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2010/01/06 [Wed] 23:28:58 » E d i t
今年1年間に刑を執行された死刑囚は計7人で、2008年の15人を大幅に下回りました。死刑執行はいずれも自公政権下の森法相時代のもので、7月を最後に行われておらず、政権交代後、民主党の千葉景子法相が就任してからは、執行は1件もありませんでした。



1.報道記事を幾つか。

(1) 東京新聞平成21年12月30日付朝刊26面

死刑判決 今年は34件  昨年比7件増 地・高裁は一けた

 全国の地・高裁と最高裁で今年言い渡された死刑判決(いずれも裁判官だけの裁判)は、昨年より7件多い34件(被告32人)に上ったものの、地・高裁は10年ぶりにそろって一けたにとどまったことが29日、共同通信の集計で分かった。また検察側の死刑求刑を退け、無期懲役としたケースが19件(被告17人)あり、死刑選択に慎重な姿勢もうかがえる。

 今年死刑が確定したのは17人。確定者は106人となり、うち61人が再審を請求している。死刑執行は前政権の森英介法相時代に2回あり、計7人が処刑された。

 集計によると、今年の死刑判決のうち、地裁は9人殺傷事件の無職金川真大被告(26)や16人が死亡した個室ビデオ店放火事件の無職小川和弘被告(48)ら9件。高裁判決も9件で、スナック乱射事件の暴力団幹部矢野治被告(61)ら。地裁と高裁双方で死刑判決を受けた被告が二人いる。

 最高裁判決は、オウム真理教元幹部の井上嘉浩死刑囚(40)や毒物カレー事件の林真須美死刑囚(48)ら16件。昨年は地・高裁含め1件のオウム事件が4件もあった。

 死刑判決の合計数は、90年以降の10年間は21~7件で、年平均13件だったが、2000年以降は46~25件に増え、年平均も35件に。地裁は00~07年、高裁は01年、03~08年にそれぞれ二けたの死刑判決を言い渡した。

 一方、死刑求刑を退けたのは秋田の連続児童殺害事件の畠山鈴香受刑者(36)らで、地裁6件、高裁11件、最高裁2件。地・高裁とも死刑を回避した被告が2人いる。

 今年の死刑確定者は最高裁判決を受けた被告のうち15人と、控訴や上告を取り下げた闇サイト事件の神田司死刑囚(38)ら2人。28日に控訴を取り下げた金川被告は来年確定する見通し。

 死刑執行は1990~92年が0、93~07年は9~1人で推移し、昨年は15人に上った。9月に就任した民主党の千葉景子法相は「死刑廃止を推進する議員連盟」の元メンバーで、執行には慎重とみられている。」



◆地・高裁、最高裁の死刑判決

1990年――地裁2・高裁3・最高裁7=計12
1991年――地裁3・高裁4・最高裁4=計11
1992年――地裁1・高裁4・最高裁5=計10
1993年――地裁4・高裁2・最高裁5=計11
1994年――地裁8・高裁4・最高裁3=計15

1995年――地裁11・高裁4・最高裁3=計18
1996年――地裁1・高裁3・最高裁3=計7
1997年――地裁3・高裁2・最高裁4=計9
1998年――地裁7・高裁7・最高裁7=計21
1999年――地裁8・高裁4・最高裁4=計16

2000年――地裁14・高裁6・最高裁6=計26
2001年――地裁10・高裁16・最高裁5=計31
2002年――地裁18・高裁4・最高裁3=計25
2003年――地裁13・高裁17・最高裁2=計32
2004年――地裁14・高裁15・最高裁13=計42

2005年――地裁13・高裁15・最高裁10=計38
2006年――地裁13・高裁15・最高裁16=計44
2007年――地裁14・高裁14・最高裁18=計46
2008年――地裁5・高裁14・最高裁8=計27
2009年――地裁9・高裁9・最高裁16=計34



(2) 朝日新聞平成21年12月30日付朝刊31面

死刑執行、09年半減 千葉法相、来年の判断は?
2009年12月31日6時51分
  
 今年に入ってこれまでに死刑が執行された人数は7人で、2008年の15人を大幅に下回ることが確実になった。政権交代以降に執行がなくなっているのが主な理由だ。ただ、かねて死刑反対を唱えてきた千葉景子法相は、大臣就任後は「執行しない」との態度を明確にしているわけではなく、来年以降もこの傾向が続くかは未知数だ。

 執行ペースはここ数年、大幅に早まっていた。06年は4人だったが、鳩山邦夫元法相の時代に「2~3カ月に一度、1回に数人」が定着。07年は9人、08年は15人だった。今年は森英介前法相のもとで1月29日に4人、7月28日に3人の執行があった後は5カ月間、途絶えている。

