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今年も宜しくお願いします。
昨年は、無差別殺傷事件が多発し、また、世界経済危機、
大量の「派遣切り」により路頭に迷う人が急増するなど、酷い1年でした。
今年は、多くの人が昨年よりも良き日々を過ごせますよう、心から願っています。
1.東京新聞2009年(平成21年)1月1日「筆洗」
「あけまして、おめでとうございます。干支(えと)でいえば丑(うし)年の始まり。早速、家族や友人らとどんな一年になるか、したいか、牛にちなんだ話題も交えて語り合っている人もいよう
▼<牛の歩みも千里>ということわざが気に入っている。たとえ遅い足取りでもこつこつと進んでいけば、大きな成果をあげることができるという意味である
▼ほかにも心に響く話がないかと探していると、小欄で一度紹介した日本民話データベース作成委員会の樋口淳さんから『ものをいう牛』と題された民話があると教わった。名護市など沖縄県の北部で語り継がれている
▼ある長者の召し使いが、年季明けの給金として「金がいいか、話がいいか」と言われて、話を選んだ。ところが「綱につながれた牛」という短い内容。訳が分からずに泣く泣く山道を歩いていると、やせた牛が木につながれて捨てられている
▼「これか」と思い近づくと、驚くことに話せる牛だった。頼まれたので水を飲ませて助けると、牛はいろいろな提案や忠告をしてくる。素直に従った結果、大きな財産を手にした。牛は自分の先祖だったのである
▼お金よりも経験のある人の言葉や知恵を大切にする人、困っている牛を助けるような心やさしい人が、最後には大きな幸せを手に入れる。こんな意味がくみ取れる。今年一年、牛をまねて反すうしたい民話である。」
2.「経験のある人の言葉や知恵を大切にする」。ごく当然こととも言えそうなのですが、「自分はよく知っているのだ」と慢心していると、大切にしていないことが多々あるのではないかと、思うのです。
また、「経験のある人の言葉や知恵を大切」にすることは、「訳が分からずに泣く泣く山道を歩いていると……」という民話が物語っているように、ある意味、自分の価値観では反発してしまうような他人の意見・価値観であっても、尊重するという面をもっています。しかし、自問自答してみれば、どれほど他人の価値観を尊重しているでしょうか。
「困っている牛を助けるような心やさしい人」。これも言葉だけではわかっていても、いざ実行となると、どれほどできているのでしょうか。
「非正規労働者らの年越し支援、各地で食事や居場所提供
2009年1月1日
大みそか、「派遣切り」などで不安な年越しを迎えた各地の労働者たちは、支援者たちが用意した居場所にひととき身を寄せ、温かい食事で体を温めた。
東京・日比谷公園の「年越し派遣村」を訪れた男性(41)は、大手自動車メーカーの群馬県の下請け工場で派遣の仕事を切られたという。約2カ月間、ネットカフェや野宿でしのいできた。所持金は1千円ほど。温かい食事や寝場所が確保できると聞き、大みそかに身を寄せた。
「『このまま野垂れ死んでもいいかな』と思った時もあったが、今ほど人の情けを感じたことはない」
実行委員会によると、寄せられた30件の相談では、所持金ゼロや数十円という人も多く、ほとんどが生活保護を申請する必要がある。山口県や新潟県で仕事を失い職探しのために東京に来たが、行く当てもなく途方に暮れている人もいたという。(以下、省略)」(asahi.com:関西(2009年1月1日)
「言うは易く行うは難し」であっても、行わなければならない現実が、いま、あるのです。
このブログは主として法律論を説くことを主眼としています。このブログにより、「経験のある人の言葉や知恵を大切にする人」・「困っている牛を助けるような心やさしい人」を現実に実行できるよう、踏み出す勇気を後押しできれば、と思っています。
1.東京新聞平成20年12月18日付夕刊7面「大波小波」
