうはく)。感想を聞くと「私も厳しいと言いたいんでしょう。そりゃ厳しいですよ」と落ち込んでいた。

  大田区が地盤の衆院議員は都議選翌日に衆院解散、総選挙の日程が明示されたのを受け、「これだけの惨敗を受けて、態勢を立て直す間もなく解散をするとは、びっくり。自民党として壊滅的な打撃を受けるのではないかと心配だ」とあきれていた。

【座談会出席者】▼担当デスク 稲熊均(司会) 浜口武司

▼担当記者 石川修巳 原昌志 中里宏 増田恵美子 松村裕子 比護正史 岡村淳司 小林由比 小川慎一 堂畑圭吾 奥野賢二 布施谷航 北川成史 西川正志」


「記者座談会」を読むと、自民党の議席が38議席に減ったという結果以上に、都議会の自民党議員が深刻に感じていることがよく分かるかと思います。「ショックは、本人以上に衆院選立候補予定者の方が大きいかもしれない」との記者の言葉にも現れています。



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2009/07/06 [Mon] 23:59:18 » E d i t
医療法人「徳洲会」は、臨床研究として修復腎(病気腎)移植を開始する方針を明らかにしました。移植は、早ければ7月中にも、万波誠医師が勤める宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)か、東京西徳洲会病院(東京都昭島市)で移植を実施する方針を明らかにしています。



1.報道記事などを幾つか。

(1) 共同通信(2009/06/30 12:28)

7月にも病気腎移植の臨床研究 徳洲会が手順書策定

 医療法人徳洲会は30日、病気の患者から摘出した腎臓を用いる病気腎移植の臨床研究の手順を定め、早ければ7月中にも、万波誠医師が勤める宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)か、東京西徳洲会病院(東京都昭島市)で移植を実施する方針を明らかにした。

 医学的な問題点について提供者や移植を受ける患者に十分に説明し、同意を得るとしている。

 徳洲会によると、外部の医療専門家などからなる「徳洲会グループ共同倫理委員会」が6月、親族間の病気腎移植の臨床研究の手順書を承認。7月中旬の同委員会では、親族以外の提供についての手順書も審査し、承認される見通し。

 厚生労働省は1月、病気腎移植の臨床研究について「対象疾患に制限を設けない」と都道府県などに通知。徳洲会は実施方針を示していた。

2009/06/30 12:28 【共同通信】」



(2) 徳洲新聞2009年(平成21年)7/6 月曜日 NO.679

修復(病腎)移植の臨床研究を開始~東京西徳洲会病院~

6月17日、東京で開催された徳洲会グループ共同倫理委員会(三井利夫委員長)で、東京西徳洲会病院(昭島市・板垣徹也院長)が「生体腎移植に関する臨床研究・修復腎(病腎)を用いた親族間生体腎移植」のプロトコール(定められた治療法)を提出。審査の結果、条件つきで承認された。

今年1月の厚生労働省からの通達により、疾患を特定せず臨床研究での修復腎移植が可能となった。それを受けて、東京西徳洲会病院が実施するもの。今後、宇和島徳洲会病院(愛媛県・貞島博通院長)も実施施設として追加される。

この共同倫理委員会の承認により、徳洲会グループの幹部会でも修復腎移植の臨床研究の開始を認めるとともに、同研究にかかる費用は全額グループで負担することを決定した。今後、これを足がかりとして、親族以外の第三者をドナー(臓器提供者)とする修復腎移植の臨床研究が共同倫理委員会で審査されることになる。」



(3) MSN産経ニュース(2009.6.30 21:23)

病腎移植臨床研究、少なくとも5件実施 徳洲会グループが方針
2009.6.30 21:23

 医療法人「徳洲会」が臨床研究として病腎(修復腎)移植の再開を明らかにしたこと受け、徳洲会グループ(東京都千代田区)の能宗克行事務総長は30日、今年7月中旬から5年以内に少なくとも5件の病腎移植を宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)などで実施する方針を明らかにした。研究成果が得られ次第、厚生労働省に対し病腎移植の保険適用を求めるという。

 徳洲会グループによると、7月15日に外部の専門家を交えた徳洲会グループ共同倫理委員会で承認されるとみられる臨床研究計画書に、第三者間における病腎移植の手術手順などを明記。そのうえで「腎がん患者をドナーとする移植を5年以内に少なくとも5件実施する」(能宗事務総長)との計画を盛り込むという。

 臨床研究の結果、病腎移植が腎臓移植の新しい技術としての成果が得られれば、厚労省に対し患者の入院費用などが医療保険で支払われるよう求める。」



 イ:厚生労働省は2007年7月、臓器移植法の運用指針を改正し、臨床研究以外の修復(病気)腎移植を禁止し、日本移植学会によって、事実上、修復腎移植が禁止されていました。ところが、今年1月27日付で「臨床研究の実施に際し、対象疾患については特段制限していない」という通知を都道府県などを通じて医療機関に流したのです。

この通知により、臨床研究さえも禁じられていた修復腎移植が、臨床研究での修復腎移植は可能であることが明確になったのです(「厚労省が平成21年1月27日、修復腎移植の臨床研究を正式容認~容認する「通知」受け、修復腎移植を今年中に再開へ」(2009/02/11 [Wed] 23:59:38)参照)。

そこで、徳洲会は、徳洲会グループ共同倫理委員会を開催し、その委員会が「生体腎移植に関する臨床研究・修復腎(病腎)を用いた親族間生体腎移植」のプロトコール(定められた治療法)を承認するなど、厚労省の通知に従う形で臨床研究開始の準備を進めたわけです。

厚労省の通知に従って進めた臨床研究なのですから、事前の手続としては何の問題もないということになります。


 ロ:残る問題としては、まず、<1>実際に実施する際の手続を適正に行うこと(=インフォームド・コンセントなど)です。この点は、臨床研究計画書に従うこととなりますが、「医学的な問題点について提供者や移植を受ける患者に十分に説明し、同意を得るとしている」(共同通信)としています。

もう1つの問題は、<2>医療費の問題です。臨床研究となれば、患者が高額な医療費を負担する可能性もあるので、事実上、実施不可能になりかねないからです。この点は、「同研究にかかる費用は全額グループで負担することを決定した」(徳洲新聞)とのことで問題はないようです。また、「研究成果が得られ次第、厚生労働省に対し病腎移植の保険適用を求める」(産経新聞)ようであり、いずれは、他の腎移植と同様に保険適用されることが予定されています。


 ハ:産経新聞によると、「腎がん患者をドナーとする移植を5年以内に少なくとも5件実施する」(徳洲会グループの能宗事務総長)ようです。そうすると、5年以内には、5人の患者が確実に救済されるということになります。



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