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主に社会問題について法律的に考えてみる。など。
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2007/09/29 [Sat] 05:51:11 » E d i t
鳩山邦夫法相は9月25日の安倍内閣総辞職後の記者会見で、退任に当たっての「問題提起だ」と断った上で、死刑執行について「法の改正が必要かもしれないが、法相が絡まなくても自動的に客観的に進むような方法を考えたらどうか」と述べました(時事ドットコム:2007/09/25-11:38「死刑執行命令の見直しを=鳩山法相」)。この無責任で人間性を疑いたくなるような“署名なしで死刑執行を”発言について触れてみたいと思います。


1.まず、鳩山法相発言(安倍改造内閣の閣議後発言)と、“署名なしで死刑執行を”発言について触れた毎日新聞の社説を紹介します。

(1) 朝日新聞平成19年9月25日付夕刊21面

 「「死刑執行、自動的に進むべき」 鳩山法相が提言
2007年09月25日11時41分

 死刑執行命令書に法相が署名する現在の死刑執行の仕組みについて、鳩山法相は25日午前の記者会見で「大臣が判子を押すか押さないかが議論になるのが良いことと思えない。大臣に責任を押っかぶせるような形ではなく執行の規定が自動的に進むような方法がないのかと思う」と述べ、見直しを「提言」した。

 現在は法務省が起案した命令書に法相が署名。5日以内に執行される仕組みになっている。

 鳩山法相は「ベルトコンベヤーって言っちゃいけないが、乱数表か分からないが、客観性のある何かで事柄が自動的に進んでいけば(執行される死刑確定者が)次は誰かという議論にはならない」と発言。「誰だって判子ついて死刑執行したいと思わない」「大臣の死生観によって影響を受ける」として、法相の信条により死刑が執行されない場合がある現在の制度に疑問を呈した。」



(2) 毎日新聞平成19年9月27日付社説

 「社説:「署名なし死刑」 暴言に法相の資質を疑う

 鳩山邦夫法相が安倍政権最後の閣議後の会見で死刑に言及して、「法相の署名なしで自動的に執行できないか」という趣旨の発言をした。ベルトコンベヤー、乱数表といった言葉も交えて「法相に責任をおっかぶせる形ではない方法」とも強調した。人命を軽んじ、厳粛な法制度を冒とくする暴言である。

 時の法相の個人的な信条などで執行が左右される現状への疑問を述べたものとみられるが、法相の職責をはき違えていると言わざるを得ない。刑事訴訟法が死刑執行は法相の命令による、と定めているだけでなく、法務省が管轄する拘置所が死刑囚を拘置し、検事や刑務官らが執行に携わっている。実務的にも法務省の最高責任者の責任をあいまいにすることなど許されるはずがない。

 死刑執行命令書の作成に先立って、法務省刑事局が確定判決の資料を司法判断とは別に精査し、執行の可否を決定していることも忘れてはならない。例外的だが、この段階で執行が中止されたケースもある。法相はさらに検討を加えて命令書にサインする仕組みであり、冤罪(えんざい)の場合は最終的に死刑囚を救済する役割を担っている。サインを機械的な事務処理と考えているならば、言語道断である。

 「誰だって判子をついて執行したいとは思わない」との発言も身勝手に過ぎる。死刑を求刑する検事も、死刑判決を言い渡す裁判官も、身を清め、新しく真っ白な下着を着けて法廷に臨むといわれる。執行に直接携わる刑務官らの心理的な負担は想像を絶するという。関係する誰もが、神仏に許しを請うような気持ちで任務を果たしているのに、どうして命令権者が苦痛から逃れられようか。責任の重さに耐えられないのなら、法相に就かなければよいのである。

 死刑制度には根強い批判がある。世界のすう勢は死刑廃止に向かっており、日本もやがて踏み切る日がくるかもしれない。しかし、死刑が犯罪への一定の抑止力を果たしていることは否めない。各種の世論調査でも死刑存置派が多数を占めており、容易に廃止できる状況とは言い難い。当面は人間の尊厳と人権を最大限に配慮しながら科罰と執行に当たるしかない。報復のための人殺しに堕してはならず、ベルトコンベヤー式などと考えること自体が非常識極まる。

 鳩山法相は自民党総裁選で麻生太郎前幹事長を推していただけに、福田康夫新内閣では再任はないとみて軽い気持ちで発言し、再任が決まってあわててトーンダウンさせたのかもしれない。だが、軽々に置き土産として話題にするテーマではない。改悛(かいしゅん)して死の恐怖と闘っている死刑囚の胸にも、心ない言葉として突き刺さったはずだ。深慮もなく凶悪犯に極刑を望む風潮が広がる折、良からぬ影響も出そうだ。法相としては不用意で、致命的な失言である。

 組閣で混乱していたとはいえ、発言を知り得る立場にいながら鳩山法相を再任した福田首相にも、法相の職責について見解をたださねばならない。

毎日新聞 2007年9月27日 東京朝刊」



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2007/09/27 [Thu] 00:56:54 » E d i t
自民党の福田康夫総裁(71)は9月25日、第91代、58人目の首相に選出され、同日夜の組閣を経て、福田内閣がスタートしました。この報道についてコメントしたいと思います。


1.まず、報道記事をいくつか。

(1) 朝日新聞平成19年9月26日付朝刊1面

 「福田内閣が発足 自ら「背水の陣内閣」と位置づける
2007年09月25日22時32分

 自民党の福田康夫総裁(71)は25日、衆参両院の首相指名投票を経て第91代首相に選ばれ、自民、公明両党による福田連立内閣が事実上、発足した。内閣の要の官房長官に町村信孝外相を起用。外相の後任に高村正彦防衛相を横滑りさせ、防衛相に石破茂元防衛庁長官を充てた。総裁選で善戦した麻生太郎前幹事長には入閣を要請したが、固辞された。開会中の臨時国会への影響を最小限にするため、安倍改造内閣の閣僚17人のうち15人を閣内に残す「居抜き内閣」となった。新内閣はまず、11月1日に期限が切れるインド洋での海上自衛隊による給油活動の継続問題に取り組むが、参院第1党の民主党は反対姿勢を崩しておらず、厳しい政権運営を迫られそうだ。

 福田氏は25日夜、首相官邸で記者会見し、自らの内閣を「一歩間違えれば、自民党が政権を失う『背水の陣内閣』」と位置づけた。参院選での与党惨敗を念頭に、「政治不信の解消に全力を傾ける」と強調。国会運営でも野党との協議を重視する考えを繰り返した。終始、低姿勢で「国民への説明責任を十分に果たしたい」とも語った。福田内閣は26日午前の皇居での首相の任命式と閣僚の認証式を経て、正式に発足し、初閣議を開く。

 福田氏は閣僚人事で、官房長官に起用した町村外相、自民党幹事長に充てた伊吹文明文部科学相の穴を埋める以外は、すべて再任か閣内での横滑りという「必要最小限」(福田氏)の人事にとどめた。国会開会中の安倍前首相の突然の辞任という緊急事態を踏まえ、閣内や与党の「安定」を最重視した「守りの布陣」だ。

 新内閣の閣僚は、直ちに国会答弁に立つことを求められる。準備時間はほとんどなく、逆転国会を乗り切るには現閣僚の続投が得策との判断だ。テロ特措法の審議に臨む防衛相には02年から04年まで防衛庁長官を務めた即戦力の石破氏を起用。初入閣は渡海紀三朗文科相だけだ。

 「政治とカネ」の問題に絡み、閣僚候補の「身体検査」に十分な時間をさけない事情もあった。この問題で不祥事が発覚すれば、野党の追及で新内閣は発足早々、立ちゆかなくなる恐れがある。

 福田氏は麻生派以外の8派閥に推されて党総裁に就任した。一部閣僚だけ交代させ、人事で不満をもたれるより現状維持を優先した側面もありそうだ。麻生氏の入閣は見送られたが、総裁選で麻生氏支持の鳩山法相、甘利経済産業相は再任された。福田氏は大野松茂、岩城光英の両官房副長官、中山恭子、山谷えり子両首相補佐官も再任した。

 そうした中、福田氏が重視したのが首相官邸の体制。官房長官は出身派閥から充てるのが通例だったが、安倍前首相は古賀派の塩崎恭久、無派閥の与謝野馨両氏を起用。福田氏は出身派閥の領袖(りょうしゅう)の町村氏を充てた。さらに事務の副長官には的場順三氏に代え、小泉政権で正副官房長官としてコンビを組んだ二橋正弘氏を再登板させた。