「寒しこの夜
多くの欧米の物語ではせめてクリスマスには素敵な奇跡が起こって、貧しい者にも幸福がやってくる。日本では代表的大企業が派遣切りや雇用削減を行って、年末の寒空に人々とその家族を放り出す。そして、複数の人から聞くのだが、教師や高給サラリーマンといった、知識のあるはずの人たちの、「負け組」に対する視線が極端に冷淡なのだと言う。同じく、「勝ち組マスコミ」の報道も、貧しい人たちの共感を得て、励まして行くには至らない。
人々はバラバラに分断されている。日本には宗教的共助の伝統が濃くないこともあるのかも知れないが、たぶんみんな、見たくないのだ。 「ああはなりたくない」と思うだけで、自分の今の立場を守るだけで精一杯なのだ。社会的活動に踏み出すどころではない。縛られ、怯(おび)えているのだ。
帰るべき暖かい家があって、家族とクリスマス・ケーキを囲めるというのは、小さくはない倖(しあわ)せと言えるだろう。だが私たちの見ようとしないところに、それどころではない大勢の人たちがいる。
ケーキに蝋燭(ろうそく)を灯(とも)してしばらくの間だけでいい、寒空の下の人々に思いを致す静かな時間を、今年からは持ったらどうか。そこから何かが、始まらないとも限らないのだ。 (貧者の一灯)」
景気の急速な悪化で派遣社員や期間従業員などを中心に失業する人が急増し、派遣会社の寮から退去を迫られるケースも多いのです。特に、今年は役所や会社のほとんどが12月27日から来年1月4日まで休みになるので、生活が困窮した駆け込み先が心もとない状態です(東京新聞平成20年12月18日付朝刊17面【暮らし】)。
そこで、「派遣切りで家もない困窮者は、どこへ相談したらいいのか?〜東京新聞平成20年12月18日付記事を紹介」(2008/12/18 [Thu] 23:58:42)でも紹介したように、「反貧困ネットワーク」などは、12月24日(水)10時から、「生活保護・労働・多重債務・住まい何でも相談会」を実施します。
このように、12月24日という日であっても、「年末年始の寒空に放り出され、どうやって生きていこうか」と途方にくれている人たちがいるのです。日本では、小泉竹中「構造改革」の成果により、景気の調整弁と化した多数の非正規労働者を、代表的大企業が派遣切りや雇用削減を大量に行ったおかげで。
もし、このブログを読んでいる方が、「帰るべき暖かい家があって、家族とクリスマス・ケーキを囲める」のであれば、それだけでも十分に幸福なことなのです。
しかし、貴方は、周囲の全ての人たちに対して、どれほど善意のまなざしを向けたでしょうか? 年末の寒空に放り出され、または放り出されようとしている人々に対して、何か役立つような言動を行っているのでしょうか? せめて、「ケーキに蝋燭を灯してしばらくの間だけでいい、寒空の下の人々に思いを致す静かな時間」を過ごしてほしいと思います。
「メディアに携わる者にはなくてはならない、流れに流されてはならない「反骨」の人であった。希代のニュースキャスター、逝く。」(朝日新聞平成20年11月8日付夕刊1面「素粒子」)
1.朝日新聞平成20年11月8日付朝刊1面
「筑紫哲也さん死去 NEWS23前キャスター 73歳
2008年11月7日21時26分
政治・外交から文化まで幅広く報道するテレビキャスターとして長く親しまれ、雑誌「朝日ジャーナル」編集長も務めた朝日新聞元編集委員の筑紫哲也(ちくし・てつや)さんが7日午後1時50分、肺がんのため都内の病院で死去した。73歳だった。葬儀は近親者のみで行う。喪主は妻房子(ふさこ)さん。後日、お別れの会を開く予定。
大分県生まれ。59年に朝日新聞社に入社し、68年には米軍統治下の沖縄特派員として返還交渉を取材。71年からの米ワシントン特派員時代には、当時のニクソン大統領を辞任に追い込んだウォーターゲート事件を取材した。
84年に朝日ジャーナル編集長。「若者たちの神々」「新人類の旗手たち」などの企画が話題になり、「新人類」は流行語になった。
