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主に社会問題について法律的に考えてみる。など。
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2009/05/27 [Wed] 23:59:41 » E d i t
東京新聞の「始動裁判員~あなたへのメッセージ」という連載記事の最終回を紹介します。最終回は、冤罪事件の元被告人たちへのインタビュー記事となっています。



1.そのインタビュー記事を紹介する前に、冤罪事件の元被告人たちが、裁判員制度開始を受け、記者会見や交流会を行っています。幾つかの記事を引用しておきます。

(1) 毎日新聞 2009年5月14日 地方版(鹿児島)

裁判員制度:「取り調べの全面可視化」 冤罪被害者ら集会 /鹿児島

 「冤罪(えんざい)と裁判員制度を考える県民集会」がこのほど、鹿児島市新町の東本願寺別院大谷会館であった。服役後の再審で無罪が確定した「富山事件」の柳原浩さん(41)らが実際に受けた取り調べの実態を再現を交えながら報告。21日から始まる裁判員制度を前に、「取り調べの全面可視化」を改めて訴えた。

 集会には柳原さんのほか、県議選買収無罪(志布志)事件関係で、「踏み字」事件被害者の川畑幸夫さん(63)や志布志無罪国賠訴訟の藤山忠原告団長(61)、埼玉県狭山市で女子高生が殺害された「狭山事件」で第3次再審請求中の石川一雄さん(70)らが出席。100人近い参加者が集まった。

 「富山事件」の柳原さんは、押収物と被害女性の供述が矛盾するにもかかわらず「警察は事実と自白を都合のいいように曲げてくる」と指摘。「なぜこうなったのか真相を究明したい」として、近く、国と県を相手に、国家賠償請求訴訟を富山地裁に起こすという。

 川畑さんは、両足首をつかまれ「お前をこんな人間に育てた覚えはない」などと書かれた紙を何度も踏まされた「踏み字」行為を会場で再現。「強圧的取り調べを長時間受けると頭が変になってくる」などと体験談を語った。

 国賠訴訟原告団長の藤山さんは取り調べの一部可視化について「警察の都合のいいところだけ提出され、裁判員がどう判断するか不安」と指摘。「全面可視化も(裁判員制度と)同時にやらなければ意味がない」と語気を強めて訴えた。【村尾哲】

毎日新聞 2009年5月14日 地方版」



(2) 中日新聞2009年5月17日【静岡】

『冤罪なくして』訴え 島田事件で再審無罪の赤堀政夫さん
2009年5月17日

被疑者の意見聞いて

 1954年に島田市で女児が殺害された「島田事件」で、再審無罪となった赤堀政夫さん(79)が16日、新居町のホテルで記者会見した。赤堀さんは「警察や検察は被疑者や被告の意見をもっと聞いてほしい」と冤罪(えんざい)をなくすよう訴えるとともに、21日から始まる裁判員制度について「素人は法律のことをよく知らないので、冤罪が起こり得る」と批判した。

 赤堀さんは54年に逮捕され、無実を訴えながら60年に最高裁で死刑が確定した。89年、静岡地裁の再審で無罪を言い渡されるまで35年間、拘置所で刑の執行におびえながら過ごした。

 現在は名古屋で介護者の女性と二人暮らし。死刑廃止を訴える集会などで自身の体験を語っている。

 この日、赤堀さんは解放から20年がたつのを機に、再審を支援していた島田事件対策協議会が開いた会合に出席。当時の弁護士や支援者ら17人が、赤堀さんが80歳になる18日の誕生日を祝った。」



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2009/05/24 [Sun] 23:58:49 » E d i t
重大な事件の刑事裁判に裁判官とともに市民が加わる裁判員制度が平成21年5月21日、始まりました。施行1日目の21日は、裁判員裁判の対象事件が全国で4件起訴されています。また、施行2日目の22日は、東京など7地検は裁判員裁判の対象事件で容疑者計8人を起訴しています。これで、対象事件の起訴は11地検計13人となりました。

これらの事件では今後、裁判の日程が決まった段階で、それぞれの事件を担当する裁判所の管内の裁判員候補者のもとに「呼び出し状」が届くことになります。 各事件は公判前整理手続きなどを経て、「早ければ7月下旬にも裁判が始まる可能性がある」とされています。



1.報道記事を幾つか。

(1) 時事通信(2009/05/21-21:04)

裁判員事件、初日4人起訴=殺人未遂など-責任能力問われるケースも・最高検

 裁判員制度がスタートした21日、裁判員裁判の対象となる罪で、千葉地検が2人、青森、秋田両地検がそれぞれ1人を起訴した。最高検によると、他の都道府県で対象事件の起訴はなく、制度開始初日の起訴は計4人となった。早ければ7月下旬にも初公判が開かれる。
 千葉地検は殺人未遂罪で、千葉県市川市の無職内藤美由紀容疑者(29)を起訴した。起訴状によると、2月、交際していた男性(34)を殺害しようとし背中を柳刃包丁で刺したとされる。捜査関係者によると、責任能力が争点になる可能性がある。
 強盗致傷罪では同市の無職油谷一成容疑者(28)を起訴。起訴状では、1月に同県船橋市の路上で計3人からバッグを奪い、10日間から98日間のけがを負わせたとされる。別の強盗致傷や窃盗事件で既に起訴されており、裁判長が決定すれば、これらも裁判員裁判で審理される。千葉地検は両容疑者の認否を明かしていない。
 青森地検は強盗致傷と住居侵入の罪で青森県弘前市の無職臼井常仁容疑者(42)を起訴した。起訴状によると、4月、同市内のアパートから現金を盗んだのを見つかり、住民の知人(20)にけがを負わせたとされる。地検によると、起訴事実を一部認めているという。
 秋田地検が現住建造物等放火未遂罪で起訴したのは、秋田市の無職清水隆子容疑者(61)。起訴状では4月、アパート自室に灯油をまき放火しようとしたとされる。地検は「起訴事実を認めている」としている。(2009/05/21-21:04)」



(2) 西日本新聞朝刊2009/05/23付

【市民の司法に 裁判員元年】九州の地検 「裁判員」対象2件起訴 福岡と鹿児島 弁護士「主張を工夫」
2009年5月23日 17:32

 裁判員制度施行2日目の22日、福岡、鹿児島両地検は九州で初めて裁判員裁判対象事件の容疑者計2人を、それぞれ福岡、鹿児島両地裁に起訴した。全国では同日、東京など6地検も7人を起訴。福岡、東京両地検の起訴は初の殺人罪となった。これで裁判員裁判対象事件で起訴されたのは全国で13人となった。各事件は公判前整理手続きなどを経て、早ければ7月下旬にも裁判が始まる可能性がある。

 鹿児島地検が起訴したのは、鹿児島市の元警察官で業務委託業の安崎正昭被告(42)=強姦(ごうかん)致傷罪。起訴状によると、安崎被告は今年3月16日夜、鹿児島市内で、同市内の女性(22)の顔にカッターナイフを突きつけるなどして乱暴、腰などにけがをさせたとされる。

 裁判員を選ぶ選任手続きでは裁判官が候補者に事件概要を説明し、利害関係の有無を問う必要があるため、この事件では「守秘義務のない裁判員候補者に性犯罪被害者のプライバシーが明かされる恐れがある」と懸念の声が上がる。これに対し鹿児島地裁は「事件の概要をどの程度示すかは各裁判官の裁量。デリケートな事案には配慮するだろう」としている。

 福岡地検が殺人罪で起訴したのは福岡県久留米市の無職田中潤被告(78)。起訴状によると、田中被告は今月1日夜、同市の自宅作業場で長男(49)の胸などをナイフで刺して殺害したとされる。

 田中被告の弁護士は22日、同市で記者会見し「裁判官と裁判員の考えがどれくらい違うか測りかねるが、主張が分かりやすく伝わるよう、画像などを使う方法も検討する」と話した。

 裁判員裁判は、公開の法廷で検察側、弁護側双方による冒頭陳述や証拠の取り調べがあり、証人や被告に対して裁判員も質問できる。証拠調べが終わると検察官が論告求刑。被害者参加制度が適用されている場合、被害者本人や遺族からも求刑意見が述べられる。その後、裁判員と裁判官は非公開の「評議」に入り、有罪か無罪か、有罪ならばどのくらいの量刑が適切かを話し合い、法廷に戻って判決を言い渡す。

=2009/05/23付 西日本新聞朝刊=」



 イ:対象事件として、特に注意するべき点は、次の4点です。

<1>5月22日に東京、福岡両地検でなされた起訴は、22日午前までにはなかった殺人罪であること(東京、福岡両地検が起訴したのは、それぞれ無職藤井勝吉さん(71)と無職田中潤さん(78))、
<2>千葉地検が覚せい剤取締法違反(営利目的の輸出入)罪などで起訴したのは外国人2人であること(千葉地検が起訴したのは、メキシコ国籍の大学生の男性(21)とカナダ国籍の会社員の女性(29)です)、
<3>千葉地検が起訴した殺人未遂罪の事件は、捜査関係者によると、責任能力が争点になる可能性があること、
<4>鹿児島地検が起訴したのは、強姦致傷罪の事件であること、

です。

すなわち、<1>殺人既遂事件となれば、死刑も含めた判断も迫られる可能性がありますし(しかも被告人は高齢者ゆえ、死刑相当は妥当なのかも問題となります)、<2>外国人が被告人の場合、適正手続の保障(憲法31条)の見地から、適切な通訳がなされているのかどうか判断する必要がありますし、<3>責任能力(刑法39条)の有無を判断するために、異なる結論が出されると予想される精神鑑定結果を判断しなければなりませんし、<4>強姦事件では、「守秘義務のない裁判員候補者に性犯罪被害者のプライバシーが明かされる恐れがある」と懸念の声に配慮した運用をなす必要があります。

これら対象事件を見ると、裁判員裁判施行の当初から、裁判員には重い負担が課されている事件を判断することになったといえます。もちろん、無罪推定の原則の下、被告人が本当に真犯人といえるほど(合理的な疑いを容れな程度まで)十分な立証ができているのかどうか判断すること自体も重い負担といえます。


 ロ:さて、こうした事件につき、裁判員となる市民にとって必要とされる心構えを幾つか示している、東京新聞の「始動裁判員~あなたへのメッセージ」という連載記事を3回分引用しておきたいと思います。この3回分は、元検事、検察審査会の元審査員、被害者遺族であり、いずれも訴追側にいる人物へのインタビュー記事となっています。



