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2009/05/23 [Sat] 23:58:45 » E d i t
政府の新型インフルエンザ対策本部(本部長・麻生太郎首相)は平成21年5月22日午前の会合で、国内感染の拡大を防止するための基本的対処方針を見直しました。新たな方針に基づく運用指針では、<1>患者が発生した地域を感染状況に応じて2つに分類し、<2>急速に患者が増加している地域では一般医療機関での診療や軽症者の自宅療養を認めるといったものであり、対応を弾力化したものです。

麻生太郎首相は冒頭、「感染状況は地域で偏りがあり、急激に感染者が増えた地域では、医療機関の対応に困難が生じている。地方自治体が地域の実情に即した対応を取れるようにすることが重要だ」と述べ、国内対策の新指針の狙いを説明しています(東京新聞平成21年5月22日付夕刊)。言い換えれば、「不安過剰社会」に陥っている日本において、「地域の経済活動や都市機能が過度に萎縮しないよう配慮」(日経新聞平成21年5月22日付夕刊1面)したものです。



1.報道記事を幾つか。

(1) 朝日新聞平成21年5月22日付夕刊(14版)

新型インフル 休校判断は学校単位 一般病院で受診可能 
急増地域の対応改定

2009年5月22日13時36分

 政府は22日、新型インフルエンザ対策本部の会合を首相官邸で開き、国内での感染拡大を踏まえ、対処方針を改定した。症状が季節性インフルエンザと似ていることから対応を弾力化。発生地域を拡大状況に応じて二つに分け、患者の急増地域では学校単位で臨時休校できるようにする。一般病院での受診や軽症患者の自宅療養も認める。機内検疫は原則取りやめ、水際対策は縮小する。

 新しい対処方針によると、新型インフルエンザでは、糖尿病やぜんそくなど基礎疾患を持つ人を中心に、症状が重くなって死亡する例があることを指摘。今後、国民生活や経済への影響を抑えながら、特に基礎疾患を持つ人への感染防止に重点を置き、「地域の実情に応じて柔軟に対応する必要がある」と明記した。

 具体策は、厚生労働省の運用指針で定めた。発生地域を(1)患者発生が少なく、感染拡大防止に努めるべき地域(2)患者が急増し、重症化の防止に重点を置くべき地域――に区分し、(1)の地域はほぼ従来通りの方針で対応するが、(2)の地域は対応を大幅に緩和する。厚労省と相談のうえ、都道府県などがどちらの地域とするか判断する。

 (2)の地域で、学校・保育施設に患者が多数発生した場合は、通常の季節性インフルエンザと同様、県や市など設置者の判断で臨時休校・休業措置をとれるようにする。塩谷文部科学相は22日の閣議後の記者会見で、学級閉鎖も「実情に応じてありえる」と述べた。修学旅行については「自粛を求める状況ではない」とも語った。

 対策本部で麻生首相は「自治体が地域の実情に即した柔軟な対応をとれるようにすることが重要。ただ、今回の新型インフルエンザの特性から、対策の基本は感染拡大を防ぐこと、基礎疾患のある方々の重篤化を防ぐことであることは忘れてはならない」と述べた。

 舛添厚労相は22日の閣議後の記者会見で、「感染初期の段階と(患者が急増した)大阪、兵庫は違う。きめの細かい対応の違いを示した。現場からの情報が一番貴重で、それが判断基準になる」と述べた。」



(2) 朝日新聞平成21年5月23日付朝刊4面(14版)

「対策緩和」首長の声 厚労相も急いだ新方針

 新型の豚インフルエンザの初の国内感染者が出てから1週間。政府は22日、国のインフルエンザ対策について、自治体の裁量に委ねる弾力的な運用へと改めた。突き動かしたのは現場の自治体だった。軌道修正を求められた政策の決定過程では、厚生労働省と司令塔役の官邸との温度差も見られた。 (南彰、五郎丸健一)

■新型インフル 官邸と細部決定

 「何よりも大事なのは現場。霞が関にいてもわかるわけないんですよ」

 22日朝。連日、深夜まで携帯電話で自治体の首長と連絡を取り合ってきた舛添厚生労働相は記者会見でこう力説した。

 新対策の肝は「発熱外来」の指定を受けていない病院での受診や自宅療養を解禁し、学校休校の対象を決めることを自治体の判断に委ねた点だ。米国やメキシコなどからの入国者への7日間の健康観察もやめ、各地の保健所の負担を軽減した。

