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主に社会問題について法律的に考えてみる。など。
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2008/07/07 [Mon] 23:16:48 » E d i t
民法の規定が壁になって無戸籍となった子どもら5都府県の6人が7月1日、自らの戸籍を得るため、実の父親との親子関係の確認を求める調停(認知調停)を地元の家庭裁判所に一斉に申し立てました。「認知調停」は、前夫にかかわりなく進められるのがメリットのはずであり、最高裁が「認知調停」が可能であることを各裁判所に周知したこともあって、無戸籍の子どもや母親たちは、安心して地元の家庭裁判所に申し立てたのですが、現実の裁判では異なっていたことが判明しました。



1.毎日新聞平成20年7月7日付夕刊9面

無戸籍児:認知調停で「前夫に連絡」も 戸惑う母たち「かかわりなしのはずが」

 ◇300日規定、無戸籍の「解消」

 離婚後300日規定による無戸籍児について「現夫の子」と戸籍に記載するため、母親らが各地の家庭裁判所に申し立てている認知調停。子が実父(母親の現夫)を相手に「自分の子」と認めてもらう手続きのため、前夫にかかわりなく進められるのがメリットとされていた。しかし実際には、家裁から「前夫に連絡を取らなければならないこともある」と説明されるケースが相次いでおり、母親らに戸惑いが広がっている。【工藤哲】

 300日規定に基づく「前夫の子」を「現夫の子」と戸籍に記載するには▽親子関係不存在確認▽嫡出否認の調停や裁判の手続きが一般的だが、いずれも前夫が手続きの直接の当事者となる。一方、認知調停は、前夫が直接の当事者にならないため、前夫から暴力を振るわれたりして連絡を取りたくない場合などに役立つとされる。

 最高裁は先月、ホームページで「(前)夫が長期の海外出張、受刑、別居など、妻が(前)夫の子を妊娠する可能性がないことが客観的に明白である場合」との前提で、この手続きを紹介した。裁判所内部の研修でも認知調停の講義を取り入れるなど周知徹底に乗り出した。これを機に「無戸籍児家族の会」が無戸籍児の母親らに呼びかけ、今月から次々と家裁への申し立てが行われている。11日までに全国で25人が予定している。

 しかし、1日に千葉家裁の支部に申し立てた千葉県内の女性(38)によると、家裁の窓口の担当者から「前夫に連絡して確認させていただく可能性がある」と言われたという。昨年12月に産んだ女児が無戸籍で、前夫は携帯電話にも応じない状態が続いている。女性は「もし、このまま連絡が取れなければ、調停はできないのでは」と心配する。

 昨年3月に出産した女児を抱える埼玉県の女性(36)は、3日にさいたま家裁の支部に申し立てたが、「裁判所から『親子関係不存在確認の方がいいかもしれない』と言われた。調停に期待していただけに不安」と話す。

 こうした対応について、最高裁家庭局は「夫婦の別居状況や離婚の理由などは個々で異なる。調停では、それらの事情を基に判断することになる。必要があれば前夫から話を聞くこともある」と説明。ただ、具体的な判断基準は示していない。

 自身も認知調停で子供の無戸籍状態を解消した無戸籍児家族の会の井戸正枝事務局長は「私の場合は前夫とかかわらずに調停を成立させることができた。前夫とかかわれない、あるいはかかわりたくない事情がある母親らが認知調停に踏み切っている。裁判所は理解してほしい」と訴えている。

 ◇データの蓄積で条件見えてくる--離婚訴訟や家族法に詳しい榊原富士子弁護士の話

 住民票など客観的資料で妊娠時に前夫と別居していたことを示せない場合、確認のため裁判所が前夫を呼ぶこともあり得る。申し立てが増え、前夫を巻き込まないケースに関するデータが蓄積されれば、呼ぶ、呼ばないの条件も見えてくるだろう。

毎日新聞 2008年7月7日 東京夕刊」

(*「『現夫の子』とするための調停や裁判」についての図表は省略しました。)




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2008/06/17 [Tue] 01:07:28 » E d i t
親子2代にわたる「無戸籍の連鎖」が解消されることになりました。

いわゆる民法の離婚後300日規定が原因で戸籍がない兵庫県の女性が先月出産した男の子について、子供の出生届が受理されず無戸籍のままになる恐れがありました。その解消の要望を受けて鳩山邦夫法相が配慮する考えを示したため、法務省の異例の指示で、女性の夫である男性の長男として6月11日、出生届が受理され、戸籍が作られたからです。