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2009/05/23 [Sat] 23:58:45 » E d i t
政府の新型インフルエンザ対策本部(本部長・麻生太郎首相)は平成21年5月22日午前の会合で、国内感染の拡大を防止するための基本的対処方針を見直しました。新たな方針に基づく運用指針では、<1>患者が発生した地域を感染状況に応じて2つに分類し、<2>急速に患者が増加している地域では一般医療機関での診療や軽症者の自宅療養を認めるといったものであり、対応を弾力化したものです。

麻生太郎首相は冒頭、「感染状況は地域で偏りがあり、急激に感染者が増えた地域では、医療機関の対応に困難が生じている。地方自治体が地域の実情に即した対応を取れるようにすることが重要だ」と述べ、国内対策の新指針の狙いを説明しています(東京新聞平成21年5月22日付夕刊)。言い換えれば、「不安過剰社会」に陥っている日本において、「地域の経済活動や都市機能が過度に萎縮しないよう配慮」(日経新聞平成21年5月22日付夕刊1面)したものです。



1.報道記事を幾つか。

(1) 朝日新聞平成21年5月22日付夕刊(14版)

新型インフル 休校判断は学校単位 一般病院で受診可能 
急増地域の対応改定

2009年5月22日13時36分

 政府は22日、新型インフルエンザ対策本部の会合を首相官邸で開き、国内での感染拡大を踏まえ、対処方針を改定した。症状が季節性インフルエンザと似ていることから対応を弾力化。発生地域を拡大状況に応じて二つに分け、患者の急増地域では学校単位で臨時休校できるようにする。一般病院での受診や軽症患者の自宅療養も認める。機内検疫は原則取りやめ、水際対策は縮小する。

 新しい対処方針によると、新型インフルエンザでは、糖尿病やぜんそくなど基礎疾患を持つ人を中心に、症状が重くなって死亡する例があることを指摘。今後、国民生活や経済への影響を抑えながら、特に基礎疾患を持つ人への感染防止に重点を置き、「地域の実情に応じて柔軟に対応する必要がある」と明記した。

 具体策は、厚生労働省の運用指針で定めた。発生地域を(1)患者発生が少なく、感染拡大防止に努めるべき地域(2)患者が急増し、重症化の防止に重点を置くべき地域――に区分し、(1)の地域はほぼ従来通りの方針で対応するが、(2)の地域は対応を大幅に緩和する。厚労省と相談のうえ、都道府県などがどちらの地域とするか判断する。

 (2)の地域で、学校・保育施設に患者が多数発生した場合は、通常の季節性インフルエンザと同様、県や市など設置者の判断で臨時休校・休業措置をとれるようにする。塩谷文部科学相は22日の閣議後の記者会見で、学級閉鎖も「実情に応じてありえる」と述べた。修学旅行については「自粛を求める状況ではない」とも語った。

 対策本部で麻生首相は「自治体が地域の実情に即した柔軟な対応をとれるようにすることが重要。ただ、今回の新型インフルエンザの特性から、対策の基本は感染拡大を防ぐこと、基礎疾患のある方々の重篤化を防ぐことであることは忘れてはならない」と述べた。

 舛添厚労相は22日の閣議後の記者会見で、「感染初期の段階と(患者が急増した)大阪、兵庫は違う。きめの細かい対応の違いを示した。現場からの情報が一番貴重で、それが判断基準になる」と述べた。」



(2) 朝日新聞平成21年5月23日付朝刊4面(14版)

「対策緩和」首長の声 厚労相も急いだ新方針

 新型の豚インフルエンザの初の国内感染者が出てから1週間。政府は22日、国のインフルエンザ対策について、自治体の裁量に委ねる弾力的な運用へと改めた。突き動かしたのは現場の自治体だった。軌道修正を求められた政策の決定過程では、厚生労働省と司令塔役の官邸との温度差も見られた。 (南彰、五郎丸健一)

■新型インフル 官邸と細部決定

 「何よりも大事なのは現場。霞が関にいてもわかるわけないんですよ」

 22日朝。連日、深夜まで携帯電話で自治体の首長と連絡を取り合ってきた舛添厚生労働相は記者会見でこう力説した。

 新対策の肝は「発熱外来」の指定を受けていない病院での受診や自宅療養を解禁し、学校休校の対象を決めることを自治体の判断に委ねた点だ。米国やメキシコなどからの入国者への7日間の健康観察もやめ、各地の保健所の負担を軽減した。

 政策変更の背景には、現場を抱える自治体の「悲鳴」があった。国の対策は、強毒性の鳥インフルエンザを想定したものだった。しかし、今回のインフルエンザが弱毒性であることが判明してきたにもかかわらず、画一的な対応で都市機能が止まってしまうことへの焦りや疑問を自治体の首長が国に強く訴えた。

 18日、全国知事会で上京した橋下徹大阪府知事や井戸敏三兵庫県知事が厚労省を訪問。舛添氏に直談判した。

 「通常の季節性インフルエンザの対応にかじを切って欲しい」(橋下氏)、「風評被害もかなり深刻だ」(井戸氏)。さらに知事会も弾力的な運用を求めて緊急決議した。

 舛添厚労相は、一斉休校が終わる7日以内に、新たな行動計画を作り替えることも含めた政策転換を橋下知事との面会で約束。自治体側が打ち出した自宅療養の方針などを「モデルになる」と容認し、それらを盛り込んだ新しい対処方針の策定を急いだ。

 首相官邸には、運用変更への慎重論もあった。 「成田空港での検疫を緩めたり、一般病院での受診を認めたりすれば、感染が拡大するのではないか」との懸念がぬぐえなかった。 「厚労省から説明を聞いても、なぜ緩めても問題ないのか理解できない」と、いらだつ声も漏れた。

 対応を弾力化しながら、感染拡大を可能な限り防ぐ方法はないか――。官邸と厚労省、専門家の検討が続き、機内検疫をやめる代わりに質問票で健康状態を把握する▽一般医療機関での診察は、一般の患者と入り口や時間帯を分ける、などの細部が固まっていった。

 対策本部での決定は22日午前。麻生首相が太平洋・島サミット出席のため東京を離れる「タイムリミット」の直前だった。大阪府の橋下知事は決定後に記者団に対し、「もうじたばたしない。ある程度感染者は出ることを前提にして対応をとっていく」と語った。」




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2009/05/21 [Thu] 23:59:29 » E d i t
平成21年5月21日、裁判員制度が施行されました。昨日も述べましたが、裁判員制度とは、国民に裁判員として刑事裁判に参加してもらい、被告人が有罪かどうか、有罪の場合どのような刑にするかを裁判官と一緒に決めてもらう制度です。


1.報道記事を幾つか。

(1) 朝日新聞平成21年5月21日付朝刊1面(14版)

裁判員制度スタート 
009年5月21日1時36分

 6人の市民が3人の裁判官とともに刑事裁判で判決を出す裁判員制度が21日、スタートする。裁判に市民感覚を反映し、司法への信頼を高めるのが狙い。「難しくてわかりにくい」「審理が長い」と言われてきた日本の刑事裁判は大きく変わる。

 日本では戦前から戦中の15年間、市民が有罪・無罪を判断する陪審制が実施されていたものの、有罪の際に刑の重さを決めることにも市民がかかわるのは近代司法の歴史で初めてのことだ。裁判員法は04年5月21日に国会で成立し、施行まで5年の準備期間が置かれていた。

 スタートする21日以降に起訴された殺人や傷害致死などの重大事件が対象になるが、すぐには裁判は始まらない。法曹三者(裁判官、検察官、弁護人)で裁判の争点を絞り、初公判の6週間前までに裁判員候補者に「呼び出し状」を送る手続きがあるため、初めての裁判員裁判は7月下旬ごろと見込まれている。(岩田清隆)」



(2) 朝日新聞平成21年5月21日付夕刊10面(4版)

裁判員制度がスタート
2009年5月21日15時4分

■「状況みながら運用を見直し」法相

 市民が刑事裁判に加わる裁判員制度が21日、施行された。同日以降に起訴された重大事件が対象で、初めての裁判員裁判は7月下旬ごろに行われる見通し。各種の世論調査では多くの市民が消極的で、制度や運用の見直しを求める声も多いなかでのスタートとなった。

 森法相は同日午前、法務省で記者会見し、「『お上の裁判』から『民主社会の裁判』へと司法が大きく変わる」と制度の意義を強調した。参加に不安を感じる人が多いことを踏まえ、「必要とされているのは国民が日常の中で培った感覚や視点。肩の力を抜いて、自然体で参加してほしい」と呼びかけた。

 参加をためらう理由として死刑の判断にかかわることを挙げる声があることについては「ある意味で当然のこと。ただ、死刑制度によって社会の秩序が保たれている現状がある。国民的な議論が起きるのは歓迎すべきことだ」と述べた。

 裁判員法は3年後の制度見直しを定めている。森法相は「運用については状況を見ながら反映することは十分ありうる」と述べ、3年を待たずに必要があれば運用面の改善をはかる意向を示した。

■反対派も会見

 制度に疑問を持ったり反対したりしている団体はスタートにあわせて記者会見や集会を開いた。

 これまでデモや大規模な集会などの反対活動をしてきた「裁判員制度はいらない!大運動」のメンバーは21日午前は記者会見を開いた。 「国民は制度が人を処罰することへの強制動員だと見抜いている。『主人公』の意思を無視して強引に始めても、制度は直ちに崩壊する」として制度の廃止を訴えた。

 20日夜には、全国各地の「冤罪」が疑われる事件を支援する団体が「明日からあなたも裁判官?」と題して東京・九段で集会を開いた。講談師の田辺凌鶴(りょうかく)さんが「死刑と裁判員」と題した講談を披露。無罪主張の強盗殺人事件の裁判に参加した裁判員の悩みを通して、評議で無罪を主張しても量刑の判断に加わらなければいけないことなど、制度の問題点を指摘した。

 同じ20日夜には、学者や弁護士らが「前夜~秘密の中の裁判員制度」というシンポジウムを立教大(東京都豊島区)で開いた。 「法の知識もない市民が人を裁けるのか。1日でも仕事を休めば経済的損失は大きい」と、学生や市民を前に、裁判員候補者の男性が実名を出して訴えた。弁護士からは「判決を決める評議が非公開のため、適正に判決が導き出されたのかをチェックできない」などとする指摘があった。」


裁判員制度の実施を巡っては、このように推進している国の側も、反対している側も記者会見などの意見表明を行っています。推進している側は、「肩の力を抜いて、自然体で参加してほしい」と気軽に参加することを述べており、他方で、反対している側は「国民は制度が人を処罰することへの強制動員だ」とか、「1日でも仕事を休めば経済的損失は大きい」と述べています。すなわち、報道記事で引用された「
意見表明」では、一方は、裁判員の負担は軽いとし、他方は、裁判員の負担は重いという点をポイントとしているようです。