 政策変更の背景には、現場を抱える自治体の「悲鳴」があった。国の対策は、強毒性の鳥インフルエンザを想定したものだった。しかし、今回のインフルエンザが弱毒性であることが判明してきたにもかかわらず、画一的な対応で都市機能が止まってしまうことへの焦りや疑問を自治体の首長が国に強く訴えた。

 18日、全国知事会で上京した橋下徹大阪府知事や井戸敏三兵庫県知事が厚労省を訪問。舛添氏に直談判した。

 「通常の季節性インフルエンザの対応にかじを切って欲しい」(橋下氏)、「風評被害もかなり深刻だ」(井戸氏)。さらに知事会も弾力的な運用を求めて緊急決議した。

 舛添厚労相は、一斉休校が終わる7日以内に、新たな行動計画を作り替えることも含めた政策転換を橋下知事との面会で約束。自治体側が打ち出した自宅療養の方針などを「モデルになる」と容認し、それらを盛り込んだ新しい対処方針の策定を急いだ。

 首相官邸には、運用変更への慎重論もあった。 「成田空港での検疫を緩めたり、一般病院での受診を認めたりすれば、感染が拡大するのではないか」との懸念がぬぐえなかった。 「厚労省から説明を聞いても、なぜ緩めても問題ないのか理解できない」と、いらだつ声も漏れた。

 対応を弾力化しながら、感染拡大を可能な限り防ぐ方法はないか――。官邸と厚労省、専門家の検討が続き、機内検疫をやめる代わりに質問票で健康状態を把握する▽一般医療機関での診察は、一般の患者と入り口や時間帯を分ける、などの細部が固まっていった。

 対策本部での決定は22日午前。麻生首相が太平洋・島サミット出席のため東京を離れる「タイムリミット」の直前だった。大阪府の橋下知事は決定後に記者団に対し、「もうじたばたしない。ある程度感染者は出ることを前提にして対応をとっていく」と語った。」




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2009/05/11 [Mon] 23:51:53 » E d i t
今回の新型インフルエンザは、毒性や感染力が通常の季節性インフルエンザとほとんど変わらないことが、これまでの症例や遺伝子解析で明らか」(読売新聞平成21年5月9日付夕刊3面)になっており、大げさに騒ぎ立てる必要がないことが判明しています。

しかし、今だに大々的に報道するものも見受けられます。例えば、読売新聞平成21年5月11日付夕刊1面(14版)では、「新型インフル 修学旅行 海外を敬遠」という大見出しで、「世界中に感染が広がっている新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)の影響で、海外への修学旅行や語学研修を延期する学校が相次ぎ、旅行会社が渡航先などとのやり取りに頭を痛めている」という内容を掲載し、関連記事として2・12面があることも紹介するなどの念の入れようです。

こうした大げさな報道が目に付く中、東京新聞は、新型インフルエンザ対策について「生き過ぎ、騒ぎ過ぎ?」といった見出しの記事を掲載し、異なる視点での報道を行っています。そこで、東京新聞の記事を紹介してみたいと思います。


1.その東京新聞の記事を。

(1) 東京新聞平成21年5月11日付夕刊9面

新型インフルエンザ対策 生き過ぎ 騒ぎ過ぎ?
2009年5月11日 夕刊

 空港検疫で見つかった新型インフルエンザが国内で発生するのは時間の問題。感染者が増えれば自治体は国の要請で学校の休校やイベント自粛などを求める可能性がある。毎年のインフルエンザに比べて症状が突出しておらず薬も効くことから「そこまでやるのは行きすぎ」の声も。外国では「日本だけ騒いでいるのでは?」との見方もある。

■国の計画「強毒」に対応 海外帰りに「出社・登校停止」も

 初めての感染者が見つかる前から国内の過剰反応の例はいくつかある。外国に行っただけで出社や登校しないよう求められたり、食料備蓄を呼びかける放送局まであった。医師の古川俊治参院議員が国会質問で「大流行に備えてベッドを空けるため、緊急でない手術は延期するなどの措置がとられた病院もある。過剰反応では」とただすほどだ。

