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最高裁判所裁判官国民審査:皆さんは、どのように判断しましたか?
2009/08/30 23:59

は、衆議院選挙と同じ平成21年8月30日には、最高裁判所裁判官の国民審査の投票も行われました。結果は8月31日に判明する見通しです。

最高裁9裁判官の国民審査=衆院選時「憲法の番人」をチェック

 最高裁判所裁判官の国民審査の投票が衆院選と同じ8月30日に行われる。対象は15人の裁判官中、前回衆院選(2005年9月)後に任命された桜井龍子、竹内行夫、涌井紀夫、田原睦夫、金築誠志、那須弘平、竹崎博允、近藤崇晴、宮川光治の9氏(告示順)。竹崎氏は長官でもある。
 審査で「憲法の番人」にふさわしいかをチェックする。ふさわしくないと思う場合は「×」をつけ、信任する場合は何も書かず、「○」や「△」などの記号を書くと無効になる。
 「×」が有効投票の過半数に達すると罷免されるが、過去に罷免された例はない。(2009/08/18-17:15)」(時事通信:2009/08/18-17:15


「過去に罷免された例はない」ことから分かるように、「×」印をつける有権者はほとんどいないのが現状です。なお、私自身は、近年はすべての最高裁裁判官に対して「×」印をつけています。国民のためになる良い判決はほとんど出ていないからです。



1.最高裁の裁判官は、その任命の後初めて行われる衆議院議員総選挙の際、国民の審査に付され、その後10年を経過するごとに同様の国民審査が繰り返されます(憲法79条2項)。

憲法第79条

1 最高裁判所は、その長たる裁判官及び法律の定める員数のその他の裁判官でこれを構成し、その長たる裁判官以外の裁判官は、内閣でこれを任命する。
2 最高裁判所の裁判官の任命は、その任命後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際国民の審査に付し、その後10年を経過した後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際更に審査に付し、その後も同様とする。
3 前項の場合において、投票者の多数が裁判官の罷免を可とするときは、その裁判官は、罷免される。
4 審査に関する事項は、法律でこれを定める。」



2.国民審査の方法は、国民の投票により、投票者の多数が裁判官の罷免を可とするとき、その裁判官は罷免されることになります(憲法79条3項)。このように国民審査の制度がありますが、罷免を求める票の率は8〜9%にすぎず(1996年時)、いままでにこの制度により罷免された裁判官は一人もいません。

(1) このように、いままでにこの制度により罷免された裁判官は一人もいないことから、「最高裁判所の国民審査は形骸化している」と批判されています。そこで、裁判員制度で司法への注目が集まる今回は、特定裁判官の“退場”を呼び掛ける識者や市民団体も出てきています。

 イ:東京新聞平成21年8月29日付夕刊8面

裁判員制度で注目 最高裁判事『審査』に関心 ネットで適性を議論
2009年8月29日 夕刊

 あなたは×印を付けたことがありますか? 三十日の衆院選投票に合わせ、行われる最高裁裁判官が適任かどうかを問う国民審査。不信任を意味する×を有効票の過半数に付けられた裁判官は罷免になる。過去二十回、延べ百四十八人の中で一人も罷免されていないが、裁判員制度で司法への注目が集まる今回は、特定裁判官の“退場”を呼び掛ける識者や市民団体も出てきた。

 「名簿の並び順の二番目の裁判官が一番×を付けられることが多い」「いや一番初めの人のはずだ」。国民審査について、法曹界でよく耳にする話。審査対象となる裁判官が書いた原稿に基づく公報や、裁判官自身についてのわずかな報道くらいしか情報がなく、判断が難しいことを表すエピソードだ。

 それでも、一割を超す不信任が突きつけられたこともある。一九七二年の第九回国民審査では、外務次官時代に沖縄返還をめぐり「核付き返還やむなし」と発言した故下田武三氏に過去最高の15・17%の×が付けられた。

 沖縄県の民有地を米軍用地として強制使用するための代理署名を当時の知事が拒否したことをめぐる訴訟で、知事側敗訴を言い渡した最高裁判決直後に行われた九六年の第十七回。対象九人に×とした平均不信任率が同県内で34・06%に達した。しかし、九人の全国平均不信任率は8・87%で罷免には遠く及ばなかった。

 裁判員裁判スタートの影響か、国民審査をめぐるさまざまな活動が目立つ今回。七月に発足した「一人一票実現国民会議」は、ジャーナリストの桜井よしこさんや楽天の三木谷浩史会長ら著名人が発起人。衆院選小選挙区の一票の格差をめぐる二〇〇七年の最高裁判決で、二・一七倍の格差を合憲判断した裁判官への不信任をホームページで呼び掛ける。