確かに、裁判員となる市民の負担は大きな問題であることは確かです。裁判員制度の是非を検討する際には、必要なことだといえます。しかし、裁判員裁判によって最も影響を受けるのは、被告人です。裁判によって被告人の人生や生命が左右されてしまうのですから。

ですから、まず、裁判員裁判によって、被告人が不利益を受けないように、言い換えれば、「もし自分又は家族・親族が裁判員裁判を受けることになった場合、不安を感じるような制度ではないのか」といった観点で、考える必要があります。

このように、被告人の立場にたって考えることが大事であるとすると、今、不当に不利益を被っている被告人は、障害者です。そこで、被告人の、特に障害者の弁護を行っている大石剛一郎弁護士へのインタビュー記事(東京新聞平成21年5月21日付朝刊)を紹介します。



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2009/05/20 [Wed] 23:59:26 » E d i t
平成21年5月21日、裁判員制度が実施(施行)されます。裁判員制度とは、国民に裁判員として刑事裁判に参加してもらい、被告人が有罪かどうか、有罪の場合どのような刑にするかを裁判官と一緒に決めてもらう制度です。

早ければ7月下旬から裁判員が加わった裁判(裁判員裁判)が各地裁で順次始まる見通しとなっています。裁判に有権者が参加するのは、1943年の陪審制度の停止以来で、72年まで米国統治下で陪審裁判があった沖縄を除くと、66年ぶりとなります(共同通信)。



1.「裁判員制度は、特定の職業や立場の人に偏らず、広く国民の皆さんに参加してもらう制度であること」を理由に、裁判員に選ばれた市民は、原則として辞退できません。

ですから、裁判員制度には多くの批判がなされ、問題点が多く残ってはいるものの、実施されてしまう以上、市民の側は裁判員制度に参加することに備える必要がありますし、少しでもよい結果をもたらすようにと願うばかりです。そこで、「裁判員に選ばれるかもしれないあなたへ」という形で、裁判員となる市民にとって必要とされる心構えを幾つか示してみたいと思います。

その1回目として、木谷明氏という元裁判官へのインタビュー記事(東京新聞平成21年5月20日付朝刊「始動裁判員~あなたへのメッセージ」)を紹介したいと思います。木谷明氏は、「刑事裁判で一番大切なことは,『無辜の不処罰』,つまり『無実の者を処罰しないこと』です」ということを説いていた、稀有の裁判官だった方です。



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2009/05/19 [Tue] 23:59:59 » E d i t
民主党は平成21年5月16日午後、小沢一郎氏の代表辞任に伴う代表選挙が行われ、両院議員総会での投票の結果、鳩山由紀夫幹事長(62)が岡田克也副代表(55)を破り、新代表に選出されました。投票結果は、鳩山氏124票、岡田氏95票、無効票1票で、29票差でした。


 「鳩山新代表は、選出後、壇上で「岡田候補の健闘に感謝申し上げる」としたうえで、「この戦いは、互いに相手を敵同士として戦ったわけではない。この国を良くしたいとの思いの戦い。戦いが終わればノーサイド。持てる力を出し合いながら、皆さんの総力を全員野球として結集して、日本の大掃除をやろうではないか。日本の夜明けを迎えるために新しい民主党の姿を示し、官僚主導を破壊し、国民・市民の皆さんの政治をつくるために先頭に立つことを誓う」と、総選挙勝利、政権交代に実現に向けて力強く挨拶した。また、岡田候補と固く握手し、大きく手を上げて、ともに政権交代の実現を誓い合った。

 岡田候補も、感謝の弁を述べた後、「新しい民主党として、政権交代、政治を国民の手に取り戻すために一緒に頑張ろうではありませんか」と挨拶した。」(民主党のHPより「2009/05/16 【代表選】両院議員総会で新代表に鳩山由紀夫衆院議員を選出 挙党一致で政権交代へ」より引用)





1.報道記事を幾つか。

(1) 朝日新聞平成21年5月17日付朝刊1面(14版)

民主党代表に鳩山氏 岡田氏、重要ポストに
2009年5月17日1時25分

 民主党は16日、小沢代表の辞任に伴う党代表選を東京都内のホテルで行い、鳩山由紀夫幹事長(62)を新代表に選んだ。党所属国会議員による投票の結果、鳩山氏が124票を獲得し、95票の岡田克也副代表(55)を破った。鳩山氏は選出後の記者会見で、岡田、小沢両氏を重要ポストで処遇する考えを表明した。

 政権交代をかけた総選挙に向け、鳩山氏は党勢の立て直しを急ぐ。新代表の任期は、前代表の残り任期である来年9月まで。鳩山氏は、旧自由党との新党構想をめぐる混乱の責任をとって02年12月に辞任して以来の代表復帰だ。

 鳩山氏は選出後、両院議員総会で「政権交代を果たして官僚主導の政治を打破し、市民、国民が主役になる政治をつくるため、先頭を切って走る」と表明。その後に岡田氏と会談し、新体制への協力を要請した。岡田氏も「わかりました」と応じた。

 また鳩山氏は記者会見で、岡田、小沢両氏の処遇について「できるだけしっかりしたポストについていただく」と説明。岡田氏は幹事長や代表代行への起用が検討されており、執行部入りは確実だ。小沢氏については幹事長、代表代行ら党首脳による集団指導体制の一員に迎える意向。党役員人事の規模については小幅にとどめる考えだ。」



(2) 朝日新聞平成21年5月18日付朝刊1面(14版)

民主幹事長に岡田氏、小沢前代表は代表代行に

 民主党の鳩山代表は17日、代表選で戦った岡田克也副代表を幹事長、小沢一郎前代表を選挙担当の代表代行にそれぞれ起用する党役員人事を決めた。菅直人代表代行、輿石東参院議員会長(代表代行)は再任し、代表、幹事長、代表代行の計5人による集団指導体制で党運営にあたる。

 小沢氏の処遇をめぐっては代表退陣後に実権を握る「院政」批判が出ていたが、退陣後ただちに執行部に復権したことになる。ほかの党役員については基本的に再任する。

 代表選で開かれた党運営を訴えた政策通の岡田氏を要の幹事長に据えることで、挙党体制をアピールするとともに、総選挙に向けて政策発信を強めていく狙いがある。小沢氏は3人の代表代行の中でも「筆頭」扱いとし、代表時代に一手に仕切ってきた総選挙対策を引き続き担う。

 鳩山氏は17日夕、東京都内のホテルで小沢氏と会談。続いて党本部に岡田氏を呼んで幹事長就任を要請した。

 鳩山氏は人事決定後、党本部でほかの4人とともに記者会見し、「小沢さんは民主党を次の総選挙で勝利する体質に導いていただきたい。岡田さんは代表選で見事な、さわやかな戦いをした。挙党一致体制をつくりあげることが大事だ」と説明。小沢氏は「政権交代に向けて今まで以上に一生懸命がんばりたい」、岡田氏は「鳩山代表のもとで、しっかりがんばりたい」とそれぞれ決意表明した。」




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2009/05/14 [Thu] 23:59:23 » E d i t
栃木県足利市で1990年、保育園の女児(当時4)が誘拐され、殺害された「足利事件」で、殺人罪などに問われ、無期懲役が確定した菅家利和さん(62)の再審請求の即時抗告審で、東京高裁(矢村宏裁判長)は平成21年5月8日、鑑定医2人から提出を受けた鑑定書を検察側、弁護側双方に渡しました。いずれの再鑑定も、菅家さんと女児の着衣に付着した体液のDNA型が一致しないとする再鑑定結果でした。

東京高裁は8日、検察側、弁護側双方に6月12日までに再鑑定に対する意見書を提出するよう求めており、 高裁は鑑定結果や意見書などを踏まえ、鑑定人に対する尋問などが必要か検討した上で、鑑定結果が再審開始の要件となる「無罪を言い渡すべき明らかな証拠の新たな発見」に当たるかどうかを判断するとみられます(朝日新聞平成21年5月9日付朝刊1面)。



1.報道記事を幾つか。

(1) 朝日新聞平成21年5月9日付朝刊1面(14版)

再鑑定、DNA不一致  足利女児殺、再審再開の公算大
2009年5月8日18時17分

 栃木県足利市で90年に4歳の女児を殺害したとして殺人罪などに問われ、無期懲役が確定した菅家利和(すがやとしかず)受刑者(62)の再審請求で、女児の衣服に残された体液のDNAを改めて鑑定したところ、菅家受刑者のDNA型と一致しなかったことが8日、明らかになった。再鑑定は、検察側、弁護側がそれぞれ推薦した2人の鑑定人に東京高裁(矢村宏裁判長)が依頼したもので、いずれも「不一致」と結論づけられたという。

 菅家受刑者は、警察庁の科学警察研究所(科警研)が91年に行ったDNA型鑑定によって「一致する」とされたことが決め手となって逮捕された。公判では、最高裁が00年にDNA型鑑定の結果の証拠能力を初めて認め、有罪判決が確定した。再鑑定の結果、再審が開始される公算が大きくなった。

 再鑑定の結果は弁護側が明らかにした。検察官が推薦した鑑定人は、染色体上の計32ヶ所の塩基配列の繰り返しパターンのうち、26ヶ所が異なると鑑定。当時の鑑定について「刑事司法に適用する科学技術としては標準化が達成されていなかった」と、その精度について言及したという。弁護人推薦の鑑定人は、8ヶ所のうち5ヶ所が異なったとして「いかなる偶然性を排除しても、両者に由来する個人が同一である可能性はあり得ない」としていたという。

 東京高裁は8日、検察側、弁護側双方に来月12日までに再鑑定に対する意見書を提出するよう求めた。高裁は鑑定人に対する尋問などが必要か検討した上で、鑑定結果が再審開始の要件となる「無罪を言い渡すべき明らかな証拠の新たな発見」に当たるかどうかを判断するとみられる。

 菅家受刑者は91年に逮捕され、捜査段階で犯行を「自白」。1審・宇都宮地裁での公判の途中で起訴事実を否認したが、1審判決は求刑通り無期懲役とし、2審・東京高裁も1審の判断を維持した。最高裁第二小法廷は00年に被告の上告を棄却。決定の中で、DNA型鑑定について「科学技術の発展により新たに解明された事項も加味して慎重に検討されるべきだが、なお鑑定結果を証拠として使うことは許される」との判断を示していた。」



(3) 朝日新聞平成21年5月9日付朝刊35面(14版)

足利「DNA不一致」  鑑定進歩 「立証」崩す

 90年代初頭に実施されたDNA型鑑定の結果は、最新の手法によって覆された。栃木県足利市で起きた女児殺害事件の再審請求。無期懲役とされた受刑者の再審の扉は、再鑑定によって開くのか。

