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主に社会問題について法律的に考えてみる。など。
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2010/08/29 [Sun] 19:06:03 » E d i t
小沢一郎氏が民主党代表選に立候補することを表明し、しかも小沢氏が代表となるだけの支持が集まっている反面、検察審査会の議決次第では強制起訴される可能性があります。そこで、新聞各社が、「現職の首相は起訴される可能性があるのか」という問題について、記事にしています。



1.この問題は、憲法75条の解釈問題であり、最近では、岡田克也外相は8月20日昼の記者会見で、「起訴される可能性のある方が首相になることには、わたし自身は違和感がある」と批判したことを巡って問題となっています。

首相派反撃 民主党代表選  小沢氏出馬けん制
2010年8月21日

 岡田克也外相は二十日の記者会見で、「起訴される可能性のある方が代表・首相になることには、私自身は違和感を感じている」と述べ、小沢氏が検察審査会の結論次第では強制起訴となることを理由に、小沢氏出馬の動きを強くけん制した。」(東京新聞平成22年8月21日付朝刊【スコープ】)


(1) 岡田外相の発言は、憲法75条上間違った内容だったのですが、東京新聞など報道機関はその発言を肯定的に扱い、憲法75条上、間違いであるとの指摘はしていませんでした(「「起訴の可能性ある人に違和感」と岡田外相発言~岡田外相は、政治家を辞めて憲法を学ぶべきでは?」(2010/08/20)参照)。しかも、報道機関は、間違いを指摘するどころか、岡田外相の憲法に無知な発言を引用して、盛んに対立候補擁立自体を阻止するような批判を繰り広げていたのです。

社説:小沢氏擁立論 民主党の勘違いに驚く

  与党の代表選は実質、首相を選ぶ選挙だ。言うまでもなく小沢氏の資金管理団体をめぐる政治資金規正法違反事件はまだ決着していない。小沢氏が強制的に起訴される可能性がある検察審査会の議決が今秋に控えている。首相に就任すれば野党は連日、この問題で攻め立てるだろう。果たしてこれまで一度も国会の場で事件の説明をしていない小沢氏が乗り切れるだろうか。国会は直ちに動かなくなる公算の方が大きい。」(毎日新聞 2010年8月22日 東京朝刊


民主党代表選―なんのために戦うのか 

  政治資金では、いまだに国会で何の説明もしていない。検察審査会の判断次第では強制起訴の可能性も残る
 けじめをつけないままの立候補は、民主党政権からの民心のさらなる離反を招くだけだろう。」(朝日新聞平成22年8月21日付朝刊「社説」)


(2) ところが、驚くべきことに、報道機関は8月26日に至り、訂正記事を掲載するなどの反省をすることなく、事実上、岡田外相の発言が間違いであるという内容の記事を掲載しているのです。岡田外相の発言を引用して煽りたてた記事は一体、何だったのでしょうか実に恥知らずな態度といえます。(憲法75条の問題を除いたとしても、岡田外相の発言は、無罪推定の原則を無意味にするものですから、妥当でないことは明らかだったのです。)

社説:民主党代表選 大義欠く小沢氏の出馬

しかも、小沢氏自身を東京第5検察審査会が一度「起訴相当」と議決しており、2度目の議決次第では強制起訴される可能性がある憲法の規定により閣僚の訴追(起訴)には首相の同意が必要とされ、首相の起訴も自身の同意が必要とみられる。「推定無罪」が原則とはいえ、こうした問題に直面しかねない小沢氏は首相候補として適格性が問われる。各種世論調査で小沢氏が要職に就くことに世論の風当たりがなお強いことは当然である。」(毎日新聞 2010年8月27日 東京朝刊)


◆首相は起訴されないの?

 ◇憲法上、本人同意が必要 職務を考慮、在任中は時効停止

 なるほドリ 小沢一郎・民主党前幹事長の代表選への立候補が取りざたされてるね。確か検察審査会が政治資金規正法違反の疑いで審査しているはずだけど、仮に代表選に勝って首相になったら、審査会で「起訴すべきだ」と議決されても起訴できない可能性もあるんだって?

 記者 憲法75条には「国務大臣は、その在任中、内閣総理大臣の同意がなければ、訴追されない」という規定があります。訴追とは起訴のことです。この規定は国務大臣の職務の重要性をかんがみたとされ、内閣の一員に対する起訴は最大限慎重になされるべきだとの考えに基づくとされています。首相も国務大臣に含まれるとの解釈が有力で、首相を起訴するためには本人の同意が必要になると考えられているのです。

 Q もしも本人が同意しなかったらどうなるの?