 このほかに、自衛隊イラク派遣を決めた当時の外務次官だった裁判官の罷免を訴える市民運動や、痴漢で防衛医科大学校教授に逆転無罪を言い渡した最高裁判決をめぐり特定の裁判官の適性を問う議論がインターネットで展開されている。

 イラク派遣差し止め訴訟名古屋弁護団事務局長で、国民審査への参加を呼び掛ける市民運動に携わる川口創(はじめ)弁護士は「最高裁を良くするも悪くするも国民の関心次第。国民審査での意思表示は権利でも義務でもある」と話している。

 <最高裁裁判官の国民審査> 最高裁裁判官が任命後、初めて迎える衆院選で受ける。衆院選投票と同時に行われ、有権者はやめさせた方が良いと思う裁判官の名前の上に×印を付ける。×印以外を記入すると無効票となる。今回は裁判官9人が対象。前回は対象の6人全員が不信任率8%前後で並んだ。」


 ロ:この国民審査について、各新聞の紙面に何度も意見広告を掲載していたのが、「一人一票実現国民会議」です。これは、議員定数不均衡訴訟において、「一票の不平等」につき合憲判断をした最高裁判事の名前を指摘し、これらの判事に対して、×印をつけようという運動です。「一人一票実現国民会議」によると、涌井紀夫氏と那須弘平氏は、一票の不平等を容認していることを指摘しています。

他にも、「自衛隊イラク派遣を決めた当時の外務次官だった裁判官の罷免を訴える市民運動や、痴漢で防衛医科大学校教授に逆転無罪を言い渡した最高裁判決をめぐり特定の裁判官の適性を問う議論」もあります。これらは、国民審査を活性化し、実質的に意義あるものにしようとする運動といえます。



(2) では、最高裁判所の国民審査の投票方法は具体的にどういうものでしょうか? この点について、触れておきます。

最高裁判所の国民審査の投票方法は、「投票者の多数が裁判官の罷免を可とするときは、その裁判官は、罷免される」(憲法79条3項)という方法を取ることが明記され、それ以外の点での投票方法は、憲法79条4項が「審査に関する事項は、法律でこれを定める」とされ、「最高裁判所裁判官国民審査法」で明記しています。

最高裁判所裁判官国民審査法

第十三条 (投票の時及び場所)  審査の投票は、衆議院小選挙区選出議員の選挙の投票所において、その投票と同時にこれを行う。

第十四条 (投票用紙の様式)  
1 投票用紙には、審査に付される裁判官の氏名を、中央選挙管理会がくじで定めた順序により、印刷しなければならない。
2  投票用紙には、審査に付される各裁判官に対する×の記号を記載する欄を設けなければならない。
3  投票用紙は、別記様式に準じて都道府県の選挙管理委員会がこれを調製しなければならない。

第十五条 (投票の方式)  
1 審査人は、投票所において、罷免を可とする裁判官については、投票用紙の当該裁判官に対する記載欄に自ら×の記号を記載し、罷免を可としない裁判官については、投票用紙の当該裁判官に対する記載欄に何等の記載をしないで、これを投票箱に入れなければならない。
2  投票用紙には、審査人の氏名を記載することができない。

第十六条 (点字による投票)  
1 点字による審査の投票を行う場合においては、審査人は、投票所において、投票用紙に、罷免を可とする裁判官があるときはその裁判官の氏名を自ら記載し、罷免を可とする裁判官がないときは何等の記載をしないで、これを投票箱に入れなければならない。
2  前項の場合における投票用紙の様式その他必要な事項は、政令でこれを定める。」


要するに、対象となる裁判官の名前を事前に投票用紙に記し、有権者が「罷免すべきだ」と考える裁判官に「×」をつける投票方法です。しかし、この方法では、無記入の票が一括して罷免を不可とする票に数えられるので、罷免の可否について意見のない者も罷免に反対の票に加えられることになるという問題点があります。また、一部の裁判官については投票を棄権することができず、棄権の自由が制限されているという問題点もあります。




3.いままでにこの制度により罷免された裁判官は一人もいないことから、「最高裁判所の国民審査は形骸化している」と批判されています。そこで、最高裁判所裁判官の国民審査についての記事・解説について引用しておきます。

(1) 朝日新聞平成21年8月26日付朝刊37面「もっと知りたい!」

国民審査 成り立ちは? 起源は米国 GHQが主導

 30日に迫った総選挙の投票と同時に、最高裁裁判官の国民審査も実施される。いつも選挙の陰であまり目立たないうえ、審査で不信認を突きつけられて罷免となった裁判官は一人もいないことから「形骸化している」との指摘が絶えないが、有権者が裁判所に対して意思を示す数少ない機会でもある。その制度の成り立ちや課題を探ると――。 (中井大助)

 最高裁の長官は天皇に任命され、14人の判事は内閣に任命される。国会がその過程に関与しないことから、国民審査は、国民によるチェック機能を担保するための仕組みとされている。

