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主に社会問題について法律的に考えてみる。など。
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2007/10/31 [Wed] 23:36:52 » E d i t
鳩山邦夫法相は10月29日午後、日本外国特派員協会で記者会見を行いました。その会見において、鳩山法相は驚くべき発言を行ったのです。すなわち、改正出入国管理・難民認定法が11月施行されることに関し、「わたしの友人の友人が(国際テロ組織の)アルカイダだ。バリ島中心部の爆破事件に絡んでおり、私は中心部は爆破するから近づかないようにとアドバイスを受けていた」などと、驚くべきことを語ったのです。


1.まず報道記事を。

(1) 朝日新聞平成19年10月30日付朝刊35面

「友人の友人はアルカイダ」 鳩山法相、外国人記者らに
2007年10月29日20時21分

 鳩山法相は29日午後、東京都内での講演でインドネシア・バリ島の爆破テロ事件に言及し、「私の友人の友人がアルカイダ(国際テロ組織)だ。バリ島中心部の爆破事件に絡んでおり、私は中心部は爆破するから近づかないようにとアドバイスを受けていた」と発言した。200人以上が犠牲になった02年10月の事件を事前に知っていたとも取れる内容だったが、講演後に「友人に聞いた話で、私が発生前に爆破計画を知っていたということではない」などと発言内容を訂正した。

 講演は日本外国特派員協会の主催で、約100人の外国人記者らが参加。日本政府が16歳以上の外国人から日本入国の際に指紋を採る制度を11月20日に導入することに関し、記者側からその必要性を問われた際、制度の意義を強調する例として事件に触れた。

 発言後、法相は文書でのコメントと記者会見で(1)自分も参加しているチョウ研究の国際的な愛好家グループの友人から「グループの中にアルカイダと思われる者がいて日本にも入ってきていた。爆破事件にも関与していた」という趣旨の話を聞いたことがあり、その友人の話を紹介した(2)アルカイダとされる人物はグループの1人で、グループの少なくとも1人に対して「爆破事件があるかもしれない」との事前の連絡をしたと自分は聞いている、と説明した。

 そのうえで、自分はその人物と友人でもなければ面識もない▽友人の話の真偽は確認していない▽この話を聞いたのは事件の3、4カ月後のこと――などと弁明した。

 釈明会見では「舌足らずで誤解を生む部分があったので明確に訂正したい」と述べた。人物が所属する組織についても「アルカイダと聞いているが、過激派グループに協力をしている人という意味かもしれない。断定的に言える状況にはなかった」と修正した。」


発言の要旨

 鳩山法相の発言要旨は次の通り。

 私の友人の友人がアルカイダなんですよね。私は会ったことはないんですけれども、2、3年前は何度も日本に来ていたようです。毎回いろんなパスポートに、いろんなひげで、わからないんですね。 (中略)彼はバリ島の中心部の爆破事件に絡んでいた。 (中略)私は彼の友人の友人ですけれども、バリ島の中心部は爆破するから近づかないようにというアドバイスは受けておりました、私は。そういう方がしょっちゅう日本に平気で入って来られるというのはやはり安全上好ましくないので、指紋を採っていただく。」



(2) YOMIURI ONLINE(2007年10月30日1時27分)

「バリ島近づかぬよう助言受けた」鳩山法相が発言後に訂正

 鳩山法相は29日昼、日本外国特派員協会での記者会見で「私の友人の友人が(国際テロ組織)アル・カーイダなんです」と発言。さらに、2002年10月にバリ島のディスコで発生した無差別テロに関し「『バリ島の中心部は爆破するから近づかないように』というアドバイスは受けていた」などと、事前にテロを知っていたかのように語った。

 法相は約3時間後に法務省で記者会見を開き、「舌足らずでミスリーディングな部分があった」と発言を訂正した。AP、ロイター、AFPの各通信社は29日、鳩山法相の発言を伝えたが、法務省の記者会見で発言内容を修正した点には触れていない。

 発言は、来日する外国人に指紋の採取を義務づける改正出入国管理・難民認定法に関する質疑の中で飛び出した。この後、記者団が真意を聞くため記者会見を開くように求め、法相は同日夕、「友人の友人がアル・カーイダと断定的に言える状況ではなかった」と修正した。ディスコ爆破に関与した人物から事前にアドバイスを受けたのは友人で、法相自身が、この話を友人から聞いたのは「事件の3か月後だったと思う」と述べ、事件の後であったと釈明した。

(2007年10月30日1時27分 読売新聞)」



(3) 東京新聞平成19年10月30日付朝刊2面

「友人の友人はアルカイダ」 鳩山法相、発言後に訂正
2007年10月30日 08時47分

 鳩山邦夫法相は29日、日本外国特派員協会の講演で「わたしの友人の友人がアルカイダ」とした上で、2002年10月にインドネシア・バリ島で起きた爆弾テロ事件を挙げ「彼(友人の友人)は事件に絡んでおり、わたしは『バリ島の中心部は爆破するから近づかないように』とアドバイスを受けていた」と発言した。

 国際テロ組織アルカイダのメンバーから事前に爆破計画を聞いていたと受け取られる発言だが、法相は講演後に法務省で記者会見し「予告を聞いたのは友人で、わたしがその友人から話を聞いたのは事件の3、4カ月後だった」と全面的に訂正。「舌足らずだったと反省している」と陳謝した。

 事実関係の根幹を誤った発言に慎重さが欠けるとの批判は免れず、閣僚としての適格性を問う声が上がりそうだ。

 入国審査時の指紋採取などを外国人に義務付ける改正入管難民法の11月施行に関連する質問に回答した中での発言。

(共同)」




この発言の注目すべき点は、<1>「わたしの友人の友人がアルカイダ」と述べたことで、日本の内閣の一員に、アルカイダの関係者がいると(強要されることなく)自白したということ、<2>「私は中心部は爆破するから近づかないようにとアドバイスを受けていた」と発言したことで、爆破テロを事前に知っていながら、テロ情報をインドネシア政府に通報せず、テロ情報を隠匿したこと、です。

もっとも、鳩山法相は、「舌足らずで誤解を生む部分があった」などとして、爆破テロを事前に知っていたわけではないと言い訳をしていますが、「私は中心部は爆破するから近づかないようにとアドバイスを受けていた」と明言していることからすれば、事前に知っていたとしか受け取りようがありません。鳩山法相の言い訳は、国際社会からすれば到底納得できるものではありません。


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2007/10/27 [Sat] 20:02:49 » E d i t
10月25日の衆議院法務委員会において、与野党と鳩山邦夫法務大臣との間で「死刑」をめぐる議論が行われました。その記事について紹介し、検討したいと思います。


1.まず、報道記事から。

(1) 日経新聞平成19年10月25日付朝刊42面

 「死刑確定から執行までの期間、法改正で延長も・法相

 鳩山邦夫法相は24日の衆院法務委員会で、死刑執行命令は判決確定から6カ月以内と定めた刑事訴訟法について「規定が実態に合わず、半年というのがあまりに短すぎるならば、国会に諮って若干延ばす方法があるかもしれない」と述べ、法改正の可能性に重ねて触れた。公明党の神崎武法氏らへの答弁。

 刑訴法は「死刑の執行は法相の命令による」などと定めるが、再審請求や恩赦などの可能性を考慮し、判決確定から半年以内の命令はほとんどないのが実態だった。 (23:00) 」(日経ネット10月24日(水))



(2) 産経新聞2007.10.24 22:50

死刑執行までの期間 法改正も 鳩山法相
2007.10.24 22:50

 鳩山邦夫法相は24日の衆院法務委員会で、死刑判決確定から法相による執行命令までの期間を刑事訴訟法が6カ月以内と定めていることについて、「半年という規定が実態に合わずあまりに短すぎるなら、国会に諮って若干延ばすという方法もあるかもしれない」と述べ、法改正の可能性を示唆した。

 神崎武法氏(公明)の質問に答えた。法務省は昨年10月の参院法務委員会で、平成8年から17年までの10年間に死刑を執行した32人の刑確定から執行までの平均期間は約7年5カ月だったことを明らかにしており、実際の執行手続きは刑訴法の規定通りに行われていないのが実情だ。

 さらに、保坂展人議員(社民)に絞首刑に対する考え方を聞かれた鳩山法相は、「現行法がそうであることは十分認識しているが、何かもっと少し安らかな方法はないかという率直な思いはある」と答弁した。

 鳩山法相は9月に東京拘置所を視察。その際に刑場の様子を見ており、「(刑場を見て)思い出したのはフランキー堺さんが主演したドラマ『私は貝になりたい』。刑の執行という恐ろしいドラマで、あの衝撃は忘れ得ないものがある」と述べた。」



(3) 朝日新聞平成19年10月25日付朝刊37面

「絞首刑、もっと安らかな方法は」 法務委で鳩山法相
2007年10月24日20時00分

 就任以来、死刑執行のあり方をめぐる発言を続けている鳩山法相は、24日の衆院法務委員会での答弁で、死刑確定から執行まで平均で7年以上かかっている現状と、「法相は確定後6カ月以内に執行を命令しなければならない」とする刑事訴訟法の規定とのずれに違和感を示した。そのうえで「短すぎるなら延ばす方法もある」と述べ、期間について見直しも視野に検討していく考えを明らかにした。

 法相は執行方法についても言及。「(絞首刑より)もっと安らかな方法はないか、という思いはある」と語った。」



この発言には、2点の法律問題が含まれています。すなわち、

<1>刑訴法475条2項本文は、死刑執行命令は「判決確定の日から6箇月以内」に行わなければならないとしていますが、実態と合っていないため期間延長のための法改正を行う可能性があるとしたこと、
<2>絞首刑は、刑法11条1項で「死刑は、刑事施設内において、絞首して執行する」と規定する死刑執行方法ですが、もっと安らかな執行方法を願う
とした(法改正の意図もあるかは不明)こと