 一方で死刑確定者は増えている。法務省が28日現在で把握しているところでは、今年は15人が新たに確定し、確定者の総数は104人になった。このほか最高裁で死刑が維持され、判決訂正の申し立ても24日付で棄却された被告が2人おり、今年の確定者はさらに増える見通し。

 増加の背景には「厳罰化」がある。朝日新聞のまとめでは、今年1年で延べ34人が地裁、高裁、最高裁のいずれかで死刑判決を受けた。27人だった08年に比べ7人増。1999年までの数年は年間20人未満で推移していたが、2000年から急増。この数年は04年42人、05年38人、06年44人、07年46人となっている。

 死刑廃止議連のメンバーでもあった千葉法相は9月の就任時に、執行について「できるだけ慎重に対処したい」「国民的議論を踏まえて道を見いだしたい」などと述べた。一方で、「制度的には執行が義務」とも語り、結局、執行命令書に署名するかどうかは明らかにしていない。

 来年は裁判員裁判で検察側が死刑を求刑する事件の審理が初めて行われる見通しだ。千葉法相は、25日にあった今年最後の記者会見でも、国民的議論の具体策を問われて「今、申し上げる段階にはない」と述べるにとどまった。しかし、死刑判決に市民の判断が反映される段階に来て、執行のあり方についての関心も高まるのは必至だ。(延与光貞、中井大助)」



(3) NHKニュース(12月30日 18時7分)

政権交代後 死刑執行“停止”

12月30日 18時7分
 死刑の執行は、ここ数年、ペースが速まり、平成21年も7月までに7人が執行されましたが、政権が交代した以降は事実上、停止しています。22年は一般の市民が死刑かどうか判断することになる裁判員裁判も開かれ、死刑制度をめぐる議論が高まることが予想されます。

 死刑の執行は、死刑囚の増加などを背景に、ここ数年、速まる傾向にあり、平成20年はこの10年間で最も多い15人が執行され、21年も7月までに7人が執行されました。しかし、その後、政権が交代した以降は1人も執行されていません。千葉法務大臣をはじめ、死刑廃止の立場をとっていた複数の国会議員が閣僚に就任したことが影響しているものとみられています。

 一方、21年に新たに死刑が確定したのは、毒物カレー事件の林真須美死刑囚など17人で、全国の拘置所にいる死刑囚は106人になっています。

 首都大学東京法科大学院の前田雅英教授は「国民の80%が死刑制度を支持しているなかで、執行が行われないと裁判や法制度に対する信頼が損なわれる。仮に次の衆議院選挙まで執行が止まるようであれば問題だ」と指摘しています。日弁連死刑執行停止実現委員会の小川原優之事務局長は「この機会に制度の存廃について国民的な議論を進めるため、政府は死刑に関する情報をできるだけ明らかにすることが必要だ」と話しています。

 22年は一般の市民が裁判員として死刑かどうか判断することになる裁判も開かれ、死刑制度をめぐる議論が高まることが予想されます。」



(4) 毎日新聞 2010年1月1日 東京朝刊

死刑執行:09年は7人、08年から半減 現政権下はゼロ

 09年に死刑を執行された死刑囚は7人で、08年の15人を大きく下回った。執行はいずれも自民党政権下で、民主党政権下ではまだ行われていない。

 09年の執行は1月と7月に森英介前法相下で行われた。鳩山邦夫元法相が07年12月に執行後、一時期はほぼ2カ月に1度の執行だったが、裁判員制度の施行準備や足利事件の再審開始決定(6月)などの影響で間隔が空いたとみられる。00~07年の執行者数は年間1~9人で、従来の執行に戻ったともいえる。

 政権交代で「死刑廃止を推進する議員連盟」メンバーだった千葉景子氏が法相に就任後は一度も執行がない。ただ、千葉法相は「法相の法に基づいた職務は存在している」と発言し、今後執行するか否かについては態度を明らかにしていない。

 一方、死刑確定者数は08年末には100人だったが、09年末時点で106人に増えた。【石川淳一】

毎日新聞 2009年12月31日 18時22分(最終更新 12月31日 20時14分)



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2009/07/28 [Tue] 23:59:23 » E d i t
森英介法相は平成21年7月28日午前、山地悠紀夫さん(25)=大阪拘置所=、前上博さん(40)=大阪拘置所=、中国籍の陳徳通(41)=東京拘置所=ら3人に対して、死刑を執行したと発表しました。