 制度の起源は1900年代初頭の米国にある。元は選挙で判事を決める州が多かったが、判事が選挙活動に集中するあまり、訴訟の処理が滞るような事態が生じていた。このため、30年代に弁護士会などが任命後の審査制度を検討。40年にミズーリ州で初めて正式に導入された。

 その数年後、日本国憲法を策定する際、連合国軍総司令部(GHQ)が導入を提案した。しかし、最高裁の前身にあたる大審院の院長を務め、戦後は最高裁判事になった霜山精一氏は旧帝国議会貴族院の憲法案審議で「法律の判断は国民に容易に分かるものではないから、国民審査制度はぜひやめたい」などと反対した。

 これに対し、GHQ側は「審査制度を盛り込まないのならば米国の連邦最高裁判事のように国会の同意を必要とする人事制度にすべきだ」と主張したとされる。

 ただ、実効性にはGHQ自身も懐疑的だったようだ。GHQの司法担当だったアルフレッド・オプラー氏は、49年に書いた論文で、全員の裁判官が信認された第1回の国民審査の結果を踏まえて「最高裁の裁判官について多くの人が関心を持つようになることが果たしてあるのか、かなり疑問だ」と指摘。「審査制度は裁判官の任命に関する実質的なチェックというより、国民主権の象徴的な制度と解釈したい」と記している。

     ●    ●    ●

 国民審査は今回で21回目。49年の第1回から前回まで、不信認となった裁判官は一人もいない。結果に偏りがあるのは、仕組み自体に原因があるとする指摘は根強い。

 一つは投票の方法だ。米国の制度を参考に、対象となる裁判官の名前を事前に投票用紙に記し、有権者が「罷免すべきだ」と考える裁判官に「×」をつける方法が採用され、現在まで続いている。ところが、この方法では積極的な不信認票以外はすべて信認票とし、別の裁判官については投票を棄権したい」という形の意思表示ができない。

 任命から総選挙までの間が短い場合は、関与した裁判が少なく、判断材料がほとんどないことも、問題点として指摘され続けている。米国の州によっては「判事が任命されて3年以上たった最初の選挙」と一定期間があるようにしているが、日本の場合は憲法で決めているため、簡単には変えられない。

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 ただ、指摘されている最大の問題は、有権者にとって最高裁の裁判官がなじみ薄いことだ。米国では、判断材料が少ないことで有権者の関心が高まらないことへの対策として、近年、複数の州で、弁護士会や独立した委員会が選挙前に判事の評価をまとめ、結果を発表している。

 コロラド州では08年の選挙に合わせて、独立委員会が108人の判事について評価を発表。ほとんどは「信認すべきだ」とされたが、1人だけは「法廷で対人関係が築けていない」などといった理由から「信認すべきでない」と評価され、投票でも約45%の信認しか得られず、失職した。

 国民審査の制度に詳しい元日本弁護士連合会事務総長の明賀英樹弁護士は「情報不足の原因の一つに、最高裁裁判官の選任過程が透明でないことがある。なぜ、この人が選ばれたのかという情報をもっと開示したうえで、より実質的な判断ができるよう、審査方法を○×式に変えるなどの改正が必要だ」と指摘する。

【国民審査の投票方法】 投票用紙には対象となる裁判官の名前が記入されており、有権者はやめさせたい裁判官の欄に「×」印、やめさせたくない裁判官の欄には何も書かずに投票する。「×」以外に、例えば「○」を書いた場合は票全体が向こうとなり、「×」を書いていてもカウントされない。「×」印のついた票が、有効票の過半数に達した裁判官は罷免される。」




(2) 読売新聞平成21年8月28日付「社説」

最高裁国民審査 これも1票の重要な機会だ(8月28日付・読売社説)

 どのような人物が「憲法の番人」の重責を担っているのか。国民審査は最高裁判所の裁判官の適否を問う、重要な機会といえる。

 最高裁裁判官の国民審査が、30日の衆院選に合わせて実施される。今回は、15人の裁判官のうち、竹崎博允長官ら9人が審査対象となっている。

 最高裁の裁判官は、内閣によって任命(長官は内閣の指名に基づき天皇が任命)される。慣例として、裁判官、検察官、弁護士、行政官、学者の中から選ばれるが、選考過程は公表されない。

 司法権の頂点に位置する裁判官たちの仕事ぶりをチェックするのが、国民審査だ。有権者は、罷免が相当と思う裁判官に「×」を書いて投票する。

 だが、裁判官の氏名すら知らず、判断のしようがない、という人も多いだろう。「形骸(けいがい)化した制度」と指摘されるゆえんである。

 罷免を求める票が有効票の半数を超えた裁判官は罷免されるが、これまでに罷免の例はない。

 各裁判官は、担当した裁判で、どのような見解を示したのか。それが、国民審査での判断材料になる。しかし、各家庭に配布される「国民審査公報」では、判決の詳しい内容までは分からない。