 組閣に先立って25日午後、衆参両院の本会議で行われた首相指名投票では、与党が過半数を占める衆院は福田氏、与野党が逆転した参院は第1回投票の上位2人による決選投票の結果、民主党の小沢代表をそれぞれ指名。衆参の議決がわかれたため、両院協議会が開かれたが、意見は一致せず、憲法67条の規定により衆院の議決が優先され、同日夕に再開された衆院本会議で福田氏指名が正式に決まった。

 衆参両院で首相指名が異なったのは、98年に衆院で小渕恵三氏、参院で民主党の菅直人氏が指名され、最終的に小渕氏が首相に選出されて以来、9年ぶり4回目。」



(2) 東京新聞平成19年9月26日付朝刊2面

 「『安倍内閣のお下がり内閣』 野党は対決姿勢
2007年9月26日 朝刊

 野党各党は二十五日、十三閣僚を再任した福田内閣の顔触れを「安倍内閣のお下がり内閣」(市田忠義共産党書記局長)などと批判、参院で民主党の小沢一郎代表が首相指名されたことを受け「直近の参院選で示された民意を反映すべきだ」(福島瑞穂社民党党首)と衆院解散・総選挙を求める対決姿勢を強めた。

 小沢氏は記者会見で「(首相が)誰に代わっても自民、公明の政権であることは同じだ。あらゆる分野での不公正、不平等、格差を生んできた政権は一日も早く終わってもらう以外にない」と強調した。

 市田氏は「首相だけが代わって路線も内閣の顔触れも変わらない。何の新しさもない新内閣だ」と酷評。穀田恵二共産党国対委員長は参院の決選投票での小沢氏への投票を「自公政権ノーという立場」と説明した。

 福島氏は「派閥領袖を起用するなど、国民に背を向けている。自民党の自民党による自民党のための内閣。『自民党政治幕引き内閣』にするよう全力を挙げる」と表明。決選投票での小沢氏への投票には「与野党逆転の参院を表現した」と述べた。

 国民新党の亀井久興幹事長は「何をやろうとしているのか、明確に分からない」と断じた。

 新党日本の田中康夫代表は「世代“後退”の党役員人事に続き、新内閣は政権“後退”そのもの」との談話を出した。」



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2007/09/23 [Sun] 21:14:58 » E d i t
お彼岸を迎えました。9月20日、諸宗山回向院(東京都墨田区)において秋季彼岸会「家畜総回向」がありましたので、この法要のため参詣してきました(前回の「家畜総回向」については、「平成19年総回向・家畜諸動物施餓鬼会」をご覧下さい)。

午後(2時)1回予定の法要について、過去には午後2回行われたことがありましたが、今回は多数の参詣者はいても、もう1回行うほど多数ではなく午後1回のみでした。


このブログにおいて、「家畜総回向」について最初に触れたのは、「直木賞作家・坂東眞砂子氏の「子猫殺し」問題~毎日新聞が「坂東氏を動物虐待で告発する」との記事を掲載」のエントリーであり、そこでも触れたように、9月20日から26日までは動物愛護週間です(動物愛護法4条)。彼岸の期間には、各寺院では彼岸会法要が営まれますが、参詣することはなくても供養の気持ちをもつとともに、動物も命あるものであることを今一度理解してほしいと思います。

「日本動物愛護協会」は、「平成19年度■ ■ ■ 動物愛護ふれあいフェスティバル ■ ■ ■ ~いのち輝け 人と動物の愛の輪で~」を開催しており、20日(土)と23日(日)において、「飼う前に考えよう」をキーワードにしたイベントが行われました。


今回も、「家畜総回向」の際に頂いた「散華」(道場にみ佛をお迎えし、佛を讃え供養する為に古来より広く行われてきたもの。元来は、樒の葉や菊の花、蓮弁等の生花を用いていたが、現在は通常蓮弁形に截った紙花を用いている)に書かれていた言葉を引用しておきます。今回は「禅語」であり、その中でもよく知られている言葉です。

「禅語」とは、その短い一句の中に、禅の心や悟りの境地を込めたものです。禅語は、宗教の世界だけのものではなく、むしろ、悩む苦しむ世俗の中に生きる人々にこそ、知ってほしい言葉です。切実な日常に生きるものこそ、本物の禅といえるのです。


 「一期一会

2度とない今を そして 人との出会いを大切に 精一杯生きよう


「一期一会(いちごいちえ)」は、釈迦は「会者定離」といって、出会う者には必ず別れがあることを教えていますが、この言葉と類似する言葉です。

「一期一会」は、千利休の門人・山上宗二による「山上宗二記」が初出とされ、江戸時代の大老で茶人でもあった、井伊直弼が茶道の心得を記した『茶湯一会集』によって広まったとされる言葉です。 『茶湯一会集』には、次のように書かれています(金嶽宗信『禅語 ちょっといい話』(2007、芙蓉書房出版)21頁)。

 「――そもそも茶の交会(こうえ)は、一期一会といいて、たとえば、幾たびもおなじ主客と交会するも、今日の会に再びかえらざることを思えば、実にわれ一世一度の会なり――

 たとえば今後、同じ人と幾度もお会いすることがあったとしても、今日この瞬間の出会いはもう二度ともどってこない。それこそ命がけでこの一回の出会いに臨まなければならない。」




先週、遠方に住むある方の突然の訃報を聞き、お通夜・告別式に参列してきました。闘病生活が長く続いていたため、まだ大丈夫だろうと思っていたので、予期していませんでした。もう少し前に会っていれば、との後悔の念も生じています。もはや取り返しがつかないことですが、お会いする機会はもう二度とありません。

現実の社会でも多くの方と接するのですが、ネット上の社会では現実に合える状況にない方とも出会いがあります。現実に会えることはなくても、ここのブログでの出会いもまた、二度と同じ時間を持つことができない大切な時間です。

人はそれぞれ別個の人生を生きており、しかも二度と来ない時間を歩んでいるのです。今日言葉を交わした人と、今度はいつ会うことができるでしょうか? 中途半端な生活を送っていませんか? 二度と戻らない時間を無駄に過ごしていませんか? 今日の出会いは一度きりであり、今という時間はもう二度とこないのです。

一期一会は、各人の生活そのものに対して問いかけている言葉なのです(金嶽宗信『禅語 ちょっといい話』24頁)。

テーマ:動物愛護 - ジャンル:ペット

2007/09/22 [Sat] 16:54:37 » E d i t
光市事件の差し戻し控訴審は、9月20日、この日で実質的な審理は終了し、10月18日に検察側の論告(刑事訴訟法293条1項)、12月4日に弁護側の最終弁論(刑事訴訟法293条2項)が行われ、結審(公判審理の終結)する予定です。(9月25日:追記しました

9月20日は、広島高裁(楢崎康英裁判長)で遺族2人の意見陳述があり、本村洋さん(31)は被告の元少年(26)=事件当時18歳=を前に「君は自ら命をもって罪を償わなければならない。わたしは死刑を望みます。君の犯した罪は万死に値する」と訴えました。「2001年12月に同高裁の法廷で意見陳述した際と同様『君の犯した罪は万死に値する』との表現で死刑判決を求めた」(2007/09/21付 西日本新聞朝刊)のです。本村氏の意見陳述について触れたいと思います。


1.報道記事を幾つか。

(1) YOMIURI ONLINE(2007年9月20日22時13分)

 「光母子殺害、本村洋さんら死刑求める意見陳述

 山口県光市の母子殺害事件で、殺人、強姦(ごうかん)致死などの罪に問われた元会社員(26)(犯行時18歳)の差し戻し控訴審の第10回公判が20日、広島高裁(楢崎康英裁判長)であり、殺害された本村弥生さん(当時23歳)の夫の洋さん(31)と弥生さんの母親の意見陳述などが行われた。

 2人は元会社員に対する極刑を求めた。公判は年内に結審、早ければ来春にも判決が言い渡される。

 本村さんは意見陳述で、差し戻し審で元会社員が1、2審で認めた殺意や乱暴目的を一転して否認したことについて、「弁護人が代わった途端に主張が変わったことが私を最も苦しめている。(被告は)法廷で真実を語っているとは到底思えない」と述べ、「君の犯した罪は万死に値する」と強調した。

 さらに、裁判官に「人の命を身勝手に奪ったものは、その命をもって償うしかない。社会正義を実現するために、死刑を科していただきたい」と求めた。

 弥生さんの母親は「娘は洋さんと出会って、幸せな居場所を見つけることができた。そんな幸せを壊された娘はどんなに怖かったでしょう。極刑しかないと思っている」と訴えた。