  同意がないまま起訴すると、起訴の手続きが無効となる可能性があります。ただし、これはあくまで在任中の話です。75条には「これがため、訴追の権利は害されない」とも書かれています。この部分については、首相や国務大臣の在任中は同意がなければ起訴されないものの、時効が停止され、退任と同時に起訴が可能になるとの解釈が有力です。」(「質問なるほドリ:首相は起訴されないの?=回答・三木幸治」(毎日新聞 2010年8月26日 東京朝刊)


このブログでは一度触れた問題ですが、報道機関は事実上、訂正を図ったとはいえ、相変わらず記事には間違いがあり、またしても読者に間違いを流布しています。そこで、「現職の首相は起訴される可能性があるのか」という問題について、再び論じてみたいと思います。



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憲法 *  TB: 2  *  CM: 11  * top △ 
2010/08/25 [Wed] 20:23:35 » E d i t
菅直人氏は、首相として一体、何をしたいのでしょうか? 民主党代表選挙よりも、いま就任している行政のトップとしての役割(首相)を果たすべきではないでしょうか? その点に触れた記事がありましたので、紹介したいと思います。


1.報道記事や読者投稿などを。

(1) 夕刊フジ平成22年8月25日付(24日発行)5面「編集局から」

 「来月14日に行われる民主党代表選は、菅首相と小沢前幹事長が直接対決するのかどうかの一点に注目が集まっていますが、その余波が我々の生活にまで及びそうな状況に、首を傾げる人も少なくないのではないでしょうか。

 菅首相は23日、「3年間は解散しない」と明言。そもそも「解散」とは国民に政策などの信を問うための重要な手段であり、選挙基盤が弱い1年生議員を取り込むために担保するものではないはず。

 また、予定されていた経済金融情勢に関する首相と日銀総裁の会談は23日朝、何と電話会談に。代表選の結果次第で政策が変わる可能性もあることから、日銀も政府も様子見状態になっています。

 不透明な経済情勢、荒廃が進む社会。喫緊の課題は山積しているのに、すべてに優先して代表選がある。何か本末転倒のような気がします。

 民主党としては重要なことなのでしょうが、あえて言えば“身内の行事”。そんなものは先延ばしにして国難に対処しろ―というのは暴論でしょうか。」



(2) 夕刊フジ平成22年8月26日付(25日発行)5面「編集局から」

 「何ヶ月も続いてきた“円高株安・放置プレー”の挙句、日本経済はますます世界の市場から狙い撃ちされているような感があります。

 菅首相と白川日銀総裁の中身のないお笑い電話会談(23日)に続き、24日夕には野田財務相が緊急会見で「注意深く見守っていきたい」だと。何が緊急なんだか(タメ息)。

 政府と日銀のあまりにも無策ぶりに一般紙の論評も日に日に激化。25日の朝刊各紙は「経済無策 見透かす市場」(読売新聞)、「政府 代表選控え『無策』」(毎日新聞)。朝日新聞にいたっては「財務相の口先介入失敗」と1面で揶揄しています。

 日本経済新聞が「日銀、追加緩和を検討」と唐突にぶち上げていますが、“動かない日銀”だけに、これも口先のたぐいと受け止めた方が後の失望感が少ない?(以下省略)」



(3) 朝日新聞平成22年8月25日付朝刊14面「声」欄

首相、施策を明確にすべきは今――神奈川県鎌倉市・60代

 菅直人首相は自らの内閣で、特に9月の民主党代表選後、この国と国民のために何をやろうとしているのか、さっぱり見えずとても不安だ。

 先のテレビでも、鳩山由紀夫前首相らの研修会にからんで、記者が代表選では何を訴えてゆくのか質問したのに「しかるべき時期に自分の考えを明らかにしたい」と答えていた。しかし、即座にそれにこたえられないなんて、政治家としてあっていいことなのだろうか。

 首相の言動を振り返ると、鳩山政権の下で、副総理、国家戦略担当大臣、財務大臣でありながら、鳩山氏をサポートするような発言はみえず、ほとんどだんまりだった。

 首相になった途端、財政危機を強調して消費税の引き上げに言及したが、参院選の敗北を受け棚上げの方針らしい。また、市民運動に携わってきた経緯から、米軍普天間飛行場の県外・国外移設に力を入れるのかと思いきや、日米合意の順守をより強調するなど、野党やマスコミに迎合するような発言ばかりが目立つ。