 最高裁が出す判決の特徴は、裁判官の個別の判断内容が分かることだ。多数を占めた意見が、最終的な結論になるが、それに反対した裁判官の意見も明記される。

 裁判官の考え方を比較しやすいのは、15人全員で審理する大法廷の判決ではないだろうか。

 例えば、「1票の格差」が最大で2・17倍だった前回の衆院選が憲法違反かどうかが争われた裁判で、大法廷は2007年6月、多数意見で「合憲」と結論付けた。この裁判には、審査対象の裁判官のうち、3人がかかわった。

 過去の主な判決は最高裁のホームページで検索できる。審査の前に閲覧してみてはどうだろう。

 最高裁の裁判官が国民審査の対象となるのは、任命後、初めて行われる衆院選の際だ。その後は、10年ごとに再審査を受ける。憲法の規定によるものだが、就任間もない裁判官は、関与した裁判例が少なく、判断材料が乏しい。

 さらに、近年、60歳未満で就任した人はおらず、70歳の定年までに審査を受けるのは1度だけ、というのが常態化している。

 こうした制度上の問題点も形骸化を招いている要因であろう。制度の今後のあり方について、議論を深めることが必要だ。

(2009年8月28日01時16分 読売新聞)」





(3) 報道記事によると、現状に対する批判は強いようです。朝日新聞の記事によると、「形骸化している」原因として、3つ挙げています。それは、<1>罷免すべき裁判官に×印をつけるという投票の方法である点、<2>判断材料が少なく判断が困難であるという点、<3>有権者にとって最高裁の裁判官がなじみ薄いという点、です。

 「一つは投票の方法だ。米国の制度を参考に、対象となる裁判官の名前を事前に投票用紙に記し、有権者が「罷免すべきだ」と考える裁判官に「×」をつける方法が採用され、現在まで続いている。ところが、この方法では積極的な不信認票以外はすべて信認票とし、別の裁判官については投票を棄権したい」という形の意思表示ができない。

 任命から総選挙までの間が短い場合は、関与した裁判が少なく、判断材料がほとんどないことも、問題点として指摘され続けている。米国の州によっては「判事が任命されて3年以上たった最初の選挙」と一定期間があるようにしているが、日本の場合は憲法で決めているため、簡単には変えられない。

 ただ、指摘されている最大の問題は、有権者にとって最高裁の裁判官がなじみ薄いことだ。米国では、判断材料が少ないことで有権者の関心が高まらないことへの対策として、近年、複数の州で、弁護士会や独立した委員会が選挙前に判事の評価をまとめ、結果を発表している。」


より実質的な判断ができるようにするかどうか評価は分かれるとしても、何らかの改善をすること自体は、最高裁裁判官を除き、誰にも異論がないところでしょう。




4.最高裁判所裁判官の国民審査の現状に対して、憲法学上は、どのように評価されているのでしょうか? 

(1) 戸波江二「憲法(新版)」(ぎょうせい、平成10年)421頁以下の記述を引用
しておきます。

国民審査

 最高裁判所の裁判官には、特別に国民審査の制度が設けられている(憲法79条2項)。国民審査制は、内閣による裁判官の選任に対して民主的コントロールを及ぼすことを目的としている。国民審査制度の性質は、基本的には、国民がその意思によって裁判官を罷免する解職制度(リコール)であるが、内閣による任命を国民が審査するという意味もある。

 国民審査の方法として、罷免を可とすべき裁判官に×印を付し、×の投票が過半数を超える場合に罷免が成立するとされている。この方法では、無記入の票が一括して罷免を不可とする票に数えられるので、罷免の可否について意見のない者も罷免に反対の票に加えられることになる。この点について、判例は、現行制度がむしろリコール制の趣旨に適合すると判示しているが、学説では、現行の方法が違憲とはいえないとしても、信任は○、不信任は×、棄権は無記入という方法がより適当である、という見解が有力である。

*最高裁判所裁判官の国民審査  最高裁判所裁判官の国民審査の一投票者が、審査無効の訴え(最高裁判所裁判官国民審査法36条)を提起した。最高裁(最大判昭27・2・20民集6巻2号122頁)は、国民審査の性質はリコール制であることを理由に、積極的に罷免を可とする投票以外は罷免を可としないものとして扱うことはむしろ妥当である、と判示した。