 意見陳述に続いて行われた被告人質問で、元会社員は「申し訳ない気持ちでいっぱい。(遺族らには)一生涯理解されないかも知れないが、生きて償っていきたい」と話した。

(2007年9月20日22時13分 読売新聞)」



(2) 毎日新聞平成19年9月21日付朝刊

 「山口・光の母子殺害:元少年発言に絶望「極刑を」 5年9カ月ぶり、本村さん意見陳述

 山口県光市で99年に母子を殺害したとして、殺人や強姦(ごうかん)致死罪などに問われた当時18歳の元少年(26)の差し戻し控訴審は20日、広島高裁(楢崎康英裁判長)で3日目の集中審理を行った。遺族の本村洋さん(31)が5年9カ月ぶりに法廷に立ち、元少年を前に意見陳述。「心の底から真実を話していると思えない。君の犯した罪は万死に値する。自らの命をもって罪を償わなければならない」と改めて死刑判決を求めた。

 1、2審判決によると、元少年は99年4月、本村さん方で妻弥生さん(当時23歳)と長女夕夏ちゃん(同11カ月)を殺害した。

 本村さんは「(1、2審で)起訴事実を認め、反省していると情状酌量を求めていたが、すべてうそだと思っていいのか。ここでの発言が真実だとすれば君に絶望する。この罪に対し、生涯反省できないと思うからだ」と述べた。

 ◇被告「生かしていただきたい」

 意見陳述を受けての被告人質問で、元少年は「事件と向き合うことができず、(真実を)言えなかった。(今法廷で)述べたことは真実です」と述べた。そのうえで、「亡くなった2人のことを考えると、生きたいとは言えません。よければ生かしていただきたい」と述べた。生きて何をしたいのかと問われ、「拘置所で本村さんに会いたい。謝りたい。会えるような自分を目指したい。法廷では、本村さんの中に作っているモンスターを見てるから、僕自身を見てほしい」と訴えた。

 次回公判は10月18日に検察側、12月4日に弁護側の最終弁論がある。【安部拓輝、阿部浩之、大沢瑞季】

毎日新聞 2007年9月21日 東京朝刊」




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テーマ:裁判 - ジャンル:政治・経済

2007/09/15 [Sat] 22:42:16 » E d i t
光市事件弁護団に対する懲戒請求は、とうとう4022件(10日現在、日弁連調べ)に達するという“異常事態”になりました。きっかけは、橋下徹弁護士(大阪弁護士会)が読売テレビで「一斉に弁護士会に懲戒請求をかけてもらいたい」という呼び掛けであり(テレビ放映前は懲戒請求は0件だった)、そのために業務妨害を生じたとして、弁護団のうち4人が橋下弁護士に対して損害賠償を求めて提訴しています。


 「懲戒請求4000件超える 光母子殺害のTV発言波紋
2007年9月8日 17時32分

 山口県光市の母子殺害事件の差し戻し控訴審で、被告の元少年(26)の死刑回避を訴える弁護士への懲戒処分請求が4000件を超える“異常事態”になっている。きっかけは、橋下徹弁護士(大阪弁護士会)のテレビでの呼び掛けとされ、元少年の弁護団のうち4人が橋下弁護士に損害賠償を求め提訴。弁護の在り方をめぐって、刑事とは別の法廷で、弁護士同士が全面対決することになる。

 橋下弁護士は、5月27日放送の「たかじんのそこまで言って委員会」(読売テレビ)で「あの弁護団に対してもし許せないと思うなら、一斉に懲戒請求をかけてもらいたい。弁護士会としても処分を出さないわけにはいかない」と発言したという。

 放送後、広島をはじめ各地で弁護団メンバーへの懲戒請求が相次いだ。日弁連によると、7日昼までに10弁護士会、4022件に達した。昨年1年間の全弁護士への申し立てが1367件で、突出ぶりがうかがえる。

(共同)」(東京新聞2007年9月8日 17時32分




このような“異常事態”に至ったことから、朝日新聞と東京新聞は、9月11日付朝刊において、「橋下弁護士の懲戒請求扇動訴訟」に関する記事を掲載していました。よくまとまっていたので、紹介したいと思います。


なお、「橋下弁護士の懲戒請求扇動訴訟」については、「弁護士に対する懲戒請求と不法行為の成否~“母子殺害で懲戒請求数百件”との報道を聞いて」「光市母子殺害事件弁護団が、タレントの橋下弁護士を提訴へ~テレビ番組での“懲戒請求呼び掛け”発言で」「光市事件弁護人が橋下弁護士を提訴 “テレビで業務妨害”発言で~橋下弁護士はまた「説明義務論」で反論会見……!」でも触れていました。

また、関連するエントリーとして、「国連拷問禁止委員会が日本政府に改善勧告~せめて最低水準に合わせろと勧告される“先進国”日本」「「投票日を前に ニッポンのゆくえ」(朝日新聞7月26~28日より)~投票前に日本社会の現状を……。」「刑事弁護人の立場・役割とは?――曽我・鳥取県弁護士会副会長に聞く~毎日新聞8月27日付朝刊「地域面:鳥取」より」があります。


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2007/09/14 [Fri] 22:27:01 » E d i t
安倍首相は、辞任の理由においてテロ特措法の継続が困難であるため、局面を打開するとの理由を挙げていました。これは、テロ特措法継続が米国への支援であり、日本国民というよりも米国へ向けてメッセージを行った辞任会見でもありました。

しかし、米紙の報道は次のように辛辣なものだったのです。

 「米紙が見る辞任

 安倍晋三首相の仰天辞任を伝える米紙を読むと、辞任の理由に挙げたテロ特措法の継続が困難という建前論以前に数々の失政から“甘やかされた少年”と言われ、すでに国民の支持を失っていた、と厳しい。自民党の統治能力にも疑問符が付いたと将来を懸念している。

 ニューヨーク・タイムズ紙は、首相の不人気は甚だしく、有力者やメディアは、せいぜいあと数ヶ月の政治生命と見ていたとする。問題のテロ特措法は「日本政府は米国主導の対アフガン、対イラク戦争への協力の詳細をほとんど明らかにしてこなかった」と支持を得るべき国民への秘密主義を指摘。「平和憲法を逸脱して米軍に協力し過ぎている」という野党の批判が先行した事情を挙げている。

 ワシントン・ポスト紙は、安倍首相は愛国主義的課題で人気を得ようとしたが、有権者はピンとこなかったと、国民との要求とのずれを挙げた。経済的な困窮、とくにそれに悩む地方の人々を無視して進めようとした教育改革など愛国主義的なテーマが非難を招いたと。同紙は「スポイルド(甘やかされた)ボーイと言われ嘲笑(ちょうしょう)の対象になっていた」と遠慮がない。

 米軍への肩入れ難を苦に辞任したのに、安倍さん少し気の毒だ。(甘ちゃん)」(東京新聞平成19年9月14日付夕刊9面「大波小波」)



安倍首相が「米軍への肩入れ難を苦に辞任したのに」、“甘やかされた少年”などと言われたい放題です。「気の毒」な思いがします。

思い起こしてみれば、憲法改正の手続きを定める国民投票法を強行に成立させたのも、憲法改正によって米軍への軍事協力を図ることを意図していたのですし、集団的自衛権についての政府の憲法解釈を変更しようとして、今年5月に有識者会議を設置したのも、主として米軍への軍事協力のためです。

安倍政権を振り返ると、できる限り米軍へ協力しようとして、健気なまでに政策を行ってきたのでした。これほどまでに尽くして来たのに、米紙からは、“甘やかされた少年”と言われてしまうのです。日本のタカ派と言われる政治家は、哀れなものだと感じます。


哀れな安倍首相ですが、首相を辞任するということで、各新聞社は安倍政権の成果を振り返る特集記事を組んでいました。以下、引用していくことにします。


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テーマ:安倍総理辞任表明 - ジャンル:政治・経済

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2007/09/13 [Thu] 21:04:30 » E d i t
安倍晋三首相は9月12日午後、首相官邸で緊急記者会見し、辞任を表明しました。しかし、安倍首相は臨時国会が召集された10日、所信表明演説で、参院選敗北の「反省」を口にしながらも、「引き続き改革に取り組む」と続投の決意を示したばかりだったのです。あまりにも唐突で困惑する辞任劇でした。この報道についてコメントしたいと思います。


1.まず、辞任報道の記事を。

(1) asahi.com(2007年09月12日21時05分)

 「安倍首相が辞任表明、首相指名まで国会は自然休会へ
2007年09月12日21時05分

 [東京 12日 ロイター] 安倍晋三首相は12日午後、首相官邸で緊急会見し、「首相の職を辞するべきだと決意した」と辞意を表明した。首相は「新たな首相の下で、テロとの戦いを目指すべきと判断した」と辞任の理由を説明したが、与謝野馨官房長官は12日夕の会見で辞任の理由には健康問題があると指摘した。