 過敏な反応がでる要因の1つは、国の行動計画が「強毒性の鳥インフルエンザ」に対応しているからだ。今回のウイルスは弱毒性とみられ、症状もマイルドなのに、計画は大人がバタバタ倒れ、全身症状を起こして死亡する想定だ。

 Aソ連型、A香港型など季節性のインフルエンザは、国内で毎年1万人の死者が出る。現在も数万人の患者がいると推定される。増え続けているとはいえ世界で新型の患者数は4500を超えたところだ。

 もっとも、新型を軽視するのは危険で、押谷仁東北大教授は「感染力はかなりある」と話し「過度に恐れる必要はないが、ある程度の被害は想定すべきだ」。

 国立感染症研究所の岡部信彦・感染症情報センター長は「日本には、すべてを心配する『過剰心配症候群』と、大したことはないと思う『無視症候群』がいる。そのバランスをとりながら対策を講じるのが難しい」と国民性を指摘する。

 「なぜマスクをしなかった?」「注意が足りない」などと、感染した人が悪く言われ、差別が生まれかねない反応は心配。岡部さんもそう懸念する。」

(*リンク先は中日新聞ですが、東京新聞でも同一内容を掲載しているので、引用しました。ただし、見出しが異なるので、東京新聞の見出しに変更しています。)



過剰反応の具体例、しかも「初めての感染者が見つかる前」の具体例として、ここまであったのかと呆れてしまいます。

「初めての感染者が見つかる前から国内の過剰反応の例はいくつかある。外国に行っただけで出社や登校しないよう求められたり、食料備蓄を呼びかける放送局まであった。医師の古川俊治参院議員が国会質問で「大流行に備えてベッドを空けるため、緊急でない手術は延期するなどの措置がとられた病院もある。過剰反応では」とただすほどだ。」


東京都内の病院にだけ多く発生した、発熱患者の診療拒否問題については、何度も触れています(<1>「新型インフルエンザ問題:新型インフルエンザ発症国への渡航歴がない患者への診療拒否相次ぐ~応召義務(医師法19条)違反であることを知っていて拒否しているのですよね?」(2009/05/06 [Wed] 18:02:54)、<2>「発熱患者への診療拒否問題:「新型インフル」に患者より先に病院が“パニック”?~診療拒否は、風評を恐れて? 医師の知識不足?(東京新聞5月8日付「こちら特報部」より)」(2009/05/09 [Sat] 16:50:44)、<3>「国内初の新型インフルエンザ感染確認~これに対する専門家の見解は?」(2009/05/10 [Sun] 23:32:40))。ところが、初めての感染者が見つかる前に「緊急でない手術は延期するなどの措置がとられた病院」もあったのですから、発熱患者が治療に来る前から、すでに一部の医療機関は過剰反応していたのです。ここに、診療拒否の萌芽があったといえるわけで、診療拒否は、呆れ驚くべきほどのことではなかったわけです。


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2009/05/10 [Sun] 23:32:40 » E d i t
厚生労働省は平成21年5月9日、成田空港の検疫で、米デトロイト発の便で帰国した大阪府内の日本人男性3人が、新型の豚インフルエンザに感染していることを確認したと発表しました。国立感染症研究所でウイルスの遺伝子検査をした結果、新型インフルの陽性反応が出たものであり、国内で感染者が確認されたのは初めてとなります(朝日新聞平成21年5月9日付夕刊1面)。

 「厚労省や府教委によると、感染が確認されたのは大阪府寝屋川市の府立高校の教員(46)と生徒2人(いずれも16)の計3人。市内の府立高3校の教員と生徒合わせて36人で、4月24日~5月7日に語学研修のためカナダのオークビルに滞在し、米デトロイトを経由して、ノースウエスト航空25便で8日午後4時半過ぎに成田に到着した。

 同便の乗客・乗員は約410人。3人のうち教員1人と生徒1人は、成田で検疫官が乗り込んだ機内で症状が確認された。厚労省は、生徒らの近くに座って「濃厚接触」の可能性がある乗客(最大52人)や、同行者らのうち、合わせて乗客47人、乗員2人の計49人に空港周辺の施設などにとどまってもらっている。検疫法にもとづき到着から10日間空港近くの宿泊施設で過ごしてもらう。濃厚接触の52人のうち13人は国外に出たという。

