Because It's There
主に社会問題について法律的に考えてみる。など。
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2009/06/26 [Fri] 03:18:31 » E d i t
栃木県足利市で1990年、女児=当時(4つ)=が誘拐殺害された「足利事件」の再審請求即時抗告審で、東京高裁(矢村宏裁判長)は平成21年6月23日、無期懲役刑の執行停止で釈放された菅家利和さん(62)について、「犯人と認めるには合理的疑いが生じた」として、再審請求を棄却した宇都宮地裁の決定を(刑事訴訟法426条2項により)取り消し、(同法448条1項により)再審開始を決定しました。

死刑か無期懲役の確定事件で再審が開始されるのは、「島田事件」の東京高裁決定(87年3月確定)以来約22年ぶりで、再審は早ければ秋にも宇都宮地裁で始まる見通しです。再審では、検察側が無罪判決が出るよう手続きを進め、無罪が言い渡される公算が極めて大きいとされています。弁護側は警察庁科学警察研究所(科警研)のDNA型鑑定など捜査の問題点を検証するよう求めていますので、再審でどこまで審理されるかが焦点となっています(時事通信:2009/06/23-12:53)。



1.報道記事を幾つか。

(1) 朝日新聞平成21年6月23日付夕刊

足利事件 再審を決定 東京高裁 無罪の公算大
2009年6月23日10時17分

 栃木県足利市で90年に当時4歳の女児が殺害された「足利事件」の再審請求の即時抗告審で、東京高裁は23日、無期懲役が確定した菅家利和さん(62)=服役先の千葉刑務所から今月4日に釈放=の再審を開始する決定を出した。矢村宏裁判長は「菅家さんが犯人であると認めるのには合理的な疑いがある」と判断した。

 決定について検察、弁護側の双方は、最高裁に特別抗告しないことを明らかにした。再審は宇都宮地裁で開かれる。検察側は論告で無罪を求めるか求刑を放棄する方針で、菅家さんに無罪判決が言い渡される公算が大きい。

 即時抗告審で高裁は、菅家さんの有罪立証の柱となった警察庁科学警察研究所(科警研)によるDNA型鑑定の証拠価値を判断するため、2つの再鑑定を実施した。決定は、そのうち、検察側が推薦した素鈴木広一・大阪医大教授(法医学)の鑑定結果を検討。鈴木鑑定が「女児の肌着に残された体液のD
NA型と菅家さんの型とは一致しない」としたことを受けて、「菅家さんは犯人でない可能性が高い」と指摘した。

 さらに、この鑑定結果によって、捜査・公判段階での菅家さんの「自白」は「信用に疑問を抱かせるのに十分だ」と判断。これらの認定を踏まえ、再審開始の要件となる「無罪を言い渡すべき明らかな証拠を新たに発見したとき」にあたると結論づけた。

 一方、弁護側が推薦した本田克也・筑波大学教授(法医学)は再鑑定で科警研の鑑定結果を「誤鑑定」と指摘していたが、決定は本田鑑定の当否は判断しなかった。

 菅家さんは、91年12月に逮捕された。当初は犯行を「自白」。宇都宮地裁での一審公判の途中から否認に転じた。公判では、DNA型鑑定の結果が刑事裁判の証拠となるかが主な争点になった。地裁は93年、鑑定結果や「自白」が信用できるとして無期懲役を宣告。二審・東京高裁も96年に有罪と判断して控訴を棄却した。

 弁護団は、科警研の鑑定は信用できないとして上告中の97年に最高裁に再鑑定を求めた。しかし、最高裁は00年に鑑定について「その後の科学技術の発展により新たに解明された事項なども加味して慎重に検討されるべきだが、これを証拠として用いることが許される」との判断を示し、無期懲役が確定していた。

 菅家さんは02年に宇都宮地裁に再審請求。地裁が08年に棄却したため、東京高裁に即時抗告していた。」



(2) 東京新聞平成21年6月23日付夕刊1面

足利事件 再審が決定 菅家さん無罪確定へ
2009年6月23日 夕刊

 栃木県足利市で一九九〇年、四歳の女児が殺害された「足利事件」で、無期懲役が確定し、十七年半ぶりに釈放された菅家利和さん(62)が裁判のやり直しを求めた再審請求の即時抗告審で、東京高裁(矢村宏裁判長)は二十三日、「菅家さんが犯人ではない可能性が高い」と再審開始を決定した。近く、一審の宇都宮地裁で再審公判が開かれるが、検察側は有罪立証をせず、菅家さんに無罪判決が言い渡される。

 無期懲役以上が確定した事件で、再審無罪になれば、八九年一月の静岡県の「島田事件」以来になる。

 矢村裁判長は決定で、検察側が推薦した大阪医科大の鈴木広一教授による再鑑定結果について「菅家さんと女児の下着に付着した体液のDNA型が一致しないことが認められる。菅家さんが犯人であると認めるには、合理的な疑いが生じている」と述べた。