です。

前者は神崎武法・公明党議員、後者は保坂展人・社民党議員の質問に答えたものです。以下、それぞれ検討していきます。


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2007/10/25 [Thu] 20:43:09 » E d i t
鳩山法相が「法相が絡まなくても自動的に客観的に進むような方法を考えたらどうか」と述べた問題について、福田内閣は閣議決定を行い、「法相の署名なしで死刑自動執行化」をする必要はないことを明確にしました。


1.まず、報道記事を。

(1) 読売新聞平成19年10月24日付朝刊2面

「自動的な死刑執行」考えぬ、と政府答弁書決定

 政府は23日の閣議で、鳩山法相が法相の署名なしに死刑を自動的に執行することも検討対象などと発言したことに関連し、「自動的に死刑が執行される制度が必要であるとは考えていない」とする答弁書を決定した。

 答弁書では、法相の発言について「併せて、執行を命ずる職責の重さについても発言しており、死刑の執行のあり方の所感を述べたものと理解している」と説明した。

 鈴木宗男衆院議員(新党大地)の質問主意書に答えた。

(2007年10月23日20時1分 読売新聞)」



(2) 時事通信(2007/10/23-12:30)

 「2007/10/23-12:30 自動的な死刑執行、必要ない=政府答弁書

 政府は23日の閣議で、法相の署名を必要とせず、死刑確定後、半年以内に自動的に死刑執行する制度の導入について「必要であるとは考えていない」とする答弁書を決定した。鈴木宗男衆院議員が質問主意書で、鳩山邦夫法相の「法相が絡まなくても自動的に客観的に進むような方法を考えたらどうか」との発言についてただしたのに答えた。
 答弁書は法相の発言について「死刑執行に関する所感を述べた」とし、「執行を厳正に行うべきである旨を述べ、併せて再審の有無等について慎重な検討の必要性や執行を命ずる職責の重さについても発言している」としている。」





2.福田内閣は、閣議決定を行い、

「自動的に死刑が執行される制度が必要であるとは考えていない」

とする答弁書を決定したのです。内閣で閣議決定した以上、大臣は内閣の一員なのでその閣議決定に拘束されますから、鳩山氏は閣議決定に反する言動はできず、下部機関である法務省も閣議決定に反する行動はできません。これで、鳩山氏は、「死刑自動執行化」することは不可能になったのです。また、基本的に閣議決定は、その後の内閣をも拘束するので、今後の内閣においても「死刑自動執行化」することはなくなったといえるでしょう。この閣議決定により、自動執行化を認めるための、法務省内での勉強会は解散となるはずです。

こうして、いち早く鳩山発言を否定する閣議決定を行ったということは、やはり、政府側の意識としても、鳩山発言は、ただ自分が署名したくないだけの無責任な態度にすぎず、思い付きだったと思っていたと推測できます。


(1) 鳩山法相“署名なしで死刑執行を”発言に関しては、「鳩山法相“署名なしで死刑執行を”発言~暴言に法相の資質を疑う!(毎日新聞9月27日付「社説」より)」「鳩山法相“署名なしで死刑執行を”発言の波紋~非難拡大・国会で論戦へ」「10月10日は「世界死刑禁止デー」」「冤罪被害の免田栄さん、国連で訴え~国連総会は「死刑執行停止」の決議案採択へ」でも触れてきました。

これらのエントリーで触れたように、鳩山発言に対しては、死刑制度存否両派のみならず、官邸(官房長官)も否定的であり、与野党問わず政界からも非難轟々という状態だったのですから、福田内閣としては当然の態度決定といえます。



(2) 苦笑を禁じえないのは、記事中の次の部分です。

「答弁書は法相の発言について「死刑執行に関する所感を述べた」とし、「執行を厳正に行うべきである旨を述べ、併せて再審の有無等について慎重な検討の必要性や執行を命ずる職責の重さについても発言している」としている。」



「鳩山法相“署名なしで死刑執行を”発言の波紋~非難拡大・国会で論戦へ」で触れたように、鳩山氏が「法相最大の仕事」をいらないと言い出したのですから、死刑制度にあまりにも無理解だったことがよく分かります。もちろん、鳩山氏に対して法務省の幹部が代わる代わる説明に赴いて、「修正を試みた」、すなわち、「間違っているから取り消せ」という趣旨を(婉曲に)何度も説得を試みたのに、鳩山氏は感情論から修正せず、理解力がなかったのですが。

町村官房長官は、勉強会を「ご検討されるのはご自由だが、あまり思いつきでやるのはまずい」と牽制する発言をしていますが、それも、法務省から経緯を詳細に知らされ(鳩山氏が思いつきで発言したこと)、法務省の意向を受けての発言であると推測できていました。


鳩山法相は、「執行を厳正に行うべきである旨を述べ、併せて再審の有無等について慎重な検討の必要性や執行を命ずる職責の重さについても発言している」としていることは確かです。しかし、本当に再審の有無等に慎重な検討が必要であるのであれば自動執行化は不可能なのですから、自身の発言の意味を理解できていれば、「死刑自動執行化」は無理であるとすぐに理解できたはずです。

この部分を答弁書で取り上げたということは、ここだけしか鳩山法相の発言を擁護できなかったということであり、鳩山法相の理解力のなさを閣議決定でお墨付きを与えたということなのだと思います(苦笑)。



(3) 鳩山氏は、死刑制度の重みが少しも理解できていません。

死刑を求刑する検事、死刑判決を言い渡す裁判官、執行に直接携わる刑務官ら、死刑相当事件に関わる弁護人すべて、人の命を奪ったという重荷を一生背負っていくのです。再審で無罪になった元死刑囚の免田栄さん(81)のように、「犯してもいない殺人の罪で死刑という十字架を背負わされた」こともあるのです。もし、死刑執行後冤罪であった場合、その責任は誰が負うのでしょうか?


 「欧州連合(EU)は、世界のあらゆる国での死刑制度の廃止を目指して活動しています。この姿勢は、平時であれ戦時であれ、いかなる罪を犯したとしても、すべての人間には生来尊厳が備わっており、その人格は不可侵であるという信念に基づいています。どの国にも、国民の生命に対する権利を守る義務があり、これには国民の生命を奪う権利は含まれていません。さらに、司法手続きを行うのは人間であり、誰もがよく承知しているように、人間は間違いを犯すものです。死刑はいったん執行されれば二度と取り返しがつきません。」(Speech 24/2005 - 2005/12/06:「人権と死刑を考える国際リーダーシップ会議 開会の挨拶」


人の命を奪うという刑罰は、生きることを本質的前提とする人間にとって過酷であり、人間の尊厳の根本的否定なのですから、人権思想に抵触するのです。しかも、その性質上誤判に対して救済不可能なのです(戸波江二『憲法(新版)』332頁)。死刑によって奪う命の重大性について、鳩山氏は理解しているのでしょうか?


鳩山法相は、無責任な発言をしたことに対して国民に対して明確に謝罪すべきであり、法務省の官僚が何度も説明したのにも関わらず死刑制度に対して無理解であって、無能さが露になったのです。ここまで人権感覚に欠け、理解力が欠如しているとなると、民意を汲み取ることさえ無理のように感じます。法相を辞任するだけでなく、国会議員を辞職した方が妥当であると考えます。


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2007/10/24 [Wed] 00:26:34 » E d i t
海上自衛隊の補給艦が03年2月に米補給艦に行った給油に関して、海上幕僚監部が03年当時から給油量が20万ガロンではなく80万ガロンだったことを把握しながら隠蔽していた問題について、防衛省の調査報告書によると、「福田首相(当時は官房長官)は同年5月9日に、石破茂防衛相(同防衛庁長官)は15日に20万ガロンだと説明したが、同幕僚監部内で誤りを把握したのは5月9日だったことが分かった。政府部内で誤りを把握しながら、誤った説明をしていたことになる」(朝日新聞平成19年10月23日付朝刊1面)のです。


1.この給油量隠蔽問題については、今日も各新聞社は記事を掲載していました。そのうち1つを紹介します。

給油量誤り隠蔽 文民統制危うし

 給油量の誤りに気づきながら担当課長が上に報告せず、福田首相(当時官房長官)らが誤った事実を公にしていた――。インド洋での海上自衛隊の給油量の取り違え問題は、イラク作戦への転用疑惑に加え、文民統制(シビリアンコントロール)にかかわる重大な問題に発展した。民主党などの野党は、補給支援特措法案の審議の前提として、守屋武昌前事務次官の業者との癒着問題とともにこの問題を重視しており、今国会での新法成立に暗雲が立ちこめてきた。

◆「ミス把握は一部の課だけ」 報告書、不自然な点

 「とんでもないことをしてくれた。組織全体が疑われてしまう。私まで疑われちゃうからね」

 福田首相は22日昼、インド洋での米艦船への補給量をめぐる隠蔽(いんぺい)事件について、不快感をあらわにした。03年5月9日、官房長官として自らの記者会見で「20万ガロン」と誤った数字に言及した。だが、海上幕僚監部では会見前にデータの誤りを把握していただけに、首相は当時の関係者の対応を批判する一方、自身の「関与」を否定することも忘れなかった。

 防衛省の報告書では、報告責任を怠ったのは「担当課長ら」だったとし、組織的関与を否定。海上幕僚長や防衛庁長官、内局も把握していなかったことを強調した。

 だが、当時の事情を知る関係者の一人は「内局なども装備に関連する会計チェックなどで把握していた可能性もあるのではないか」と指摘する。

 実際、海上幕僚監部の一部の担当課だけが把握していたとの説明には不自然な点も多い。

 燃料転用問題のきっかけとなったのは、米空母キティホークを率いる第5空母戦闘群のマシュー・モフィット少将の03年5月6日の発言だった。イラク戦争から同日に母港・横須賀に帰還した際、少将が海自から米補給艦を通じて間接的に約80万ガロンの燃料提供を受けたことを明らかにした。