森法相の下では3度目であって合計9人を執行しています。これで、未執行の死刑確定囚は101人となっています。衆院解散中の執行は1993年に一時止まっていた死刑執行が再開されて以来、例がありません。

執行は1月29日以来半年ぶりで、鳩山邦夫元法相時代から前回執行まで続いた2~3カ月に1回のペースは途切れた格好となっていますが、森法相は会見で「執行と執行との間隔や時期などは全く意識していない」などと、お惚け発言をしています(「死刑囚3人の刑執行 裁判員制度開始後初めて」(【共同通信】(2009/07/28 12:31)))。



1.報道記事を幾つか。

(1) 朝日新聞平成21年7月28日付夕刊1面(4版)

3人の死刑執行 半年ぶり
2009年7月28日11時46分

 森法相は28日午前に記者会見を開き、死刑囚3人の死刑を同日朝に執行した、と発表した。死刑の執行は今年1月に4人に対して行われて以来、約半年ぶりで、森氏が昨年9月に就任してからは3回目。確定死刑囚はこれで101人となった。

 執行されたのは、05年2~6月、大阪や兵庫に住む14~25歳の自殺志願者3人をインターネットの自殺サイトで誘い出して殺害した前上(まえうえ)博死刑囚(40)▽05年11月に大阪市のマンションで27歳と19歳の姉妹を殺害した山地悠紀夫死刑囚(25)▽99年5月に川崎市で同居していた中国人ら3人を殺害し、3人にけがを負わせた中国籍の陳徳通死刑囚(41)――の3人。前上死刑囚と山地死刑囚は大阪拘置所で、陳死刑囚は東京拘置所でそれぞれ執行された。

 前上死刑囚は07年、山地死刑囚は06年にそれぞれ大阪地裁から死刑判決を言い渡され、弁護人が控訴したが、いずれも本人が控訴を取り下げて07年に死刑が確定。陳死刑囚には横浜地裁川崎支部が01年に死刑判決を宣告。東京高裁、最高裁も一審判決の結論を支持し、06年に確定した。

 死刑は、約1年の在任期間中に13人に執行した鳩山元法相の在任中、約2カ月に一度の割合で執行された。森氏も昨年9月に就任して以来、昨年10月、今年1月と比較的近いペースで執行したが、今回はそれと比べて大きく間隔が空いた形となった。」



(2) 毎日新聞平成21年7月28日付東京夕刊1面

死刑執行:3人に執行 半年ぶり--法務省

 法務省は28日、大阪市の姉妹殺害事件の山地悠紀夫死刑囚(25)=大阪拘置所=や、自殺サイトを悪用した男女3人連続殺人事件の前上博死刑囚(40)=同=ら3人の死刑を執行したと発表した。死刑執行は1月29日以来6カ月ぶりで今年2回目。森英介法相の執行命令は3回目。これで確定死刑囚は101人になった。

 執行は5月21日の裁判員制度施行後初めて。07年12月の死刑執行以降、執行はほぼ2カ月に1回のペースだったが、今回は国会審議に加え、同制度の施行準備や、足利事件の再審開始決定(6月)をめぐる対応などで間隔が空いたとみられる。

 確定判決などによると、山地死刑囚は05年11月17日、大阪市浪速区のマンションに侵入。当時27歳と19歳の姉妹を刺殺し、現金を奪い室内に放火した。

 前上死刑囚は練炭自殺を装ってインターネットの自殺サイトへの投稿者を勧誘。05年2~6月、大阪府内で、当時14~25歳の中学生や大学生ら男女3人を窒息させ殺害した。地裁公判で「半年以内に手続きを終えてほしい」と述べていた。

 陳徳通死刑囚(41)=東京拘置所=は99年5月、川崎市のマンションで同居中国人男女から家賃の未払いなどを理由に暴行されたことを恨み、当時23歳と30歳の男性2人と27歳の女性1人の計3人を殺害した。

 死刑確定から執行までの期間は、山地死刑囚が2年1カ月、前上死刑囚が2年、陳死刑囚が3年だった。【石川淳一】

毎日新聞 2009年7月28日 東京夕刊」



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2009/06/15 [Mon] 00:21:03 » E d i t
飯塚事件については、足利事件を契機として何度か触れています(<1>「「足利事件」の菅家さん、17年半ぶりに釈放~再審開始が確定的に」(2009/06/06 [Sat] 16:53:34)、<2>「「飯塚事件」再審請求へ~旧鑑定に依拠した死刑判決であったのに、なぜ死刑執行したのか?(東京新聞平成21年6月5日付「こちら特報部」より)」(2009/06/13 [Sat] 15:39:20)参照)。