 3人のうち1人は機内検疫の際には検疫官に体調不良を訴えず、サーモグラフィーでも発熱が見つからなかった。大阪方面への乗り継ぎのために機外に出てから体調不良を訴えた。

 この1人が機内で座っていた席の周囲には、濃厚接触した可能性がある乗客らが最大11人いた。本来は空港近くの宿泊施設などにとどまってもらう対象だが、すでに入国したり、乗り継いで日本を出てしまったりした可能性がある。舛添厚労相は「感染する危険性がある」と話し、厚労省は全乗客に連絡を試みる。連絡がつけば地元の都道府県知事が自宅待機を求める。

 教員は発熱やせき、関節痛などの症状があった。生徒2人は鼻水とせきがあり、うち1人は熱があった。3人は8日夜から千葉県成田市内の病院に入院。9日朝の時点で教員は熱があるが、生徒2人に熱はない。

 政府は9日午前、新型インフルエンザ対策本部の幹事会を首相官邸で開き、当面はメキシコなどから到着した便を対象とした現行の検疫態勢を維持することを確認した。空港での検疫段階で見つけたことから政府は「国内発生」に当たらないと判断。「ただちに国内の感染拡大につながる可能性は低い」として、渡航制限などの新たな段階の対策にすぐには移行しない。世界保健機関(WHO)に感染者3人の確認を届け出る。」 (朝日新聞平成21年5月9日付夕刊1面




1.今回の事実について、朝日新聞は次のような解説をつけています。

早期発見・治療が重要

 新型インフルエンザで国内初の患者が確認された。今回は幸い検疫で見つかったが、100%見つかるわけではない。検疫は国内流行を遅らせる対策の1つだ。いずれ流行が始まる事態に備えて医療態勢などの準備に本格的に取りかかる必要がある。

 米国などの患者は多くの場合、症状は軽く、回復している。過剰に恐れる必要はない。大流行になったとしても、季節性インフルエンザより重めのアジア風邪(57~58年)、香港風邪(68~70年)と同程度の重症度(致死率0.2%以下)とみる専門家が多い。それでもインフルによる肺炎などを含め国内で各数万人程度が死亡したとみられる。私たちは、新型ウイルスに免疫を持っていないため、数千万人が感染する可能性がある。病院などに多くの患者が来ても十分に治療できるよう準備するなど、やるべきことは多い。

 当面、国内流行を遅らせるには、検疫のほか、流行地域から帰国して発病したら、電話ですぐ相談するよう国民の理解を得ることも欠かせない。タミフルなどの抗インフル薬は、症状が出てから48時間以内に使えば効果がある。早期に相談すれば治療につながるし、感染拡大防止に役立つ。そのためにはプライバシーを守る配慮も必要だ。

 インフルエンザは感染しても症状が出ない潜伏期間がある。世界保健機関(WHO)などによると潜伏期間は1~7日程度。検疫では発熱などの症状がある人を検査するため、潜伏期間中に検疫を通過すれば見逃しがある。発症後でも、検疫時に発熱やせきなどの症状が見つからなければ、見落とされる。今回の男子生徒1人もこれに当たる。

 世界で確認された患者は3千人を超える。実際の患者数はわからないが、メキシコでは3月から流行が始まっており、既に感染者は何万人もいるとみる専門家もいる。

 日本国内でも今後、患者確認が相次ぐ可能性がある。検疫を過ぎた後で見つかることもあるだろう。だがそれは、患者を早く見つける仕組みが働いている証しと受け止めたい。早く見つかり治療を受けることが安心につながる。感染が知らぬ間に広がっていく方が困った事態だ。 (編集委員・浅井文和)」(朝日新聞平成21年5月9日付夕刊1面「解説」



今回の新型インフルエンザは、毒性や感染力が通常の季節性インフルエンザとほとんど変わらないことが、これまでの症例や遺伝子解析で明らか」(読売新聞平成21年5月9日付夕刊3面)になっています。また、「60歳以上の高齢者の感染者がほとんどいないのも特徴」(読売新聞平成21年5月9日付夕刊3面)です。