 首相の突然の辞任表明を受け、自民党は新総裁の選出手続きに入り、予備選を行わず、両院議員総会での選挙を実施する方向で調整が進んでいる。与党筋によると、19日投票の日程で作業が進んでいる。10日に召集された臨時国会は首相指名選挙が実施されるまで実質的に自然休会に入り、新内閣発足まで政治空白が生まれる可能性が出ている。

 12、13日に衆院本会議、13、14日に参院本会議で予定されていた各党の代表質問は、安倍首相の辞任表明で取りやめとなった。国会筋によると、自民党が安倍首相の後継となる新総裁を選出し、新総裁を国会で首相に指名するまで、臨時国会は自然休会に入る。このためインド洋上での海上自衛隊による給油を継続するためのテロ対策特別措置法の延長や新法の審議などは、大幅に遅れることになりそうだ。

 麻生太郎自民党幹事長は12日午後の会見で、今回の総裁選では、予備選挙を実施せず、衆参両院の国会議員と地方の代議員が参加する両院議員総会での選挙を実施する方針を明らかにした。

 与党筋によると、19日に両院議員総会で投票を実施し、新総裁を選出する日程で最終調整している。ただ、安倍首相の辞任表明が突然であったため、有力者の総裁選への立候補の態勢が整わないために、公示日がずれ込む可能性を指摘する声も与党内にはある。

 最有力候補と自民党内でみられている麻生幹事長は、自身の立候補について「まだ、答えるのは早い」と述べた。また、津島派に属し、同派の総裁候補ともくされている額賀福志郎財務相は「ノーコメント」と語った。

 首相辞任の理由について与謝野官房長官は、健康問題があったとし、8月下旬のアジア歴訪から「健康状態は大変厳しいものがあった」と語った。会見で健康問題に触れなかったのは「逃げ込むのはいやだとの美学だと受け止めている」と述べた。

 首相は午後2時からの会見で、辞任を決断した理由との関連で、小沢一郎民主党代表との党首会談が「実質的に断られ、大変に残念だ」とし、「私が首相であることで、野党との話し合いが難しい状況になっている」と語った。

 そのうえで「私自身の決断が先に延びることで、国会において混乱が大きくなるとの判断から、決断はなるべく早く行わなければならない」と、決断にいたった経緯を説明した。

 投げ出すような辞任劇で無責任との批判も出るのではないかとの質問に対し「職を辞することで局面を変えていかなければならないと判断した。党首会談も実現しない状況の中で、約束したことが実現できない。むしろ、私が居ることが障害になっていると判断した」と繰り返した。

 ただ、小沢一郎民主党代表は12日午後の会見で、自民党の国会対策委員長を通じ、民主党の国会対策委員長に党首会談の打診があったが、その会談の趣旨について「ごあいさつということだった。きょうの段階で首を傾げる提案で、それなら国会でのクエスチョンタイム(党首討論)という方法もあると自民党側に伝えた。自民党側は官邸に伝えると言っていた」と説明。安倍首相の説明とニュアンスの違いをみせた。

 安倍首相は、シドニーで前週末に行われたアジア太平洋経済閣僚会議(APEC)の首脳会議に出席し、終了後の記者会見で、インド洋上の海上自衛隊の給油継続に向け、「職を賭して」対応すると表明。週明け10日の衆参本会議で、所信表明演説をしたばかりだった。

 12日午後から衆院本会議で各党の代表質問が予定されていたが、その直前に辞任を自民党幹部に伝えるという前例のない辞任表明となり、民主、共産、社民、国民新党など野党各党は、無責任な対応と批判している。」


 
(2) asahi.com(2007年09月12日18時34分)

 「首相退陣の背景に健康問題、両立に深い苦悩も=官房長官
2007年09月12日18時34分

 [東京 12日 ロイター] 与謝野馨官房長官は12日午後の記者会見で、安倍晋三首相の辞任表明の背景に、健康問題があったことを明らかにした。

 辞任の理由に関して与謝野官房長官は「会見で、(安倍首相が)ただひとつ言われなかったこことは、健康状態だろう」と指摘。「病名などについては詳しく言えないが、(総理としての)相当な仕事と自分の健康の両立に深い苦悩の中にあった」と説明した。特に8月下旬のアジア歴訪から「健康状態は大変厳しいものがあった」と語った。

 さらに、首相自身が会見で健康問題に触れなかったことについては「(辞任決意の理由として)健康問題に逃げ込むことはいやだとの美学だと理解している」と述べ、「途中で投げ出したような格好で、そのことについてお叱りを受けている。お叱りは当然だとしても、そういう事情(健康問題)があったことを頭の片隅においておいて欲しい」と述べ、首相を弁護した。」



(3) 東京新聞2007年9月13日 14時36分

安倍首相が入院 機能性胃腸障害と診断
2007年9月13日 14時36分

 安倍晋三首相は13日、東京・信濃町の慶応大病院に入院、医師団は記者会見で首相の病名について「機能性胃腸障害が悪化している状態」と発表した。医師団は「非常に衰弱している」と指摘、入院は3、4日としている。

 首相は医師の指示に基づき、同日午後の自民党両院議員総会は欠席する。

 与謝野馨官房長官はこれに先立つ午前の記者会見で、首相臨時代理を置く可能性に関し「話はそこまでいっていない」と述べたが、職務遂行が困難な場合は、次の内閣が発足するまで任命順位トップの与謝野氏が首相臨時代理を務めることになる。

 与謝野氏によると、首相の健康管理を担当する医師が「疲労がピークに達しており、設備の整った病院で検診を受ける必要がある」と判断した。首相周辺によると、首相は8月後半のアジア歴訪ごろから胃腸の調子が悪くなり、公邸で日常的に医師の診察や点滴を受けていた。

 与謝野氏は会見で「(新たな)首相指名までの間、国政に遅滞がないよう、きちんと(新内閣に)バトンタッチできるよう官邸を督励し、粛々と努力したい」と述べた。

 首相は、12日の記者会見で、退陣理由について海上自衛隊の給油活動継続の見通しが立たないことを挙げたが、与謝野氏は健康問題が理由だと説明していた。

 首相の病状について、政府関係者は「警戒を要するような状態でない」としている。

(共同)」



安倍首相は、自ら所信表明演説を行い、それに対する代表質問が衆院本会議で始まる直前になって、12日に辞任表明をしたのです。辞任表明を受けて自民党は、野党側に本会議の延期を要請し、衆院議院運営委員会理事会は同日の流会を決め、参院で13日から予定されていた代表質問は中止になりました。これで、10日に召集されたばかりの臨時国会は、「自民党が安倍首相の後継となる新総裁を選出し、新総裁を国会で首相に指名するまで、臨時国会は自然休会に入る」ことになってしまいました。

安倍首相は、「職を辞することで局面を変えていかなければならないと判断した。党首会談も実現しない状況の中で、約束したことが実現できない。むしろ、私が居ることが障害になっていると判断した」と繰り返し、11月1日に期限が切れるテロ対策特別措置法の延長問題を解決するために、辞任すると述べたのです。
(*国会法は、衆参両院の議決で休会手続きを取ることができると定めているが、実際に適用されたのは1947年~48年に4例しかない。近年は、与野党の合意で議事日程を決めない「自然休会」が一般的となっている。読売新聞9月13日付夕刊2面。)

しかし、国会が事実上の休会になるため、「インド洋上での海上自衛隊による給油を継続するためのテロ対策特別措置法の延長や新法の審議などは、大幅に遅れる」(朝日新聞)ことになり、「11月1日に期限切れとなるインド洋での海上自衛隊の給油活動は、皮肉にもこの辞任表明によって、いったん途切れることが確実に」(毎日新聞2007年9月12日22時02分(最終更新時間 9月12日 23時37分))になりました。テロ特措法以外のあらゆる法案審議、衆院予算委員会をはじめ、衆参両院のすべての委員会の日程が空白になり、国会軽視が甚だしいのです。辞めたことで、余計に政治的な空白が生じることになったのですから、安倍首相の辞任理由は、支離滅裂なのです。


安倍首相は、テロ対策特別措置法に基づく海上自衛隊のインド洋での給油活動を継続するため、民主党の小沢一郎代表に呼びかけた党首会談を断られたとして、「自らがけじめをつけることで局面を打開しなければいけないと判断した」と説明しました。

しかし、小沢代表は、「総理から党首会談の再三の申し出を受けて、それを私が拒否した、との一部報道を見ましたが、私も、幹事長と国対委員長も今まで政府から、総理から、一度も党首会談の呼びかけを受けておりません。」と述べており、食い違いが生じています。どうやら、自民党側は、元々、正式な形で小沢代表に党首会談の意向を伝えず、自民党の国対委員長も安倍首相への伝え方が悪かったためか、安倍首相は勘違いしたのではないかと思います。ですが、1回、会談できないからといって首相を辞めるなんて、あまりにも子供っぽい言い訳であり、あまりに情けない言い訳です。