 ところが2日後の5月8日、石川亨統合幕僚会議議長は会見で、米補給艦への補給量を「約20万ガロン」と発表。この時点で「20」と「80」の数字が入れ替わった。

 日米で発表する数字が食い違えば、当然担当課のみならず、上層部もチェックしてもおかしくない。しかも、報告書によると、インド洋の派遣部隊から給油翌日には、正確なデータが海上幕僚長あてに電報や電子メールで伝えられていた。

 にもかかわらず、政府は統合幕僚会議議長の会見内容をもとに応答要領を作成。これに基づき福田官房長官や石破長官(いずれも当時)が「約20万ガロン」と説明していた。

 民主党の山岡賢次国対委員長が「一見して末端に責任をおしつけ、トカゲのしっぽをきって終わらせようとの姿勢がありありだ」と指摘するように、政府の対応のまずさが問われるのは必至だ。

 報告書を提出するにあたっての政府の危機意識も希薄だ。

 防衛省が22日午前、与党側に説明した際、報告書には文民統制を確保するための検討委員会設置は盛り込まれておらず、当初は「さらなる調査」としか記述されていなかった。

 そのため、公明党から<1>文民統制の観点から重大な問題だとの認識<2>処分を含めた検討<3>文民統制確保のための検討委員会設置――の3点を盛り込むよう求められ、あわてて修正した。(以下、省略)」(朝日新聞平成19年10月23日付朝刊2面「時時刻刻」)




防衛省の説明では、組織的関与でないと説明しています。しかし、この記事からすると、防衛省の説明は虚偽の疑いが濃厚です。

「防衛省の報告書では、報告責任を怠ったのは「担当課長ら」だったとし、組織的関与を否定。海上幕僚長や防衛庁長官、内局も把握していなかったことを強調した。

 だが、当時の事情を知る関係者の一人は「内局なども装備に関連する会計チェックなどで把握していた可能性もあるのではないか」と指摘する。

 実際、海上幕僚監部の一部の担当課だけが把握していたとの説明には不自然な点も多い。……

 日米で発表する数字が食い違えば、当然担当課のみならず、上層部もチェックしてもおかしくない。しかも、報告書によると、インド洋の派遣部隊から給油翌日には、正確なデータが海上幕僚長あてに電報や電子メールで伝えられていた。

 にもかかわらず、政府は統合幕僚会議議長の会見内容をもとに応答要領を作成。これに基づき福田官房長官や石破長官(いずれも当時)が「約20万ガロン」と説明していた。」


「インド洋の派遣部隊から給油翌日には、正確なデータが海上幕僚長あてに電報や電子メールで伝えられていた」のに政府側に報告しなかったのですから、組織的関与でなかったと誰が信じるのでしょうか? そんな戯言を国民は信用すると思っているのでしょうか?


朝日新聞平成19年10月23日付夕刊1面「素粒子」は、次のように揶揄しています。

 「政治家をないがしろにし、国民を欺き、国事を専断しようとするのは、旧陸海軍以来軍部の伝統。

 ×   ×

 大事なのは文民統制、とはいえ業者接待ゴルフ三昧(ざんまい)の文民じゃ、報告を上げる気にもなれまいて。(以下、省略)」


新テロ特措法案は、現行法に盛り込まれていた国会国会の事後承認事項を削除して、文民統制の機能を弱めています。「政治家をないがしろにし、国民を欺き、国事を専断しよう」としている自衛隊にとって、実にうま味のある法案なのです。この法案が成立すれば、事後承認の際に国会審議をなくすことができるのですから、今までよりも一層、政治家をないがしろにし、国民を欺くことが可能になるのですから。


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2007/10/22 [Mon] 23:59:25 » E d i t
イラク戦争開戦直前の2003年2月に海上自衛隊の補給艦がインド洋で米補給艦に給油した量が20万ガロンから80万ガロンに訂正された問題で、海上自衛隊が約4年前から間違いを把握していながら当時の石破茂防衛庁長官(現防衛相)らに報告していなかったことが10月21日、明らかになりました。このような隠蔽行為は、文民統制に反する行動であり、重大な問題です。


1.まず、報道記事を。

(1) 東京新聞平成19年10月22日付朝刊1面

 「米補給艦への給油量 海自誤り隠ぺい 4年前把握、報告せず
2007年10月22日 朝刊

 政府が海上自衛隊の補給艦から米補給艦への給油量を訂正した問題で、二〇〇三年五月に当時の石破茂防衛庁長官が誤った供給量を国会で答弁した後、海自が早い段階で給油量の誤りを把握しながら、同長官らに報告せず、隠ぺいしていたことが二十一日、分かった。防衛省首脳が明らかにした。同省は二十二日にも、当時の詳しい経緯を与野党に説明し、近く関係者を処分する方針。

 民主党など野党側は、給油量の訂正問題をイラク戦争への燃料転用疑惑に絡めて追及。給油に関する新たな事実判明を受け、自衛隊に対するシビリアンコントロール(文民統制)が十分機能していなかったとしてさらに追及する構えで、インド洋で給油活動を継続するための新テロ対策特別措置法案の審議にも影響が出る可能性がある。

 当時の石破長官は〇三年五月の参院外交防衛委員会で、海自補給艦「ときわ」が同年二月、米補給艦「ペコス」を介して米空母「キティホーク」に提供した燃料を「二十万ガロン」と答弁。石破氏や当時の福田康夫官房長官は「二十万ガロンは空母の一日の消費量」などと説明していた。

 しかし、市民団体が今年九月、誤りを指摘したことを受け、政府は米補給艦への給油量を八十万ガロン、米空母には六十七万五千ガロンだったと訂正。福田首相は「事務的な誤り」と釈明していた。

 防衛省が当時の関係者らから聞き取り調査したところ、海自の担当者が実際に給油量の誤りに気付いたのは、〇三年の国会答弁のしばらく後で、当時の石破長官や古庄幸一海上幕僚長には報告していなかった。

 石破氏は二十一日、民放テレビの報道番組で、給油量訂正問題について「(誤りだと)気付いていたなら、何で(報告が)上がらなかったのかが大問題だ」と、厳しく対処する意向を示した。」




(2) 朝日新聞平成19年10月22日付朝刊1面

海自、給油量の誤り隠蔽 03年当時から把握2007年10月22日03時00分

 海上自衛隊の補給艦が03年2月にインド洋で米補給艦に給油した量をめぐり、防衛省が20万ガロンから80万ガロンに訂正した問題で、海上幕僚監部が03年当時から誤りに気づいていたにもかかわらず石破茂防衛庁長官(当時)らに報告せず、隠蔽(いんぺい)していたことが21日、分かった。防衛省は当時の担当者を処分する方針で、22日にも調査結果を公表する。これに対し、民主党は当時の統合幕僚会議議長や海上幕僚長ら制服組トップの証人喚問を求め、実現しなければ補給支援特措法案の審議に応じない構えを見せている。

 問題の給油は03年2月25日、海自の補給艦「ときわ」が米補給艦ペコスに対して実施。ペコスは同日、米空母キティホークに給油し、同空母がその後ペルシャ湾内に入って対イラク作戦に従事したことから、燃料の転用疑惑が浮上した。

 当時の福田康夫官房長官や石破防衛庁長官は、給油量を20万ガロンと説明。キティホークの1日の燃料消費量に過ぎないとして転用疑惑を否定した。だが、防衛省は今年9月になって、80万ガロンだったと訂正した。

 防衛省首脳によると、同省が当時の担当者から聞き取り調査したところ、03年の福田氏や石破氏の説明直後に、海上幕僚監部の担当部署が実際の補給量は20万ガロンではなく80万ガロンだったことを把握しながら、石破氏や海自トップの海上幕僚長に報告していなかったことが判明したという。情報は佐官クラスでとどまり、上層部には伝えられなかった。

 その理由について同首脳は「当時の担当者は20万ガロンが80万ガロンに増えても、イラクへの転用はないから重大な問題ではないと判断していたようだ」と語った。

 民主党の山岡賢次国会対策委員長は21日、都内で記者団に「シビリアンコントロールへの大きな危機感を感じる」と指摘。福田首相や二橋正弘官房副長官の証人喚問も求める考えを示した。

 そのうえで、山岡氏は「疑惑がはっきりしない限り、(補給支援特措法案の)審議はやれないことが極めて明快になってきた」と述べた。

     ◇

 03年5月9日、当時の福田官房長官は、記者会見で「キティホークの燃料消費は1日20万ガロンで、(海自提供の燃料は)ほとんど瞬間的に消費してしまう。イラク関係に使われることはあり得ない」と述べ、転用疑惑を否定した。また、当時の石破防衛庁長官も同月15日、参院外交防衛委員会で「アメリカに確認したところ、2月25日に米補給艦に20万ガロン燃料提供した」と答弁していた。

 しかし、防衛省は今年9月、米国の情報公開制度を通じて航海日誌を調べた市民団体「ピースデポ」から給油量の誤りを指摘され、80万ガロンに訂正した。

 福田首相は今月10日の衆院予算委員会で、官房長官当時の説明について「(当時の)防衛庁の情報に基づいたものだが、間違っていたことはおわび申し上げなければいけない」と陳謝。石破防衛相は同9日の同委で「海上幕僚監部で給油記録を集計する際、別の船に補給した20万ガロンと取り違えた」と釈明した。」



(3) 時事ドットコム(2007/10/22-18:58)