1.まず、報道記事を幾つか。

(1) 毎日新聞平成20年6月12日付朝刊1面

無戸籍:女性の子に戸籍 法律婚認め、救済--法務省

 離婚後300日規定により無戸籍となった兵庫県内の女性(27)が5月末に出産した男児が11日、同県内の自治体で出生届を受理され、戸籍に記載された。女性は戸籍がなく事実婚を余儀なくされた。このため男児の出生届の受理には女性の戸籍が必要で、男児も無戸籍となることが懸念されていた。法務省は、女性の無戸籍のままでの結婚(法律婚)を認め、通常の夫婦のケースと同様に夫の戸籍に記載することで、無戸籍となることを避けた。

 法務省によると、当事者が無戸籍での婚姻届を認めたのは初めて。無戸籍者の結婚を認めて親子2代にわたる無戸籍を回避した手続きは、同様のケースの救済につながりそうだ。

 戸籍法の施行規則は、結婚を届ける際に、戸籍謄本など名前や年齢など身分を証明する書類の提出を義務付けており、自治体は通常、戸籍謄本の提出を求めている。

 法務省民事局によると、今回は代替書類として、医師による出生証明書などで、女性の身分事項が証明できたため、これまで事実婚だった夫との法律婚を認めた。

 そのうえで、結婚によって新たに作られた夫を筆頭者とする戸籍では、「無籍者」である女性との結婚経緯を記載。妻である女性の欄は無戸籍のため記載せず、生まれた男児の欄には、「父」として夫の名前、「母」として女性が使っている名前を記した。

 2代にわたる無戸籍をめぐっては、離婚が成立していない母親と別の男性との間に生まれたため無戸籍になった大阪府の女性(24)が、子供2人を産み、戸籍がない状態になったケースが明らかになっている。

 民事局の担当者は「今回、民法や戸籍法の枠内で救済できた。同様のケースでは、詳細を調査したうえで適切に対応したい」と話している。【坂本高志】

==============

 ■ことば

 ◇無戸籍者

 戸籍に記載がなかったり戸籍自体がない状態。離婚後300日規定により「前夫の子」となるのを拒んで親が出生届を出さなかったり、前夫の子を覆す裁判手続きを取らないなどの理由で子供が無戸籍となる。

毎日新聞 2008年6月12日 東京朝刊」



(2) 毎日新聞平成20年6月12日付朝刊26面

無戸籍児:無戸籍女性の子、父親戸籍に記載 救済の道、広げて 同じ境遇の女性ら期待

 親子2代にわたり無戸籍となる懸念があった兵庫県の無戸籍女性(27)が先月産んだ男児は11日、戸籍に記載された。法務省が取った手続きは、無戸籍のまま女性の結婚を認める内容。この特例に従えば、親子で無戸籍という事態が避けられるだけでなく、結婚は困難とされてきた無戸籍の人たちの結婚が認められることになる。関係者から期待の声が相次いだ。

 「(息子の)戸籍が取れて本当にうれしく思います。私も含め無戸籍の問題が残っているが、できれば何らかの救済方法を考えてほしい」

 先月29日に男児を出産した女性は、支援者を通じてそうコメントした。

 関係者によると、地元の法務局から今回の手続きの説明があったのは出産の数日前。出産前日に婚姻届を提出したが、「これで夫の姓を名乗ることが公的に認めてもらえた」と感じた。多くの人に支えられてきたため、男児には「思いやりのある元気な子に育ってほしい」と願っているという。

 戸籍がない2人の幼児を育てる大阪府内の無戸籍女性(24)も「自分の子供も戸籍登録され、親子2代の無戸籍が解消できるかもしれない」と期待を膨らませた。女性は、母親が前夫との離婚協議が困難な中、別の男性との間に生まれた。05年と06年に生まれた子供が住民票に記載されているのが救いだ。「私も結婚できたり子供の戸籍が取れるのか役所の窓口で相談したい」と話した。

 「無戸籍児家族の会」の井戸正枝事務局長(42)は「無戸籍者でも結婚できることが確認できた。大きな一歩だ。法務省には、こうした措置を全国で共有できるように徹底してほしい」と求めた。【工藤哲】

毎日新聞 2008年6月12日 東京朝刊」




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2008/06/04 [Wed] 07:00:11 » E d i t
夫のDVから逃れて離婚が成立できないままの母親と別の男性との間に生まれ、無戸籍状態になっている大阪府在住の女性(24)が6月2日、大阪市内で記者会見し「自分が産んだ子ども2人も無戸籍状態になっている」と訴えて救済を求めました。またしても「無戸籍の連鎖」の存在が明らかになったのです。