外報部次長時代の78年、「こちらデスク」(テレビ朝日系)のキャスターになり、テレビでも知られるように。89年に朝日新聞社を退社し、TBS系の報道番組「筑紫哲也NEWS23」のキャスターに就いた。穏やかな語り口で、フリップにタイトルを示して世相を評論する「多事争論」のコーナーが話題を呼んだ。98年11月にはクリントン米大統領(当時)をスタジオに招くなど、各国の首脳と市民が直接対話する場の司会を務めた。
07年5月、番組中で初期の肺がんを告白。治療に専念し、約5カ月後の10月に、がんを「ほぼ撃退した」として生出演を果たしたが、番組のキャスターが12月から後藤謙次氏に代わってテレビ出演が減っていた。
08年度の日本記者クラブ賞を受賞。著書に「筑紫哲也のこの『くに』のゆくえ」「職業としてのジャーナリスト」「旅の途中」などがあり、共訳に「メディアの権力」など。「スローライフ」にも着目し、NPO法人「スローライフ・ジャパン」の理事を務めていた。」
89年10月からTBSの報道番組「筑紫哲也NEWS23」キャスターになりましたが、当時、夜のニュースは久米宏さんの「ニュースステーション」(テレビ朝日)が高視聴率を獲得しており、「報道のTBS」の威信をかけての外部からの抜てきでした。筑紫哲也さんは、活字ジャーナリズム出身らしく知的で抑制の効いた語り口で、久米さんと並んで、民放キャスターの代表的存在となりました(東京新聞平成20年11月8日付12面「芸能面」)。
筑紫哲也さんの死去を受け、筑紫さんが18年半、メーンキャスターを務めたTBS系「NEWS23」は、11月7日夜の放送冒頭、約20分間にわたって活躍を振り返りました。番組には、ジャーナリスト仲間の鳥越俊太郎さんが出演、「本当に残念」と声を詰まらせた。野中広務元官房長官や広島カープの山本浩二前監督、歌手の忌野清志郎さんら、筑紫さんと親交が深かった著名人らの談話を映像などで紹介していました(共同通信)。
テレビ番組での最後の「多事争論」は3月28日。少数派を切り捨てることが戦争につながる――。一貫した主張でした(日刊スポーツ平成20年11月8日付22面)。
1.東京新聞平成20年10月25日付夕刊9面「大波小波」
「「光と影」首都圏でも
25日深夜、フジテレビで1本のドキュメンタリー番組が放送される。タイトルは「光と影―光市母子殺害事件弁護団の300日」。サブタイトルが示すとおり、あの光市母子殺害事件で、日本中から「鬼畜」などと罵倒(ばとう)された弁護団を被写体にしたドキュメンタリーだ。
制作は東海テレビ。『放送レポート』11月号によれば、このドキュメンタリーの撮影を決めたプロデューサーに対して、「鬼畜弁護士を撮るおまえが鬼畜だ」などの声が社内にもあったという。あわや撮影中止の局面も何度かあったようだ。でもプロデューサーは信念を押し通した。そしてあの裁判における別の視点を呈示してくれた。
この事件の差し戻し判決で裁判長が死刑判決を言い渡したとき、広島高裁に集まっていた数百人の群集から、大きな歓声と拍手が沸き上がった。この作品にはそんな瞬間も捉(とら)えられている。
放送の時間帯は午前3時5分から。本音は見せたくないのかとフジテレビに言いたくなる。でも今回、東海、北陸地区に続き、首都圏でも放送されることを喜びたい。そして自分が今までメディアから一面的な情報しか与えられていなかったことを知ってほしい。メディアが一律になる恐ろしさを誰もが感じるはずだから。 (ミネルヴァの梟)」
(1) 光市事件に関して放映した多くのテレビ番組は、「第1、2審で争わなかった事実問題を、差戻控訴審になって持ち出すのはおかしい」「被害者遺族の無念の思いを踏みにじっている」「弁護団は死刑制度反対のために、この裁判を利用している」等々の反発・批判をさかんに浴びせていました。多くの番組がそのことだけに終始した、という印象でした。