 捜査段階の自白にも「有罪とされた一つの根拠であるが、再鑑定の結果は、自白の信用性に疑問を抱かせるのに十分な事実といえる」と指摘した。

 弁護側が推薦した筑波大の本田克也教授による再鑑定に関し、検察側が「信用性に欠ける」とする意見書を出したが、決定は「鈴木鑑定のみで菅家さんのDNA型と一致しないことが認められる。本田鑑定の信用性を判断するまでもない」と触れなかった。

 弁護側は、捜査段階の鑑定が誤っていたことや虚偽の自白の経緯を明らかにするため、鑑定を担当した警察庁科学警察研究所の技官らの証人尋問を求めたが、矢村裁判長は採用しなかった。

 足利事件は二〇〇〇年七月、最高裁が初めて、DNA型鑑定の証拠価値を認め、菅家さんを無期懲役とした一、二審判決が確定。再審請求について東京高裁が再鑑定の実施を決め、今年五月、検察、弁護側が推薦した法医学者二人は、DNA型を不一致とする再鑑定書を提出した。

 検察側は今月四日、再鑑定結果が「無罪を言い渡すべき明らかな証拠に該当する」とする意見書を東京高裁に提出し、再審開始決定前の異例の釈放に踏み切った。」





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2009/06/23 [Tue] 23:59:20 » E d i t
免田事件や島田事件など、死刑確定後、再審で無罪となった4事件の元弁護人有志が「誤判を防ぐための8つのお願い」という提言をまとめ、平成21年6月22日、東京都内の弁護士会館で発表しました。

元弁護人は、これら4事件で誤判が生じた原因には、捜査機関が自白を強要したり、「誤った鑑定」を出し、被告人に有利な証拠を隠匿したなど4つの共通点があると指摘し、裁判員になるかもしれない市民に対して、誤判を防止するために、「取り調べが適正だったか」「鑑定は適正だと確認できたか」など8点に配慮して、審理や評議に臨んでほしいと呼び掛けています(時事通信:2009/06/22-12:17)。



1.報道記事を幾つか。

(1) 共同通信(2009/06/22 12:46)

裁判員向けに「誤判防いで」 死刑冤罪事件の元弁護人が訴え

 8月から始まる裁判員裁判を前に、香川県の財田川事件など確定死刑囚が再審無罪となった冤罪4事件の元弁護人有志が22日、東京都内で記者会見し、裁判員を務める国民に向け「被告は無罪という前提で裁判に臨んでください」などとする「誤判を防ぐための八つのお願い」を公表した。

 元弁護人32人の連名で、誤判の原因には自白の強要などの共通点があると指摘。有罪の確信が持てなければ無罪にし、自白調書があっても取り調べが適正と確認できないときは信用しないよう求めている。

 さらに、(1)DNA鑑定など鑑定結果をよく理解し、その方法が適正かどうかを確認する(2)有罪、無罪の判断は、被害者の心情と離れて判断する(3)違法な捜査や信用できない証拠にはノーを唱える−などの点を強調している。

2009/06/22 12:46 【共同通信】」



(2) 朝日新聞平成21年6月23日付朝刊37面(14版)

「冤罪4事件」元弁護人 裁判員へお願い文

 裁判員裁判が実際に始まるのを前に、いったん死刑が確定した人が再審で無罪となった「冤罪4事件」で弁護人を務めた弁護士の有志が22日、裁判員となる市民に向けて「誤判を防ぐための8つのお願い」と題した緊急アピールの文書を公表した。再審開始が確実視されている「足利事件」にも触れ、 「『自白』に対する疑問を持ち続けてほしい」と訴えている。

 4事件は、80年代に再審無罪判決が出た「免田」 「財田川」 「松山」 「島田」の各事件。<1>被告が「犯人でない可能性」が残る場合は無罪とする<2>自白に至るまでの取り調べが適正だと確認できなければ、自白は「信用できない」と判断する<3>DNA型鑑定などに「専門知識がないから」とひるまず、鑑定人に質問し、資料の入手法などが適正かを確認する――といったことを要望している。

 記者会見を開いた松山事件を担当した青木正芳弁護士は「裁判員が刑事裁判の原則を理解し、裁判所の判断に厳しい目を向けていけば誤判は減っていくだろう」と裁判員制度に期待を込めた。 (市川美亜子)」


この提言は、新聞報道では、朝日新聞が少しは目に付くように見出しを大きくしているものの、他紙ではごく小さく扱っているだけですから、半ば無視されているに近いものです。「誤判を防ぐための8つのお願い」として8つの点に絞っているにもかかわらず、どこも8つを紹介することもしていないのです。

報道機関として、本当にそれでいいのでしょうか?