 「2007/10/22-18:58 「文民統制にかかわる」=石破防衛相が徹底解明を指示-海自隠ぺい

 防衛省は22日夕、インド洋で給油活動をしていた海上自衛隊補給艦の給油量訂正をめぐる隠ぺい発覚を受け、石破茂防衛相をトップとする「対策検討委員会」の初会合を開いた。石破氏は冒頭、「文民統制にかかわる憂慮すべき重大な問題だ」と指摘、事実関係を徹底調査するよう指示した。同省は調査結果を待って、関係者を厳正処分する方針だ。
 石破氏はまた、隠ぺいについて「構造的な問題だ。意識が希薄だった」と組織の現状を厳しく批判した。」



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2007/10/20 [Sat] 16:54:52 » E d i t
臓器移植法が施行されてから、10月16日で10年が経過しました。臓器移植法の施行3年をめどに見直す、と規定されているのですから、本来なら改正のための審議がなされ、何らかの改正もなされていたはずですが、一度も改正されていません。


1.この臓器移植法10年を契機として、幾つか記事が出ています。その中から幾つかの記事を紹介します。

(1) 東京新聞2007年10月16日 19時33分

 「改正審議進まぬ国会を非難 臓器移植法で患者団体
2007年10月16日 19時33分

 臓器移植関連の患者団体でつくる臓器移植患者団体連絡会(大久保通方代表幹事)は、臓器移植法施行から10年となった16日、厚生労働省で記者会見し、脳死での臓器提供条件を緩和する同法改正案の審議が進まないことに対し「国会の責任を放棄している」と非難し、早期審議を求める声明を発表した。国会議員全員に手渡すという。

 声明は、現行法下での臓器提供が少ないために海外に渡航する患者や、移植できずに死亡する患者が後を絶たないと指摘。「3年をめどに見直すとの条文がありながら、国会はこの10年間放置したまま。人の命を軽んじているとしか思えない」と厳しく批判している。

 大久保代表幹事は、審議が行われない状態がこれ以上長期化した場合には、移植を受けられずに死亡した患者の遺族が原告となり、国会議員らの責任を問う訴訟も検討する考えを示した。

(共同)」




(2) 京都新聞電子版(Kyoto Shimbun 2007年10月16日(火))

脳死移植10年 61例から243人に 待機患者1万2千人

 脳死からの臓器提供を認めた臓器移植法の施行から、16日で10年となる。1999年2月の高知赤十字病院での第1例から15日までに61例の脳死からの臓器提供があり、243人に心臓や肝臓などが移植された。15日には新たに大津赤十字病院で滋賀県で初の法による脳死判定が行われ、京都府立医科大などで移植手術が行われる見込み。臓器の提供は徐々に増えているが、課題は山積みだ。

 ■法改正を検討、異論も

 脳死からの臓器提供は増えているとはいえ、1万2000人を超える待機患者数からみれば限られた数にとどまっている。幼い子どもが心臓などの移植を受ける道は事実上、閉ざされたままで、患者団体や移植医は法改正を強く求めている。

 現行法では、15歳以上を対象に本人の生前の意思と家族の同意によって提供が可能となる。改正案として、年齢制限を外して生前の意思がない場合に家族の同意で可能とする通称A案と、年齢を12歳以上に引き下げるB案が国会に上程されているが、実質審議は行われていない。

 患者団体や、移植医などでつくる日本移植学会はA案による改正を求めているが、子どもの意思をどう考えるのか、虐待による子どもの脳死を調査できるのかなどの問題があり、慎重意見や反対意見は根強い。

 京都では、京都大医学部付属病院と府立医大病院で脳死からの臓器提供を受けた移植手術が計二十二例行われる一方、脳死からの臓器提供は昨年3月の京都第一赤十字病院での一例のみ。脳死判定には多くの難しさがあり、医療施設の負担も課題だ。」


これらの記事から分かるように、1万2000人を超える待機患者がいるのに、脳死からの臓器提供は、61例(10月15日まで)にとどまっていることから、脳死での臓器提供条件を緩和する同法改正案の審議が強く望まれています。

「幼い子どもが心臓などの移植を受ける道は事実上、閉ざされたままで、患者団体や移植医は法改正を強く求めている。」


元々、ドナー不足であるのですが、特に、事実上、幼い子どもが心臓などの移植が不可能になっているため、その点を解消することが求められています。そうすると、 年齢を12歳以上に引き下げるB案(斉藤鉄夫議員他3名の提出法案)では、幼児をレシピエントとする心臓移植は困難ですので、この法案通りに改正してもあまり意味がありません。


そうすると、年齢制限を外して生前の意思がない場合に家族の同意で可能とするA案(中山太郎議員他5名提出法案)による改正が求められているわけです。

このA案に対しても批判があることは確かですが、臓器移植改正に関して、朝日新聞が世論調査を行っています(朝日新聞平成19年10月17日付朝刊9・30面)。その記事によると、「15歳未満の子からの提供を「認めるべきだ」としたのは46%で、「認めるべきではない」の35%を上回った。「認めるべきだ」とした人のうち、下限年齢を「12歳まで」としたのは22%。「年齢制限をなくし乳幼児にも認める」としたのは66%だった。」としています。このように、「15歳未満の子からの臓器提供を認めるべきだと答えた人(46%)のうち、A案と同じく年齢制限をなくすべきだとした人が6割超」という状態なのですから、世論の意識としては、A案通りに改正しても多数の賛成を得られることになりそうです。


もちろん、法案のレベルの段階において賛成するということであって、実際上、臓器提供者が増えるかどうかは別問題です。法改正に向けての法案審議も重要ではありますが、果たして法改正したとしても臓器提供者がどれほど増加するのでしょうか? 現状において、臓器提供者の提供意思を生かせる態勢は整っているのでしょうか? その点について、朝日新聞平成19年10月18日付朝刊3面において触れていたので、その記事を紹介したいと思います。


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2007/10/18 [Thu] 19:36:55 » E d i t
国連本部で10月16日、死刑制度の廃止を求める国際NGO主催のイベントが行われ、日本からは死刑確定後再審無罪となった免田栄さんが、そのイベントに参加しました。


1.まずその報道記事から。

(1) 東京新聞平成19年10月17日付夕刊10面

 「「死刑廃止は私の念願」 冤罪被害の免田栄さん、国連で訴え
2007年10月17日 12時05分

 【ニューヨーク16日=共同】再審で無罪になった元死刑囚の免田栄(めんだ・さかえ)さん(81)は16日、国連本部で開かれた死刑廃止を目指すパネルディスカッションに参加、「死刑廃止は私の念願です」と述べ、冤罪の可能性がある限り、死刑制度を廃止すべきだと訴えた。

 パネルディスカッションには免田さんのほか、同じく殺人で死刑判決を受けながら、後に冤罪と分かった米国とウガンダの男性も参加。免田さんは「犯してもいない殺人の罪で死刑という十字架を背負わされた」「警察は強制、強要、誘導尋問、暴力によって、何が何でも自白させようとした」などと司法当局への不信感を訴えた。パネルディスカッションは国際人権団体アムネスティ・インターナショナルなどが主催した。

 また、イタリアの国連代表部によると、同国などは死刑の執行停止を求める決議案を作成、来週にも国連総会第3委員会(人権)に提出する意向を明らかにした。」



(2) asahi.com(2007年10月17日10時44分)

 「「死刑廃止を」 無罪判決の免田さん、国連で訴え
2007年10月17日10時44分

 国連本部で16日、死刑制度の廃止を求める国際NGO主催のイベントが開かれ、死刑確定囚として日本で初めて再審・無罪判決を勝ち取った免田栄さん(81)が、国際社会に死刑廃止の必要性を訴えた。

 イタリアなどが国連総会に提出を目指す死刑執行停止を求める決議案を応援するため、国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル」が開いた。免田さんは米国とウガンダの元死刑囚とともに出席。「獄中で多くの死刑囚を刑場に見送ったが、そのほとんどが裁判に不満を持っていた。冤罪が絶えない限り、死刑をなくすために行動したい。死刑廃止は私の念願です」と話した。

 イタリアなど37カ国が起草中の決議案は、全加盟国に対し、死刑廃止を視野に、即時に死刑の執行停止を求める内容。月内にも提出され、人権問題を扱う総会第3委員会で協議される見通しだ。」




(3) 毎日新聞 2007年10月17日 11時15分 (最終更新時間 10月17日 11時51分)

 「国連:「死刑執行停止を」免田さん訴え…人権団体討論会

 【ニューヨーク小倉孝保】再審で無罪になった元死刑囚、免田栄さん(81)が16日、国連内で行われた討論会に参加し、イタリアなどが国連総会への提出を検討している死刑執行の一時停止(モラトリアム)を求める決議案への支持を訴えた。

 人権団体「アムネスティ・インターナショナル」主催の討論会には免田さんのほか、ウガンダと米国からも無罪になった元死刑囚が参加した。

 免田さんは「私にはアリバイがあり、物証もあったが無視された。暴力で自白を強要された」と述べ、「福岡拘置所で別れの握手を交わした死刑囚は覚えているだけで56人もいる」として、死刑廃止の必要性を訴えた。

 国連総会では欧州を中心に20カ国以上がモラトリアム決議案を支持する見通しだが、大票田のアフリカやアジアの国々は死刑制度支持の国が多い。決議案は11月2日までに総会の第3委員会(人道と文化)にかけられ、採択されれば総会にかけられる。

毎日新聞 2007年10月17日 11時15分 (最終更新時間 10月17日 11時51分)」




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2007/10/16 [Tue] 21:45:15 » E d i t
国会では、現在、参議院の予算委員会で審議が行われ、インド洋での自衛隊の給油活動などをめぐって論戦となっています。与党側は、自衛隊の活動を継続させるため、躍起になっており、給油活動継続に反対する民主党をテロリスト呼ばわりするまでに至っています。