 国民審査の制度は、現実には国民の関心も低く、有効に機能していない。制度の廃止論もある。これに対して、学説では、国民による民主的なコントロールの手段として、制度の活性化を図るべきであるとする意見が有力である。しかし、制度が「活性化」されることになると、一方で、民主的な議会意思を尊重して違憲審査権を控えめに行使している現在の最高裁判所の裁判官が罷免されることは論理的にも実際にもありえず、他方で、違憲審査権を積極的に行使する裁判官が罷免されやすくなり、その結果、違憲審査権の行使が抑制されるおそれが生ずる。国民審査制度の不活発の現状はそれなりに意味があり、したがって、国民審査制は、最高裁判所が民意を無視して違憲審査権を濫用するような極端な場合に対して、最終的な歯止めとなるという消極的機能をもつにすぎないと解される。」




(2) 国民審査制度の廃止論もあります。学説上は、制度を廃止しないのであれば、国民による民主的なコントロールの手段として、制度の活性化を図るべきであるとする意見もあります。

しかし、どちらかというと「国民審査制度の不活発の現状はそれなりに意味がある」というのが多数説のようです。すなわち、国民審査が活発化すると、国民審査による罷免を恐れて、民意に左右された感情優先の判決を出すようになりかねないという弊害を考えると、「国民審査制は、最高裁判所が民意を無視して違憲審査権を濫用するような極端な場合に対して、最終的な歯止めとなるという消極的機能をもつにすぎない」という見解が多数を占めているようです。このように、報道機関や一部の世論と、憲法学の議論とは違いが生じています。

ただ、事実認定への疑問を一蹴して、異常なまでに死刑を希望した、カリスマ被害者遺族やマスコミ報道に負けて、従来の判例よりも厳罰化を示した光市事件に関する最高裁判決、弁護側からの疑問を一蹴して、異常なまでに犯人視したマスコミ報道や検察側の情報を鵜呑みにした挙句、DNA型鑑定を妄信して有罪判決を認めた最高裁判決など、すでに異常な民意に左右された判決が多々出ているのです。

多数の冤罪事件が発生しているにもかかわらず、ほとんど再審が開始されず、裁判所は、冤罪を防止するための改善や反省をする機運さえありません。今の最高裁は、国民の生命・身体を害している判決を出し続けているのです。取り調べ過程の全面可視化をしなければ、自白の任意性を認めないという判決を出せば、それで多くの結論が変わるのですが、そんなことはしないのです。

「民主的な議会意思を尊重して違憲審査権を控えめに行使している」点は改善するべきとはいえ、今の最高裁の問題は、異常な民意に左右される判決を出し続け、冤罪防止をしないで放置している点なのです。

違憲審査権を考慮して、国民審査制度を活発化した場合の弊害を考慮するよりも、国民審査を活発化させた方がよりよい判決を導くように思えるのです。違憲となるような不合理な法律は、本来的に率先して国会が法改正をするべきであって、ほとんど行使しない違憲審査権を後生大事にするのは滑稽です。自民党政権下と異なり、民主党政権下ではより容易に法改正が可能ですから、事情が変わったといえます。

国民による民主的なコントロールの手段を実効化するというも、よりよい判決を促し、冤罪防止に真剣に取り組むように、最高裁の考えを改めさせるために、国民審査制度の活性化を図るべきであると考えます。

聞いた話によると、最高裁裁判官は国民審査の時期だけは、罷免されることないと分かってはいても、「どきどき」するそうです。要するに、国民審査の時期だけは、国民のことを真剣に考えるわけです。ですから、(すべての最高裁裁判官に対して「×」印をつけて)単に「どきどき」させるだけでなく、真剣に国民に向き合うことをさせるため、国民審査の改善を求めたいと思います。何もしなかった自民党政権下と異なり、民主党政権下での法改正を求めるべきでしょう。




<補足>

各新聞社は、国民審査を受ける、最高裁判所裁判官の経歴などについて記事にしています。ここでは、毎日新聞社が行った記事(毎日新聞 2009年8月25日 東京朝刊)を引用しておきます。足利事件についての評価について注目しておくべきでしょう。

特集:最高裁裁判官・国民審査 「憲法の番人」チェック

 最高裁の裁判官に対する国民審査が、30日の衆院選投票と同時に行われる。対象は前回の衆院選(05年9月)後に任命された竹崎博允(ひろのぶ)長官と8判事の計9人。裁判官が「憲法の番人」にふさわしいかどうかなどをチェックする貴重な機会で、毎日新聞は信条などをアンケートした。経歴やかかわった主な裁判とともに紹介する。【銭場裕司】

 最高裁の裁判官は15人。審理は通常最初に裁判官5人で構成する「小法廷」で行い、新たな憲法判断を示したり過去の最高裁判例を変更する場合には、15人で合議する「大法廷」に審理が回される(大法廷回付)。

 地裁や高裁と異なり、最高裁は判決や決定で裁判官全員の意見が示される。多数を占めた意見が、判決の結論・理由になるが、結論・理由ともに多数意見と違う場合は「反対意見」、結論・理由ともに多数意見に賛成したうえで意見を補う「補足意見」、多数意見と結論は同じだが理由が違う場合に「意見」をそれぞれ示すことができる。判決文には裁判官名も併せて記載され、国民審査の貴重な判断材料となる。