■弁護側「当時は誤り」

 「当時の鑑定は完全に誤りだった」。菅家利和受刑者(62)の主任弁護人を務める佐藤博史弁護士は8日、東京・霞が関で記者会見に臨み、自信に満ちた表情で語った。

 警察庁科学警察研究所(科警研)による「旧鑑定」の際、女児の衣服に残っていた体液の大半が使われていたことから、再鑑定で使う試料の体液は旧鑑定で切り取って使った部分の周辺から採取された。このため、他人が触って別人のDNAと混ざったり、14年に及ぶ常温保存で変質したりして、正しい再鑑定ができなくなっている恐れがあることを指摘する声があった。

 これに対し、弁護団によると、弁護側推薦の鑑定人は衣服の深層部分まで染みこんだ体液を採取。飛沫(ひまつ)とみられるしみからも体液を採取して、まず両方のDNA型が一致することを確かめたうえで菅家受刑者のDNA型と比較する手法を採った。

 さらに、鑑定人は、逮捕時に行われた「旧鑑定」を最新の技術で再現。当時衣服に残留していた体液のDNA型の判定は誤っており、菅家受刑者の型とも一致しなかったと指摘しているという。

 佐藤弁護士は、こうした丹念な作業を挙げて「(DNA型の)不一致の結果は動かない」と語気を強めた。

 菅家受刑者を有罪とした確定判決は、DNA型鑑定の結果とともに、捜査段階と公判段階での「自白」を証拠として結論を導いていた。佐藤弁護士は「旧鑑定を突きつけて誘発した自白に証拠能力はない。すぐにでも再審を開き、自白内容も検討すべきだ」と主張した。

 一方、再鑑定の結果に、検察幹部は「立証の大きな部分が失われたことになった」と苦渋の表情を見せた。 「DNA型鑑定は科学的に確立している。その鑑定結果に対して『信頼できない』とする主張はできない」と話した。 (阿部峻介、矢吹孝文)

■識別、「1000人に1.2人」から「4.7兆人に1人」

 足利事件のDNA型鑑定が行われたのは91年8月。現在は飛躍的に技術が向上しており、再鑑定はその進歩のもとで行われた。

 警察によるDNA型鑑定は科警研が89年に導入したのが始まりだ。足利事件の鑑定は、科警研が染色体上の「MCT118」と呼ばれる16個の塩基配列が繰り返す回数に個人差があることを利用して個人を識別する検査法で実施。識別できる確率は型によって異なり、同事件の場合は当初「千人に1.2人」を識別できる計算だった。また、当時は型を正確に判定できない測定器具を使っており、誤った型を導き出していた可能性も指摘されていた。

 03年には「STR」と呼ばれる4個の塩基配列の繰り返し回数を分析する検査法が導入され、染色体の9ヶ所について調べることなどで「1100万人に1人」を識別できるように。さらに06年11月からは15ヶ所を調べる改良型が導入され、現在では「4兆7千億人に1人」と精度が飛躍的に高まった。鑑定件数は足利事件の鑑定があった91年は48件だったが、08年には約3万1千件と5年前の26倍となっている。警察庁は現在、事件現場に遺留されたDNA型と容疑者のDNA型のデータベースを運用。これにより今年4月末現在で容疑者4099人の特定につながった。

 警察幹部は「足利事件当時とは比べものにならない高精度の現行のDNA型鑑定の重要性は変わらない。犯人でないことを証明することにもつながり、捜査機関だけの武器ではない」と語る。(野田一郎)」



《解説》 再審なら自白焦点に

 刑事訴訟法は再審開始の要件として「無罪を言い渡すべきことが明らかな証拠を新たに発見した時」などを挙げる。再鑑定の結果は「犯人は別人の可能性が高い」と客観的な事実を突きつけており、東京高裁が再審を開始する公算は大きい。

 仮に再審が始まれば、とりわけ焦点となるのは、菅家受刑者の「自白」についての評価だ。2審・東京高裁判決は、警察官が「DNA型が一致した」と菅家受刑者に告げて供述させていた経緯を認定。その一方で、遺体を横たえた状況など「実際に体験した者の供述としての真実味が感じられる」と「自白」の信用性を認めて、鑑定結果と合わせて有罪を導いていた。

 再審では、こうした当時の捜査のあり方や裁判所の有罪認定が改めて検証されることになる。

 DNA型鑑定の進歩は、真犯人をより高い精度で特定すると同時に冤罪を防ぐことを可能にした。米国では04年にすべての死刑囚や懲役囚にDNA型鑑定を受ける権利を認める法律が成立。08年までに計237人が再審で無罪となった。日本でも法制化すべきだと指摘する専門家もいる。

 ただ、鑑定のもととなる試料の取り扱いや保存方法などによっては絶対のものではない。精度が格段に上がったとはいえ、DNA型鑑定の結果だけに依拠する「犯人特定」は許されない。今回の一連の経過は、そうした刑事司法の原点を見つめ直す契機となりそうだ。 (河原田慎一)」



菅家受刑者は鑑定結果に涙 「再審、一日も早く」

 千葉刑務所にいる菅家受刑者は8日午後、再鑑定の結果を弁護団から聞いた。

 弁護団によると、菅家受刑者は鑑定書をガラス越しに見せられると涙を流し、「自分は無実なので再鑑定をやってもらってありがとうございます」 「一日も早く再審開始をしていただいて、一刻も早く出してもらって両親のお墓参りをしたい」と語ったという。」


「足利事件」では、「被告人と犯人との結びつきを示す証拠が、自白の他には、DNA型鑑定しか実質上存在しなかった」(中島宏「MCT118型DNA鑑定の証拠能力」判例時報1776号(判例評論519号)214-217頁(2002年))のです。

ですから、再鑑定により、いわば有罪確定の決め手になった当時のDNA型鑑定が否定されれば、その鑑定結果の及ぼす影響は極めて大きいことなります。

すなわち、刑事訴訟法は再審開始の要件として「無罪を言い渡すべきことが明らかな証拠を新たに発見した時」などを挙げていますが、当時のDNA型鑑定を否定する再鑑定の結果は、菅家さんとは別人が真犯人であると明示するものです。それゆえ、「無罪を言い渡すべきことが明らかな証拠を新たに発見した時」という要件を満たすことが確実であり、高裁が菅家さんの再審開始を決定する公算が大きくなったのです。



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2009/05/13 [Wed] 03:14:30 » E d i t
民主党の小沢一郎代表(66)は、平成21年5月11日午後、党本部で緊急記者会見を開き、「民主党代表の職を辞することを決意した」とし、代表を辞任する意向を表明しました。冒頭、小沢・民主党代表は、「挙党一致をより強固にするために」と題するメモを読み上げ、代表職辞意表明に至った考えを表明しています。


1.小沢・民主党代表が読み上げたメモの全文は以下の通りです。

「平成21年5月11日

挙党一致をより強固にするために
衆議院議員 小沢一郎

 来る衆議院総選挙での必勝と、政権交代の実現に向け、挙党一致の態勢をより強固にするために、あえてこの身を擲(なげう)ち、民主党代表の職を辞することを決意致しました。
 国民の皆様、支持者の皆様にご心配をおかけして参りましたことをお詫び申し上げるとともに、特に、この3年間、至らぬ私を支えて下さいました同僚議員の方々、党員・サポーターの皆様に、心より御礼を申し上げます。
 もとより、今度の総選挙は、国民自身が政権を選択して、自らこの国と国民生活を救う、又とない機会であります。民主党にとっては、悲願の政権交代を実現する最大のチャンスであります。
 民主党を中心とする新しい政権をつくり、「国民の生活が第一。」の政治を実現して、日本の経済、社会を根本から立て直すこと。そして、政権交代によって、日本に議会制民主主義を定着させること。その2つが、民主党に課せられた歴史的使命であり、私自身の政治家としての最終目標にほかなりません。
 日本のために、また国民にとって、民主党にとって、そして私自身にとっても、何が何でも、ここで勝たなければならないのであります。
 それを達成するためには、党内の結束・団結が絶対不可欠の条件であります。党内が乱れていたのでは、総選挙に勝利することはできません。逆に、挙党一致で臨みさえすれば、必ず勝利することができると確信しております。
 私が代表の職にとどまることにより、挙党一致の態勢を強固にする上で少しでも差し障りがあるとするならば、それは決して私の本意ではありません。政権交代という大目標を達成するために、自ら身を引くことで、民主党の団結を強め、挙党一致をより強固なものにしたいと判断した次第であります。
 正に、身を捨て、必ず勝利する。私の覚悟、私の決断は、その一点にあります。
 連休中、熟慮を重ねて、その結論に達し、決断した以上、党内の混乱を回避するためにも、直ちに連休明けの本日、辞意を表明することに致しました。ただし、国民生活への影響を最小限に抑えるために、平成21年度補正予算案の衆議院での審議が終わるのを待ったうえで、速やかに代表選挙を実施していただきたいと思います。
 重ねて申し上げます。新代表の下で挙党態勢を確立して総選挙に臨むことが、何よりも重要であります。もちろん、私もその挙党態勢の一員として新代表を支え、総選挙必勝のために最前線で戦い続けたいと思います。
 国民の皆様、引き続き民主党をご支持下さいますよう、心よりお願い申し上げます。」





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2009/05/11 [Mon] 23:51:53 » E d i t
今回の新型インフルエンザは、毒性や感染力が通常の季節性インフルエンザとほとんど変わらないことが、これまでの症例や遺伝子解析で明らか」(読売新聞平成21年5月9日付夕刊3面)になっており、大げさに騒ぎ立てる必要がないことが判明しています。

しかし、今だに大々的に報道するものも見受けられます。例えば、読売新聞平成21年5月11日付夕刊1面(14版)では、「新型インフル 修学旅行 海外を敬遠」という大見出しで、「世界中に感染が広がっている新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)の影響で、海外への修学旅行や語学研修を延期する学校が相次ぎ、旅行会社が渡航先などとのやり取りに頭を痛めている」という内容を掲載し、関連記事として2・12面があることも紹介するなどの念の入れようです。

こうした大げさな報道が目に付く中、東京新聞は、新型インフルエンザ対策について「生き過ぎ、騒ぎ過ぎ?」といった見出しの記事を掲載し、異なる視点での報道を行っています。そこで、東京新聞の記事を紹介してみたいと思います。