それゆえ、世界保健機関(WHO)のシルビ・ブリアン・インフルエンザ対策部長代理は8日、各国の感染防止策について、「軽症者がほとんどという実態に、対策も合わせるべきだ」と述べ、弾力的な運用を求めています(読売新聞平成21年5月9日付夕刊3面)。具体的に言えば、WHOは、国民生活や経済活動を過度に制約する対策を勧めていませんし、「渡航制限や国境閉鎖は引き続き行わないよう各国に要請する方針」(読売新聞平成21年5月10日付朝刊2面)ということです。

このように、新型インフルエンザは、通常の季節性インフルエンザとほとんど変わらず、メキシコ以外ではほとんど死者が出ておらず、軽症者がほとんどというのが実態ですから、季節性インフルエンザ程度の予防策をとっていれば足りることになります。

しかも、国立感染症研究所の岡部信彦感染症情報センター長が述べるように「これからウイルスが不活発になる夏に向かう」のです(東京新聞平成21年5月10日付朝刊1面)。同様のことは元世界保健機関鳥インフルエンザ薬物治療ガイドライン委員会委員、けいゆう病院小児科・菅谷憲夫部長も述べており、「これから日本は夏になり、大きな流行にはならないだろう」と述べています(毎日新聞平成21年5月10日付朝刊3面)。

このように、「過剰に恐れる必要はない」(朝日新聞5月9日付夕刊)のに、どういうわけか(国内感染者がいない段階において)一部の病院で発熱を訴える人が診察を断られる事態が起きています。そういった事態が続くと、この先、熱の出た人が拒否を恐れ、海外渡航歴を伏せ、その結果、新型インフルエンザ感染が拡大する、といった悪循環を引き起こしねません(日経新聞平成21年5月10日付「春秋」参照)。そうした馬鹿げた悪循環を引き起こさないよう、行政は医療機関に指導するなど対応して欲しいと思います。



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2009/05/09 [Sat] 16:50:44 » E d i t
東京都内の病院では、患者に渡航歴がなくても、発熱があっただけで医療機関が診察を拒否するなどの事例が相次いでいます(「新型インフルエンザ問題:新型インフルエンザ発症国への渡航歴がない患者への診療拒否相次ぐ~応召義務(医師法19条)違反であることを知っていて拒否しているのですよね?」(2009/05/06 [Wed] 18:02:54))。

そのため、厚生労働省は平成21年5月6日、都道府県に対し、患者がセンターの指導に従って発熱外来を置かない医療機関を受診した場合は、当該医療機関が診察することなどを全医療機関に通知するよう求め、診療拒否をする医療機関がないように求めています。

「平成21年5月6日

各都道府県衛生主管部(局)医務担当者 御中

厚生労働省新型インフルエンザ対策推進本部

国内未発生期における発熱外来を置かない医療機関への発熱患者の受診について

新型インフルエンザ患者の国内発生に備え、関係者との情報共有や発熱外来の設置など、医療体制の確保等について対応いただいているところですが、海外発生期(国内未発生期)における発熱外来を置かない医療機関への発熱患者の受診について、下記の通り、基本的な考え方をまとめましたので、所管の全医療機関にご周知いただきますようお願いいたします。

                       記

○ まん延国への渡航歴や患者との接触歴が認められる発熱患者が、発熱相談センターを通じずに発熱外来を置かない医療機関を受診したり、電話による相談があった場合には、まず発熱相談センターに電話で相談し、必要に応じて紹介される適切な医療機関を受診するように勧めること。

○ 発熱相談センターの指導に従って発熱者が発熱外来を置かない医療機関に受診した場合は、患者にマスク等を使用するように指導するなど、感染予防に必要な指導を行った上で、当該医療機関が診察すること。」




1.報道記事を幾つか。

(1) 読売新聞平成21年5月8日付朝刊34面

診察拒否で苦情・相談、都に212件…改善を文書で通知

 新型インフルエンザの感染の可能性が低い発熱患者が医療機関から診察を拒否された問題で、東京都に寄せられた苦情・相談が7日までに、少なくとも計212件に上っていることがわかった。