 昨年9月、明治維新以来の大改革と打ち上げた、あの熱気はどこへ行ってしまったのか。「国民の生活が第一」と約束したあの民主党政権の高い志はどこへ行ってしまったのか。今こそ首相は、何をやろうとしているのかはっきり示したほしい。」




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憲法 *  TB: 1  *  CM: 1  * top △ 
2010/08/20 [Fri] 20:49:58 » E d i t
自民党議員や自民党政権下の閣僚は、憲法の意味さえ知らずに無茶な発言をすることがありました。憲法に義務規定をもっと増やすべきだなど、憲法は国家権力を制限するものであるという基本的な理解を欠いていたのです。

民主党議員は、野党時代、そこまで愚かではなかったのですが、岡田外相もまた、自民党のお家芸であった「伝統」を引き継いでいるようです。
(岡田外相発言について触れている記事があったので、<追記:平成22年8月21日付>をしました。)


1.時事通信((2010/08/20-13:35)

「起訴の可能性ある人に違和感」=小沢氏の出馬待望論けん制-岡田外相

 岡田克也外相は20日昼の記者会見で、民主党代表選で党内に小沢一郎前幹事長の出馬を望む声が出ていることについて、「起訴される可能性のある方が首相になることには、わたし自身は違和感がある。民主党立党の原点に返ったときにどうなのか」と述べた。小沢氏の資金管理団体の事件をめぐり、検察審査会の2度目の議決が出ることを念頭に、小沢氏の出馬をけん制したものだ。 
 岡田氏はまた、「外相として国のトップがそう何回も代わることは国益上大きなマイナスだと肌身で感じている。しっかりと菅直人首相を支えたい」と首相の再選支持を重ねて表明した。(2010/08/20-13:35)」




2.岡田外相は、「起訴される可能性のある方が首相になることには、わたし自身は違和感がある。」と述べていますが、この内容は日本国憲法75条の理解を欠いた、無知な発言です。


「日本国憲法第75条 

 国務大臣は、その在任中、内閣総理大臣の同意がなければ、訴追されない。但し、これがため、訴追の権利は、害されない。」



(1) 憲法75条は「国務大臣は、その在任中、内閣総理大臣の同意がなければ、訴追されない」と規定しています。この文言上は、内閣総理大臣が訴追されるのか否か明示してはいませんので、ここにいう「国務大臣」のなかに内閣総理大臣が含まれるのか、若干争いがあります。

憲法75条の趣旨は、検察権行使の規制による国務大臣の活動の自由や内閣の安定性・継続性を確保するためと解されています。これは、内閣の構成員たる大臣の訴追は、内閣の総辞職に追い込まれかねませんが、行政権は内閣に属すると定め(憲法65条)、憲法上、国民が政治問題について内閣に委ねるとした以上、政治問題はあくまで国民が判断する問題であって、検察権によって政治が左右されることを防ぐという意味になります。

言い換えれば、憲法75条は、国政の決定はあくまでも国民が最終的な決定権を有するのであって、検察権の行使によって国政を左右させないという宣言(政治判断)をしているわけです。そうだとすれば、憲法75条は、内閣総理大臣は在任中、訴追されないことを意味すると結論になります。

また、簡単に考えても、憲法75条によれば、一般の国務大臣は、首相の同意がなければ訴追されないのですから、国務大臣を任命する者という最も大きな権限を有する者は、国務大臣よりも十分に保護されるべきですから、内閣総理大臣が訴追されるという結論は、論理的に不合理です。

そこで、通説的見解は、内閣総理大臣は、その在任中は、刑事訴追(公訴提起)を受けることがなく、また逮捕されることもない特典が認められると解しています。(なお、「逮捕」の点はまた別個に争いがあります。)


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2010/02/16 [Tue] 23:59:30 » E d i t
天皇陛下は平成21年12月15日午前、皇居・宮殿「竹の間」で、中国の習近平(シー・チンピン)国家副主席と会見しました。天皇陛下と外国要人との会見は1か月前までに申請を受け付けるという政府内の慣行があったのですが、この慣行を外れたものでした。

この例外的な対応について、宮内庁の羽毛田信吾長官は平成21年12月11日午後、記者団に対し、「二度とあってほしくない」「憲法下の陛下の基本的なあり方にもかかわる」とまで言い切り、天皇の政治利用の観点から懸念を表明したことを発端として、天皇陛下の会見は政治問題と化して多くの論議が巻き起こり、マスコミは強く政府の対応を批判していました。これが、いわゆる「天皇の“特例”会見」問題です。