「飯塚事件」とは、いわゆる「東の足利」が覆った今、「西の飯塚」はどうなるのかと囁かれる事件のことです(「「「足利事件」 の菅家さん釈放を巡る報道記事を紹介(2):朝日新聞の場合~「東の足利」が覆った今、「西の飯塚」はどうなるのか――。」(2009/06/07 [Sun] 23:59:44)参照)。何度も触れている問題ではありますが、東京(中日)新聞は、事件現場となった福岡県飯塚市に取材を行い、それを記事にしていたことから、紹介することにしました。



1.東京新聞平成21年6月14日付朝刊25面「現場考」

死刑 待てなかったのか  
 「飯塚事件」死後再審願う妻
2009年6月14日 朝刊

 東の足利、西の飯塚-。一九九〇年代前半、初期のDNA型鑑定によって有罪認定された受刑者が、再審を求める二つの事件があった。「足利事件」の菅家利和さん(62)は十七年半ぶりに釈放されたが、二人の女児を殺害したとして死刑判決を受けた「飯塚事件」の久間(くま)三千年(みちとし)元死刑囚は昨年十月、七十歳で死刑を執行された。再審請求前だったが執行の時期に誤りはなかったのか。一方で事件の現場では「もう済んだ話だと思っていたが」との戸惑いが広がっている。 (荒井六貴、佐藤直子)

■住民は「もう済んだ」

 「今、ここまで執行されているが、自分の番まではまだあるかな」。昨年九月、弁護団の徳田靖之弁護士が福岡拘置所で面会した際、久間元死刑囚は確定死刑囚のリストを示しながら語っていた。

 昨年十月中旬、足利事件の再審請求で、東京高裁が最新技術によるDNA型の再鑑定を実施する方針であることが報じられた。弁護団も希望を見いだした。しかし、久間元死刑囚は直後の同月二十八日に死刑が執行された。

 足利事件の再鑑定の動きを知りながら、法務省は精度の低い初期の鑑定を基に刑が確定した死刑囚の執行に踏み切った。確定から二年というスピード執行だった。

 「早く再審請求をしていれば」と弁護団は悔やむ。「足利の再鑑定が動きだす中での執行は、判断の誤りではないか」と指摘する。足利の弁護団と連携しながら、年内に死後再審の開始を請求するが、捜査に使われた試料は残っておらず、足利の再鑑定で、初期のDNA型鑑定の信ぴょう性が疑わしくなったことを突破口にしたい考えだ。

 「弁護士さんに(再審請求の)意思は伝えています」。久間元死刑囚の妻は九日、福岡県飯塚市の自宅前で心境を明かした。弁護団によると、妻は事件後も地元を離れず、働きながら一人息子を育てたという。

 「足利のことはよく分かりません。(無実だという)本人の言葉を取り上げてほしかった。(死刑を執行されたら)言いたいことを言えないままでしょ」と、記者に厳しい視線を向けた。

 飯塚市内の同じ小学校に通学する一年生の女児二人=当時(7つ)=が、登校途中に姿を消したのは一九九二年二月。現場は民家の壁に囲まれた三差路とみられ、現在も通学路になっている。

 近所の無職男性(80)は「もう済んだもんだと思っていたが、どう判断していいのか」と戸惑いを見せる。

 二人の女児の遺体は約二十キロ離れた薄暗い雑木林で見つかった。現場には三十センチほどの二体の地蔵が置かれていた。久間元死刑囚の再審請求の動きに、女児の母親は「もう結構です」とだけ答えた。

【飯塚事件】 1992年2月、福岡県飯塚市の小学1年女児2人が行方不明になり、遺体が南東部にある甘木市(現・朝倉市)の山中で絞殺体で見つかった。目撃された車などから、久間三千年元死刑囚が浮上。女児の体内から検出された体液のDNA型が一致したことや、車のシートの繊維が女児のつめから見つかったなどの状況証拠から福岡県警が94年9月に逮捕。捜査段階から否認を続けたが、一審の福岡地裁は99年、「鑑定の証拠能力を肯定できる」と死刑を言い渡した。最高裁で2006年に確定し、昨年10月に死刑が執行された。」




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2008/12/30 [Tue] 23:59:19 » E d i t
全国の地・高裁と最高裁で今年言い渡された死刑判決は27件で、昨年より19件少なかったことが明らかになりました。一方で、今年の死刑執行は5回計15人(昨年9人)と急増しており、しかも、今年死刑が確定したのは10人(昨年23人)であったことから、今年の死刑確定者を上回る執行がなされたのです。