1.その東京新聞の記事を。

(1) 東京新聞平成21年5月11日付夕刊9面

新型インフルエンザ対策 生き過ぎ 騒ぎ過ぎ?
2009年5月11日 夕刊

 空港検疫で見つかった新型インフルエンザが国内で発生するのは時間の問題。感染者が増えれば自治体は国の要請で学校の休校やイベント自粛などを求める可能性がある。毎年のインフルエンザに比べて症状が突出しておらず薬も効くことから「そこまでやるのは行きすぎ」の声も。外国では「日本だけ騒いでいるのでは?」との見方もある。

■国の計画「強毒」に対応 海外帰りに「出社・登校停止」も

 初めての感染者が見つかる前から国内の過剰反応の例はいくつかある。外国に行っただけで出社や登校しないよう求められたり、食料備蓄を呼びかける放送局まであった。医師の古川俊治参院議員が国会質問で「大流行に備えてベッドを空けるため、緊急でない手術は延期するなどの措置がとられた病院もある。過剰反応では」とただすほどだ。

 過敏な反応がでる要因の1つは、国の行動計画が「強毒性の鳥インフルエンザ」に対応しているからだ。今回のウイルスは弱毒性とみられ、症状もマイルドなのに、計画は大人がバタバタ倒れ、全身症状を起こして死亡する想定だ。

 Aソ連型、A香港型など季節性のインフルエンザは、国内で毎年1万人の死者が出る。現在も数万人の患者がいると推定される。増え続けているとはいえ世界で新型の患者数は4500を超えたところだ。

 もっとも、新型を軽視するのは危険で、押谷仁東北大教授は「感染力はかなりある」と話し「過度に恐れる必要はないが、ある程度の被害は想定すべきだ」。

 国立感染症研究所の岡部信彦・感染症情報センター長は「日本には、すべてを心配する『過剰心配症候群』と、大したことはないと思う『無視症候群』がいる。そのバランスをとりながら対策を講じるのが難しい」と国民性を指摘する。

 「なぜマスクをしなかった?」「注意が足りない」などと、感染した人が悪く言われ、差別が生まれかねない反応は心配。岡部さんもそう懸念する。」

(*リンク先は中日新聞ですが、東京新聞でも同一内容を掲載しているので、引用しました。ただし、見出しが異なるので、東京新聞の見出しに変更しています。)



過剰反応の具体例、しかも「初めての感染者が見つかる前」の具体例として、ここまであったのかと呆れてしまいます。

「初めての感染者が見つかる前から国内の過剰反応の例はいくつかある。外国に行っただけで出社や登校しないよう求められたり、食料備蓄を呼びかける放送局まであった。医師の古川俊治参院議員が国会質問で「大流行に備えてベッドを空けるため、緊急でない手術は延期するなどの措置がとられた病院もある。過剰反応では」とただすほどだ。」


東京都内の病院にだけ多く発生した、発熱患者の診療拒否問題については、何度も触れています(<1>「新型インフルエンザ問題:新型インフルエンザ発症国への渡航歴がない患者への診療拒否相次ぐ~応召義務(医師法19条)違反であることを知っていて拒否しているのですよね?」(2009/05/06 [Wed] 18:02:54)、<2>「発熱患者への診療拒否問題:「新型インフル」に患者より先に病院が“パニック”?~診療拒否は、風評を恐れて? 医師の知識不足?(東京新聞5月8日付「こちら特報部」より)」(2009/05/09 [Sat] 16:50:44)、<3>「国内初の新型インフルエンザ感染確認~これに対する専門家の見解は?」(2009/05/10 [Sun] 23:32:40))。ところが、初めての感染者が見つかる前に「緊急でない手術は延期するなどの措置がとられた病院」もあったのですから、発熱患者が治療に来る前から、すでに一部の医療機関は過剰反応していたのです。ここに、診療拒否の萌芽があったといえるわけで、診療拒否は、呆れ驚くべきほどのことではなかったわけです。


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2009/05/10 [Sun] 23:32:40 » E d i t
厚生労働省は平成21年5月9日、成田空港の検疫で、米デトロイト発の便で帰国した大阪府内の日本人男性3人が、新型の豚インフルエンザに感染していることを確認したと発表しました。国立感染症研究所でウイルスの遺伝子検査をした結果、新型インフルの陽性反応が出たものであり、国内で感染者が確認されたのは初めてとなります(朝日新聞平成21年5月9日付夕刊1面)。

 「厚労省や府教委によると、感染が確認されたのは大阪府寝屋川市の府立高校の教員(46)と生徒2人(いずれも16)の計3人。市内の府立高3校の教員と生徒合わせて36人で、4月24日~5月7日に語学研修のためカナダのオークビルに滞在し、米デトロイトを経由して、ノースウエスト航空25便で8日午後4時半過ぎに成田に到着した。

 同便の乗客・乗員は約410人。3人のうち教員1人と生徒1人は、成田で検疫官が乗り込んだ機内で症状が確認された。厚労省は、生徒らの近くに座って「濃厚接触」の可能性がある乗客(最大52人)や、同行者らのうち、合わせて乗客47人、乗員2人の計49人に空港周辺の施設などにとどまってもらっている。検疫法にもとづき到着から10日間空港近くの宿泊施設で過ごしてもらう。濃厚接触の52人のうち13人は国外に出たという。

 3人のうち1人は機内検疫の際には検疫官に体調不良を訴えず、サーモグラフィーでも発熱が見つからなかった。大阪方面への乗り継ぎのために機外に出てから体調不良を訴えた。

 この1人が機内で座っていた席の周囲には、濃厚接触した可能性がある乗客らが最大11人いた。本来は空港近くの宿泊施設などにとどまってもらう対象だが、すでに入国したり、乗り継いで日本を出てしまったりした可能性がある。舛添厚労相は「感染する危険性がある」と話し、厚労省は全乗客に連絡を試みる。連絡がつけば地元の都道府県知事が自宅待機を求める。

 教員は発熱やせき、関節痛などの症状があった。生徒2人は鼻水とせきがあり、うち1人は熱があった。3人は8日夜から千葉県成田市内の病院に入院。9日朝の時点で教員は熱があるが、生徒2人に熱はない。

 政府は9日午前、新型インフルエンザ対策本部の幹事会を首相官邸で開き、当面はメキシコなどから到着した便を対象とした現行の検疫態勢を維持することを確認した。空港での検疫段階で見つけたことから政府は「国内発生」に当たらないと判断。「ただちに国内の感染拡大につながる可能性は低い」として、渡航制限などの新たな段階の対策にすぐには移行しない。世界保健機関(WHO)に感染者3人の確認を届け出る。」 (朝日新聞平成21年5月9日付夕刊1面




1.今回の事実について、朝日新聞は次のような解説をつけています。

早期発見・治療が重要

 新型インフルエンザで国内初の患者が確認された。今回は幸い検疫で見つかったが、100%見つかるわけではない。検疫は国内流行を遅らせる対策の1つだ。いずれ流行が始まる事態に備えて医療態勢などの準備に本格的に取りかかる必要がある。

 米国などの患者は多くの場合、症状は軽く、回復している。過剰に恐れる必要はない。大流行になったとしても、季節性インフルエンザより重めのアジア風邪(57~58年)、香港風邪(68~70年)と同程度の重症度(致死率0.2%以下)とみる専門家が多い。それでもインフルによる肺炎などを含め国内で各数万人程度が死亡したとみられる。私たちは、新型ウイルスに免疫を持っていないため、数千万人が感染する可能性がある。病院などに多くの患者が来ても十分に治療できるよう準備するなど、やるべきことは多い。

 当面、国内流行を遅らせるには、検疫のほか、流行地域から帰国して発病したら、電話ですぐ相談するよう国民の理解を得ることも欠かせない。タミフルなどの抗インフル薬は、症状が出てから48時間以内に使えば効果がある。早期に相談すれば治療につながるし、感染拡大防止に役立つ。そのためにはプライバシーを守る配慮も必要だ。

 インフルエンザは感染しても症状が出ない潜伏期間がある。世界保健機関(WHO)などによると潜伏期間は1~7日程度。検疫では発熱などの症状がある人を検査するため、潜伏期間中に検疫を通過すれば見逃しがある。発症後でも、検疫時に発熱やせきなどの症状が見つからなければ、見落とされる。今回の男子生徒1人もこれに当たる。

 世界で確認された患者は3千人を超える。実際の患者数はわからないが、メキシコでは3月から流行が始まっており、既に感染者は何万人もいるとみる専門家もいる。

 日本国内でも今後、患者確認が相次ぐ可能性がある。検疫を過ぎた後で見つかることもあるだろう。だがそれは、患者を早く見つける仕組みが働いている証しと受け止めたい。早く見つかり治療を受けることが安心につながる。感染が知らぬ間に広がっていく方が困った事態だ。 (編集委員・浅井文和)」(朝日新聞平成21年5月9日付夕刊1面「解説」



今回の新型インフルエンザは、毒性や感染力が通常の季節性インフルエンザとほとんど変わらないことが、これまでの症例や遺伝子解析で明らか」(読売新聞平成21年5月9日付夕刊3面)になっています。また、「60歳以上の高齢者の感染者がほとんどいないのも特徴」(読売新聞平成21年5月9日付夕刊3面)です。

それゆえ、世界保健機関(WHO)のシルビ・ブリアン・インフルエンザ対策部長代理は8日、各国の感染防止策について、「軽症者がほとんどという実態に、対策も合わせるべきだ」と述べ、弾力的な運用を求めています(読売新聞平成21年5月9日付夕刊3面)。具体的に言えば、WHOは、国民生活や経済活動を過度に制約する対策を勧めていませんし、「渡航制限や国境閉鎖は引き続き行わないよう各国に要請する方針」(読売新聞平成21年5月10日付朝刊2面)ということです。

このように、新型インフルエンザは、通常の季節性インフルエンザとほとんど変わらず、メキシコ以外ではほとんど死者が出ておらず、軽症者がほとんどというのが実態ですから、季節性インフルエンザ程度の予防策をとっていれば足りることになります。

しかも、国立感染症研究所の岡部信彦感染症情報センター長が述べるように「これからウイルスが不活発になる夏に向かう」のです(東京新聞平成21年5月10日付朝刊1面)。同様のことは元世界保健機関鳥インフルエンザ薬物治療ガイドライン委員会委員、けいゆう病院小児科・菅谷憲夫部長も述べており、「これから日本は夏になり、大きな流行にはならないだろう」と述べています(毎日新聞平成21年5月10日付朝刊3面)。

このように、「過剰に恐れる必要はない」(朝日新聞5月9日付夕刊)のに、どういうわけか(国内感染者がいない段階において)一部の病院で発熱を訴える人が診察を断られる事態が起きています。そういった事態が続くと、この先、熱の出た人が拒否を恐れ、海外渡航歴を伏せ、その結果、新型インフルエンザ感染が拡大する、といった悪循環を引き起こしねません(日経新聞平成21年5月10日付「春秋」参照)。そうした馬鹿げた悪循環を引き起こさないよう、行政は医療機関に指導するなど対応して欲しいと思います。