しかも、麻生幹事長に対して、9月10日(月曜日)には辞任の意思を伝えていたのですから、会談を拒否された点が辞任理由であるとするのは困難です。そうなると、小沢代表が会談を拒否したため辞任すると述べたことは、((潰瘍性大腸炎?で体調の悪化を原因として)精神的に追い込まれていた現れと推測しています。


安倍首相がいま突然辞任すること自体、いいことではないのですが、健康状態を理由として辞任すると述べた方が、誰にも納得できる合理的な理由になったと思います。安倍晋三首相は13日、東京・信濃町の慶応大病院に入院したのですから、結局、病気が原因であることがすぐに分かるのですから。

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2007/09/11 [Tue] 21:57:04 » E d i t
本日、9月11日で、ブログを始めてから2年になりました(「9・11米同時多発テロから5年」(2006/09/12(火) 06:37:37)も参照)。2年前、9月11日にブログを開始したのは、9・11の米同時多発テロが発生した日であり、郵政民営化だけが問われた総選挙の日だからでした。


1.報道記事をいくつか。

(1) 東京新聞2007年9月11日 16時02分

 「同時テロ6年、全米で祈り NY追悼式に遺族ら数千人
2007年9月11日 16時02分

 【ニューヨーク11日共同】ニューヨークとワシントン郊外、ペンシルベニア州で計約3000人が死亡した米中枢同時テロは11日、発生から丸6年となった。ニューヨークでは崩壊した世界貿易センタービル跡地「グラウンド・ゼロ」近くの公園で、最初の飛行機がビルに突っ込んだ直前の午前8時40分(日本時間午後9時40分)から、遺族ら数千人が参加して追悼式典を開催。全米各地で犠牲者への祈りがささげられる。

 最近の世論調査で、米国民の81%が同時テロを生涯で最も重大な歴史的出来事だと回答。さらに91%が米国は再度攻撃を受けるだろうと答えるなど、6年が経過した今も「9・11」の記憶は風化せず、テロの恐怖は強く残ったままだ。

 ブッシュ大統領はワシントンの教会で追悼ミサに参加後、ホワイトハウスで黙とう。

 ニューヨークの式典は今年初めて跡地再開発を理由にグラウンド・ゼロ以外で開催。」



(2) 北海道新聞平成19年9月11日付「卓上四季」

 「間(9月11日)

舞台芸術で、間(ま)をどう取るかは重要な要素となる。明治に活躍した歌舞伎の市川団十郎(九代目)は「間は魔に通ず」と教えたそうだ。微妙な時間の空白が、芸のリズムをつくる。客席の期待を盛り上げる▼「職責にしがみつくことはありません」。安倍首相はそう口にする前、六秒も沈黙し「間」を取った。演出効果を考えたのか、それとも迷ったか。自衛艦によるインド洋での給油活動を継続できなければ退陣する、との覚悟を示した時だ▼一夜明けたきのう、首相は国会で所信表明演説に臨んだ。期待が高い格差是正や年金問題の解決などへ「全身全霊をかけ職責を果たす」と述べたが、「職を賭す」というほどの本気さは伝わってこない▼国民の期待よりブッシュ政権の期待を大事にしたようにみえる。テロ対策特措法に基づく給油活動も、多くは米軍のためだ。米政府の意図ばかりくむのは、国際貢献でなく対米従属である▼テロに反対しない人はいない。だがテロリストとは誰のことか。発生から六年となる9・11事件はテロだが、米国が行った空爆をテロとみる人も少なくない。イラクだけなくアフガニスタンでも、誤爆で多くの市民が死亡した▼外交も、国と国の「間の取り方」の問題である。間は魔に通ず。特定の国に寄り添いすぎず、厳しい国際緊張を解きほぐす役割を果たすことも、立派な国際貢献といえるのだろう。」



2.つい最近、オサマ・ビンラディン氏のビデオが公開されました。そこでは、「イラク戦争を終わらせる方法は二つある。あなたたちをもっと殺し続けるか、あなたたちがイスラム教徒になるかだ」と、挑発する内容でした(朝日新聞9月9日付「社説:9.11テロと米社会―6年後の苦悩と模索」)。

 「世界一の軍事超大国が6年という年月をかけ、すさまじい犠牲を払っても、成し遂げられないものがある。いまも生存しているのだろうビンラディン容疑者の姿は、その現実を改めて米国民につきつけた。

 国民の胸中には、どんな思いが去来したのだろうか。ハイジャックされた2機の旅客機が突っ込み、二つの高層ビルがあっけなく崩れた時の衝撃と恐怖。悲しみと怒り。再びテロの標的にされるかもという不安もよぎったかもしれない。

 その中に、程度の差こそあれ、重たい挫折感があったのは間違いないだろう。」(朝日新聞9月9日付「社説」)



いまや、米兵だけで4000人を超える犠牲者が出ており、米同時多発テロの犠牲者(3000人)の数を超えており、力で押さえつけるほど反米感情は高まり、自爆テロの志願者が増加するのです。アフガニスタンでは米軍機の誤爆により多くの市民が巻き込まれ、旧タリバン勢力も復活しつつあるのが現実です(東京新聞9月9日付朝刊27面)。この6年間は、一体なんだったのでしょうか?

自衛艦によるインド洋での給油活動(=無料提供のガソリンスタンド)も、無料を断る国はないのは当たり前でしょうが、今のイラク・アフガニスタンの現状からすると、テロ対策に役立っているとはいえないのです。


安倍首相は、米国との間で、自衛艦によるインド洋での給油活動継続を、勝手に「国際的な公約」を行いました。活動継続ができなかった場合は「職責にしがみつくことはない」と、できなければ退陣するとの考えを示しました。

これに対して、自民党の加藤紘一議員は、「最初から最後のカードを切ってしまった。国会戦略、外交戦略としてはもっとしたたかであってほしい」と批判したように、安倍首相は国会論議と無関係に活動継続しか頭にないのです。安倍首相は、勝手に墓穴を掘ったのです。
もっとも、ずっと退陣を迫られていたのに、首相の地位にしがみついてきたのですから、「職責にしがみつくことはない」という言葉は、嘘に近いのでしょうが。


「外交も、国と国の「間の取り方」の問題である。間は魔に通ず。特定の国に寄り添いすぎず、厳しい国際緊張を解きほぐす役割を果たすことも、立派な国際貢献といえるのだろう。」(北海道新聞)



米国へのテロ対策支援にせよ、今のイラク・アフガニスタンの現状を直視して、「間を取る」態度を示すことが必要ではないかと思います。

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2007/09/10 [Mon] 08:31:36 » E d i t
臓器売買となる恐れのあるフィリピンで今後腎臓移植を受ける患者に対し、その事後処置にあたる診療はしないという方針を打ち出す動きが国内の病院で広がっているとの記事を、依然に紹介しました(「フィリピンで腎移植受けた患者を診療拒否へ~毎日新聞のみの報道ですが……。」)。


1.診療拒否が広がっているという、毎日新聞の記事を紹介した頃は、半信半疑の記事だったのですが、東京新聞9月9日付朝刊「こちら特報部」によると、診療拒否さらには保険不適用の病院が広がっているそうです。


腎不全患者が腎臓移植を希望する場合、日本における(死体)腎臓移植は15年待ちの状態ですから、生体腎移植のあてがなければ、海外での腎臓移植をせざるを得ません。

ところが、フィリピンで腎臓移植をしてきても日本の病院で診療ができないとなると、患者の命がもたないことになりますし、多くの患者が出向いているフィリピンでの腎臓移植が事実上絶たれてしまいます。患者にとって死活問題です。


以下、診療拒否・保険不適用が広がっているという、東京新聞平成19年9月9日付朝刊の記事を引用します。


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2007/09/08 [Sat] 17:05:47 » E d i t
育児が困難な親が匿名で乳児を託せる慈恵病院(熊本市)の「こうのとりのゆりかご(赤ちゃんポスト)」に8月下旬、生後1週間程度の男児が置かれていたとの報道が、9月6日、ありました(時事通信2007/09/06-11:04)。5月の運用開始以来7人目となります。


1.まず、9月6日の記事をいくつか。

(1) 東京新聞2007年9月6日 12時16分(紙面掲載なし)