1.報道記事を幾つか。

(1) 東京新聞平成20年12月29日付朝刊22面

死刑判決27件に減少 確定者100人 執行は15人と急増 今年の集計
2008年12月28日 21時35分

 全国の地・高裁と最高裁で今年言い渡された死刑判決は27件で、昨年より19件少なかったことが28日、共同通信の集計で分かった。殺人と強盗が不況のどん底だった2003年をピークに減少していることを反映し、死刑判決の増加傾向が止まった形だ。今年死刑が確定したのは10人(昨年23人)で、現在の確定者は100人。

 一方、今年の死刑執行は5回計15人。確定者を上回り、10人以上の執行は1976年以来。死刑廃止国が増え、国連で死刑停止決議などが相次ぐ中で、突出した執行急増国となっている。

 集計は最高裁、法務省の統計と関係機関・団体への取材に基づく。

 今年の死刑判決のうち地裁は、長崎市長射殺事件の城尾哲弥被告(61)ら5件で、地裁の死刑判決が1けたにとどまったのは99年以来。

 高裁判決は、最高裁で無期懲役が破棄され、審理が差し戻された山口県光市の母子殺害事件の元少年(27)ら14件。暴力団組長ら3人射殺事件の高見沢勤(被告(53)は2月に前橋地裁で、12月には東京高裁でそれぞれ死刑を言い渡された。

 最高裁判決はオウム真理教元幹部林泰男死刑囚(51)、山口県下関駅15人殺傷事件の上部康明死刑囚(44)ら8件。

 死刑判決の合計件数は03年以降、30-40件台で、昨年は集計のある80年以降最多の46件。しかし、03年に1452件あった殺人が昨年は戦後最少の1199件となり、強盗も昨年は03年より約3100件少ない4567件に減った。

 今年の死刑確定者は最高裁判決を受けた被告のほか、控訴や上告を取り下げた2人。宝石商ら強盗殺人事件の元警察官沢地和夫元死刑囚=当時(69)=ら2人が獄死した。

 確定者100人のうち12月5日現在55人が再審を請求し、12人が恩赦を出願している。」



(2) 毎日新聞平成20年12月29日付東京朝刊24面

死刑判決:今年は27人 昨年より19人減、厳罰化は変わらず

 今年1年間に全国の裁判所で死刑を言い渡された被告は27人だったことが、毎日新聞の調べで分かった。最高裁にデータがある80年以降で最多の46人だった昨年から大幅に減少した。重大事件数の減少などが理由とみられるが、被害者が1人の殺人事件や少年事件で死刑が言い渡されるなど議論を呼ぶ判決が目立ち、厳罰化の流れに変化はなさそうだ。

 27人の内訳は▽1審5人▽控訴審14人▽上告審の最高裁で8人。主な判決では▽山口県光市の母子殺害事件で殺人罪などに問われた当時18歳の元少年(4月22日、広島高裁)▽伊藤一長・前長崎市長射殺事件の城尾哲弥被告(5月26日、長崎地裁)▽埼玉・本庄の保険金殺人事件の八木茂死刑囚(7月17日、最高裁)など。

 光市事件では、少年への死刑適用が争われた。市長射殺事件は、強盗や身代金目的誘拐などでない被害者1人の事件で死刑が選択された。最高裁が83年に死刑選択の判断要素9項目を示した「永山基準」やその後の判例に照らし、量刑に議論を呼ぶ判決が目立った。

 死刑判決を受けた被告数は80年以降、年間5~23人だったが、01年に30人に達した。その後は▽02年24人▽03年30人▽04年42人▽05年38人▽06年44人▽07年46人--と増え続けていた。【北村和巳】

毎日新聞 2008年12月29日 東京朝刊」


■死刑判決をうけた被告人数の推移

・99年―――16人―――獄死者1人
・00年―――16人
・01年―――30人
・02年―――24人
・03年―――30人―――獄死者2人
・04年―――42人―――獄死者1人
・05年―――38人
・06年―――44人
・07年―――46人―――獄死者1人
・08年―――27人―――獄死者2人」

(*毎日新聞平成20年12月29日付東京朝刊24面と、東京新聞平成20年12月29日付朝刊22面の図表を参考にしたもの。)



(3) 毎日新聞 2008年12月22日 東京朝刊

死刑執行:今年15人、確定者上回る 9年ぶり、加速鮮明

 今年1年間に死刑を執行された人数が、9年ぶりに年間の死刑確定者数を上回ることが確実になった。21日までに15人が死刑を執行された一方、死刑判決の確定者は10人。厳罰化の流れや確定死刑囚の増加を背景に、刑執行を加速する法務省の姿勢が鮮明になった。