羽毛田信吾長官が「二度とあってほしくない」とまで強調していた以上、従来、「1ヵ月ルール」違反はほとんどなかったはずであり、マスコミも批判を繰り広げた以上、羽毛田氏と同様の理解であることが前提だったはずです。ところが、平野官房長官は、「1ヵ月ルール」違反は、2003年以降2009年12月までに計6件あったと、衆院予算委員会で答弁したのです。。要するに、羽毛田長官は、「過去、『1ヵ月ルール』違反はほとんどなかった」かのような大嘘をついて、政府批判を繰り広げ、天皇陛下と中国の要人との会見を政治問題化したのです。



1.報道記事を幾つか。

(1) 朝日新聞平成22年2月16日付朝刊37面

天皇会見1カ月ルール違反
官房長官「03年から計6件ある」
宮内庁「徹底要請以降1件のみ」
2010年2月16日0時2分

 外国要人と天皇陛下の会見が宮内庁の定める日程調整期限である「1カ月前」を切ってから申し込まれて実現したケースが、2003年以降09年12月までに計6件あったと、平野博文官房長官が15日、衆院予算委員会で答弁した。一方、宮内庁は「ルールの徹底を要請してからは1件のみ」としている。

 中国の習近平(シー・チンピン)・国家副主席と天皇陛下の会見が昨年12月、この「1カ月ルール」を破って実現したことで、「政府による天皇の政治利用だ」との指摘が出ていた。

 平野官房長官は「03年以降は(習副主席のケース以外に)計6件あった」と答弁。「政治利用には当たらない」との認識を改めて示した。

 一方、宮内庁によると、ルールが設定された1995年以降、同様の事例は習副主席以外に計22件あった。ただ、04年2月に宮内庁が陛下の年齢や体調を勘案して外務省に「1カ月ルールの徹底」を要請して以降は、05年にタイで、大地震と津波の影響から要請が1カ月を1日割り込んだ事例が1件あったのみという。」



(2) 日刊ゲンダイ平成22年2月17日付(16日発行)3面

天皇会見問題 過去7年で「1ヵ月ルール」外は6件
宮内庁長官ブチ切れは何だったのか


 やっぱり「特例」でも「政治利用」でもなかった――。天皇陛下と外国要人との会見設定を事前調整する「1ヵ月ルール」問題で、03年から09年12月までの間にルール外の会見が計6件あったことが分かった。平野博文官房長官がきのう(15日)の衆院予算委で答弁した。

 この問題をめぐっては、昨年12月の天皇陛下と中国・習近平国家副主席の会見がルール外の「特例」として、羽毛田信吾長官が緊急会見。「こういったことは二度とあってほしくない」と強調。大マスコミも「天皇の政治利用だ」と騒ぎまくった。

 宮内庁側は「ルール徹底以降は1件」なんて釈明しているらしいが、平野官房長官の答弁通りなら、羽毛田長官が大ウソをついたことになり、少なくとも騒動を起こした張本人としてハラを切るべきだろう。

 それにしても、「特例」「異例」とあれだけ騒いだ大マスコミはなぜきちんと報じないのか。」




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2010/01/23 [Sat] 23:59:22 » E d i t
小沢一郎・民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる疑惑事件の報道に対して、鳩山内閣の閣僚が記者会見で批判を行っています。

 「小沢氏団体不透明会計:情報源「関係者」は不適 原口総務相、放送報道に対し見解

 原口一博総務相は19日の閣議後会見で、メディアの報道表現について「(一般論として)『関係者(によると)』という報道は、検察、被疑者どちらの関係者か分からない」と指摘。「少なくともそこを明確にしなければ、電波という公共のものを使ってやるにしては不適だ」との見解を示した。
 原口総務相は「(事実かどうか)争いのあるところでは、その発信源について、被疑者が逮捕されて検察側と弁護側の二つしかあり得ない場合は、どちらかを明らかにする姿勢は大事だ」と述べた。」(毎日新聞 2010年1月19日 東京夕刊


 「小沢氏団体不透明会計:「関係者によると」報道表現 平野長官も「公平でない」

 平野博文官房長官は20日の記者会見で、民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体を巡る事件の報道で用いられる「関係者によると」との表現について「すべてとは言わないが、記事の中身によっては公平でないものがあると思う」と述べ、「関係者」の所属をより明確にすべきだとの認識を示した。原口一博総務相も19日、同様の考えを表明している。」(毎日新聞 2010年1月21日 東京朝刊