「給油活動反対はテロリスト」 自民・中谷氏、民主を批判2007年10月15日12時08分

 自民党の中谷元・安全保障調査会長は14日のフジテレビの番組で、インド洋での海上自衛隊の給油活動について「テロをなくそうという国際社会で非常に評価されている。これに反対するのはテロリストしかないのではないか」と述べ、反対している民主党の対応について「理解できない」と批判した。

 これに対し、民主党の鳩山由紀夫幹事長は同日の記者会見で「国民の3割が給油活動に反対しているが、日本に3割のテロリストがいるという話になる」と反論。「テロリストをなくさなくてはいけない作戦で、テロリストが急増している。戦争によって本当にテロがなくなるのか」と、給油活動への疑問を改めて示した。」(朝日新聞平成19年10月15日付夕刊2面




中谷議員は、自衛隊での給油継続に「反対するのはテロリストしかないのではないか」というのですから、どうやら市民の44%さえもテロリスト扱いのようです。

自衛隊給油継続 賛成39%、反対44% 本社世論調査 
2007年10月16日03時30分

 朝日新聞社が13、14の両日実施した全国世論調査(電話)によると、インド洋での自衛隊による活動の継続について賛成が39%、反対が44%だった。賛成は安倍前首相の辞任表明を受けて実施した9月13日調査の35%からやや増えたものの、なお反対が上回っている。

 政府は自衛隊の活動を継続させるため、現行のテロ対策特別措置法に代わる新法案を国会に提出する方針だが、この新法案の中身についても賛否を聞いたところ、賛成は28%にとどまり、反対が48%を占めた。(以下、省略)」(asahi.com(2007年10月16日03時30分)



インド洋での自衛隊の給油活動(=無料ガソリンスタンド活動)に反対することに対して、テロリストとレッテル貼りをしたところで何も解決しませんし、かえって後ろ暗いものがあるのではないか、国民に対して隠しているものがあるのではないかと、疑わしくなりました。

今まで一貫して、国民に対してインド洋での自衛隊の活動を明らかにしてこなかったことも不信感の原因であるのに、こうして国会で議論され疑問を呈する声が出てくると、テロリスト呼ばわりして議論を封じようとするのです。国会審議は、国民に対する情報提供の場であるという機能を全く失念しているようです。そして、日本の市民の44%をテロリスト呼ばわりするのですから、自民党への不信感がますます増すことになり、自民党議員には政権担当能力がないことが明確になったように感じます。


このインド洋での自衛隊の無料ガソリンスタンド活動について、作家の高村薫さんが、東京新聞10月15日付において論説を発表していますので、その論説を紹介したいと思います。



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2007/10/11 [Thu] 07:08:31 » E d i t
太平洋戦争末期の沖縄戦で日本軍が住民に「集団自決」を強制したとの教科書記述が削除された問題で、文部科学省の検定意見に抗議する超党派の沖縄県民大会が29日、同県宜野湾市の海浜公園で開かれました。県議会やPTA連合会などで構成する実行委は「集団自決に軍が関与したことは明らかで、記述削除は歴史の歪曲だ」として、検定意見の撤回と記述の回復を求める決議を採択しました(東京新聞平成19年9月30日付朝刊1面「“島ぐるみ”11万人が抗議 沖縄、超党派で県民大会」)。

この沖縄県民大会の参加人数について、産経新聞は、「11万人でなく、もっと少ないから誤報だ」などという趣旨の文句を、朝日新聞に対して行い、朝日新聞と産経新聞が“場外戦”を演じたのです。この“場外戦”について、東京新聞が記事にしていましたので、引用したいと思います。


 
1.東京新聞平成19年10月10日付朝刊28面「こちら特報部」

沖縄県民大会 参加人数で新聞“場外戦” 「11万人」で攻防

 沖縄戦での集団自決の日本軍関与をめぐる教科書検定問題で、文部科学省は「軍が強制」という記述を削除する修正を再び見直す見通しだ。それを促したのは、先月29日の沖縄県民大会。その参加人数の表記をめぐり、朝日新聞と産経新聞が“場外戦”を演じた。争いのタネは何?

 直接の引き金は、今月3日付朝刊の産経新聞の1面コラム「産経抄」。それ以前に朝日新聞の夕刊コラム「窓」から「事実の確認だけはくれぐれもお忘れなく」と批判され、それを切り返す形で「教科書検定意見撤回を求める9.29県民大会」の朝日新聞の記事に触れた。

 集会の一報の見出しや2日付朝刊の「県民大会に11万人が参加」という記述を取り上げ、「11万人は主催者発表の数字」「関係者によると、参加者は最大で4万3000人」「沖縄の警察は、主催者の反発を恐れてか真実を発表できない」とし、「戦時中に大本営発表を垂れ流し続けた貴紙の過去とだぶってしまいます」とこき下ろした。

 これに対し、朝日新聞は4日付「窓」欄で、産経新聞にも社会面の見出しに「撤回求め11万人集会」、「産経抄」にも「11万人(主催者発表)が参加した」という記述があると指摘。「自己矛盾」と反論した。

 紙面でのやりとりはこれで止まったが、産経新聞社広報部は「朝日新聞は2日付の記事では主催者発表と書いていない」「産経新聞は、5日付には最大で4万3千人、7日付でも11万人という数字が独り歩きし始めている実態を取り上げた」と説明している。

 ちなみに「新しい歴史教科書をつくる会」は検定問題についての文相あての意見書に「実数は4万2千人よりも少ないという指摘もある」と記している。また、検定問題の続報では読売新聞(2日付)も「主催者発表」を省き、本紙は7日付以降、混在している。

◆主催者側「空撮では少女暴行事件の1.5倍」

 「11万人」という数字が重い意味を持つのは、その後の政府や文科省に方針転換を促した実態からも明らかだ。実際にはどのくらい集まったのか。

 集会を当日取材した「こちら特報部」の片山夏子記者は「正確に数えるのは無理」と話す。「会場からあふれた人々が近隣のビルの階段に集まっていたり、終了後も遅れて会場に向かう人並みが絶えなかった」

 沖縄県警の広報担当者は「参加人数は警備の関係上公表していない。4万3千人の数字が県警調べか否か、についても答えられない」と固く口を閉ざす。

 一方、主催者の県民大会実行委員会の担当者は「11万人という数字もかなりに少なめに見積もった」と語る。「通常、“水増し”の根拠になる参加団体、協賛団体からの申告の総計だけなら5万数千人だった」

 では、今回はどう数字をはじき出したのか。「同じ会場(宜野湾市海浜公園)で催した1995年の少女暴行事件の抗議集会の参加者は、主催者発表で8万5千人。警察発表が5万5千人。このときは空撮で単位面積あたりの人数に広さを掛けた。今回はこの95年の数字を基に空撮での面積を比較して割り出した」

 それによると、参加者は前回に比べ、約1.5倍に達したという。「後から参加してくる人々はカウントしなかった。それでも、本来は12万人以上としてよい規模。4万3千人なら前回の警察発表をも下回る。これは絶対にあり得ない」

◆「本土と温度差」 地元では痛感

 「主催者発表」と入れるべきか否かについて、上智大学の田島泰彦教授(メディア法)は「取材した記者の体感や主催者の数字の根拠などを総合的に判断して、数字に妥当性があると判断するなら繰り返す必要はないのでは」と語る。

 地元紙の記者は、今回の“場外戦”についてこう感想を漏らした。「沖縄では集会参加者を水増しとみる陰口すら聞こえてこない。そうした議論を聞くにつけ、本土と沖縄の温度差を痛感させられる」」




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2007/10/10 [Wed] 23:59:53 » E d i t
今日、10月10日は、2003年に世界死刑廃止連盟(WCADP)が定めた「世界死刑廃止デー」です。人権問題などの協議機関である欧州会議も9日、死刑制度に関する国際会議を開催しています。これに関する記事について触れたいと思います。


1.まず、報道記事について触れる前に、死刑制度が「国際社会」ではどのように扱われているかを指摘したコラム(読売新聞平成19年10月10日付朝刊19面「ウイークリー時評」から一部抜粋)を紹介しておきます。

 「従来死刑廃止を強く推進して来たのは、ヨーロッパである。ヨーロッパにおいても、この運動が勢いを得るのは第二次世界大戦後であり、多くの国で制度化され始めるのは1980年代以降である。冷戦後にこの波は一気に東欧へと拡(ひろ)がった。現在ではEUに加盟するには死刑廃止が前提条件であり、欧州評議会加盟にも、最低限死刑の執行停止が求められている。欧州評議会加盟国の中ではロシアのみ死刑を廃止していないが、執行は停止している。オブザーバーである日本とアメリカは、共に欧州評議会から再三にわたり、死刑廃止を呼びかけられている。

 EUでは今年、この日を欧州死刑廃止デーにしようとしたが、ポーランドの反対のためできなかった。今月末に選挙をひかえたポーランド政府は、保守票への配慮のため反対したと言われている。多数決で決定ができる欧州評議会の方は、10日を欧州死刑廃止デーと定めた。アムネスティー・インターナショナルによれば、1990年以来、50を超える国がすべての犯罪に対する死刑を廃止している。90の国と地域があらゆる犯罪に対する死刑を廃止、11カ国が例外的犯罪を除いて廃止、32カ国が執行を事実上停止しており、64カ国が存続させている。

 昨年世界で死刑を執行した国は、日本を含む25カ国であり、執行数は中国、イラン、パキスタン、イラク、スーダン、アメリカが全体の91パーセントを占める。先進国で死刑制度を残しているのは日、米、韓くらいである。犯罪と刑罰の問題は、それぞれの社会の価値観に大きく左右される。しかし、昨今のグローバリゼーション下、このような問題にも、外から嵐が吹き付けることは避けられないのである。
(政策研究大学院大准教授・国際政治)」(読売新聞平成19年10月10日付朝刊19面「ウイークリー時評:岩間陽子・死刑制度 日本と欧州 かけ離れた価値観」)」