 法務省の統計によると、99年は5人に死刑が執行された一方、確定者数は4人で、執行者数が上回ったが、00~07年の執行者数は1~9人、確定者数は2~23人で推移し、執行者数が下回っていた。

 だが、今年の死刑執行は鳩山邦夫元法相下で3回(2月3人、4月4人、6月3人)、保岡興治前法相下で1回(9月3人)、森英介法相下で1回(10月2人)と、ほぼ2カ月に1回のペースで計5回行われた。このうち連続幼女誘拐殺人事件の宮崎勤死刑囚は判決確定から2年4カ月で執行され、確定から執行までが短期化していることも特徴だ。

 一方、今年の死刑確定者は▽オウム真理教事件の林泰男死刑囚(51)=3月確定▽静岡・三島の女子短大生焼殺事件の服部純也死刑囚(36)=同▽埼玉・本庄の保険金殺人事件の八木茂死刑囚(58)=8月確定▽下関駅通り魔事件の上部康明死刑囚(44)=同=ら10人。

 年間の死刑確定者数は04年の14人以降、05年11人、06年21人、07年23人と2けたに乗り、年末時点の確定死刑囚数は05年の77人から急増し、現在は100人だ。【北村和巳】

毎日新聞 2008年12月22日 東京朝刊」




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テーマ:死刑 - ジャンル:政治・経済

2008/11/03 [Mon] 23:27:02 » E d i t
市民的及び政治的権利に関する国際規約(「自由権規約」)に基づく、国連(UN)の自由権規約委員会(Human Rights Committee)は2008年10月30日、日本の人権保障状況に関して問題の改善勧告を含む「最終見解」を公表しました。これは、自由権規約の実施状況に関する第5回日本政府報告書に対して、2008年10月15日、16日に行われた審査を踏まえたものです。


1.「最終見解」は、合計34項目にも及ぶ詳細な評価・勧告となっています。ですから、自由権規約委員会は、日本の人権状況保障状況は、広範囲にわたって問題点があると指摘しているといえます。後で詳しい内容を引用しておきますが、全体的な特徴について触れておきます。

(1) 「最終見解」の中では、少しだけ評価を受けた点がありました。

前回の審査から今回の審査までの10年間に、<1>男女平等社会の実現を目指す方策(男女共同参画基本計画の樹立、女性の雇用差別、DV防止法改正など女性と子どもに対する暴力問題)に関して、一定の改善がなされたこと、<2>及び国際刑事裁判所への加盟等を積極的な側面として評価しています(会長声明集 Subject:2008-10-31 国際人権(自由権)規約委員会の総括所見に対する会長声明)。



(2) しかし、自由権規約委員会は、第6パラグラフから第34パラグラフに至る29項目にもわたり、日本政府に対して具体的な改善勧告を行っています。勧告内容は多岐にわたるとともに、1998年の前回勧告に比べても極めて具体的かつ詳細なものになっています(「アムネスティ・インターナショナル日本」の「日本 : 自由権規約委員会の最終見解発表 日本の人権保障政策のグランドデザインが示される」(2008/10/31) )。

 イ:問題とされた主要な項目は次のものです。(( )はパラグラフの項目の数字です。)

<1>法執行官への人権研修、および国内人権機関(6、7、8、9)
<2>公共の福祉(10)
<3>女性差別(11、12、13、14、15)
<4>死刑制度、および被拘禁者の人権(16、17、21)
<5>代用監獄、および捜査取り調べの可視化(18、19)
<6>刑事施設および留置施設視察委員会(20)
<7>日本軍性奴隷制(22)
<8>人身売買(23)
<9>外国人研修および技能実習生(24)
<10>出入国管理(25)
<11>表現の自由(26)
<12>子どもの虐待、および婚外子差別(27、28)
<13>LGBTへの差別(29)
<14>マイノリティへの差別(30、31、32)
<15>報告期限および勧告の配布(33)



 ロ:報道では、自由権規約委員会は、日本の死刑制度について「ここ数年、死刑執行の件数が着実に増えている」として懸念を示したとして(NHKニュース(10月31日 12時7分))、日本政府に対し、「(国内の)世論調査に関係なく死刑制度の廃止を検討すべきだ」と勧告したという点が大きく取り上げられました。その死刑問題についてのパラグラフは、詳しくは次のようなものです。