先日、前夫のDVなどが原因で離婚した後、「離婚後300日以内に生まれた子は前夫の子」と推定する民法772条の規定のため、母親が出生届を提出できず無戸籍となった兵庫県の女性(27)が、出産予定であることについて紹介しました(「離婚後300日問題:離婚後300日規定で無戸籍の女性、出産へ~出生届不受理で無戸籍児の連鎖に」(2008/05/20 [Tue] 23:59:36)「離婚後300日問題:「無戸籍児家族の会」は鳩山法務大臣と面会し、改善を要望」(2008/05/21 [Wed] 22:35:10)参照。この無戸籍となった兵庫県の女性(27)も5月29日、男児を出産しました。)。


1.まず報道記事を幾つか。

(1) 中国新聞('08/6/2)

子ども2人が無戸籍状態 大阪府女性、救済求める '08/6/2

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 家庭内暴力から逃れたが離婚が成立していない母親と別の男性との間に生まれ、無戸籍状態になっている大阪府在住の女性(24)が二日、大阪市内で記者会見し「自分が産んだ子ども二人も無戸籍状態になっている」と訴えて救済を求めた。

 支援団体は「母親に戸籍がないと子の戸籍取得も難しい。実際の親子関係に即した形で認められる仕組みにしないと、無戸籍の連鎖が起きる」と国に制度と運用の改善を求めている。

 女性や団体によると、母親は三十一年前に暴力をふるう夫と別居。七年後に女性が生まれた。夫は現在も離婚を承諾しておらず、居場所を知られるのを恐れて女性の出生届を出さなかった。

 女性は戸籍がなく、三年前に三十代男性と事実婚状態で初出産。女児(2)と男児(1)の四人で暮らす。

 以前住んでいた東大阪市は二人の子の出生届を受理して住民票を作成。女性も二〇〇六年に国民健康保険に加入できたが、三人の戸籍や女性の住民票はない状態が続いているという。

 先月末には離婚後三百日以内に生まれた子を「前夫の子」とみなす民法規定で無戸籍となった兵庫県の女性(27)が男児を出産。法務省が対応を検討している。」



(2)  asahi.com:関西(2008年06月02日)

「連鎖とめて」国に訴え 無戸籍の母、出産2児も無戸籍
2008年06月02日

 母親の夫によるDV(ドメスティックバイオレンス)が原因で出生届が出されず、無戸籍となった大阪府内の女性(24)が、子ども2人を出産し、無戸籍のまま育てている。女性は2日、支援団体と大阪市内で記者会見し、「同じ境遇の人はたくさんいるはず。無戸籍の連鎖を止めるため、国はきちんと実態を調べてほしい」と訴えた。支援団体によると、「無戸籍2世」の存在が明らかになるのは、兵庫県の女性の子に続いて2例目。

 NPO法人「親子法改正研究会」(大阪市)などによると、この女性の母親は約30年前、暴力をふるう夫と別居するため、近畿圏に引っ越してきた。母親は離婚しようと弁護士や家庭裁判所に相談したが、夫は応じなかった。

 別居から7年後、別の男性との間に、この女性が生まれた。住所を夫に知られたくないなどの事情から離婚手続きをとれなかったため、女性は無戸籍のまま育てられた。

 女性は中学3年の夏、母親から戸籍がないことを告げられた。卒業後に保育士の資格を取ろうと思ったが、戸籍が必要と知ってあきらめた。「好きな仕事ができない」。運転免許証も、選挙権もないままだ。

 05年。30代の男性会社員と東大阪市内で暮らし始め、7月に長女(2)、翌06年11月に長男(1)が生まれた。市役所に出生届を提出すると、市は「子どもに医療サービスなどを受けてもらうための異例の判断」(市民課)を示し、長女を世帯主、長男を同居人とする形で住民票を発行した。現在、府内の別の場所に住民票も移して転居し、一家4人で生活している。

 女性は「私の母も誰にも言えずに悩んでいた。戸籍がないと、人として認められないと感じる。戸籍がなくても人権はある。戸籍が取得できたら、正式に結婚したい」と話している。

 法務省民事局の担当者は「女性の事例は正式に把握していない。今後調査して対応を検討する」としている。

 また、「無戸籍2世」が最初に明らかになった兵庫県内の女性(27)は5月29日に県内の病院で男の子を出産した。関係者によると、近く居住地の自治体に出生届を出す予定だという。女性の夫は「家族としてしっかり支えていきたい」とコメントした。(板橋洋佳、宮崎園子、戸田和人) 」