国際社会の現在の状況は、「EUに加盟するには死刑廃止が前提条件であり、欧州評議会加盟にも、最低限死刑の執行停止が求められている」ほどであり、「先進国で死刑制度を残しているのは日、米、韓くらい」なのです。

しかも、国際人権団体のアムネスティ・インターナショナルは、過去10年間、死刑執行をしなかった国を「事実上の死刑廃止国家」と分類しているのですが、韓国では、今年末で最後の死刑執行から10年となる韓国で10月10日、市民団体が主催する「死刑廃止国家宣言式」があったのですから(asahi.com「最後の執行から10年 韓国で死刑廃止国の『宣言式』」(2007年10月10日19時22分))、先進国で死刑制度を残しているのは、事実上日本と米国だけになりました。

国連拷問禁止委員会は、拷問禁止条約(日本は1999年に加入)に基づき、日本政府に対して「死刑の執行をすみやかに停止し、かつ、死刑を減刑するための措置を考慮すべき」と勧告しています(「国連拷問禁止委員会が日本政府に改善勧告~せめて最低水準に合わせろと勧告される“先進国”日本」「鳩山法相“署名なしで死刑執行を”発言の波紋~非難拡大・国会で論戦へ」参照)。


こういった国際社会の現状を十分に理解しておく必要があります。すなわち、日本がいくら死刑制度問題について、欧州と価値観が違うのだと主張したところで、日本が死刑制度を存続させることは極めて困難な状況にあるということです。では、記事を紹介します。


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2007/10/09 [Tue] 23:15:05 » E d i t
日本相撲協会は10月5日、東京・両国国技館で緊急理事会を開き、時津風部屋の序ノ口力士、時太山=当時(17)=が6月下旬のけいこ後に死亡した問題で、協会の信用を失墜させたとして、師匠の時津風親方(57)=元小結双津竜=を満場一致で解雇処分としました。解雇処分は、相撲協会の賞罰規定によると相撲協会から永久追放となるので、重い処分であり、親方の解雇は1997年初場所を無断欠勤した山響親方(元小結前乃森)に次いで2人目です。
日本相撲協会は、時太山に暴行したとされる時津風部屋の兄弟子への処分は保留し、警察などの判断が下されてから検討するとしています。

この時津風親方の解雇処分、特に解雇理由については、「協会の信用を失墜させた」という記事が出ていることから、「マナー違反で解雇理由なのだ」と述べたコメンテーターがいるなど、どうも解雇理由が間違って理解されているように思います。そこで、この解雇理由について触れてみたいと思います。


1.報道記事をいつくか。

(1) 朝日新聞平成19年10月6日付朝刊1面より一部引用。

 「時津風親方を解雇、役員は減俸 相撲協会が理事会
2007年10月05日19時26分

 大相撲の序ノ口力士だった斉藤俊(たかし)さん(当時17)=しこ名・時太山=が名古屋場所前の6月に愛知県犬山市でのけいこ中に死亡した問題で、日本相撲協会は5日、東京都墨田区の国技館で理事会を開き、斉藤さんへの暴行を認めている師匠の時津風親方(57)=本名・山本順一、元小結双津竜=を解雇することを決めた。死亡の経緯には踏み込まず、暴行行為が協会の信用を失墜させたとして処分した。集団暴行を行ったとされる兄弟子らは愛知県警の捜査の結論が出るまで処分を保留。北の湖理事長(元横綱)ら協会役員は自主的に給与の一部を返上することにした。

 解雇は5日付。部屋持ち親方の解雇は初めてだ。師匠を失うことになる時津風部屋には9日まで猶予が与えられ、「時津風」の名跡を誰が継ぐか部屋関係者で決めることになった。親方への退職金は今のところ払われない見込み。

 理事会には理事10人のうち体調を崩している1人を除いた9人が出席。全員一致で解雇を決めた。

 理事会後の記者会見で北の湖理事長は、解雇に踏み切った理由を「力士を養成、監督する立場である師匠が安全への配慮を怠り、自らもけがを負わせたほか、年長の力士らの暴力を黙認した」と説明。こうした行為が協会の信用、名誉を著しくおとしめたと結論づけた。

 処分を持ち越した兄弟子らについては「将来がある」として人数、しこ名などを伏せた。

 役員の給与返上は理事長が50%を4カ月、他の理事、監事、役員待遇の親方ら計15人は30%を3カ月。「世間に対する反省」として申し合わせた。北の湖理事長は協会としての処分ではなく、あくまでも自主的に行ったと強調した。

 事前に上申書を出して理事会への出席を訴えていた時津風親方はこの日、席上に呼ばれて理事らに謝罪。いったん退席した後、再び呼び戻されて処分を告げられた。

 愛知県警の調べでは、斉藤さんは6月26日、犬山市内にあった時津風部屋のけいこ場で兄弟子とのぶつかりげいこ中に倒れ、病院に運ばれたが死亡した。県警の調べで死因は「多発外傷による外傷性ショック」と判明。県警や協会の聴取に時津風親方や兄弟子は、ビール瓶で殴るなどの暴行があったことを認めていた。


<キーワード>相撲協会の罰則

 重い順に除名、解雇、番付降下、出場停止、減給、譴責(けんせき)がある。解雇以下の処分は理事10人で構成される理事会の多数決で決まる。除名は役員、評議員(親方ら)、横綱、大関の4分の3以上による特別決議が必要。除名だと退職金は出ないが、解雇の場合は特に規定がないという。ともに処分を受けた者は二度と協会に戻ることができない。除名は過去に例がないが、解雇は97年1月、初場所の仕事を無断欠勤した高田川部屋付きの山響親方(元小結前乃森)が受けた例がある。」



(2)  時事ドットコム:2007/10/05-19:30

 「2007/10/05-19:30 時津風親方を解雇=理事長ら給与一部返上-力士死亡で相撲協会

 大相撲の時津風部屋で6月に序ノ口力士の斉藤俊さん=当時(17)、しこ名・時太山=が急死した問題で、日本相撲協会は5日、臨時理事会を開き、師匠の時津風親方(57)=本名山本順一、元小結双津竜=を同日付で解雇した。同親方は大相撲界に戻ることはできない。北の湖理事長(元横綱)ら役員16人も自発的に給与の一部を返上することを決めた。
 記者会見した北の湖理事長は解雇理由として、時津風親方が師匠の安全配慮義務を怠り、自らビール瓶で殴った上、弟子が斉藤さんに暴行するのを黙認、入門2カ月の新弟子には通常あり得ない30分ものぶつかりげいこをさせたことなどを指摘。さらに、相撲協会の名誉を著しく傷つけたことを強調した。
 理事会は満場一致で解雇を決め、同親方を呼んで通告した。解雇は理事会で決められる処分では最も重く、2例目。部屋を預かる師匠では初めて適用された。
 役員の給与返上は北の湖理事長が4カ月(50%)、ほかの役員が3カ月(30%)。暴行に加わった兄弟子の処分は捜査当局の判断が出るまで保留とした。部屋の存続問題は9日までに継承者の結論を出すよう関係者に伝えた。 
 斉藤さんは、6月26日に愛知県犬山市の同部屋名古屋場所宿舎でけいこ中に死亡。時津風親方と力士数人が愛知県警の事情聴取に暴行を認めている。
 相撲協会は当初、捜査の結果を待って処分を決める方針だった。しかし、9月28日に文部科学省から独自の真相究明と関係者の処分などを進めるよう異例の指導を受け、時津風親方から2度、力士ら部屋関係者から1度、事情を聴取。同親方は相撲協会に対しても、ビール瓶で殴るなどの暴行を認めていた。(了)」




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2007/10/07 [Sun] 23:59:43 » E d i t
年金保険料の着服問題を巡って、舛添要一厚生労働相と自治体の間で対立が生じています。舛添氏と自治体の関係が対立する切っ掛けとなったのは、舛添厚労相の9月29日の発言です。舛添氏厚労相は、9月29日に「社会保険庁は信用ならない。市町村はもっと信用ならない」と述べたのです。その後も、「小人のざれ言に付き合う暇があったら、もっと大事なことをやらなければいけない」とか、地方交付税を念頭に「文句を言うなら、一円も貰わないで言いなさい」などと、と述べて火に油を注いだのです。


1.毎日新聞2007年10月7日 東京朝刊

 「年金着服:厚労相・自治体、ぎくしゃく 年金着服で火花、総務相板挟み

 年金保険料の着服問題をめぐり舛添要一厚生労働相と自治体の間がぎくしゃくしている。舛添氏は社会保険庁長官に自治体の着服職員の告発を指示するなど強い姿勢で臨んでいるが、「市町村は社会保険庁より信用ならない」との同氏発言をきっかけに地方には反発が広がっている。地方自治を所管する増田寛也総務相は板挟みとなり、困惑を隠せずにいる。【吉田啓志】

 「市町村長がやらないなら、社保庁長官に告発するよう指示する」。舛添氏は4日、増田氏との協議のあと記者団にこう述べ、市町村職員の告発をあくまで重視する考えを強調した。

 舛添氏と自治体の関係が冷え込むきっかけとなったのは、9月29日の発言。社保庁職員による保険料着服が52件、約1億6939万円なのに対し、市区町村職員らによるものが101件、約2億4383万円だったことを踏まえ、舛添氏は「社会保険庁は信用ならない。市町村はもっと信用ならない」と記者団に語った。もともとは、社保庁窓口で保険料を払う仕組みをやめる着服防止策を説明する中で飛び出した発言だった。