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2009/05/09 [Sat] 16:50:44 » E d i t
東京都内の病院では、患者に渡航歴がなくても、発熱があっただけで医療機関が診察を拒否するなどの事例が相次いでいます(「新型インフルエンザ問題:新型インフルエンザ発症国への渡航歴がない患者への診療拒否相次ぐ~応召義務(医師法19条)違反であることを知っていて拒否しているのですよね?」(2009/05/06 [Wed] 18:02:54))。

そのため、厚生労働省は平成21年5月6日、都道府県に対し、患者がセンターの指導に従って発熱外来を置かない医療機関を受診した場合は、当該医療機関が診察することなどを全医療機関に通知するよう求め、診療拒否をする医療機関がないように求めています。

「平成21年5月6日

各都道府県衛生主管部(局)医務担当者 御中

厚生労働省新型インフルエンザ対策推進本部

国内未発生期における発熱外来を置かない医療機関への発熱患者の受診について

新型インフルエンザ患者の国内発生に備え、関係者との情報共有や発熱外来の設置など、医療体制の確保等について対応いただいているところですが、海外発生期(国内未発生期)における発熱外来を置かない医療機関への発熱患者の受診について、下記の通り、基本的な考え方をまとめましたので、所管の全医療機関にご周知いただきますようお願いいたします。

                       記

○ まん延国への渡航歴や患者との接触歴が認められる発熱患者が、発熱相談センターを通じずに発熱外来を置かない医療機関を受診したり、電話による相談があった場合には、まず発熱相談センターに電話で相談し、必要に応じて紹介される適切な医療機関を受診するように勧めること。

○ 発熱相談センターの指導に従って発熱者が発熱外来を置かない医療機関に受診した場合は、患者にマスク等を使用するように指導するなど、感染予防に必要な指導を行った上で、当該医療機関が診察すること。」




1.報道記事を幾つか。

(1) 読売新聞平成21年5月8日付朝刊34面

診察拒否で苦情・相談、都に212件…改善を文書で通知

 新型インフルエンザの感染の可能性が低い発熱患者が医療機関から診察を拒否された問題で、東京都に寄せられた苦情・相談が7日までに、少なくとも計212件に上っていることがわかった。

 都は同日、都内約650の病院に対し、通常の発熱患者の診察を拒否しないよう文書で通知。診療所についても、23区などを通じて徹底を求めた。

 苦情・相談は「熱が出たので医療機関に診察を申し込んだら、海外に行っていないのに断られ、都の発熱相談センターを紹介された」といった内容が中心。集計は2日からで、5日正午までの相談は92件だったが、診察拒否問題が報じられたこともあり、その後の2日間で120件が寄せられた。

(2009年5月8日06時39分 読売新聞)」


「東京都に寄せられた苦情・相談が7日までに、少なくとも計212件に上っていることがわかった」とのことです。ここまで多いと異常ですから、東京都は、「都内約650の病院に対し、通常の発熱患者の診察を拒否しないよう文書で通知」するのも当然でしょう。

急に診療拒否が増えたということも考えられますが、どちらかというと、「診察拒否問題が報じられたこともあり、その後の2日間で120件が寄せられた」とあるように、「診療拒否」報道を切っ掛けとして、診療拒否に不満を抱いていた病者が多数名乗り出てきたわけです。このエントリーで引用した毎日新聞の記事でも、相談が報道された後も増えたことについては、都の担当者は「泣き寝入りしていた患者たちが、報道で知って連絡してきたのでは」と推測しています。このように、「診療拒否されていた患者の暗数」が表面化したといえそうです。



(2) 毎日新聞平成21年5月8日付東京朝刊27面(14版)

新型インフル過剰反応、やまぬ診察拒否
◇都の説得、断る医療機関

 新型インフルエンザ感染の可能性がないのに医療機関に診察を拒否されたとの相談が、東京都以外にも5県2政令市に寄せられていたことが7日、毎日新聞の調査で分かった。東京都への相談件数は7日朝までに計212件に達した。都内では都が説得しても診察を拒否し続けている病院もあり、厚生労働省は「国内未発生の段階では、発生国に行っていなければ診察して問題ない」として、医療機関に適切な対応を求めている。【内橋寿明、江畑佳明】

 ◇「保健所診断書持ってきて」

 調査は7日、都道府県と政令市の新型インフルエンザ対策担当者に実施。診察拒否の相談があったのは東京都のほか、埼玉、千葉、滋賀、島根、高知の各県と横浜、神戸両市だった。東京都以外はいずれも数件だったが、東京都はこの問題が報道された5日以降で120件増えた。

 東京都内では「(新型インフルエンザでないという)保健所の診断書を持ってきてほしい」と診察を断った医療機関があり、都が患者の連絡を受けて説得しているが、依然として拒否を続けているという。都は診察を拒んだ医療機関のリスト化も検討している。相談が報道された後も増えたことについては、都の担当者は「泣き寝入りしていた患者たちが、報道で知って連絡してきたのでは」と推測している。

 横浜市では「診察してもらうのに、何カ所もの医療機関を回らなければならなかった」との相談があった。市は5日付で医師会と病院協会に対し、適切な対応を取るよう文書で要請したという。

 島根県には6日夜までに、7件の相談が寄せられた。いずれも渡航歴がないのに、医療機関に発熱相談センターに行くよう求められたとの内容。

 センターは、一般の医療機関で受診して構わないと説明したという。担当者は「『発熱相談』という名称なので、熱がある人の対応を一任してしまっていいと勘違いする医師がいるのではないか」と話す。

==============

 ◇新型インフルエンザ相談窓口

▽厚生労働省 03・3501・9031(午前9時~午後9時)

▽農林水産省 03・3591・6529(午前10時~午後5時、平日のみ)

▽外務省   03・5501・8000(24時間)内線4625、4627、4629

▽文部科学省 03・6734・2957(午前9時~午後6時半)

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新型インフル:兵庫県内の女児に感染の疑い 厚労省

毎日新聞 2009年5月8日 東京朝刊」



毎日新聞が7日、都道府県と政令市の新型インフルエンザ対策担当者に対して尋ねた調査によると、新型インフルエンザ感染の可能性がないのに、発熱症状のあった人が病院から診察拒否されるなどした、診察拒否の相談があったのは「東京都のほか、埼玉、千葉、滋賀、島根、高知の各県と横浜、神戸両市」であり、東京以外にも診療拒否の事実があったようです。

ただし、「東京都以外はいずれも数件」でした。例えば、滋賀県では「県内で5件(5人)」にすぎず、「患者は渡航歴がなく、保健所で一般病院での受診ができることを確認した上で再度、病院に診療を求めたが断られた」ものなど、「病院側の誤解が主な原因」(滋賀県健康推進課の調べ)だったのです(「発熱5人が受診できず 新型インフルの可能性ないのに病院誤解」(中日新聞2009年5月9日付【滋賀】)参照)。また、千葉県の発表によると、診療拒否の事例は1件のみであり、それも「診療を拒否されたのは3月にメキシコに渡航した女性で、渡航後1ヶ月以上経過した5月に発熱の症状を訴えかかりつけの病院に行ったが、診察してもらえなかった」(東京新聞平成21年5月9日付朝刊18面)というものであり、どうみてもメキシコ渡航によって新型ウイルスエンザに感染したという判断は困難です。

山梨県の県庁や県医師会などによると、診療拒否があったと事例はなく(「発熱患者に適切診療を」(YOMIURI ONLINE:地域・山梨(2009年5月8日)))、福岡県福岡市でも受診拒否の相談はなく(「新型インフルエンザ:診察拒否問題 福岡市、発熱患者来院時の病院対応を通知 /福岡」(毎日新聞 2009年5月8日 地方版〔福岡都市圏版〕))、鹿児島県の発熱相談センターにも、東京都内の病院で起きたような、発熱患者の診察拒否も、これまでに報告されていません(毎日新聞 2009年5月8日 地方版〔鹿児島〕)。毎日新聞社と共同通信社の調査によるわけですが、冗談のような診療拒否は、東京都内の病院ばかりに多いといえそうです。



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2009/05/08 [Fri] 00:41:19 » E d i t
厚生労働省が原則禁止としている病気腎移植(修復腎移植)について、愛媛県などの慢性腎不全の患者7人が「治療を受ける権利を侵害された」として、日本移植学会の幹部ら5人に総額6050万円の損害賠償などを求めた訴訟の第1回口頭弁論が平成21年4月21日、松山地裁(高橋正裁判長)でありました。

これに対して、被告となった学会幹部側は答弁書で「病気腎移植は現時点で安全性が確認されておらず、治療として一般化できない」などとして訴えの棄却を求め、全面的に争う姿勢を示しています。



1.報道記事を幾つか。

(1) 「徳洲新聞2009年(平成21年)5/4 月曜日 NO.670」

修復腎移植再開を願い~松山地裁で第1回口頭弁論~

4月21日、愛媛県・松山地裁(高橋正裁判長)で、慢性腎不全患者と腎移植患者7人が日本移植学会の幹部ら5人に対し、損害賠償などを求めた訴訟の第1回口頭弁論が行われた。

原告側は「本来、患者を救うべき立場である同学会の田中紘一・元理事長、大島伸一・元副理事長、寺岡慧・現理事長、高原史郎・現副理事長、相川厚・現理事は、厚生労働省や報道機関などに対して修復腎移植に関するまったくの的外れか、事実と異なる発言を繰り返し、臨床研究以外の修復腎移植を原則禁止するという厚労省の判断を導いた。その結果、同移植を受ける権利と生存権を侵害された」として、総額6050万円の損害賠償などを求めている。口頭弁論では、幹部らは全面的に争う姿勢を示した。次回は6月30日に開かれる予定。

その後の記者会見で、原告団長の野村正良さんは次のように訴えた。

「この裁判は、修復腎移植の正当性を明らかにして再開することが目的。一般医療として再開できれば、多くの患者さんを救うことができます」

原告の一人、長谷川博さんは「学会幹部は、最初から結論ありきで否定してきました。医者は医療行為が許される代わりに、それなりの知見と人格が求められるはず。なぜ、ここまで意固地になるのかわかりません。私たち患者は、元気になって社会復帰し、少しでも世の中の役に立ちたいと願っています。わずかな希望を閉ざさないでください」と強調した。

弁護団は被告側の答弁書について、「私たちの疑問に対してはぐらかし、相変わらず的外れな主張を繰り返しています。全てを明らかにするためにも、医学的妥当性について争うことは大歓迎です」と説明した。