 都は同日、都内約650の病院に対し、通常の発熱患者の診察を拒否しないよう文書で通知。診療所についても、23区などを通じて徹底を求めた。

 苦情・相談は「熱が出たので医療機関に診察を申し込んだら、海外に行っていないのに断られ、都の発熱相談センターを紹介された」といった内容が中心。集計は2日からで、5日正午までの相談は92件だったが、診察拒否問題が報じられたこともあり、その後の2日間で120件が寄せられた。

(2009年5月8日06時39分 読売新聞)」


「東京都に寄せられた苦情・相談が7日までに、少なくとも計212件に上っていることがわかった」とのことです。ここまで多いと異常ですから、東京都は、「都内約650の病院に対し、通常の発熱患者の診察を拒否しないよう文書で通知」するのも当然でしょう。

急に診療拒否が増えたということも考えられますが、どちらかというと、「診察拒否問題が報じられたこともあり、その後の2日間で120件が寄せられた」とあるように、「診療拒否」報道を切っ掛けとして、診療拒否に不満を抱いていた病者が多数名乗り出てきたわけです。このエントリーで引用した毎日新聞の記事でも、相談が報道された後も増えたことについては、都の担当者は「泣き寝入りしていた患者たちが、報道で知って連絡してきたのでは」と推測しています。このように、「診療拒否されていた患者の暗数」が表面化したといえそうです。



(2) 毎日新聞平成21年5月8日付東京朝刊27面(14版)

新型インフル過剰反応、やまぬ診察拒否
◇都の説得、断る医療機関

 新型インフルエンザ感染の可能性がないのに医療機関に診察を拒否されたとの相談が、東京都以外にも5県2政令市に寄せられていたことが7日、毎日新聞の調査で分かった。東京都への相談件数は7日朝までに計212件に達した。都内では都が説得しても診察を拒否し続けている病院もあり、厚生労働省は「国内未発生の段階では、発生国に行っていなければ診察して問題ない」として、医療機関に適切な対応を求めている。【内橋寿明、江畑佳明】

 ◇「保健所診断書持ってきて」

 調査は7日、都道府県と政令市の新型インフルエンザ対策担当者に実施。診察拒否の相談があったのは東京都のほか、埼玉、千葉、滋賀、島根、高知の各県と横浜、神戸両市だった。東京都以外はいずれも数件だったが、東京都はこの問題が報道された5日以降で120件増えた。

 東京都内では「(新型インフルエンザでないという)保健所の診断書を持ってきてほしい」と診察を断った医療機関があり、都が患者の連絡を受けて説得しているが、依然として拒否を続けているという。都は診察を拒んだ医療機関のリスト化も検討している。相談が報道された後も増えたことについては、都の担当者は「泣き寝入りしていた患者たちが、報道で知って連絡してきたのでは」と推測している。

 横浜市では「診察してもらうのに、何カ所もの医療機関を回らなければならなかった」との相談があった。市は5日付で医師会と病院協会に対し、適切な対応を取るよう文書で要請したという。

 島根県には6日夜までに、7件の相談が寄せられた。いずれも渡航歴がないのに、医療機関に発熱相談センターに行くよう求められたとの内容。

 センターは、一般の医療機関で受診して構わないと説明したという。担当者は「『発熱相談』という名称なので、熱がある人の対応を一任してしまっていいと勘違いする医師がいるのではないか」と話す。

==============

 ◇新型インフルエンザ相談窓口

▽厚生労働省 03・3501・9031(午前9時~午後9時)

▽農林水産省 03・3591・6529(午前10時~午後5時、平日のみ)

▽外務省   03・5501・8000(24時間)内線4625、4627、4629

▽文部科学省 03・6734・2957(午前9時~午後6時半)

【関連記事】
新型インフル:健康観察の確認作業実施せず 東京・墨田区
新型インフル:やまぬ診察拒否 相談、5県2政令市でも
新型インフル:全都道府県の遺伝子検査体制整う
新型インフル:大阪市の10代女性はA香港型
新型インフル:兵庫県内の女児に感染の疑い 厚労省

毎日新聞 2009年5月8日 東京朝刊」



毎日新聞が7日、都道府県と政令市の新型インフルエンザ対策担当者に対して尋ねた調査によると、新型インフルエンザ感染の可能性がないのに、発熱症状のあった人が病院から診察拒否されるなどした、診察拒否の相談があったのは「東京都のほか、埼玉、千葉、滋賀、島根、高知の各県と横浜、神戸両市」であり、東京以外にも診療拒否の事実があったようです。