今回の事案を見ると、女性がDVから逃れることは相当に大変であることが分かります。

 「女性や団体によると、母親は三十一年前に暴力をふるう夫と別居。七年後に女性が生まれた。夫は現在も離婚を承諾しておらず居場所を知られるのを恐れて女性の出生届を出さなかった。」(中国新聞)

 「NPO法人「親子法改正研究会」(大阪市)などによると、この女性の母親は約30年前、暴力をふるう夫と別居するため、近畿圏に引っ越してきた。母親は離婚しようと弁護士や家庭裁判所に相談したが、夫は応じなかった
 別居から7年後、別の男性との間に、この女性が生まれた。住所を夫に知られたくないなどの事情から離婚手続きをとれなかったため、女性は無戸籍のまま育てられた。」(asahi.com:関西)


夫からDVを受けたため、31年前に夫と別居をし、別居のままでは離婚しようと弁護士や家庭裁判所に相談したのに夫は応じることなく、31年も別居しているのに、今でも「夫は現在も離婚を承諾し」ないのです。しかも、今でも「居場所を知られるのを恐れ」なくてはならないほどの事情があるのです。

では、夫と離婚できるでしょうか。

この夫は、31年も別居しているのに未だに離婚を承諾しないほど執念を抱いている持ち主ですから、協議離婚(民法763条)も調停離婚・審判離婚(家事審判法18条・21条1項)も不可能です。そうなると、女性の側とすると、裁判離婚(民法770条1項1号~5号)を請求することになります。

配偶者による暴行・虐待は「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」(民法770条1項5号)に当たるとされているので(最判昭33・2・25家月10巻2号39頁)、この事例では夫によるDVがあったのですから裁判離婚することは理論上は可能です。しかし、31年前のDVの証拠が残っていない場合には「離婚原因」を立証できずに離婚できない可能性もありますし、離婚裁判を切っ掛けとして現住所を発見されてしまう可能性もあるため、再びDVの被害を受ける可能性があります。

1996(平成8)年の民法改正要綱は、5年以上の別居を離婚原因に加えていたため、もしその要綱どおりに民法改正がなされていれば、今回の事例でも裁判離婚は十分に可能でした。しかし、改正されていない以上、どうしようもありません。

仮に、離婚は諦めて、もし子供の出生届を出すとすれば、民法772条1項の推定規定によりDVを行った夫の子供と戸籍に記載され、DV夫に居場所が判明する恐れがあります。ですから、もし判明したら今度は親子共々DVを受ける可能性があるため、出生届を出すことをためらうわけです。

このように、DVを行った夫と離婚することは相当に困難であり、逃げていても、逃げた先で子供を産み育てるという家庭生活を送ることが難しいことが分かります。



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2008/05/21 [Wed] 22:35:10 » E d i t
「離婚後300日問題:離婚後300日規定で無戸籍の女性、出産へ~出生届不受理で無戸籍児の連鎖に」(2008/05/20 [Tue] 23:59:36)の続報です。

「無戸籍児家族の会」は5月20日、鳩山法相と面会し、改善を求める兵庫県の井戸敏三知事からの要望書とともに、法務省通達(医師の証明書で「前夫との離婚後に妊娠した」と証明すれば現在の夫の籍に入れられるとの内容の通達にとどまる)の運用の見直しや民法772条の抜本改正を求めました。面会には、公明党の浜四津敏子代表代行らが同行し、家族の会の井戸正枝事務局長ら約10人が臨んだとのことです(毎日新聞 2008年5月20日 東京夕刊)。


1.まず報道記事を幾つか。

(1) 毎日新聞 2008年5月21日 東京朝刊

無戸籍児家族の会:事態改善へ一歩…法相の意欲を評価

 離婚後300日規定(民法772条)により無戸籍になった子供の家族で作る「無戸籍児家族の会」のメンバーらは20日、鳩山邦夫法相と面会後、記者会見した。無戸籍児を抱える家族が法相に面会するのは初めて。家族によると、面会で法相は「772条難民を作っている」と現状を表現するなどし、事態の改善に意欲を示したという。

 会見では、東京都墨田区の川村美奈さん(39)が「戸籍のない子がいなくなる一歩」と話すなど、面会をおおむね評価する声が相次いだ。また、三重県亀山市で行政サービスを受ける際に、「念書」を書かされた小島典子さん(37)は「いまだに自治体によって対応がまちまちな現状を大臣に知ってほしい」と話した。