厚労省は、修復腎移植の臨床研究に際し「対象疾患についてはガイドラインにおいて特段制限していないこと」を1月27日付で全国の医療機関に通達。徳洲会グループは修復腎移植の臨床研究実施を急ぎ、通常医療としての再開を目指す。」



(2) asahi.com:マイタウン・愛媛(2009年04月22日)

学会側 争う姿勢
2009年04月22日

●病気肝移植訴訟 口頭弁論
 原告、必要性訴え


 がんや尿道狭窄(きょうさく)などのため摘出された腎臓に治療を施したうえで別の患者に移植する「病気腎移植」をめぐり、県内外の慢性腎不全患者7人が日本移植学会の幹部ら5人を相手取り、病気腎移植を否定した見解の撤回と総額約6千万円の慰謝料などを求めた訴訟の第1回口頭弁論が21日、松山地裁(高橋正裁判長)であった。学会幹部側は答弁書で「病気腎移植は現時点で安全性が確認されておらず、治療として一般化できない」などとして訴えの棄却を求め、全面的に争う姿勢を示した。(中田絢子)

 提訴したのは愛媛、香川、広島、岐阜の4県の男女。訴状によると、病気腎移植は宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の万波誠医師(68) らのグループが91~06年に42件を実施したことが判明。これを受けて日本移植学会は07年3月、病気腎移植を全面否定する見解を出し、厚生労働省も同7月、臨床研究以外の病気腎移植を禁止した。原告らは、学会が「国の誤った判断を導いた」とし、希望する医療を受ける権利を奪われ、憲法が保障する生存権を侵害されたとしている。

 この日の口頭弁論で、原告の3人が病気腎移植に対する思いや透析治療のつらさを訴えた。00年8月に病気腎移植を受けた原告団長の野村正良さん(60) =松山市=は「腎臓の機能は落ちておらず、修復腎(病気腎)移植の素晴らしさを身をもって感じている。修復腎移植を正当に評価してほしい」 と述べた。透析治療中の元高校教諭、花岡淳吾さん(53)=岐阜県高山市=は「透析治療を受けた日は一日寝たきりで、吐き気やおう吐が日常化している。学会は修復腎移植に対し、異論があるのなら、きちんと検証し、その根拠を示すべきだ」と訴えた。

 口頭弁論の後で記者会見した原告の一人で、病気腎移植の実現を求める患者らの団体「移植への理解を求める会」代表の向田陽二さん(51)=松山市=は「これから私たちと学会の意見を一つひとつ戦わせていく。修復腎移植を認めてもらえるよう頑張りたい」と話した。」

(*この記事の見出しは「病気肝移植訴訟」となっているが、「病気腎移植訴訟」の間違い。)



(3) 毎日新聞2009年4月22日地方版(愛媛)

病気腎移植損賠訴訟:第1回口頭弁論 原告ら会見--地裁 /愛媛

 ◇「患者の願い分かってくれたはず」

 やっと土俵に上がれた--。県内などの慢性腎不全の患者7人が病気腎移植(修復腎移植)について非難声明を出した日本移植学会の幹部らを相手取って損害賠償を求め松山地裁に起こした訴訟の第1回口頭弁論。21日、原告や弁護団らは閉廷後、松山市内のホテルで記者会見を開いた。原告団長の野村正良さん(60)=松山市=は「患者が修復腎移植を願っていることは分かってもらえたのでは」と振り返った。

 訴状の陳述後にあった3人の原告による意見陳述では、車椅子に座って出廷した長谷川博さん(49)=香川県丸亀市=が「社会復帰するために移植を受けたい。これはぜいたくな望みなのでしょうか」と語気を強めた。また、約3年前から人工透析を受ける花岡淳吾さん(54)=岐阜県高山市=も「透析患者は1年の半分が寝たきりの状態」と現状を話し、「修復腎移植に対して異論があるならきちんと検証し、根拠を示すべきだ」と訴えた。

 被告の幹部らは、全面的に争う姿勢。A4サイズの用紙18枚に上る答弁書で、「原告の主張には理由がない」などと反論している。

 原告弁護団の光成卓明弁護士は「原告の意見に対して、正面から答えていない印象。今後は医学的な問題についての論争が中心となるだろう」と見通しを語った。【柳楽未来】

【関連記事】
病気腎移植裁判:移植学会幹部ら全面的に争う姿勢
臓器移植改正案:「脳死」議論再び…衆院小委で参考人質疑
臓器移植改正案:連休明けにも採決…自民・大島国対委員長
民主:臓器移植法改正案の勉強会開く
麻生首相:補正予算案などの早期成立を指示

毎日新聞 2009年4月22日 地方版」




この3つの記事を読めば、この修復腎移植訴訟を提起した意義と、閉廷後の記者会見の内容がよく分かると思います。

 「その後の記者会見で、原告団長の野村正良さんは次のように訴えた。
 「この裁判は、修復腎移植の正当性を明らかにして再開することが目的一般医療として再開できれば、多くの患者さんを救うことができます
 原告の一人、長谷川博さんは「学会幹部は、最初から結論ありきで否定してきました。医者は医療行為が許される代わりに、それなりの知見と人格が求められるはず。なぜ、ここまで意固地になるのかわかりません。私たち患者は、元気になって社会復帰し、少しでも世の中の役に立ちたいと願っています。わずかな希望を閉ざさないでください」と強調した。」


これらのコメントで修復腎移植訴訟の意義は明らかでしょう。修復腎移植は、日本では万波誠医師以外に76件の治療例があり、また、諸外国では、例えば、オーストラリアでは1996年から実施され、55例(2008年8月末現在)にも及んでいるなど、特異な療法ではなかったのです。それなのに、日本移植学会の幹部らは、なぜか修復腎移植を「絶対禁忌」扱いし、修復腎移植禁止へ導いたのですから、実に不可解です。

患者及び一般市民にとっては、「今まで国内外で問題なく実施してきたことを禁止することを止めてほしい。深刻なドナー不足の日本では、患者にとってはこの移植医療が命綱なのだから、邪魔をしないでくれ」というだけなのです。間違っても、日本移植学会の幹部に対して、修復腎移植をしてほしいなどと、無理な(技量的に不可能な!?)御願いをするわけではないのです。


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2009/05/07 [Thu] 05:40:45 » E d i t
殺人事件での時効制度の廃止などを訴える遺族会「宙(そら)の会」が平成21年5月3日、都内で第1回全国大会を開催しました。同会には17件の未解決事件の遺族61人が参加し、遺族や活動の賛同者ら約120人が大会に出席しました。

大会では時効制度撤廃を求める嘆願書が読み上げられ、同会は今後集める署名とともに、月内にも法務省や各政党に提出するとのことです。その嘆願書によると、(1)時効制度の廃止、(2)公訴時効の停止の2点だけでなく、(3)時効が成立した遺族に対する国家賠償責任という点をも求める活動を進めるとしています(時事通信:2009/05/03-20:18)。


1.報道記事を幾つか。

(1) 毎日新聞平成21年5月4日付朝刊26面(14版)

「時効成立は国賠を」 「遺族の会」全国大会 

■見直しに加え、嘆願提出へ

 時効制度見直しを求めて結成された「殺人事件被害者遺族の会(宙(そら)の会)」の第1回全国大会が3日、東京都千代田区の明治大学で開かれた。これまで求めてきた「時効の廃止」「時効の停止」に加え、「時効が成立した遺族に対する国家賠償責任」を三つ目の柱として嘆願書に盛り込んだ。月内にも法務省や各政党に提出する。

 この日までに入会したのは、国内外の17事件の遺族と、賛助会員61人。大会には約200人が集まった。

 上智大生殺害事件(96年9月)で次女を失った小林賢二・代表幹事(62)が嘆願書を読み上げ、「時効制度は、『生命』という最も崇高な『尊厳』を喪失させている」と、廃止・停止を改めて求めた。また、「国家は刑事・民事で処罰権・賠償権を行使することにより秩序の安定を図っている」として、義務を結果的に果たせなかった責任を賠償という形で救済すべきだと訴えた。

 大会では冒頭、世田谷一家殺害事件(00年12月)で長男一家4人を失った宮沢良行会長(81)が「憲法記念日にあたる本日、『生命の尊厳』を多くの国民に考えていただき、時効制度の是非を問いたい」とあいさつ。

 作家の柳田邦男さんが特別講演を行い「自分や家族が被害者だったらという視点が必要だ。宙の会の活動は命を大切にする社会の第一歩になる」と話した。

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 ■解説

 ◇救済に道筋を


 時効成立後、刑事責任を追及できなかった遺族が、容疑者に損害賠償を求めるケースがある。民事でしか闘えない遺族のつらさは想像に難くないが、それ以上につらいのは、容疑者が浮かばないまま時効を迎えた遺族だ。刑事でも民事でも救われない遺族救済に道筋をつけるべきときではないだろうか。

 90年12月の札幌信金職員、生井宙恵(みちえ)さん(当時24歳)殺害事件(05年時効)で、遺族が殺人容疑で指名手配された男に賠償を求めた訴訟で、札幌地裁は08年3月、男に7500万円の支払いを命じた。しかし、男は所在不明のままで、賠償金が支払われる見込みはない。

 一方、78年に殺害された東京都足立区立小教諭、石川千佳子さん(当時29歳)の遺族が、時効成立後に名乗り出た元警備員の男(73)に賠償を求めた訴訟では、最高裁が先月28日、男の上告を棄却し、4255万円の支払いを命じた東京高裁判決が確定した。

 しかし、時効成立事件で、容疑者が分かっていることはまれで、ほとんどの事件で、遺族は親族を殺害された怒りと悲しみをぶつける相手もないまま、事件捜査を終えた捜査当局から「容疑者不詳で不起訴」との処分通知を受け取るだけだ。今は、泣き寝入り以外の選択肢は遺族にはない。

 15年間捜査した結果が、紙一枚ではあまりにも悲しすぎる。【山本浩資】

毎日新聞 2009年5月4日 東京朝刊」



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2009/05/06 [Wed] 18:02:54 » E d i t
新型インフルエンザについては、諸外国と比較すると、どうやら日本のみがやたらと騒ぎになっており、過剰反応していることが分かってきましたが、東京都内の病院では、発熱などの症状がある患者が診察を拒否される例が相次ぎ、92件にも及んでいることが判明しました。

それも、「92件の半数以上は、『最近海外に渡航していないのに診察を拒まれた』という内容だった」(朝日新聞)ですから、新型インフルエンザに感染している可能性が低いにもかかわらず、発熱などを訴えた人の診察を拒否しているのです。新型インフルエンザに対する過剰反応どころか、「ノミの心臓」ぶりも極まったといえます。