ただし、「東京都以外はいずれも数件」でした。例えば、滋賀県では「県内で5件(5人)」にすぎず、「患者は渡航歴がなく、保健所で一般病院での受診ができることを確認した上で再度、病院に診療を求めたが断られた」ものなど、「病院側の誤解が主な原因」(滋賀県健康推進課の調べ)だったのです(「発熱5人が受診できず 新型インフルの可能性ないのに病院誤解」(中日新聞2009年5月9日付【滋賀】)参照)。また、千葉県の発表によると、診療拒否の事例は1件のみであり、それも「診療を拒否されたのは3月にメキシコに渡航した女性で、渡航後1ヶ月以上経過した5月に発熱の症状を訴えかかりつけの病院に行ったが、診察してもらえなかった」(東京新聞平成21年5月9日付朝刊18面)というものであり、どうみてもメキシコ渡航によって新型ウイルスエンザに感染したという判断は困難です。

山梨県の県庁や県医師会などによると、診療拒否があったと事例はなく(「発熱患者に適切診療を」(YOMIURI ONLINE:地域・山梨(2009年5月8日)))、福岡県福岡市でも受診拒否の相談はなく(「新型インフルエンザ:診察拒否問題 福岡市、発熱患者来院時の病院対応を通知 /福岡」(毎日新聞 2009年5月8日 地方版〔福岡都市圏版〕))、鹿児島県の発熱相談センターにも、東京都内の病院で起きたような、発熱患者の診察拒否も、これまでに報告されていません(毎日新聞 2009年5月8日 地方版〔鹿児島〕)。毎日新聞社と共同通信社の調査によるわけですが、冗談のような診療拒否は、東京都内の病院ばかりに多いといえそうです。



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2009/05/06 [Wed] 18:02:54 » E d i t
新型インフルエンザについては、諸外国と比較すると、どうやら日本のみがやたらと騒ぎになっており、過剰反応していることが分かってきましたが、東京都内の病院では、発熱などの症状がある患者が診察を拒否される例が相次ぎ、92件にも及んでいることが判明しました。

それも、「92件の半数以上は、『最近海外に渡航していないのに診察を拒まれた』という内容だった」(朝日新聞)ですから、新型インフルエンザに感染している可能性が低いにもかかわらず、発熱などを訴えた人の診察を拒否しているのです。新型インフルエンザに対する過剰反応どころか、「ノミの心臓」ぶりも極まったといえます。



1.報道記事を幾つか。

(1) 毎日新聞平成21年5月5日付東京朝刊1面

新型インフルエンザ:感染国に渡航歴ないのに…発熱患者の診察拒否 東京で63件

 ◇「成田勤務」「友人に外国人」

 新型インフルエンザへの警戒が強まる中、東京都内の病院で、発熱などの症状がある患者が診察を拒否される例が相次いでいることが分かった。都によると、2日朝~4日朝だけで計63件に上る。新型への感染を恐れたためとみられるが、感染者が出た国への渡航歴などがない患者ばかりで、診察拒否は医師法違反の可能性がある。大学病院が拒否したケースもあり、過剰反応する医療機関の姿勢が問われそうだ。

 患者から都に寄せられた相談・苦情によると、診察拒否のパターンは(1)患者が発熱しているというだけで診察しない(2)感染者が出ていない国から帰国して発熱したのに診察しない(3)自治体の発熱相談センターに「新型インフルエンザではないから一般病院へ」と言われたのに診察しない--の三つという。

 拒否の理由について都は「万一、新型インフルエンザだった場合を恐れているのでは」と推測する。

 拒否されたため、都が区などと調整して診療できる病院を紹介した例も複数あった。「保健所の診断結果を持参して」と患者に求めた病院や、成田空港に勤務しているとの理由で、拒否した例もあった。友人に外国人がいるというだけで拒否された患者もいたという。

 国や自治体は、熱があって、最近メキシコや米国など感染が広がっている国への渡航歴があるといった、新型インフルエンザが疑われる患者には、まず自治体の発熱相談センターに連絡するよう求めている。一般の病院を受診して感染を拡大させることを防ぐためだ。だが、単に熱があるだけなどの患者は、その対象ではない。