パラグラフ16では、次のように勧告された。「世論の動向にかかわりなく、締約国は死刑の廃止を考慮すべきであり、一般世論に対して、死刑を廃止すべきであるということを必要な限り説明すべきである。現段階では、規約6条の2に規定された通り、死刑は最も重大な犯罪のみに厳格に限定すべきである。死刑囚の処遇、高齢者に対する死刑執行や精神疾患を持つ人の死刑執行については、より人道的なアプローチがとられるべきである。締約国はまた、死刑囚や家族が死刑執行に絡む心理的な負担を少しでも軽くすることができるよう、死刑の執行日時に関して、十分な期間的余裕をもって事前に知ることができるようするべきである。死刑囚に対しては、恩赦、減刑、執行延期手続きなどがより柔軟に認められるべきである。」

パラグラフ17では、次のように勧告された。「締約国は、死刑事件に関しては必要的再審査手続きを設けるとともに、再審請求や恩赦の出願がなされている場合には執行停止の措置をとるべきである。恩赦の出願に関して回数制限を設けることは考慮してもよい。再審請求にかかわる弁護人との打ち合わせについては、すべて秘密接見交通が保障されるべきである。」

これらに加えて、パラグラフ21では、次のように指摘された。「締約国は、死刑囚の拘禁を原則として昼夜間独居とすることについて、そうした原則を緩め、昼夜間独居は限られた期間のみの例外的な措置とし、期間制限を設けること。保護房に収容される囚人の身体的、精神的診断を事前におこなうこと。不服申立てができずに明確な基準もなく指定される「第4種制限区分」により一定の囚人を隔離処遇することを止めること。」


このように、死刑問題については、パラグラフ16・17にわたって詳細に勧告を行っています。昼夜にわたる独居拘禁の関係のパラグラフ21でも取り上げられ、合計3つのパラグラフにおいて勧告するほど、死刑問題については問題視しているといえます。

  (イ) パラグラフ16では、死刑を廃止していない現段階においても、死刑の適用犯罪を「最も重大な犯罪」に厳格に限定すべきことを求めています。これは、以前の勧告内容に厳格性要件を付け加えたものであって、「具体的な立法措置として死刑適用犯罪を減少させ、量刑基準も客観的かつ厳格にすることが求めたもの」(「アムネスティ・インターナショナル日本」の「日本 : 自由権規約委員会の最終見解発表 日本の人権保障政策のグランドデザインが示される」(2008/10/31) )といえるのです。

要するに、自由権規約委員会は、立法により、明確に死刑の適用を減らせと要求しているのですが、体感治安の悪化という感覚だけによる厳罰化の要請に流されて、死刑の適用を増やしている裁判所への非難でもあるといえます。

  (ロ) また、パラグラフ16では、死刑確定者の保護の改善をも要請しています。(a)高齢者、精神障害者への死刑執行に関しては、厳格な保障手続を設けることを要請し、(b)死刑囚や家族の心理的な負担を少しでも軽くため、死刑執行の日時については、十分な期間的余裕をもって事前に告知すること、(c)現実的に機会を奪われ、その結果再三にわたる請求を余儀なくされている再審請求や恩赦出願に関して、これらを柔軟に認めること、を求めています。

刑訴法480条は心神喪失者への刑の執行停止を定め、482条2号は「年齢70年以上」の者への刑の執行停止を定めており、事実認定の誤りを救済するという再審請求制度といったより人権に配慮した趣旨を貫くことを求めたものですから、(a)~(c)の要請は、日本政府が日本の現行法の趣旨を歪めた対応をしているとさえ、いえるものです。

  (ハ) パラグラフ17では、死刑確定者の救済措置の改善を要請しています。(a)死刑判決での必要的再審制度の導入、(b)再審・恩赦の請求について、必要的に死刑執行停止の効力を持たせること、(c)再審手続に関しては、再審が実際に開始されるまで秘密接見交通が認められないのが現状であるため、再審請求の手続に関して、弁護人との秘密接見交通を保障すること、を求めています。

これらは、「公正な裁判を保障する上での当然の措置だが、これがとられていない日本の現状が極めて厳しく糾されたもの」(「アムネスティ・インターナショナル日本」の「日本 : 自由権規約委員会の最終見解発表 日本の人権保障政策のグランドデザインが示される」(2008/10/31) )といえます。

  (ニ) パラグラフ21では、刑事拘禁制度の改善を要請しています。すなわち、死刑囚を例外なく、昼夜独居拘禁とする現在の体制を緩和し、昼夜間独居拘禁は限られた期間のみの例外的な措置とすることを求めています。

人間を独居拘禁の環境に長期間おいておくと人格は崩壊するのですから、故意に精神疾患に陥らせているとさえいえるため、憲法13条(個人の尊重)、18条(奴隷的拘束の禁止)、36条(残虐な刑罰の禁止)に違反するおそれがあります。これは、日本政府が日本の現行法に反し、非人道的な対応をしているとして、非難しているものと判断できます。