 痴漢事件の被告を逆転無罪とした4月の第3小法廷判決は、多数意見3人、反対意見2人と割れた。前回の国民審査以降の大法廷回付事案では、結婚していない日本人父とフィリピン人母の間に生まれた子供が日本国籍の確認を求めた訴訟の判決(08年6月)が、出生後の国籍取得に両親の婚姻を必要とする国籍法の規定を違憲と結論づけた。今回の審査対象である▽涌井紀夫▽那須弘平▽田原睦夫▽近藤崇晴−−の4裁判官を含む12人が違憲、3人が合憲とした。

 ◇過去20回で罷免例なし

 国民審査の投票は、投票所で裁判官全員の名前が書かれた用紙を受け取り、辞めさせたいと思う名前の上の欄に「×」を書く。×の票が有効票の半数を超えると罷免されるが、過去20回で罷免例はない。前回(05年9月)の審査では6人が対象となり、不信任率は8・02〜7・63%(投票率65・49%)。過去最も不信任率が高かったのは72年12月の故下田武三裁判官に対する15・17%だった。

 信任の意思表示をしようとして「○」を付けるとその票は無効になってしまうため、審査方式を改めるよう求める意見や、期日前投票の期間(今回は23〜29日)が、公示翌日から可能な衆院選と異なり短い点を問題視する声もある。

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 (告示順)

 ◆裁判官名・経歴

 ◇桜井龍子(さくらい・りゅうこ)(62)

 福岡県出身。九州大法卒。70年旧労働省入省。女性局長などを務め01年退官。内閣府情報公開審査会委員、九州大客員教授などを経て08年9月就任

 ◆裁判官としての信条、審理の際の心構え

 最高裁裁判官としての重責を十分認識し、自己研さんに努め、公平、公正な判断を行うよう心してまいりたい。

 ◆裁判員制度への意見や期待

 戦後民主主義体制の画期的前進である。十分な準備のもとスタートしたので、今後どのように育てていくかが重要な課題だ。

 ◆足利事件を検証すべきかどうか

 係属中の事件であるので、コメントは控えたい。一般論としては、誤判はあってはならない。起きないような方策の検討は裁判官自らが率先して行うべきだ。

 ◆担当した主な裁判

 車を酒気帯び運転し、時速70〜80キロで赤信号の交差点に進入した4人死亡事故で危険運転致死傷罪を適用した2審を支持した決定の裁判長(09年6月)▽静岡県御殿場市の少女集団暴行未遂事件で元少年4人の上告を棄却した決定の裁判長(09年4月)

 ◆趣味/最近読んで面白かった本

 スキー、山歩き、陶芸/「金子みすゞ童謡集」

 ◆裁判官名・経歴

 ◇竹内行夫(たけうち・ゆきお)(66)

 奈良県出身。京都大法卒。67年外務省入省。総合外交政策局長、駐インドネシア大使、事務次官などを務め05年退官。同省顧問などを経て08年10月就任

 ◆裁判官としての信条、審理の際の心構え

 社会秩序の維持・発展に資する公正で公平な裁判を行う。問題の本質が細部に宿り得ることを忘れず、事案に即した判断に全力を傾注することが重要だと考える。

 ◆裁判員制度への意見や期待

 制度を通じて国民の司法への関与と理解が進むことは重要。国民の理解と支持を得て、法の趣旨が達成されることを期待する。

 ◆足利事件を検証すべきかどうか

 係属中の事件についてのコメントは控えるが誤判が確定した場合検証する必要があり、その際、検証作業への第三者の参加を得ることが望ましい。

 ◆担当した主な裁判

 地下鉄サリン事件で実行役を送迎した被告の無期懲役を支持した決定の裁判長(09年4月)▽4人が射殺された前橋スナック乱射事件で、1、2審で死刑とされた実行役の上告を棄却した判決の裁判長(09年7月)

 ◆趣味/最近読んで面白かった本

 読書、音楽、映画/カズオ・イシグロ「夜想曲集」

 ◆裁判官名・経歴

 ◇涌井紀夫(わくい・のりお)(67)