 都感染症対策課の大井洋課長は「診察を拒否する病院が増えれば、『症状を正直に申告しないほうがいい』といった風潮が広まるおそれがある」と懸念している。【江畑佳明】

毎日新聞 2009年5月5日 東京朝刊」



(2) 朝日新聞平成21年5月6日付朝刊

発熱診察拒否92件 都に相談「渡航歴ないのに…」
2009年5月5日22時16分

 新型の豚インフルエンザをめぐって東京都に寄せられた相談のうち、発熱などの症状がある患者が医療機関から診療を拒まれたという事例が、2日から5日昼までに92件あったことが分かった。都は医療機関に冷静な対応を呼びかけている。

 診療拒否の相談は、都が新型インフルエンザ感染を心配する患者らを対象に設置した電話相談窓口「発熱相談センター」に寄せられた。92件の半数以上は、「最近海外に渡航していないのに診察を拒まれた」という内容だったという。

 また、自治体の発熱相談センターから新型インフルエンザ感染の恐れはないと判定された患者が一般の医療機関から拒まれた事例や、成田空港に勤務しているという理由で拒まれたケースもあった。

 発熱などの症状があっても、国が発生国として指定しているメキシコ、米国、カナダからの帰国者でなければ、診察を拒まないで欲しいと、都は病院に呼びかけている。都健康安全部の加藤みほ副参事は「新型インフルエンザへの警戒心が強すぎるためだと思うが、診療拒否が増えると医療現場が混乱し、都民の不安も増す。適切に対応してほしい」と話す。

 同様の苦情は厚生労働省のコールセンターにも寄せられている。江浪武志・結核感染症課課長補佐は5日の会見で「相談件数や現場の実態などを確認し、(診断基準となる)症例定義が誤って伝わっているなら、正したい」と述べた。」



(3) 東京新聞平成21年5月6日付朝刊1面

都内の病院 発熱診察拒否92件
2009年5月6日 朝刊

 新型インフルエンザ発生国への渡航歴がないなど感染の恐れが少ないにもかかわらず、発熱などの症状で病院を訪れた人が診察を断られるケースが相次ぎ、厚生労働省は五日「単なる診察拒否なら重大な問題だ」として、全国の実態把握に乗り出すことを決めた。

 東京都はこれまでに九十二件を確認。厚労省は、悪質なケースで医療機関名が把握できれば、都道府県を通じた個別指導などを検討する方針。

 厚労省結核感染症課は「『感染の疑いがあれば発熱外来に誘導する』という国内発生後の対応を前倒ししているのか確認が必要」とする一方「現段階でのこうした対応は常識的に考えられない」と不快感を示している。

 東京都では、発熱相談センターに相談の電話が寄せられたことで判明。同様の例は今月二日から五日正午までで九十二件に上り大学病院が診察を断ったケースもあった。

 診察を拒否されたりセンターに相談するよう言われたりした人が大半だが、「成田空港に勤務」「友人が外国人」と話した途端、診察を拒まれた人も。センターの電話相談で一般病院に行くよう勧められたのに、実際に行くと、そこで拒否された例もあった。

 都は「新型インフルの発生やほかの患者への感染を恐れているのかもしれないが、病院は冷静に対応してほしい」と呼び掛けている。」



(4) 毎日新聞 2009年5月6日 東京朝刊

新型インフルエンザ:診察拒否、全国調査へ 都への苦情、92件に

 新型インフルエンザへの過剰な反応から、東京都内の病院で発熱しただけの患者の診察拒否が相次いでいる問題で、厚生労働省は5日、実態把握のため各都道府県に聞き取り調査することを明らかにした。

 厚労省のコールセンターにも同様の相談が寄せられているという。診察拒否をしている医療機関が確認されれば、都道府県に指導を要請する方針。

 一方、東京都の発熱相談センターには4日朝~5日正午の間に、同様の相談や苦情が29件寄せられた。4日朝までの分と合わせると計92件に達し、都感染症対策課は「診察拒否の多い悪質な病院には指導も考えたい」と話す。「父親が新型インフルエンザ発症国以外から帰国したが、診てもらえない」などの声が寄せられているという。【奥山智己、江畑佳明】

毎日新聞 2009年5月6日 東京朝刊」




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