 これに鳥取県倉吉市の長谷川稔市長が「鳥取県では(着服は)1件もない」と訂正を求める抗議文を送り、東京都武蔵野市の邑上守正市長もこれにならったことで、今度は舛添氏が反応。2日の記者会見で「小人のざれ言に付き合う暇があったら、もっと大事なことをやらなければいけない」と反論し火に油を注いだ。鳥取県町村会は「上から見下ろした発言で市町村を愚弄(ぐろう)している」と抗議の決議。さらに社保庁が9市町に職員の告発をするよう通知したのに対し、宮城県大崎市ら8市町は見送る考えを示すなど、告発方針に同調しない動きも広がった。

 舛添氏は当初、自治体職員の着服について「泥棒はみな牢屋(ろうや)に入ってもらう」と気勢を上げた。しかし、すぐに時効(7年)の壁で9市町しか刑事告発できないことが判明。さらに告発をめぐり自治体との足並みが乱れ、「引くに引けなくなった」(厚労省幹部)形で対応がエスカレートしている。

 一方、舛添氏と自治体の間にはさまれた格好の増田氏の立場も微妙だ。告発を見送る市町について「それはそれで受け止めなければいけない。最終的には住民が決める話だ」と判断尊重をにじませるが、着服問題への世論の厳しさも無視できない。舛添氏の「信用できない」発言について「すぐぱっとモノ言う人ですから、件数で(市町村が)もっと悪いと言ったんでしょう」と語るなど、対立の沈静化に追われている。

毎日新聞 2007年10月7日 東京朝刊」



増田寛也総務相による、舛添評が的確なように思います。「すぐぱっとモノ言う人」と。それも、あまり考えることなく、「すぐぱっとモノ言う人」なのでしょう。

「舛添氏は当初、自治体職員の着服について「泥棒はみな牢屋(ろうや)に入ってもらう」と気勢を上げた。しかし、すぐに時効(7年)の壁で9市町しか刑事告発できないことが判明。さらに告発をめぐり自治体との足並みが乱れ、「引くに引けなくなった」(厚労省幹部)形で対応がエスカレートしている。」


年金保険料着服問題について、今調査している時点において犯行時から数年間経過していることは明らかなのですから、公訴時効で起訴できない(刑事告発できない)ことは予想できたはずです。それなのに、舛添厚労相は、公訴時効をすっかり忘れて(知らずに?)、「泥棒はみな牢屋に入ってもらう」と言ってしまうのです。

それも、検察官に訴追裁量権があるのですから(刑事訴訟法248条)、刑事告発があったとしても必ずしも起訴されるわけではないのです。特に、懲戒免職になり、全額弁済 している場合などは、起訴するのかどうか怪しいですし、たとえ書類送検したしても執行猶予となる可能性が十分にあるのです。実際上も、(業務上横領事件に限りませんが)年間の事件処理件数(ほぼ260万件ほど)のうち、不起訴処分は約37.9%にも及んでいるのです(2003年統計)。
舛添厚労相は、検察官ではなく、訴追するか否かにつき影響力を及ぼすことさえできないのですから、「泥棒はみな牢屋に入ってもらう」なんてできるはずがありません。

このように、舛添厚労相の「泥棒はみな牢屋に入ってもらう」発言は、全くのデタラメに近い発言なのです。


舛添厚労相の発言の問題性については、東京新聞平成19年10月5日付朝刊24・25面「こちら特報部」が触れていますので、この記事を引用したいと思います。


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2007/10/06 [Sat] 23:59:25 » E d i t
長野県の産婦人科医・根津八紘医師が平成19年4月12日午後、会見を行い、代理母になるボランティア女性を募集していました(「根津院長と代理出産を依頼した女性が記者会見~代理母の公募も」参照)。しかし、その試みは、現時点では断念せざるを得なくなったようです。


1.報道記事をいくつか。

(1) 東京新聞平成19年10月4日付夕刊10面

 「代理母ボランティアはゼロ 「公募は断念」と根津医師
2007年10月4日 08時11分

 諏訪マタニティークリニック(長野県下諏訪町)の根津八紘院長は4日までに、妊娠できない女性に代わって出産する代理母のボランティア希望者を募集していたが、9月末までに応募はなかったことを明らかにした。院長は「現時点では、公募による代理出産は断念せざるを得ない」と話している。

 根津院長は今年4月に代理母公募の意向を発表。8月までに約40人が関心を示し、連絡してきたという。ところが、意思確認のためアンケートを郵送したところ、それへの回答はゼロだった。

 アンケートには十分な補償制度があることを前提として「妊娠・出産で病気となった場合、家族が十分協力してくれるか」「亡くなるようなことがあっても家族は納得できるか」などの質問があり、根津院長は「これらがネックになったのだろう」と話した。

 今後は「事故やトラブル発生に備えた具体的な補償制度の試案をまとめた上で、再度公募するかを検討する」という。

(共同)」



(2) 信濃毎日新聞10月5日(金)

 「代理母ボランティア 応募女性アンケートに「返信なし」

10月5日(金)

 諏訪マタニティークリニック(諏訪郡下諏訪町)の根津八紘院長(65)は4日、代理母のボランティアに応募してきた女性約40人に、真意や親族の同意を確認するアンケートを送ったところ、返信が1通もないと明らかにした。今後は代理出産をめぐる日本学術会議の検討委員会の論議などを見守りながら、必要に応じて代理出産の補償制度づくりなどを進める考えを示した。

 根津院長によると、ボランティアに応募したのは全国の20-50代。8月中旬、全員にメールや郵便で「家族の同意は得ているか」「亡くなるようなことがあっても家族は納得できるか」などを尋ねるアンケートを送った。

 また、アンケート送付後に別の女性からボランティアへの応募が何件かあったが、夫や子どもがいることなどの条件を満たす人はいなかったという。根津院長は「無理してやってもらうことではない。今回は適応者がいなかったということ」とし、今後は補償制度などの態勢をつくった上で「公募することもあり得る」と話した。」




この記事内容については、いつくか気になった点があります。

(1) まずは、「代理母ボランティア」という表題がついていますが、根津八紘医師が行う代理出産は、「十分な補償制度があることを前提として」代理出産を実施するのですから、いわゆる有償ボランティアの範囲の属することになると思います。

ボランティアというと、無償を想像する方も結構いると思いますので、「代理出産『公募』に返信なし」という見出しの方が適切であったかと思います。


(2) 次に気になったのは、 「代理母のボランティアに応募してきた女性約40人に、真意や親族の同意を確認するアンケートを送ったところ、返信が1通もない」(信濃毎日新聞)という点です。なぜ、だれも返信しないのだろうと思いました。

代理出産は、代理出産依頼者と代理母希望者との間で、代理母契約を締結して実施することになります。根津八紘医師側は、代理母依頼者とともに記者会見を行い、公募し、それに応募した以上は、代理母契約の交渉は始まっているのです。契約交渉過程に入っている以上、信義則上、代理母希望を取り下げるとしても、交渉を打ち切る旨の通知をすること、すなわち返信ぐらいは行う義務は発生していると理解することが可能です。

40人ほどの女性すべて返信しないというのですから、代理出産に対する認識が不十分なままで応募した方や、冷やかしで応募した方が多数を占めていたと推測できそうです。代理出産依頼者は、記者会見にでて真摯に代理母希望者を求めていたのですから、応募する側も真摯に対応するのが、礼儀ではないかと思うのです。誰も返信しないという結果は、大変残念です。


(3) 「公募は断念」という結果は、日本において、一医院だけで代理出産の公募を行うことが難しいことを示唆しています。「妊娠・出産で病気となった場合、家族が十分協力してくれるか」「亡くなるようなことがあっても家族は納得できるか」などの質問があり、根津院長は「これらがネックになったのだろう」と述べているように、十分な補償制度があるとしても、今回の代理母希望者には、そのリスク――死亡というリスクは極めて少ないとしても――への補償に不安を感じてたのかもしれません。

根津八紘医師は、「代理出産に伴うリスクを補償する『代理母保険』などのシステム構築を目指し、大手保険会社に協力を要請する」(毎日新聞 2007年4月18日 3時00分)こともしていたようですが、代理母希望者が納得できるような保険ではなかったようです。


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2007/10/04 [Thu] 07:54:22 » E d i t
日本郵政公社が10月1日、民営化されました。24万人が働く巨大グループは136年に及んだ「官業」の歴史に幕を閉じ、持ち株会社「日本郵政」の下、「郵便事業」「郵便局」「郵便貯金」「簡易保険」の4事業会社に再編されて、新たなスタートを切ったのです。(追記しました)


1.報道記事をいくつか。

(1) 共同通信2007/10/01 11:41

 「民営郵政、業務が本格始動 社員24万人の巨大企業

 日本郵政公社が1日、民営化され、全国の郵便局窓口が順次開き、総社員約24万人の巨大企業、民営郵政の業務が本格始動した。東京都千代田区にある持ち株会社の日本郵政の本社では、福田康夫首相、小泉純一郎元首相、西川善文社長らが出席して「JP(ジャパンポスト)日本郵政グループ」の発足式を開き、福田首相は「経営の効率性を高め、国民の貴重な財産である郵便ネットワークを有効活用するよう期待する」と祝辞を述べた。

 始業に当たって不安視されたシステム上のトラブルは報告されておらず、大きな混乱は起きていないという。民営郵政は市場経済への統合を目指すが、地方の郵便局網維持など多くの課題に直面する。

 持ち株会社の下には、郵便事業会社、郵便局会社、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の4事業会社が置かれた。はがきなどの郵便料金は公社時代と同じだが、これまで免除された印紙税がかかることなどから送金手数料が一部値上がりした。

2007/10/01 11:41 【共同通信】 」



(2)  北海道平成19年10月1日付「卓上四季」

 「郵政民営化(10月1日)