 ハ:特徴的な点は、パラグラフ34において、パラグラフ17、18、19、21に関しては、自由権規約委員会は、日本政府に対して1年以内に進捗状況について報告することを求めていることです。すなわち、

<a>パラグラフ17の内容:死刑事件に関しては必要的再審査手続の創設、再審請求や恩赦請求がなされている場合は必要的に執行停止、再審請求に関して弁護人との間で秘密接見交通を保障、
<b>パラグラフ18の内容:代用監獄制度の厳格な保障措置を満たさない限り廃止、尋問での弁護人の立会の肯定、起訴前保釈の導入)、
<c>パラグラフ19:長時間の取調べ禁止・規制違反の場合の罰則創設、取り調べの全過程のビデオ録画、取り調べへの弁護人の立会い、黙秘を不利益に判断せずに、裁判所は自白よりも科学的な証拠に依拠すべき、
<d>パラグラフ21:死刑囚を例外なく昼夜間独居拘禁する体制を緩和すること、保護房拘禁の最長時間を制限し、事前に医師の診断を必要とすること、審査の申請のできない独居拘禁を継続しない、


については、1年以内の改善を求めているのです。

その他、以前に勧告され未だ実現していない項目についても、今後の審査における報告義務が規定されており、徹底したものとなっています。また、自由権規約委員会は、パラグラフ33により、日本政府がこの「最終見解」への対応などを3年後の2011年10月29日までに報告するよう求めており(NHKニュース(10月31日 12時7分))、かなり短期間に報告することを求めています。

パラグラフ33では、次回報告期限を短めに設定するとともに、今回の「最終見解」の内容について、社会一般のみならず、政府、行政府、司法府部内の末端に至るまで、その内容を周知徹底させることを特に強調しています。「日本政府の今回の審査に際しての回答が形式にとどまり、かつ前回勧告からほとんど進展がなかった点を強く懸念しての要請事項」(「アムネスティ・インターナショナル日本」の「日本 : 自由権規約委員会の最終見解発表 日本の人権保障政策のグランドデザインが示される」(2008/10/31) )です。要するに、自由権規約を批准しておきながら、自由権規約を遵守せず、条約の誠実な遵守を要求した憲法98条2項に反している対応を強く非難したため、あえて指摘したものといえます。


 ニ:特徴的な点としては、日本政府が日本国民に知らせる責任を懈怠していることを非難している点をも挙げることができます。

今回の審査に際しては、さまざま場面で日本政府は世論の動向や反対意見の存在を、改善措置をとらない言い訳として用いていました(例えば、死刑制度の存在、民法における差別的規定の存在)。しかし、国民の多数派に歯止めをかけて、少数派の人権を保障することにこそ、人権を保障する意義がある以上、人権制約の問題は、世論の動向で決めてはならないのです。ですから、「むしろ世論や一般に広まる誤解を是正する役割や責任が締約国にあることが、再三指摘されています」(「アムネスティ・インターナショナル日本」の「日本 : 自由権規約委員会の最終見解発表 日本の人権保障政策のグランドデザインが示される」(2008/10/31) )。

その例として挙げることができるのは、すでに述べたパラグラフ33のほかに、パラグラフ16があります。パラグラフ16では、「世論の動向にかかわりなく、締約国は死刑の廃止を考慮すべきであり、一般世論に対して、死刑を廃止すべきであるということを必要な限り説明すべきである。」と勧告しています。「世論の動向にかかわりなく」という点は、人権保障の意義、立憲主義的憲法の目的からすれば、あまりにも当たり前の指摘なのですから、「日本政府は、人権保障の意義について無知すぎる」と罵倒されているに等しいものです。

他にも、民法における差別的規定の存在についても(パラグラフ11、28)、委員は、「死刑と同様、国内に反対意見があることを差別的制度存続の理由にしてはならない」と批判を行っています(「アジア女性資料センター」の「国連人権委員会自由権規約審査:進展ない女性差別解消に強い批判」(投稿日時: 2008-10-20))。各人の実質的差異といった合理性がなければ差別は許されないのですから(憲法14条、相対的平等)、反対意見があることだけでは合理的な理由とならず、憲法14条に反するものです。日本政府は、ごくごく当然の批判を受けたのです。


 ホ:他の特徴としては、日本政府は他の団体と協力することを求めています。すなわち、自由権規約委員会は、「最終見解」の冒頭パラグラフ2において、日本弁護士連合会やアムネスティ・インターナショナル日本といったNGOと政府とが不断に対話することにより、人権状況を改善する努力を強く求めているのです。


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テーマ:死刑 - ジャンル:政治・経済

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