 「赤ちゃんポストに7人目 8月下旬、男の乳児
2007年9月6日 12時16分

 熊本市の慈恵病院が運用する「赤ちゃんポスト」(こうのとりのゆりかご)に8月23日夜、生後1週間くらいの男の乳児が預けられていたことが6日、分かった。健康状態は良好とみられる。5月の運用開始以来、預けられたことが分かった子は7人目。

 関係者によると、男の子は白い肌着姿で、身元が分かるようなものは残されていなかった。病院側が「気持ちが変わったら連絡してほしい」などと記し、ポストの保育器に置いていた手紙はなくなっていた。

 ポストには5月10日の運用開始当日に1人、6月に2人、7月に1人が預けられた。8月は8日と16日にそれぞれ1人が預けられており、今回の男の子で8月は最多の3人となった。8月8日の5人目の男の子はその後、両親に返された。

 慈恵病院や熊本市は今回も事実関係を公表しない。

(共同)」



(2) asahi.com(2007年09月06日10時10分)

 「赤ちゃんポストに男児、運用4カ月で7人目
2007年09月06日10時10分

 熊本市の慈恵病院(蓮田太二理事長)が「こうのとりのゆりかご」の名称で運用する「赤ちゃんポスト」に8月下旬、生後約1週間の男児が新たに預けられていたことが、関係者の話で分かった。預けられたのは5月10日の運用開始から4カ月で男女7人、うち8月だけで3人となった。

 関係者によると男児は8月23日夜に預けられた。健康状態は良好という。ポストに預けられたのは5月に男児1人、6月に男の乳児2人、7月に女の新生児1人。8月は今回の男児を含め男児3人が預けられ、うち1人は預けに来た両親とみられる男女が後日、引き取ったという。」



(3) 読売新聞平成19年9月6日付朝刊38面

 「「赤ちゃんポスト」先月下旬に7人目

 熊本市の慈恵病院が運用する「赤ちゃんポスト」(こうのとりのゆりかご)に先月下旬、新たに男の新生児1人が預けられていたことが5日、わかった。

 5月10日の運用開始からの約4か月で、預けられた子は計7人(男児6人、女児1人)となった。

 関係者によると、男児は生後3~4週間ほどで健康状態は良好という。慈恵病院は、個別の事案についてはコメントしない姿勢を取っている。赤ちゃんポストへの預け入れは、5、7月が各1人、6月が2人、8月は最多の3人となった。このうち、8月8日に預けられた5人目の男児は、その後、両親に引き取られている。

(2007年9月6日 読売新聞)」



ここで引用してない新聞社もほぼ同様の記事なのですが、読売新聞だけが1ヶ所だけ違うのです。読売新聞を除く新聞社の記事は、「生後1週間くらいの男の乳児」なのに、読売新聞だけは「男児は生後3~4週間ほど」としているのです。

どの記事も時事通信や共同通信の配信記事を使用していると思われますが、読売新聞社の記者だけは独自の情報ルートによったのでしょうか? どちらにせよ、「慈恵病院や熊本市は今回も事実関係を公表しない」ので、分からないままです。


「こうのとりのゆりかご」問題については、「「こうのとりのゆりかご」(いわゆる「赤ちゃんポスト」)問題~厚労省は慈恵病院による設置申請を容認へ」「「こうのとりのゆりかご」設置間近~問い合わせ既に20件に」「「こうのとりのゆりかご」に3歳男児~“「捨て子助長」の懸念が現実に(読売新聞)”だなんてうろたえ過ぎでは?」「「赤ちゃんポスト」見えてきた課題~先駆け「天使の宿」関係者に聞く“捨て子じゃない預かった子”(東京新聞5月17日付「こちら特報部」)」、において、「こうのとりのゆりかご」の法律問題など何度か触れていました。


それ以降の「こうのとりのゆりかご」を設置した慈恵病院の状況について、読売新聞9月6日付朝刊「スキャナー欄」で解説していましたので、以下、その記事を引用しておきます。


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事件 *  TB: 3  *  CM: 5  * top △ 
2007/09/07 [Fri] 23:58:02 » E d i t
長野県の田中康夫前知事の在任中、情報公開請求を受けた公文書が破棄された問題について、長野地検は、嫌疑なしとして不起訴処分(刑事訴訟法248条)としました。


1.まず、簡潔に述べた報道記事から。

(1) asahi.com(2007年09月03日19時52分)

 「前長野知事の田中氏に「嫌疑なし」 働きかけ問題で地検
2007年09月03日19時52分

 参院議員の田中康夫・前長野県知事(51)が知事時代、自らの後援会元幹部による県の入札制度への働きかけ問題などをめぐり、公用文書毀棄幇助(ききほうじょ)と地方自治法違反(虚偽の陳述)両容疑で告発されていた問題で、長野地検は3日、いずれも不起訴処分(嫌疑なし)とした。

 この問題を巡っては05年7月、県議会に調査特別委員会(百条委員会)が設置され、昨年3月、働きかけを示す記録文書の破棄を前知事が止めなかったなどと認定。県議会や一部県議が両容疑で地検や長野県警に告発していた。」



(2) 時事ドットコム(2007/09/03-19:04)

 「2007/09/03-19:04 田中前知事を不起訴=公文書破棄問題-長野地検

 長野県の田中康夫前知事(現参院議員)が在任中、元後援会幹部の県への働き掛けを記録した公文書が破棄された問題で、長野地検は3日、公文書毀棄(きき)ほう助容疑で書類送付された田中氏について、嫌疑なしで不起訴処分とした。公文書毀棄容疑などで書類送付された当時の下水道課長ら2人も、嫌疑不十分で不起訴処分とした。
 また、田中氏が県議会調査特別委員会で2件の偽証をしたとして、地方自治法違反の疑いで告発されていた件についても、嫌疑なしで不起訴処分とされた。」




(3) 共同通信2007/09/03 20:33

田中前長野知事は不起訴 地検、文書破棄嫌疑なし

 田中康夫前長野県知事(参院議員)が在任中、公文書破棄を当時の県幹部2人に指示し、県議会百条委員会で指示を否定するうその証言をしたとして、公文書棄損ほう助などの疑いで告発された問題で、長野地検は3日、田中氏を「嫌疑なし」として不起訴処分にした。

 地検は「破棄を指示していないのは、元県幹部らとのメールのやりとりなどで明らか。指示がないため、偽証も成立しない」と判断した。

 県議らの告発状などによると2003年10月、マスコミから情報公開請求があった下水道事業の入札に関する公文書を、当時の元県幹部らが破棄。田中氏は事前に報告を受けたが、止めなかったとしている。

 また、この問題をめぐり、田中氏は県議会の百条委員会で「(破棄の)指示はない」とうその証言をしたとして、県議会が地方自治法違反(偽証)容疑で地検に告発していた。

2007/09/03 20:33 【共同通信】」



長野地検は「破棄を指示していないのは、元県幹部らとのメールのやりとりなどで明らか。指示がないため、偽証も成立しない」(共同通信)と判断したのですから、嫌疑さえもなかったと判断したのです。当然ながら、嫌疑なしとの理由で不起訴処分(刑事訴訟法248条)となりました。

この公文書破棄問題については、「田中前長野県知事の公文書破棄問題~「田中前知事が破棄指示」は作り話だった!」(2007/03/06(火) 06:38:46)で触れていました。そこで触れたとおり、「知事から破棄を指示された」と証言していた県幹部が1日、「作り話だった」と述べて虚偽の証言をしていたことを認めたのですから、田中氏による指示がない以上、田中康夫が行ったとされる公文書毀棄罪の幇助はあり得ず、田中氏による偽証罪は成立しないことは明白です。

ですから、嫌疑なしとの理由で不起訴処分という結果は、妥当な判断だと思います。


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事件 *  TB: 0  *  CM: 0  * top △ 
2007/09/06 [Thu] 06:53:30 » E d i t
光市事件を巡っては、日本弁護士連合会などに脅迫文や銃弾が送られた事件が生じたり、進行中の裁判であるのに、光市事件弁護団へ懲戒請求が殺到しています。このように、刑事裁判・刑事弁護活動を阻害することを平然と行っているのが、日本社会の現状です(「弁護士に対する懲戒請求と不法行為の成否~“母子殺害で懲戒請求数百件”との報道を聞いて」)。

この病的とも思える事実は、日本の市民の間において、刑事弁護人の立場・役割についての理解が欠けていることを現しているといえます。日本の市民どころか、日本の弁護士の中には、刑事弁護人の役割に対する理解に欠け、刑事被告人の裁判を受ける権利(憲法32条)が制約されることさえ行う者もいるのです(「光市母子殺害事件弁護団が、タレントの橋下弁護士を提訴へ~テレビ番組での“懲戒請求呼び掛け”発言で」「光市事件弁護人が橋下弁護士を提訴 “テレビで業務妨害”発言で~橋下弁護士はまた「説明義務論」で反論会見……!」参照)。橋下弁護士は、弁護士業界では「笑い者」扱いのようですが、日本の法曹界だけでなく、法律関係者の多くの者が唖然とする発言を行ったのです。