 兵庫県出身。京都大法卒。66年判事補任官。最高裁総務局長、前橋地裁所長、司法研修所所長、福岡高裁長官、大阪高裁長官などを経て06年10月就任

 ◆裁判官としての信条、審理の際の心構え

 多忙で骨の折れる仕事だが、最終審の裁判を担当する職責の重大性を常に念頭において、一件一件の事件に真剣に取り組んでいきたい。

 ◆裁判員制度への意見や期待

 分かってもらえなかった刑事裁判の真の姿を広く国民に理解してもらい、より国民に信頼される裁判が実現されることを期待する。

 ◆足利事件を検証すべきかどうか

 裁判の独立への配慮は必要だが、一般にどんな原因で誤判が生ずるかの視点から調査は必要。裁判官の研究会、裁判官の調査、研究といった方法がある。

 ◆担当した主な裁判

 衆院選「1票の格差」訴訟で合憲とする多数意見(07年6月)▽警察官が私費で購入したノートに記載された取り調べメモについて、裁判所が証拠開示を命じられるとした決定の裁判長(08年9月)

 ◆趣味/最近読んで面白かった本

 プロ野球など観戦/ジョン・グリシャム「ザ・イノセントマン」

 ◆裁判官名・経歴

 ◇田原睦夫(たはら・むつお)(66)

 京都府出身。京都大法卒。69年弁護士登録。法制審議会倒産法部会委員、日本民事訴訟法学会理事、財団法人監事などを務め06年11月就任

 ◆裁判官としての信条、審理の際の心構え

 事案に虚心に向き合い、正義にかない適正・妥当な結論を目指す。社会の動きを注視し幅広い観点から物事を柔軟にとらえた上で適正な判断をする。

 ◆裁判員制度への意見や期待

 種々な経験を持った市民の眼(め)と心で裁判に参加する制度。裁判官と裁判員とが協働して取り組むことに意義がある。

 ◆足利事件を検証すべきかどうか

 個別事件については意見を控える。ただ、科学的な証拠の取り扱い及びその評価について、内部で検討する必要があると考える。

 ◆担当した主な裁判

 衆院選「1票の格差」を合憲とした判決で「是正を要する」と見解(07年6月)▽暴走族追放条例を合憲とした判決で「規定を(暴走族に)限定解釈するのは困難で違憲」との反対意見(07年9月)

 ◆趣味/最近読んで面白かった本

 夏山登山/山本譲司「累犯障害者」

 ◆裁判官名・経歴

 ◇金築誠志(かねつき・せいし)(64)

 島根県出身。東京大法卒。69年判事補任官。最高裁人事局長、司法研修所所長、東京地裁所長、大阪高裁長官などを経て09年1月就任

 ◆裁判官としての信条、審理の際の心構え

 誠実、公平に、できる限り幅広い視点から、という心構えで職務に取り組む。

 ◆裁判員制度への意見や期待

 国民参加が実現した刑事裁判の一大変革で、成功を願っている。裁判官は柔軟に、裁判員は積極的に、という姿勢を期待したい。

 ◆足利事件を検証すべきかどうか

 現在、具体的な事件として係属中なので、回答は差し控えたい。

 ◆担当した主な裁判

 JR東海道線の電車内で女性乗務員を暴行したとして強姦(ごうかん)罪などに問われた被告の上告を棄却する決定の裁判長(09年6月)▽警察署の塀に上った行為で建造物侵入罪の成立を認めた決定の裁判長(09年7月)

 ◆趣味/最近読んで面白かった本

 野草観察、ささやかな園芸、囲碁/小学館「日本の歴史」

 ◆裁判官名・経歴

 ◇那須弘平(なす・こうへい)(67)

 長野県出身。東京大法卒。69年弁護士登録。第二東京弁護士会副会長、日本弁護士連合会常務理事、東大法科大学院客員教授などを経て06年5月就任

 ◆裁判官としての信条、審理の際の心構え

 中立、公正な立場で憲法と法律に従い判断。結論が出ない時は、裁判官の「良心」を最後のよりどころとして決断する。

 ◆裁判員制度への意見や期待

 司法を大きく変える力を秘める。裁判官と裁判員が率直な意見を交換し合うことで高い次元の正義が実現されることを期待する。

 ◆足利事件を検証すべきかどうか

 進行中の事件で意見は控えたい。一般論として、誤判の「検証」が必要な場合もあろうが、「裁判官の独立」との兼ね合いの視点からの慎重な配慮を欠かせない。

 ◆担当した主な裁判

 痴漢事件を逆転無罪とした判決で、「補強証拠がない場合、合理的疑いを超えた証明があるか厳しい点検が欠かせない」と補足意見(09年4月)▽衆院選「1票の格差」訴訟で合憲とする多数意見(07年6月)

 ◆趣味/最近読んで面白かった本

 弓道、ゴルフ少々、散歩/J・グレイ「自由主義の二つの顔」

 ◆裁判官名・経歴

 ◇竹崎博允(たけさき・ひろのぶ)(65)