これらの背景には、番組制作者に刑事裁判の仕組みについての前提的知識が欠けていたか、あるいは知っていても軽視した、という事情があったとか言いようがないのです(「光市事件報道問題:BPOは各局に裁判報道の改善要求(下)〜「極めて感情的に制作、他局より輪をかけて大袈裟にやるという『集団的過剰同調番組』、刑事裁判の知識なし、「素材負け」していた、巨大なる凡庸」など徹底して酷評!」(2008/04/20 [Sun] 07:46:06)参照)。
「このドキュメンタリーの撮影を決めたプロデューサーに対して、『鬼畜弁護士を撮るおまえが鬼畜だ』などの声が社内にもあった」わけですが、これはまさに、テレビ局では、「誠実義務」が課せられている弁護人の役割についての理解が全く欠けていた証左といえるのです。
「【意見3 本件放送は、弁護人の役割の認識に欠けるところがなかったか】
当事者主義のもとでの弁護人には、被告に対して、被告のために最善の弁護をする、という「誠実義務」が課せられている。
被告は、強力な権限を行使して迫ってくる検察官に対して自己を防御しなければならない、という境遇にある。一般私人であれば、訴訟能力もさほど持ち合わせていないだろう。弁護人はそうした苦境にある被告とのあいだで信頼関係を築き、ときには被告に不利な事情にも踏み込んででも、可能なかぎりの事実と関係情報を集め、それを被告にもっとも有利な主張や立証として組み立てて法廷に提示することにより、全力を尽くして被告人を弁護しなければならない。それが、弁護人の誠実義務である。この義務に違反することがあれば弁護人は懲戒処分の対象になる。
弁護人が被告人に有利だと判断して法廷にあらたな事実を提示し、争うことは、場合によっては被害者やその家族・遺族を傷つけることにもなりうるが、だからといって弁護人が、被告の主張している事実を提出しなかったりすれば、この誠実義務に背馳することになるのである。
付言すれば、弁護人には、その公的、公益的な地位を勘案したとしても、被告に対する誠実義務や守秘義務に背いて、被告に不利な方向での「真実」発見に関する証拠や情報を進んで積極的に提出・開示するという義務(積極的真実義務)はない、とされるのが一般的な理解である。
弁護人にこのような義務を課し、もっぱら被告人のために立証・主張を尽くさせるのは、そのような役割をつとめる専門家がいなければ、真実を発見し、認定することはむずかしい、という司法の歴史的経験に由来している。三審という司法制度の背景をなすのも、真実発見は容易ではなく、審理は慎重に行わなければならない、という歴史的経験に培われた認識である。」(「光市母子殺害事件の差戻控訴審に関する放送についての意見書」)
(2) 番組内容については、「来栖宥子★午後のアダージォ」さんの「光市事件 加害者側に焦点 東海テレビが制作「光と影」」(2008-06-04)で紹介されている記事には、次のようなことが書かれています。
「阿武野勝彦プロデューサーは「もし、事件を利用して『人権派』の名を売るものだったら、そこで制作をやめるつもりだった」と明かす。「でも、違った。真実を明らかにする姿があった」
当初は番組スタッフにさえ逆風が吹いた。「妻が拒否反応を示した」と斉藤さん。ナレーションを務める女優の寺島しのぶも「初め、お受けしたくないと思った」という。番組を見て「弁護団が、何をしていたのか、初めて知った感じです」。
「憎い」という感情だけで白黒をつけ、真実の解明にふたをする風潮。このまま来年5月に裁判員制度が始まったら、どうなるか。現代日本に、番組は一石を投じている。」(中日新聞夕刊 2008/06/04)
真実を明らかにする姿を報道するというのは、報道機関として真っ当なものであるのに、どのテレビ番組もそうしたものがほとんどありませんでした。法治国家とは何であるか、刑事裁判の構造的原理は何か、なぜ裁判では犯行事実がわかっているのに、被告の生育歴を調べたり、精神鑑定までするのか、法はどうして成人と少年を区別しているのか、被害者とその家族や遺族の無念の思いは、どうすれば軽減・救済できるだろうか――。こうしたことは殆ど調べることなく、放映されませんでした。