しかも、「たかじんのそこまで言って委員会」に出演する辛坊治郎氏は、橋下弁護士を全面支援するなどと述べるなど(9月6日付「日本テレビ」にて)、マスコミ関係者も刑事弁護人の役割に対する理解に欠けていることが自覚できていないのです。


このような病的とも思える現状を打破するためには、刑事弁護人の立場・役割の理解が不可欠です。そこで、刑事弁護人の立場・役割について尋ねた、曽我・鳥取県弁護士会副会長へインタビューした記事がありましたので(毎日新聞平成19年8月27日付朝刊「地域面:鳥取」)、その記事を紹介することにしました。

弁護人はなぜ被告人の味方をするのか、被告人の話が信用できなくても弁護するのか、弁護士は「正義の味方」ではないのか、光市の事件についてどう考えるか、などについて答えていますので、大変参考になると思います。



以下、この記事を引用しておきます。


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2007/09/05 [Wed] 23:53:17 » E d i t
光市事件で被告の元少年(26)の弁護人を務める今枝仁弁護士ら広島弁護士会所属の4人が9月3日、タレント活動もしている橋下徹弁護士(大阪弁護士会)の読売テレビ系の番組の発言で業務に支障を来したとして、1人当たり300万円(総額1200万円)の損害賠償を求め、広島地裁に提訴しました。

光市事件の弁護士が、タレントの橋下弁護士を9月3日に提訴する方針であることは、すでに「光市母子殺害事件弁護団が、タレントの橋下弁護士を提訴へ~テレビ番組での“懲戒請求呼び掛け”発言で」で触れていましたが、方針通り提訴したわけです。これに対して、橋下弁護士は、9月5日、反論会見を行いました。



1.まず報道記事を。

(1) 朝日新聞平成19年9月3日付夕刊15面(asahi.com)

 「「TVで業務妨害」橋下弁護士を提訴 光市事件弁護人
2007年09月03日12時13分

 山口県光市で99年に起きた母子殺害事件の差し戻し控訴審で、殺人、強姦(ごうかん)致死、窃盗の罪に問われた当時18歳の元少年(26)の弁護団に加わる弁護士4人が3日、テレビ番組内で懲戒処分を視聴者に呼びかけられて業務を妨害されたとして、大阪弁護士会所属の橋下徹(はしもと・とおる)弁護士を相手取り、1人当たり300万円の損害賠償を求める訴訟を広島地裁に起こした。

 訴えたのは、広島弁護士会所属の足立修一、今枝仁の両弁護士ら4人。今枝弁護士によると、橋下弁護士は、5月27日に放映された関西の民放テレビ番組で、懲戒処分を弁護士会に求めるよう視聴者に呼びかける発言をした。その後、広島弁護士会には4人の弁護士の懲戒処分請求がそれぞれ300通以上届き、対応に追われるなどして業務に支障が出たという。

 橋下弁護士の所属する芸能事務所は「送達された訴状を確認次第、至急、橋下本人が会見を開いて対応について説明する」としている。

 この事件では、元少年は二審まで殺害の事実を争っていなかったが、最高裁で今の弁護団に代わった後に否認に転じた。最高裁は06年6月、「特に酌むべき事情がない限り、死刑を選択するほかない」として二審の無期懲役判決を破棄し、広島高裁に差し戻している。」



(2) 時事ドットコム(2007/09/03-19:44)

 「2007/09/03-19:44 橋下弁護士を提訴=テレビで「懲戒を扇動」-光市母子殺害差し戻し審で・広島

 大阪弁護士会所属の橋下徹弁護士がテレビ番組で、山口県光市母子殺害事件の差し戻し控訴審の被告(26)弁護団に対する懲戒請求を扇動したとして、このうち今枝仁弁護士ら4人が3日、橋下弁護士を相手に、1人当たり300万円の損害賠償を求める訴訟を広島地裁に起こした。

 訴状などによると、橋下弁護士は5月27日に西日本を中心に放送された民放番組の中で、同弁護団の弁護活動に触れ、「もし許せないって思うんだったら、一斉に弁護士会に対して懲戒請求掛けてもらいたい」などと発言し、視聴者を扇動した。

 差し戻し審の弁護団に対する懲戒請求はそれまで1件もなかったが、放映後、今枝弁護士ら4人それぞれに300件を超える請求が広島弁護士会に届いた。このため、弁明書や資料の提出などの負担を強いられ、弁護活動に不当な重圧を受けたなどと主張している。」



(3) 読売新聞平成19年9月4日付朝刊34面

 「光市母子殺害の4弁護士、番組内発言で橋下徹弁護士を提訴

 大阪弁護士会所属の橋下(はしもと)徹弁護士(38)が、読売テレビ系の番組「たかじんのそこまで言って委員会」で、山口県光市母子殺害事件差し戻し控訴審の被告弁護団への懲戒請求を呼びかけ、業務を妨害されたとして、弁護団の今枝仁弁護士ら4人が3日、橋下弁護士を相手取り、1人当たり300万円の損害賠償を求め、広島地裁に提訴した。

 関係者によると、橋下弁護士は5月27日放送の同番組の中で、「弁護団を許せないと思うなら、弁護士会に懲戒請求をかけてほしい」などと視聴者に呼びかけたという。

(2007年9月3日20時12分 読売新聞)」



(4) 毎日新聞平成19年9月4日付朝刊26面

 「山口・光の母子殺害:元少年の弁護士ら提訴 テレビで懲戒呼びかけ、橋下氏に賠償求め

 山口県光市の母子殺害事件の差し戻し控訴審で、被告の元少年(26)の弁護団のうち広島弁護士会所属の弁護士4人が3日、テレビ番組で懲戒処分を視聴者に呼びかけられ業務に支障が出たなどとして、大阪弁護士会所属の橋下(はしもと)徹弁護士(38)を相手取り、1人当たり300万円の損害賠償を求める訴訟を広島地裁に起こした。

 訴状によると、橋下弁護士は5月27日、関西の民放テレビ番組に出演。差し戻し審弁護団について「もし許せないって思うんだったら、一斉に弁護士会に対して懲戒請求をかけてもらいたい」などと発言した。放送後、広島弁護士会には、4人の弁護士に対し、それぞれ約300件の懲戒請求が寄せられ、4人はその対応のために弁護士業務に支障が出たと主張している。

 橋下弁護士の事務所は、訴状が確認でき次第、記者会見を開いて説明するとしている。

 この事件で1、2審は無期懲役の判決を出したが、最高裁は06年6月に2審判決を破棄し、広島高裁に審理を差し戻した。同高裁では、18日から3度目の集中審理が行われる。【大沢瑞季】

 懲戒請求は全国で3900件--日弁連まとめ

 元少年の弁護人に対し、懲戒処分を求める請求が、全国で少なくとも3900件出されていることが分かった。06年の全国の請求総数約1300件の3倍に上る。

 広島高裁での差し戻し審では、死刑に反対する全国10弁護士会の22人が弁護団を編成。「母に対する人恋しさに起因する母胎回帰」と殺害の背景を主張するなど、強姦(ごうかん)目的や殺意を否認している。日弁連などによると、この事件の弁護人らが所属する弁護士会への懲戒請求が激増したのは今年5月末ごろ。橋下弁護士がバラエティー番組で懲戒請求を促すような発言をした時期と一致する。

 日弁連や各地の弁護士会は、刑事弁護に理解を求める声明を出したが、既に調査を始めたものだけで請求は3900件(3日正午現在)に達した。「裁判の遅延」を批判する内容が多いという。日弁連は「請求の是非についてコメントは控えるが、異常な数字だ」としている。【川辺康広、遠藤孝康】

毎日新聞 2007年9月4日 東京朝刊」



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2007/09/04 [Tue] 00:00:01 » E d i t
遠藤武彦農相(68)=衆院山形2区=は9月3日午前、自身が組合長理事を務める農業共済組合が共済掛け金を国から不正受給していた問題の責任を取り、首相官邸で安倍晋三首相に辞表を提出、受理されました。また、政党支部の政治資金報告書に領収書を二重計上していた坂本由紀子外務政務官(58)=参院静岡選挙区=も同日午前、引責辞任しました。参院選大敗から態勢立て直しを図った内閣改造後、わずか1週間で閣僚、政務官の交代劇です。この報道について触れてみたいと思います。

1.まず報道記事から。

(1) 朝日新聞平成19年9月3日付夕刊1面(asahi.com)