 面会は、離婚後妊娠に限って「現夫の子」の届を認める法務省通達(昨年5月21日から出生届の受け付け開始)から1年になるのを機に、家族会の要望で実現した。

 法務省によると、以前なら「前夫の子」とせざるをえなかったが、通達によって「現夫の子」で出生届を受理されたのは472件(9日現在)に上る。規定の見直しを求める地方議会からの声も多く、20日現在114の議会で意見書を可決している。【工藤哲】

毎日新聞 2008年5月20日 21時03分」




(2) NHKニュース(5月20日 12時35分)

民法規定で無戸籍 法相に要望

 女性が離婚して300日以内に出産した場合、戸籍上、前の夫の子どもと推定する民法の規定が障害となって戸籍がない子どもの親たちが鳩山法務大臣と面会し、離婚前に、後に再婚した夫との子どもを妊娠した場合も、実の父親の子としての出生届を認めるよう要望しました。

 申し入れを行ったのは兵庫県の井戸正枝さんら10人で、20日午前、法務省を訪れて鳩山法務大臣と面会しました。いわゆる民法の300日規定をめぐっては、去年5月から、女性が離婚して300日以内に出産した場合でも離婚後に妊娠したことが確認できれば、再婚した夫の子としての出生届が認められるようになりました。

 しかし、離婚前に妊娠した場合は、戸籍上、前の夫の子どもとなるため、母親が出生届を出さず、戸籍がない子どもが問題となっています。このため、井戸さんらは「夫の暴力などの理由で、離婚したくてもできない場合もある」などと実態を説明し、やむをえない事情がある場合は、離婚前に、後に再婚した夫との子どもを妊娠した場合も、実の父親の子としての出生届を認めるよう要望しました。

 これに対し、鳩山大臣は「論点が多い問題なので、方針が決まっているわけではないが、子どものことを中心に考えなければならない。虚心たんかいに受け止めたい」と答えました。

 10か月の息子が戸籍のない状態になっている三重県の小島典子さんは、法務大臣との面会を終えて「戸籍のない子どもへの対応が自治体によって異なることなどを訴えました。現状を把握して早急に対応すると大臣に言ってもらえたので、三重県から来たかいがありました。戸籍のない子が一日も早く救われるようにしてほしいと思います」と話していました。」(原文と異なり、段落分けをしました。)




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2008/05/20 [Tue] 23:59:36 » E d i t
「離婚後300日以内に生まれた子は前夫の子」と推定する民法772条の規定のため、母親が出生届を提出できず無戸籍となった兵庫県の女性(27)が、6月中旬に出産予定であることが分かりました。出生届には母親の本籍地を記載する必要があるため、自治体は出生届を受理しておらず、子供もまた無戸籍となる可能性が高いことになりました。


1.まず報道記事を幾つか。

(1) 毎日新聞平成20年5月20日付朝刊1面

無戸籍児:離婚後300日規定で無戸籍の女性、出産へ 出生届、不受理の恐れ

 離婚後300日規定により親の出生届が受理されずに無戸籍となった兵庫県内の女性(27)が妊娠し、6月中旬に出産する予定であることが分かった。戸籍法は、出生届に母親の本籍地記載を義務付けている。地元自治体も「現状では出生届は受理できない」としており、生まれる子供も女性と同様に無戸籍となる可能性が高い。無戸籍となった人が出産するケースが明らかになるのは初めて。

 女性の50代の母親は、前夫の暴力などが原因で離婚。離婚から73日後、後に再婚した男性との間に女性を産んだ。母親は、規定を覆す手続きの複雑さや、前夫に居所を知られたくない事情から、前夫を巻き込んだ裁判をすることが難しい状態だった。このため女性は無戸籍となり、小学校には4年間しか行けなかった。医療サービスも受けられず、投票もできなかった。

 女性は昨年夏、小中学校の同級生の夫(27)と結婚式を挙げたが、戸籍がないため婚姻届を出すことができず、事実婚の状態。昨年秋に妊娠が分かり、順調なら6月中旬に出産する。不安に思った女性は今月、地元自治体に相談したが、「母親の戸籍がなければ、子供の出生届は受理できない」との対応だった。女性は「子供にまで自分がした苦労はさせたくない」と話している。