ほぼすべての番組が、「被告・弁護団」対「被害者遺族」という対立構図を描くものばかりでした。こうした構図で描くこと自体、刑事訴訟における当事者主義構造について全く知識が欠けていることが明らかです。刑事裁判の仕組みなどそっちのけで弁護団に反発したり、反発と共感のどちらを語るときも、感情的であって、「巨大なる凡庸」(BPOの委員会の席上で、ある委員が口にした感想)といえる放送番組ばかりだったのです。
「『憎い』という感情だけで白黒をつけ、真実の解明にふたをする風潮」になっているのが、今の日本社会なのです。そうした風潮に抗して作成した、唯一といえる番組が『光と影〜光市母子殺害事件 弁護団の300日〜』だったのです。
1.報道記事を幾つか。
(1) 読売新聞平成20年10月23日付夕刊1面(4版)
「株8000円割れ寸前
世界同時不況に陥る懸念が強まり、株安の連鎖に歯止めがかからない。
22日のニューヨーク株式市場はダウ平均株価(30種)が急落し、9000ドルを割り込んだ。
23日の東京株式市場も日経平均株価(225種)が一時、8000円割れ寸前まで値下がりするなど、買い材料が見当たらない状況だ。東京外国為替市場では一時、1ドル=96円台まで急速に円高・ドル安が進み、景気に悪影響を及ぼすとの警戒感が広がっている。(以下、省略)」
(2) 2008/10/23 17:21 【共同通信】
「東証続落、213円安 買い戻しで下げ幅縮小
23日の東京株式市場は、世界経済の先行き不安から売り注文が優勢の展開となり、日経平均株価(225種)の終値は、前日比213円71銭安の8460円98銭と続落した。午後に入って、外為市場の急速な円高進行がやや一服したことなどから、買い戻しの動きもみられ、下げ幅を縮小した。
全銘柄の値動きを示す東証株価指数(TOPIX)も、17・53ポイント安の871・70。出来高は約28億2600万株。
欧米の景気不安に加え、円高による業績悪化懸念から、自動車、電機といった輸出関連株が大幅に値下がりしたほか、鉄鋼、銀行株なども売られた。
午後は、外為市場で対ドル、対ユーロともに円がやや伸び悩んだことを背景に、先物が買い戻された。午前の急落で割安感の出た銘柄に国内機関投資家とみられる買いも入った。また米国で新たな金融危機対策が打ち出されるとの観測が伝わったことも買い材料になった。
大手証券担当者は「市場は世界の景況感に敏感になっている。海外株式市場や外為市場に左右される不安定な相場が続きそうだ」と指摘していた。
2008/10/23 17:21 【共同通信】」
(3) 読売新聞平成20年10月23日付夕刊2面「解説」
「世界同時不況を懸念
東京株式市場で株安が止まらないのは、世界が同時不況に突入し、日本の景気がさらに悪化するという見方が強まっているためだ。急速な円高も景気の懸念要因になっており、市場は悲観ムードに包まれている。
財務省が23日発表した2008年度上半期の貿易統計では、貿易黒字が大幅に減り、特に米国向け輸出の不振が顕著になった。さらに円高が進行し、自動車、電機などの輸出企業は窮地に陥りつつある。
世界経済の先行きも暗雲が広がっている。米国や欧州の景気後退懸念に加えて、金融危機の影響で東欧などの新興国の経済も変調をきたし始めた。
欧州では、アイスランドで通貨クローナが暴落している。ハンガリーの中央銀行は22日、通貨危機回避のため大幅な緊急利上げに踏み切った。南米でもアルゼンチンが経済危機の様相を呈すなど、「新興国の国債などのデフォルト(債務不履行)が現実味を帯び、世界の投資家に恐怖が広がっている」(準大手証券)状況だ。
東京市場の株価をリードする銘柄は不在の状況となり、株価下落の底は見えない。(経済部 松原智基)」