 「遠藤農水相が引責辞任 後任に若林前環境兼農水相
2007年09月03日13時23分

 遠藤農林水産相は3日午前、組合長を務める農業共済組合の補助金不正受給問題の責任をとり、安倍首相に辞表を提出、受理された。首相は記者団に「任命責任はすべて私にある」と認めた。与謝野官房長官は記者会見で、後任に若林正俊前環境兼農水相(73)を充てる人事を発表。政治資金収支報告書への会議費の重複計上が発覚した坂本由紀子外務政務官も同日、辞任した。参院選惨敗を受け、政権浮揚をかけた内閣改造からわずか1週間で閣僚らが相次いで辞任し、首相の政権運営能力が再び問われる事態となった。民主党など野党側は10日召集の臨時国会で、最終的には問責決議案提出を視野に首相の任命責任を追及するとともに、補助金など農水省の構造的な問題を取り上げる方針だ。

 遠藤氏は首相官邸を訪ねて、首相に辞表を提出。「任用してくれたのに期待に沿えず申し訳ありません」と述べると、首相は「残念です」と答えたという。

 その後、遠藤氏は農水省で記者会見し、辞任の理由について「事情はどうあれ、農水省の補助金受給が不適正に行われたことは、厳正中立さを傷つけるものだ。就任の際、このことを総理に申し上げていなかった。農業行政への信頼を傷つけない配慮から辞表を提出した」と述べた。1日夜に辞意を固め、2日に与謝野官房長官を通じて、首相に伝えたという。

 一方、与謝野氏は3日午前の記者会見で、内閣改造からわずか1週間での遠藤氏の辞任について「国民のなかにある批判は内閣として謙虚に受け止めなければならない」と述べた。

 「政治とカネ」を巡る一連の不祥事を踏まえ、閣僚候補者の「身体検査」を入念に行ったにもかかわらず、問題が明らかになったことについては、「森羅万象、全部わかるわけではないが、結果として残念だ。責任を感じなければならない。二度と起こらない十分なチェック体制で責任を果たしたい」と語った。

 若林氏は昨年9月の安倍内閣発足とともに環境相に就任。赤城徳彦元農水相が事務所経理の二重計上などで更迭され、環境相と兼務で後任の農水相に就いた。今回の内閣改造では再任されなかった。

 遠藤氏の在任期間は8日で、新憲法下で辞任した閣僚のなかでは、88年12月の竹下改造内閣で、リクルート社からの政治献金が問題となって辞任した長谷川峻法相の4日に次いで、歴代2番目の「短命大臣」となった。

 発足1年弱の安倍内閣で、閣僚が任期途中で辞任・退任するのは5人目。特に農水相ポストは、松岡利勝氏が自殺、赤城氏が更迭されるなど、3カ月余りで3人が途中交代する異例の事態となった。野党側は「農水相ばかり不祥事が多発している。農水省の構造的な問題も厳しく問いつめなくてはいけない」(民主党の鳩山由紀夫幹事長)として、同省の補助金行政のあり方も含めて、臨時国会で追及を強める構えだ。」



(2) “泥舟”内閣ですから、早々に穴が開く(=大臣の不祥事発覚・辞任)と予想していましたが、せめて臨時国会が開会後だろうと思っていました。しかし、臨時国会開会前に穴が開くとは……。早すぎでした。


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2007/09/02 [Sun] 14:56:12 » E d i t
防衛省の事務次官人事をめぐって騒動を起こした小池防衛相の問題については、安倍改造内閣において小池氏は閣僚に入らず、守屋氏も事務次官を退任し、この騒動は終結しました。


1.この騒動に関しては、色々な観点から論評がなされましたが、各新聞社の論調としては、シビリアンコントロールや政治主導の原則といった点を重視して、大臣に抵抗した事務次官の方に比重を置いて批判を行っていました。他方で、週刊誌の方は、小池氏を揶揄する形で、小池氏側に比重を置いて批判を行っていたと思います。

この騒動については、このブログでも3度ほど、触れています。「小池防衛相の国会欠席訪米~「マダム寿司と呼んで」と大はしゃぎ……。やれやれ。」「官邸と防衛相、防衛次官人事をめぐり対立~“マダム寿司”小池氏留任も不透明に!?」「“マダム回転寿司”小池防衛相が辞任を表明~「私は辞めるって言ってるのよ。分かる?」の3つです。このブログのスタンスとしては、小池氏側に批判的な立場で論じていました。


最近、憲法学者の小林節教授は、小池防衛相VS.守屋事務次官問題について、新聞・雑誌の論調とは異なる観点、すなわち、「政治と行政の関係」から、論じるコラムを発表しました。

「小池防衛相VS.守屋事務次官問題」のようなことは、小池氏の特異な政治感覚に基づいていたのでしょうから、今後は同じような問題は生じないとは思います。ですが、「政治と行政の関係」という観点は、(このブログでも少し触れていたのですが)ぜひ理解しておいてほしいと思い、紹介することにしました。



では、以下、そのコラムを引用しておきます。


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2007/09/01 [Sat] 17:11:24 » E d i t
代理出産問題については、現在、日本学術会の「生殖補助医療の在り方検討委員会」で議論がなされている最中です。最近でも、「代理出産問題:日本学術会議が、向井亜紀さん、根津八紘院長ら3人から意見陳述」で紹介したように、意見聴取などが行われています。

さて、かなり前の記事になるのですが、読売新聞の連載記事において、「生殖補助医療の在り方検討委員会」の委員の見解を掲載していました。委員の見解は、今後の行方を予想させるものですので、その記事を紹介したいと思います。


1.まず、見解を紹介する前に「生殖補助医療の在り方検討委員会」の構成員のことですが、(最近まで気づかなかったのですが)13人から14人へ構成員が追加されていました。そこで、もう1度、委員会の構成員をすべて掲載し、追加された構成員(★)について検討してみたいと思います。追加された委員以外の委員の経歴などについては、「「生殖補助医療の在り方検討委員会」(日本学術会議)の今後の行方を予想」をご覧下さい。

【構成員】
委員長   鴨下 重彦 東京大学名誉教授
副委員長  町野 朔 上智大学法学研究科教授
幹事    久具 宏司 東京大学大学院医学系研究科講師
       西 希代子 上智大学法学部准教授
       五十嵐 隆 東京大学大学院医学系研究科教授
       加藤 尚武 東京大学大学院医学系研究科特任教授、鳥取環境大学客員教授
      ★櫻田 嘉章 京都大学大学院法学研究科教授
       佐藤 やよひ 関西大学法学部教授
       水田 代 九州大学病院病院長・教授
       辻村 みよ子 東北大学大学院法学研究科教授
       水野 紀子 東北大学大学院法学研究科教授
       室伏 きみ子 お茶の水女子大学理学部教授
       吉村 泰典 慶應義塾大学医学部産婦人科教授
       米本 昌平 東京大学先端科学技術研究センタ ー特任教授



この構成員の中で、追加された委員は、櫻田嘉章・京都大学大学院法学研究科教授のみです。

桜田教授は、櫻田嘉章『国際私法(第5版)』(有斐閣、2006)、櫻田嘉章=道垣内正人編『 ロースクール国際私法・国際民事手続法 第2版』(有斐閣、2007)という著書があることから分かるように、いわゆる国際私法専門の教授です。外国で代理出産を行った日本人夫婦についての裁判例が2つあることから分かるように、代理出産の是非の検討に際しては、国際民事手続法の分野の理解が不可欠です。そこで、国際民事手続法にも造詣の深い櫻田教授が、構成員として追加されたと思います。

もっとも、国際私法を知る学者はすでに構成員に含まれており、最初から国際私法の学者である、佐藤やよひ・関西大学法学部教授が構成員でした。しかし、佐藤教授は、日本人が米国で代理出産を行う場合に外国判決の承認の問題となることを失念した論文を発表しており、また向井・高田夫妻の双子に関する最高裁判例が出た後も、かなり無理な理由で外国判決の承認の問題ではなかったと主張しています(国際私法判例百選[新法対応補正版]123頁)。なので、佐藤教授は、代理出産を巡る国際私法・国際民事手続法に関しては十分な知識を備えておらず、櫻田教授を追加する意義は大きいのです。

ただ、櫻田教授は、「国際会社法シンポジウム~アジア諸国における国際的M&Aの展望~」の参加者であることから分かるように、国際取引法を巡る国際民事手続法の分野を得意とするのであって、国際家族法を巡る国際民事手続法の分野を得意としているわけではないように思います。ですから、櫻田教授を追加する意義は大きいのですが、櫻田教授以外にもっと適任者がいるのではないかとの疑問が残ります。


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