 法務省民事局は「無戸籍となった人が出産する例は今まで聞いたことがない。どうすべきか今後検討したい」と話している。【工藤哲】

毎日新聞 2008年5月20日 東京朝刊」




(2) 毎日新聞平成20年5月20日付朝刊30面

無戸籍児:27歳女性出産へ 「子に同じ思いイヤ」 2代続けて「無戸籍」も

 ◇以前から懸念、早急に対策を

 「これ以上、私と同じ思いをさせたくない」。離婚後300日規定により無戸籍となった兵庫県の女性(27)は、自分と同じ無戸籍となる可能性の高い子供の出産を控え、不安な思いを毎日新聞の取材に訴えた。初めて明らかになった母親と子供の「2代に及ぶ無戸籍」。無戸籍児家族の会は20日午前、鳩山邦夫法相と面会し、女性のケースなどを例に規定の早急な見直しを求める。

 戸籍も住民票もない女性。私立幼稚園には通えたが、自治体は女性の母親に「小学校には入れない」と説明した。しかし、同じ集合住宅にいる子供は小学校に通う。ふびんに思った母親が校長と掛け合い、入学がかなったのは、3年生の年齢になってからだった。

 入学して1年生と同じ授業を受けたが、3カ月後に3年生に編入され、授業についていけなくなった。「1年生に帰れ」。同級生の言葉に傷つき、学校から足が遠のいた。女性は中学でも、あまり学校に行けなかった。高校には行っていない。

 小学校の同級生の男性(27)と再会したのは数年前。それまで家に引きこもりがちだったが、そのころから母親の仕事を手伝うようになった。男性とは07年夏、家族だけで式を挙げた。その日に婚姻届を出す予定だったが、前日に母親から無戸籍と告げられた。

 「事実婚」とならざるをえなかったが、女性は「結婚して一緒の姓になるはずだった」と言う。07年秋に妊娠が分かり無戸籍はより切迫した問題になった。保険証もなく、帝王切開になった時の医療費の負担も心配になり、今月に入り家族の会に相談を持ちかけた。【工藤哲】

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 ■解説

 「無戸籍の人が子供を産めば、その子もまた無戸籍になってしまう」。無戸籍児の存在が明らかになり、関係者の間では懸念は以前からささやかれていた。今回のケースは、こうした事態が現実になったことを示している。

 戸籍法は、出生届に「父母の名前と本籍」の記載を義務付ける。このため、母の戸籍がなければ子供は無戸籍とならざるをえない。女性の母親が、女性の無戸籍を解消しない限り、無戸籍は代々続くことになる。

 無戸籍児の社会問題化により07年以降は行政サービスの徹底が図られている。ただ最も公的な証明である戸籍記載について、300日規定で多くを占める「離婚前妊娠」の場合は従前と変わりがない。

 このため、今回の母親のように前夫を巻き込んだ裁判ができない場合などで無戸籍児となる状況は今も変わらない。国会や行政は、異常な状態を改めるべく対策を早急に講じるべきだ。【工藤哲】

毎日新聞 2008年5月20日 東京朝刊」




(3) NHKニュース(5月20日 17時7分)

民法が障壁 親子で無戸籍か

 女性が離婚して300日以内に産まれた子どもは戸籍上、前の夫の子どもと見なす民法の規定が障害となって戸籍がないまま暮らしてきた兵庫県の27歳の女性がまもなく出産を迎え、生まれてくる子どもも戸籍を得られない見通しになっていることがわかりました。法務省によりますと、2代にわたって戸籍が得られないのは異例だということです。

 出産を予定しているのは、兵庫県に住む27歳の女性です。50代の母親が、前の夫の暴力が原因で離婚し、その73日後に女性は生まれました。実の父親は母親がその後再婚した男性ですが、民法では、離婚して300日以内に出産した子どもは戸籍上、前の夫の子どもと見なす規定があることや前の夫に住所を知られたくないといった事情から母親が出生届けを出さなかったため、女性には戸籍がありません。

 女性は、去年の夏から男性と結婚生活を送っていますが、戸籍がないため婚姻届けは出せませんでした。女性は来月の出産を控え、地元の自治体に相談しましたが「母親に戸籍がないので生まれてくる子どもの出生届けを受理するのは難しい」と言われたということです。

 法務省民事局は「戸籍のない人が出産する例は今まで聞いたことがない。何らかの対応ができないか、検討したい」と話しています。戸籍がない子どもの親たちでつくる「家族の会」の井戸正枝事務局長は「親子がともに戸籍を得られないような状況を変えるには、民法の規定を根本的に変えるしかない」と話しています。」





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