いずれも、情報源を「関係者によると」とした報道記事について批判をています。その意味は、表面的には「批判の矛先が検察からメディアにも向かった」(毎日新聞 2010年1月22日 東京朝刊「社説」)とも言えますが、その真意は、検察庁による捜査情報漏洩による報道を隠す意図で、わざと「検察関係者」と書かずに、単に「関係者」としているのではないか、検察リークは公務員の守秘義務違反であって、違法行為に基づく虚偽交じりの捜査情報を垂れ流しは社会的偏見・冤罪の温床となると、疑問を呈したものといえます。




1.日本新聞協会は2008年1月16日、「裁判員制度開始にあたっての取材・報道指針」を発表し、「▽捜査段階の供述の報道にあたっては、供述とは、多くの場合、その一部が捜査当局や弁護士等を通じて間接的に伝えられるものであり、情報提供者の立場によって力点の置き方やニュアンスが異なること、時を追って変遷する例があることなどを念頭に、内容のすべてがそのまま真実であるとの印象を読者・視聴者に与えることのないよう記事の書き方等に十分配慮する。」としています。

(1) そこで、報道機関は、情報の出所をできる限り明らかにすることを定め、「毎日新聞は、事件・事故報道の記事スタイルの一部を見直した。『情報の出所』をできる限り明示し『関係者によると』の表現もできるだけ避けることを原則とした。多くの報道機関も同様の見直しをしている。」としています((毎日新聞 2010年1月22日 東京朝刊「社説」)。その点は、東京新聞でも同様です。

◆「情報の出所」を明示する

 事件・事故についての情報は、圧倒的に捜査当局に取材したものが多いが、そこには主観や誤導が入り込む可能性がある。弁護側に取材したものも同様にバイアス(偏り)がかかっている恐れがある。
 特に事実関係に争いがあるケースでは、互いに自らに有利になるよう情報提供することも考えられるが、情報源があいまいなままでは、読者はそうした「前提」を意識して読むことができない。
 今後は、読者に判断材料を提供するため、「○○署によると」「□□容疑者の弁護士によると」といったふうに可能な限り情報源を明示していく。」(【東京新聞の事件報道ガイドライン】本紙ガイドラインの概要 犯人視避け公正に(2009年2月15日)


捜査段階の被疑者も、公判段階の被告人も、いまだ犯罪者と確定されたわけではありません。刑事手続では、「刑事上の罪に問われているすべての者は、法律に基づいて有罪とされるまでは、無罪と推定される権利を有する」(人権B規約14条2項)のです。この「無罪の推定」(憲法31条、刑訴法336条)は、刑事手続のすべての段階において妥当する原則なのです(田口守一『刑事訴訟法(第5版)』(弘文堂、平成21年)20頁)。

このように、刑事手続・刑事事件では、無罪推定の原則が大原則ですが、特に、犯罪の嫌疑を受けている人が否認している場合に犯人視した報道を行うと、捜査及び公判中はもちろん、後に無罪が確定したとしても、市民の間に犯罪者であるとの拭い難い社会的偏見を植えつけてしまいます。ですから、そうした社会的偏見を防止し、社会的偏見に影響された誤判を防止するためにも、(特に、犯罪の嫌疑を受けている人が否認している場合)犯人視した報道は、絶対に止めなければいけません。例えば、「免田事件」の免田栄さんは、1983年に再審無罪となった今でも、犯人視されるという社会的偏見が残っているのです。

ですから、捜査機関側か弁護士側なのかなど、「情報提供者の立場によって力点の置き方やニュアンスが異なる」以上、無罪推定の原則を遵守するためにも、情報の出所を示すこと――最低限、「捜査関係者」か「被疑者側」か「被害者側」か――は必須といえます。



(2) こうして、「関係者」という曖昧な表現を避けると誓いを立てたにも関わらず、小沢一郎・民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる疑惑事件の報道については、どの報道も「関係者によると」という表現ばかりです。「捜査関係者」という表現さえも皆無という、明らかに誓いを反故にしてしまっているのです。

「捜査関係者」という表現さえもしないという、明らかに誓いを反故にしているのにも関わらず、報道機関は、「情報の出所を明示することで取材源を守れない恐れがある場合は、『取材源の秘匿』が優先する……それが、国民の『知る権利』に応えるため、適切な方法だ」(毎日新聞 2010年1月21日 東京朝刊)、とか、「最終的にどう報じるかは、あくまで各報道機関が独自に決めることだ」(朝日新聞平成22年1月22日付(金)「社説」)などと開き直るのです。

しかも、「事件の取材先は、捜査関係者に限らず多岐にわたる(毎日新聞 2010年1月21日 東京朝刊)とも述べ、検察リークを否定することさえしてみせるのです。



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