 岡山県出身。東京大法卒。69年判事補任官。最高裁経理局長、同事務次長、同事務総長、名古屋高裁長官、東京高裁長官などを経て08年11月長官に就任

 ◆裁判官としての信条、審理の際の心構え

 中立、公平な立場で正しく事実を評価し、歴史の中で築き上げられてきた健全な価値に従って判断したい。

 ◆裁判員制度への意見や期待

 長い目で育てていくことが必要。裁判官と裁判員の間に自然な信頼関係が作られ、率直で建設的な意見交換が行われることが重要。

 ◆足利事件を検証すべきかどうか

 係属中の事件で詳細は控えたいが、刑事裁判の本質にかかわる問題として真剣に検討すべきだ。裁判と科学、技術の在り方全体について、建設的な方策の検討が必要。

 ◆担当した主な裁判

 アダルトDVDの販売機に監視機器が併設されている場合、販売機への有害図書収納を禁じた条例に違反するかどうかが争われた刑事裁判で「対面販売の実質はない」として条例違反を認めた2審を支持した判決の裁判長(09年3月)

 ◆趣味/最近読んで面白かった本

 園芸、読書、音楽を聴くこと/サイモン・シンの一連の著作

 ◆裁判官名・経歴

 ◇近藤崇晴(こんどう・たかはる)(65)

 東京都出身。東京大法卒。69年判事補任官。甲府地家裁所長、東京高裁部総括判事、最高裁首席調査官、仙台高裁長官などを経て07年5月就任

 ◆裁判官としての信条、審理の際の心構え

 最高裁の結論が、健全な社会常識に合致したものであることが何より大事。扱う事件の数は膨大だが、一件一件丁寧に判断する。

 ◆裁判員制度への意見や期待

 裁判官は裁判員が事件を十分に理解し、積極的に意見を述べられるよう努める必要がある。制度の成功を期待している。

 ◆足利事件を検証すべきかどうか

 誤判が明らかになれば、裁判の独立に触れないよう配慮しながら原因の検証が必要。司法研修所での司法研究などが考えられる。

 ◆担当した主な裁判

 出生後の国籍取得に両親の婚姻を必要とする国籍法の規定を巡る訴訟で「違憲」と多数意見(08年6月)▽教員が悪ふざけした男児を壁に押し当て大声でしかった行為を体罰ではないと判断した判決の裁判長(09年4月)

 ◆趣味/最近読んで面白かった本

 読書、歌舞伎などの観劇、映画鑑賞/山本譲司「獄窓記」

 ◆裁判官名・経歴

 ◇宮川光治(みやかわ・こうじ)(67)

 愛知県出身。名古屋大法卒。68年弁護士登録。最高裁司法修習委員会委員、日本弁護士連合会懲戒委員会委員長などを経て08年9月就任

 ◆裁判官としての信条、審理の際の心構え

 最終審の重さと法の発展に寄与する役割を自覚し事件に真摯(しんし)に取り組み、分かりやすい論理と言葉で判断を示す。

 ◆裁判員制度への意見や期待

 法曹三者がそのマインドとスキルを分かりやすく発揮し、裁判員の市民常識と感覚が存分に表れることが鍵。危惧(きぐ)や不安はない。

 ◆足利事件を検証すべきかどうか

 裁判の独立に十分配慮した上で、科学的証拠の評価の在り方などについて、司法研修所のような機関で検討することが必要だ。

 ◆担当した主な裁判

 住民訴訟勝訴時の弁護士報酬額を巡る判決で「自治体の適正な報酬負担は法の実現を促進する」と補足意見(09年4月)▽立ち入り禁止看板の取り付けを阻止した暴行を正当防衛で無罪とした判決の裁判長(09年7月)

 ◆趣味/最近読んで面白かった本

 映画館での映画鑑賞/高橋一彦「帝政ロシア司法制度史研究」

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 ■意見が分かれた最近の主な最高裁判決■

 <第1小法廷>

 甲斐中辰夫 ○

※金築誠志  −

※涌井紀夫  ○

※宮川光治  ×

※桜井龍子  ○

 中国残留婦人が早期帰国などの措置を怠ったとして国に賠償を求めた訴訟(09年2月)=原告敗訴が確定。決定は「原告側の上告を受理すべきだとは認められない」と指摘した。宮川裁判官の反対意見は「国に違法性があるかについて議論の余地がある」。

……………………………………………………

 <第3小法廷>

 藤田宙靖  ○

 堀籠幸男  ×

※那須弘平  ○補

※田原睦夫  ×

※近藤崇晴  ○補

 電車で女子高生に痴漢をしたとして強制わいせつ罪に問われた訴訟(09年4月)=実刑の1、2審を破棄し逆転無罪。満員電車の痴漢について「特に慎重判断が求められる」と初判断。堀籠、田原裁判官の反対意見は「1、2審の認定に不合理はない」。

 ※は今回の国民審査対象者、○は多数意見、×は反対意見、「補」は補足意見、「−」は関与せず

毎日新聞 2009年8月25日 東京朝刊」



カテゴリ:選挙

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