電話、ファクスに電子メール。人と人とをつなぐものはいくつもあるが、機械のにおいが薄いのは手紙だろう。温かみがある。〈郵便のくる日は少し若くなる〉(坂根寛哉)▼郵政民営化がきょうから始まる。日本で郵便事業が始まって百三十年あまり、初めての改組だ。郵便、貯金、簡易保険が分社されるほか、窓口業務が独立して郵便局会社になる▼民営化に先立ち、道内に四百四十五あった集配局のうち百六十で集配業務が廃止された。過疎地が中心だ。これを「廃局への一歩」と受け止める関係者は少なくない。冬場を前にして、配達遅れも心配だ。地域には、郵便局がはぐくんだ「つながり」が薄れてゆくことに強い不安がある▼「民営化」という言葉に、お役所仕事を脱却する改革の響きを感じることもある。だが、利潤の追求に走った企業不祥事が相次いだのを見れば、「民」だからうまく進むという保証がないのは明らかだ▼国鉄民営化では、大都市圏のサービスが向上する一方、ローカル線は各地で廃止された。民営化で重視される採算性、効率性という言葉の陰に、もうからない分野を切り捨てる「動機」が浮かんでいるようである▼黙っていても人が集まるところには、おのずと企業が来る。黙っていては人が減るばかりだから、「官」の役割があったのではないか。郵政民営化が地域格差を広げぬよう望むばかりだ。」



(3)  中国新聞平成19年9月30日付

 「送金手数料一部値上げ 郵政公社、1日に民営化 '07/9/30

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 日本郵政公社が十月一日、民営化される。郵便事業会社、郵便局会社、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の四事業会社と、これらを束ねる持ち株会社の日本郵政株式会社に分社。はがきなどの郵便料金を現在と同じにするなど、サービスは公社時代とほとんど変わらないが、送金手数料が一部値上がりしたり、積立貯金など一部の金融商品を廃止。比較的大きな郵便局では、各事業会社が”同居”するケースもあり、利用者がとまどう可能性も出ている。

 手数料の改定は、民営化でこれまでは免除されてきた印紙税が課せられるなどが原因。公共料金の振り込み手数料は現在の一律三十円から、三万円以上の振り込みで八倍の二百四十円になる。少額送金に使う定額小為替の発行手数料も一枚十円が百円に。

 一方、民営化前の貯金のうち、定額貯金や積立貯金といった定期性がある貯金は、新たに設立する独立行政法人が引き継ぎ、払い戻しの政府保証を継続する。通常貯金や通常貯蓄貯金などは、ゆうちょ銀が新契約として継承、政府保証は廃止されるが、預金保険制度で元本一千万円と利息分は保護される。

 民営化前の簡易保険契約もすべて独立行政法人が引き継ぎ、保険金額や保険期間などの契約内容は変わらず、政府保証も契約消滅まで続く。

 はがきと通常の封書の郵便料金は民営化前と同じでそれぞれ五十円、八十円。今後も郵便ポスト、郵便局で差し出すことができる。ただ、料金設定が総務相の認可制から事前届け出制に変わるので、改定は比較的容易になる。

 郵便局会社は、民営化に合わせて首都圏で自動車保険の代理販売を開始するほか、来夏にはがん保険の販売も始める方針。日用品の販売などにも意欲的だが、いずれも市場調査を経て、地域限定で段階的に参入することになりそうだ。」




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2007/10/01 [Mon] 05:46:34 » E d i t
鳩山法相“署名なしで死刑執行を”発言の波紋が広がっています。「大胆な問題提起」と捉える向きもあるようですが、批判が圧倒的です。民主党や社民党は、鳩山発言を問題視しており、官房長官からも鳩山法相は見捨てられ、政界では四面楚歌状態のようです。


1.波紋が広がっていることにつき、報道記事を2点挙げておきます。この鳩山発言については、一貫して、読売新聞(読売新聞平成19年9月29日付朝刊4面「『死刑自動執行』案 波紋」)と東京新聞での記事の紙面の扱いが大きく、問題視していることが明白なのですが、ここでは別の新聞社の記事を紹介します。

(1) asahi.com(2007年09月29日10時46分)

 「鳩山兄も「軽率だった」 死刑「自動化」、批判相次ぐ
2007年09月29日10時46分

 鳩山法相が「死刑執行が自動的に進む方法はないのか」と述べたことについて、28日、野党や政府内から批判が相次いだ。

 民主党の細川律夫「次の内閣」法相は「刑事訴訟法が法相の命令を執行の要件としていることへの無理解、法相の職責の重大さについての全くの無自覚を露呈したものだ」と批判。社民党の又市征治幹事長も「法務大臣にあるまじき言動だ。首相の任命責任も含め国会で追及する」と罷免要求も辞さない構えで、臨時国会での論点の一つとなりそうだ。

 一方、民主党の鳩山由紀夫幹事長は、弟の法相が「兄と話したところ、『人を殺しても死刑を執行されなければ恐ろしい国になる』と言っていた」と27日に述べたことについて、「死刑の存在は必要ではないか」と法相に電話で伝えたことは明らかにした上で、「弟としてはある意味で多少軽率な発言だった」と話した。

 町村官房長官も、法相が死刑制度の勉強会立ち上げに言及したことについて「ご検討されるのはご自由だが、あまり思いつきでやるのはまずいと思う」と突き放した。

 一方、鳩山法相は、自らの提言を批判していた亀井静香・国民新党代表代行に「人命軽視という考えはまったくない。人間の資格がないとの批判は当たらない」と反論した。死刑廃止議員連盟会長の亀井氏は26日、「人間の命を機械みたいにボタンを入れておけば次から次に殺されていくようなイメージで扱っていいのか。法相の資格もなければ人間の資格もない」と批判した。」



(2) NIKKINET(日経ネット)(09月28日20:01)

 「死刑巡る法相発言、官房長官が不快感示す

 町村信孝官房長官は28日の記者会見で、死刑執行を巡り「法相が絡まなくても自動的に進むような方法を考えたらどうか」とした鳩山邦夫法相の発言について「いろんな検討をするのは自由だが、あまり思いつきでやってはまずいと思う」と不快感を示した。民主党の簗瀬進参院国会対策委員長は28日の記者会見で「極めて無原則だ」と批判。社民党の又市征治幹事長も「福田康夫首相の任命責任も含め、国会で追及する」と強調した。(20:01) 」



(3) NIKKINET(日経ネット)(09月28日20:01)

 「死刑執行「自動的に」、法相発言に野党から批判

 鳩山邦夫法相が死刑執行を巡り「法相が絡まなくても自動的に進むような方法を考えたらどうか」とした発言に、野党から反発が相次いだ。民主党の簗瀬進参院国会対策委員長は28日の記者会見で「極めて無原則だ」と批判。社民党の又市征治幹事長も「重大な使命を放棄する、あるまじき発言。福田康夫首相の任命責任も含め、国会で追及しないといけない」と強調した。

 法相の兄である民主党の鳩山由紀夫幹事長は記者会見で「あの人と思い浮かべて(執行の)ボタンを押すようなことをしたくない、という弟の優しさから出ているのかもしれない」としつつ「軽率な部分もあった」と述べた。(20:01)」



民主党の細川律夫議員は、「刑事訴訟法が法相の命令を執行の要件としていることへの無理解、法相の職責の重大さについての全くの無自覚を露呈したものだ」と批判し、民主党の簗瀬進参院国会対策委員長も、「極めて無原則だ」と批判しています。特に、亀井静香・国民新党代表代行は、「人間の命を機械みたいにボタンを入れておけば次から次に殺されていくようなイメージで扱っていいのか。法相の資格もなければ人間の資格もない」と激しく批判しています。

このように、民主党、国民新党は批判的ですし、特に、社民党の又市征治幹事長は「法務大臣にあるまじき言動だ。首相の任命責任も含め国会で追及する」と罷免要求も辞さない構えですから、鳩山法相の発言が、臨時国会で論点になることは必至のようです。

批判的なのは、野党だけではありません。町村官房長官さえも、法相が死刑制度の勉強会立ち上げに言及したことについて「ご検討されるのはご自由だが、あまり思いつきでやるのはまずいと思う」と突き放しているのですから、官邸の側は、鳩山法相を庇う気はないようです。鳩山邦夫議員は、麻生太郎氏が「鳩山氏を閣僚に残してほしい」と要望したから、残しただけにすぎない人物なのですから、麻生氏の汚点になるだけで鳩山氏がどうなろうと関係ないと感じているはずです。

官邸側としては、事実上休会だった臨時国会を今日(10月1日)から再開し、インド洋での給油活動継続問題や「政治とカネの問題」を中心として厳しい論戦が始まるわけですし、ミャンマー(ビルマ)の軍事政権に対する反政府デモを取材中の長井健司さん(50)が射殺された事件について、今後政府がどのように対応するのかも悩ましい問題です。

官邸側がすぐに鳩山氏を突き放していることからすると、「問題山積中なのに、鳩山氏は全く困ったヤツだ。麻生氏の要望がなければ『浅はかな思いつき』を言い出す鳩山氏なんか閣僚に残さなかったのに。」という気持ちかと思います。おそらくは、麻生氏の意向で閣僚に留めたのだから、鳩山氏なんぞ庇い立てする義理はなく、鳩山氏が、官邸の意向を無視するようなら、辞任させてもよいということかと思います。

注目したいのは、町村官房長官の「あまり思いつきでやるのはまずいと思う」とはっきり言ったことです。要するに、町村官房長官は、鳩山氏が、死刑を執行するには法務大臣の署名が必要とする意義を知らずに「思いつき」で発言したことを知っていた、ということです。その点は、次に、引用する朝日新聞の記事を見ると、よく分かると思います。


そこで、この鳩山発言について解説した、朝日新聞の記事(平成19年9月30日付朝刊37面「もっと知りたい!」)を引用しておきます。


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