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2008/05/13 [Tue] 22:22:34 » E d i t
宇和島徳洲会病院の万波誠医師らによる修復(病気)腎移植をめぐり、自公民の厚労部会長や医師出身の議員など、超党派のおよそ80人の議員からなる「修復腎移植を考える超党派の会」(杉浦正健会長)が、修復腎移植を容認するとの方針を決定したとのことについては、すでに報道されています(「病気腎移植容認・万波医師ら処分不要の提言へ、超党派議連が方針決定」(2008/05/10 [Sat] 17:01:26)参照)。この方針通りに「正式見解」を発表しました。

すなわち、「修復腎移植を考える超党派の会」は5月13日、「第三者委員会を設け、リスクなどについて患者への説明を十分に行えば、修復(病気)腎移植は認められる」との「正式見解」を公表しました。この提言は、病気の腎臓の移植を原則禁止とする厚労省の見解とは正反対の内容です。

また、厚労省が万波医師と病院を処分する方針を固めていることについて、「処分する理由は認められない」としています。今回の議員連盟の動きを受けて、愛媛社会保険事務局は12日、宇和島徳洲会病院に対し、今月19日に予定していた聴聞会の延期を伝えており、聴聞会の期日はあらためて指定するとのことです(日経新聞〔共同通信配信〕)。



1.新聞記事は、次のような内容で報道しています。

(1) 東京新聞平成20年5月13日付夕刊1面

超党派議連が容認発表 病気腎移植 第三者委設置条件 議員立法も視野
2008年5月13日 夕刊

 与野党国会議員約八十人でつくる議員連盟「修復腎移植を考える超党派の会」(会長・杉浦正健元法相)が十三日、厚生労働省が臨床研究以外は「原則禁止」とした病気腎移植について、第三者委員会設置などを条件に容認する見解をまとめた。

 宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の万波誠医師の処分も不要としている。議連は自公民の厚労部会長らがメンバーで、厚労省が方針変更しない際の議員立法も視野に入れており、同省は苦しい選択を迫られる。

 見解は万波医師らの病気腎移植の一部に「腎摘出の適応が適切だったか疑問がある」としたものの、臓器不足解決のため「インフォームドコンセント(十分な説明と同意)の確認等を要件とすれば(病気腎移植は)認められる」とした。

 病気腎移植は修復腎移植とも呼ばれる。議連見解に盛り込まれた第三者委は、がん患者が腎臓摘出を希望しているか、部分切除はできないのかなど、摘出の妥当性を確認する。

 見解は、病気腎移植は法が禁じた特殊療法とは断定できず、臨床実施例の知見も蓄積されていると指摘。高度医療や先進医療の枠組みで「保険診療を認めていくべき」とした。

 厚労省や愛媛社会保険事務局は、万波医師らの病気腎移植について、保険請求が不当として、宇和島徳洲会病院などの保険医療機関指定取り消しと、万波医師らの保険医登録取り消しも検討中だが、見解は、一部は社会保険診療報酬支払基金の審査を経ており、処分は不要とした。

政治見解は理不尽

 日本移植学会広報委員の湯沢賢治・水戸医療センター移植外科医長の話 十八日の理事会後に学会としての正式なコメントが出ると思うが、病気腎移植は容認できることではない。専門家集団として五学会がまとめた見解を尊重すべきであって、専門家でもない政治家が、政治的な意味合いで見解を出すのは理不尽だと思う。」



(2) 産経新聞(2008.5.13 11:19)

病腎移植問題、超党派議連の見解案まとまる 議員立法化も検討
2008.5.13 11:19

 厚生労働省が「原則禁止」の指針を示している病腎移植について、超党派の国会議員約80人でつくる「修復腎移植を考える超党派の会」(会長・杉浦正健元法相)は13日午前、会合を開き、第三者による客観的評価などを条件として、容認できるとする見解案をまとめた。今後、厚労省や移植関連学会などと調整をはかりながら、議員立法化も検討するとしている。

 この日の会合には議員のほか、厚労省の担当者ら約30人が出席。杉浦会長は見解案を担当者に手渡した後、メンバーに見解案を諮り、了承された。ただ、議員立法化については慎重な意見もあった。杉浦会長は「腎移植を待つ人は多い。日本社会全体で考えていくべき課題」と強調。メンバーの古川俊治議員は「腎移植を待っている人はたくさんいる。透明性・客観性を確保してやっていけば、修復腎(病腎)移植は十分な解決策になりえる」と話している。

 見解案では、宇和島徳洲会病院の万波誠医師らが実施した病腎移植について「適切だったか問題がある」としながらも、絶対的なドナー不足を考慮。「第三者委員会によるドナー疾患の客観的な評価や適切なインフォームドコンセントの確認を要件とすれば認められる」とした。

 超党派の会は病腎移植の有効性を検討するため、2月から議論を進めてきた。

 厚労省は昨年7月、臓器移植法の運用指針を改正し、臨床研究以外の病腎移植を原則禁止にしている。」



(3) 朝日新聞平成20年5月13日付夕刊14面

超党派議連、病気腎移植を認める
2008年05月13日

 宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の万波誠医師による病気腎移植の妥当性を検証する議員連盟「修復腎移植を考える超党派の会」(会長、杉浦正健・元法相)は13日、衆議院議員会館で会合を開き、第三者による疾患の客観的評価などを条件に、移植を容認する見解をまとめた。

 議連は2月の結成後、万波氏や日本移植学会幹部らに意見を聴いてきた。その結果、万波氏の移植の一部に、十分な術前の診断やインフォームド・コンセントが足りなかった疑いがあると判断。一方で、「移植腎の絶対的不足は看過し得ない問題。解決の選択肢として、(病気腎移植は)認められると考えられる」と結論づけた。

 厚生労働省は、診療報酬の請求が認められない特殊な療法である病気腎移植を不正に保険請求したなどとして、万波氏の保険医登録と同病院の保健医療機関指定を取り消す方針。しかし、議連は「十分な理由がない」として、指定を取り消さないよう厚労省に求めた。見解を受け取った厚労省幹部は「持ち帰って検討する」としている。」



東京新聞の記事が最も詳しく掲載していますが、「正式見解」のポイントは、次の3点です。

「<1>修復腎移植の容認:病気腎移植は「第三者委員会によるドナーの疾患の客観的な評価や、適切なインフォームドコンセント(十分な説明と同意)の確認等を要件とすれば認められる

<2>修復腎移植については、保険診療を認めていくべきである

<3>修復腎移植を実施した病院や万波誠医師に対する、保険医療機関指定・保険医登録の取り消しは不要である」





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