1.報道記事を幾つか。

(1) 毎日新聞平成21年5月5日付東京朝刊1面

新型インフルエンザ:感染国に渡航歴ないのに…発熱患者の診察拒否 東京で63件

 ◇「成田勤務」「友人に外国人」

 新型インフルエンザへの警戒が強まる中、東京都内の病院で、発熱などの症状がある患者が診察を拒否される例が相次いでいることが分かった。都によると、2日朝~4日朝だけで計63件に上る。新型への感染を恐れたためとみられるが、感染者が出た国への渡航歴などがない患者ばかりで、診察拒否は医師法違反の可能性がある。大学病院が拒否したケースもあり、過剰反応する医療機関の姿勢が問われそうだ。

 患者から都に寄せられた相談・苦情によると、診察拒否のパターンは(1)患者が発熱しているというだけで診察しない(2)感染者が出ていない国から帰国して発熱したのに診察しない(3)自治体の発熱相談センターに「新型インフルエンザではないから一般病院へ」と言われたのに診察しない--の三つという。

 拒否の理由について都は「万一、新型インフルエンザだった場合を恐れているのでは」と推測する。

 拒否されたため、都が区などと調整して診療できる病院を紹介した例も複数あった。「保健所の診断結果を持参して」と患者に求めた病院や、成田空港に勤務しているとの理由で、拒否した例もあった。友人に外国人がいるというだけで拒否された患者もいたという。

 国や自治体は、熱があって、最近メキシコや米国など感染が広がっている国への渡航歴があるといった、新型インフルエンザが疑われる患者には、まず自治体の発熱相談センターに連絡するよう求めている。一般の病院を受診して感染を拡大させることを防ぐためだ。だが、単に熱があるだけなどの患者は、その対象ではない。

 都感染症対策課の大井洋課長は「診察を拒否する病院が増えれば、『症状を正直に申告しないほうがいい』といった風潮が広まるおそれがある」と懸念している。【江畑佳明】

毎日新聞 2009年5月5日 東京朝刊」



(2) 朝日新聞平成21年5月6日付朝刊

発熱診察拒否92件 都に相談「渡航歴ないのに…」
2009年5月5日22時16分

 新型の豚インフルエンザをめぐって東京都に寄せられた相談のうち、発熱などの症状がある患者が医療機関から診療を拒まれたという事例が、2日から5日昼までに92件あったことが分かった。都は医療機関に冷静な対応を呼びかけている。

 診療拒否の相談は、都が新型インフルエンザ感染を心配する患者らを対象に設置した電話相談窓口「発熱相談センター」に寄せられた。92件の半数以上は、「最近海外に渡航していないのに診察を拒まれた」という内容だったという。

 また、自治体の発熱相談センターから新型インフルエンザ感染の恐れはないと判定された患者が一般の医療機関から拒まれた事例や、成田空港に勤務しているという理由で拒まれたケースもあった。

 発熱などの症状があっても、国が発生国として指定しているメキシコ、米国、カナダからの帰国者でなければ、診察を拒まないで欲しいと、都は病院に呼びかけている。都健康安全部の加藤みほ副参事は「新型インフルエンザへの警戒心が強すぎるためだと思うが、診療拒否が増えると医療現場が混乱し、都民の不安も増す。適切に対応してほしい」と話す。

 同様の苦情は厚生労働省のコールセンターにも寄せられている。江浪武志・結核感染症課課長補佐は5日の会見で「相談件数や現場の実態などを確認し、(診断基準となる)症例定義が誤って伝わっているなら、正したい」と述べた。」



(3) 東京新聞平成21年5月6日付朝刊1面

都内の病院 発熱診察拒否92件
2009年5月6日 朝刊

 新型インフルエンザ発生国への渡航歴がないなど感染の恐れが少ないにもかかわらず、発熱などの症状で病院を訪れた人が診察を断られるケースが相次ぎ、厚生労働省は五日「単なる診察拒否なら重大な問題だ」として、全国の実態把握に乗り出すことを決めた。

 東京都はこれまでに九十二件を確認。厚労省は、悪質なケースで医療機関名が把握できれば、都道府県を通じた個別指導などを検討する方針。

 厚労省結核感染症課は「『感染の疑いがあれば発熱外来に誘導する』という国内発生後の対応を前倒ししているのか確認が必要」とする一方「現段階でのこうした対応は常識的に考えられない」と不快感を示している。

 東京都では、発熱相談センターに相談の電話が寄せられたことで判明。同様の例は今月二日から五日正午までで九十二件に上り大学病院が診察を断ったケースもあった。

 診察を拒否されたりセンターに相談するよう言われたりした人が大半だが、「成田空港に勤務」「友人が外国人」と話した途端、診察を拒まれた人も。センターの電話相談で一般病院に行くよう勧められたのに、実際に行くと、そこで拒否された例もあった。

 都は「新型インフルの発生やほかの患者への感染を恐れているのかもしれないが、病院は冷静に対応してほしい」と呼び掛けている。」



(4) 毎日新聞 2009年5月6日 東京朝刊

新型インフルエンザ:診察拒否、全国調査へ 都への苦情、92件に

 新型インフルエンザへの過剰な反応から、東京都内の病院で発熱しただけの患者の診察拒否が相次いでいる問題で、厚生労働省は5日、実態把握のため各都道府県に聞き取り調査することを明らかにした。

 厚労省のコールセンターにも同様の相談が寄せられているという。診察拒否をしている医療機関が確認されれば、都道府県に指導を要請する方針。

 一方、東京都の発熱相談センターには4日朝~5日正午の間に、同様の相談や苦情が29件寄せられた。4日朝までの分と合わせると計92件に達し、都感染症対策課は「診察拒否の多い悪質な病院には指導も考えたい」と話す。「父親が新型インフルエンザ発症国以外から帰国したが、診てもらえない」などの声が寄せられているという。【奥山智己、江畑佳明】

毎日新聞 2009年5月6日 東京朝刊」




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2009/05/05 [Tue] 00:13:14 » E d i t
憲法記念日の5月3日、憲法改正に賛成、反対する市民団体などは、それぞれ日本各地で集会を開きました。その集会の様子についての記事を紹介することにします。


1.まず、報道記事を2つほど。

(1) 朝日新聞平成21年5月4日付朝刊26面

改憲派・護憲派、それぞれ持論訴え 憲法記念日の集会
2009年5月3日21時2分

 日本国憲法の施行から62年となった3日、改憲派と護憲派がそれぞれ集会を開いた。

 岸信介元首相が初代会長を務めた「新しい憲法をつくる国民会議」は東京・新宿で大会を開き、約300人が参加した。来賓の自民党国会議員からは、憲法改正案を審議する国会憲法審査会が「野党の反対で開店休業になっている」と批判の声が相次いだ。

 議員1期目の若手、木原誠二衆院議員は70年生まれ。「いまや国民と国家が対立する時代ではない。新憲法をつくり、国民の国防義務などを盛り込むべきだ」と述べた。

 小池百合子元防衛相は、ソマリア沖の海上自衛隊が現行法下で外国船を守れないのはおかしいと指摘した。海自の前身・海上警備隊ができた52年生まれ。「生命・安全・国益よりも『憲法を守れ』と、自縄自縛に陥っている」と護憲派を批判した。

 一方、護憲派の市民団体は東京都内の日比谷公会堂で合同集会を開催。主催者発表で4200人が参加した。

 スピーチで、作家の落合恵子さんは「親を介護中の女優が最近も命を絶った。福祉の無策ではないのか」と、憲法25条が保障する生存権が脅かされていると訴えた。

 父親が特攻隊員だった社民党の福島瑞穂党首は「父の存在から戦争はいけないと学んだ。憲法を輝かせるための闘いを頑張ろう」と述べた。

 第五福竜丸が被爆した54年に生まれた共産党の志位和夫委員長は、オバマ米大統領がプラハ演説で核廃絶への決意を表明したことに「心から歓迎したい」と述べ、「武力にモノを言わせる時代は終わりつつある。9条を守り、核兵器廃絶に向けて頑張ろう」と訴えた。」



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2009/05/03 [Sun] 23:59:58 » E d i t
1947年5月3日に施行された日本国憲法は、平成21年の今日、62年を迎えました。5月3日は「憲法記念日」と定めています。そして、5月3日の憲法記念日を含む5月1日から7日までを「憲法週間」と定めています。


1.今年も「憲法記念日」に掲載した社説を紹介したいと思いますが、その前に、各政党の談話を紹介したいと思います。

(1) 東京新聞平成21年5月3日付朝刊2面

憲法記念日談話
2009年5月3日 朝刊

 憲法記念日に当たり、各党は三日付で談話などを発表した。

 ▽自民党(細田博之幹事長談話) 憲法審査会の規程すら定められない状況が続き、国会の不作為が問われている。野党には猛省を促したい。時代にふさわしい品格ある国家を目指し、守るべき国柄と伝統を見極めた新憲法の制定に取り組む。

 ▽民主党(直嶋正行政調会長談話) 憲法は国民とともにあるとの観点から、改めるべき点があれば改める。民意を反映していない場で拙速な改憲論議はできない。国民の意思を反映した議論のためにも、速やかな衆院解散・総選挙が必要だ。

 ▽公明党(党アピール) 憲法論議の深まりを阻む民主党や野党の姿勢は遺憾。早急に憲法審査会規程を制定すべきだ。恒久平和主義など憲法三原則を堅持しつつ、環境権、プライバシー権などを補強していく「加憲」が最も現実的で妥当だ。

 ▽共産党(市田忠義書記局長談話) ソマリア沖海賊対策など憲法の原則を踏みにじる政府の対応に強く反対する。「派遣切り」や後期高齢者医療制度など人権をないがしろにする施策に反対し、憲法が定める国民の権利保障に全力を尽くす。

 ▽社民党(党声明) 憲法はわが国が平和国家として歩む国際的な公約だ。海賊対処法案は恒久的な海外派兵に道を開く危険がある。医療や介護の切り詰め、非正規労働者の苦境に対し、憲法が定めた基本的人権を実現するために奮闘する。

 ▽国民新党(党談話) 度重なる解釈改憲などで憲法の存在意義が低下している現状を危惧(きぐ)する。現行憲法の精神と基本原則を維持しつつ、十分な国民的議論を踏まえ、党利党略を排した見直しを自主的かつ冷静に行うべきだ。」


これらを読むと、共産党と社民党以外は、改憲論に目が向いていることが分かります。今、日本国憲法が制定されたことを振り返るとき、憲法改正論議に注目すべきなのでしょうか? 注目すべき規定に目を向けた社説を紹介します。


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