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2009/06/22 [Mon] 23:59:27 » E d i t
麻生首相の部落差別発言問題について、ご存知でしょうか? 麻生太郎氏が「野中のような部落出身者を日本の総理にはできないわなあ」と述べたために、元官房長官である野中広務氏が麻生太郎氏に面と向かって激怒した事件です。

麻生首相の部落差別発言問題については、「「ナチス発言」問題:ナチスに関する麻生氏の歴史認識は正しいのか?〜研究者は“麻生氏の発言は歴史的にトンチンカン”と酷評(東京新聞平成20年8月6日付「こちら特報部」より)」(2008/08/06 [Wed] 22:03:21)において、取り上げたことがあります。

東京新聞のコラム(例えば、「本音のコラム」「大波小波」)では、麻生首相の被差別部落発言を取り上げることがありましたが、新聞社の編集委員が取り上げたことは過去においてなかったように思います。ところが、驚くべきことに、朝日新聞平成21年6月20日付「政治コラム 政態拝見」において、編集委員・坪井 ゆづるさんがこの部落差別発言を取り上げていました。

野中広務氏と辛淑玉(しんすご)さんの対談集「差別と日本人」(角川書店、平成21年)が切っ掛けになったようですが、麻生首相の政治家としての資質の有無、そして自民党の政権維持を認めるか否かを判断するために重要な意味があることだと思い、紹介したいと思います。



1.まず、朝日新聞平成21年6月20日付「政治コラム 政態拝見」を紹介する前に、いまだ残る「部落差別」について少しでも理解してもらうために、「差別と日本人」(角川書店、平成21年)の「はしがき」(17頁以下)を一部、引用しておきます。

 「部落差別とは、「部落」というレッテルを貼り、差別することである。差別とは、富を独り占めしたい者が他者を排除するために使う手段である。そして、この差別は、する側になんとも言えない優越感を与える享楽である。

          *          *          *

 差別は、いわば暗黙の快楽なのだ。例えば、短絡した若者たちが野宿者を生きる価値のない社会の厄介者とみなし、力を合わせて残忍なやり方で襲撃する時、そこにはある種の享楽が働いているのだ。それは相手を劣ったものとして扱うことで自分を保つための装置でもあるから、不平等な社会では差別は横行する。そして、あたかも問題があるのは差別される側であるかのように人々の意識に根付き、蓄積されていく。

 時の権力は、権力に不満が集まらないようにするためには、ただ、差別を放置するだけでいい。そうすれば、いつまでも分断されたシモジモ同士の争いが続く。

 他方、差別される側は、差別の理由を求めてさまよう。その理由をなくせば差別されなくなると考えるからだ。しかし、差別するための「理由」は、いくらでも付け足せる。結果、自らの努力ではどうにもならない状況が作り出され、多くは無力感を植えつけられていく。

 西日本を中心に今なお続く「部落差別」は、多くは朝廷政治の歴史の中から生み出されていった。

 その被差別者の解放への動きの始まりは、1871(明治4)年、明治政府が出した賤民(せんみん)廃止令である。しかしこれは、その後の地租改正条例へと続く、財源確保政策の一環として行われたものだ。権力は、かつては既得権を維持するために特定の人々を「卑しい」身分に落とし込み、今度は、彼らから金をむしりとるために「平民」とした。しかし、「平民」としたのは名義上のことだけで、彼らを取り巻く差別的な環境や意識には一切手をつけない、おためごかしでしかなかった。

 このとき、「賤民」が解放されて「増長」することを恐れた一般大衆は、焼き討ちや襲撃などの暴力を繰り返し、口々に「(賤民廃止令は)5万日(137年)先送りにされた」と悪意に満ちたデマを流した。そして、自らの生活圏に「賤民」が侵入してくることへの恐怖と、自らの位置の低下への不安から、暗示的な言葉やしぐさで差別を表現し、日常生活の中での匂いや味、趣といった感覚的な差異を作り上げて排除するという、より陰湿な差別を作り出していった。

 1871年8月28日から数えて「5万日」後は、2008年7月20日。

 2001年の国連人種差別撤廃委員会では、「部落差別はカースト制度」とまで指摘されたにも拘(かか)わらず、この国の多くの人々は無関心のままでいる。「賤民廃止令」は、差別した側の責任をいっさい問わないまま、いまに至っているのだ。5万日があけた今も、被差別者の苦悩は続いている。」



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2009/06/20 [Sat] 23:59:16 » E d i t
西松建設による小沢一郎民主党前代表の政治団体への違法献金事件で、政治資金規正法違反などの罪に問われた前社長国沢幹雄さん(70)の初公判が平成21年6月19日、東京地裁(山口雅高裁判長)で開かれました。検察側は「違法献金のすべてで主導的に関与し、責任は重い」として、外為法違反罪と合わせて禁固1年6月を求刑しています。

国沢前社長は罪状認否で「間違いありません」と述べ、起訴内容を全面的に認めており、弁護側は「事前に届け出なかっただけの形式犯にとどまる」として執行猶予付き判決を求めています。マスコミの注目を集めた公判ですが1回で結審し、判決は7月14日に言い渡される予定です。



1.報道記事を幾つか。

(1) 朝日新聞平成21年6月20日付朝刊1面(13版)

前西松社長に1年6ヵ月求刑 西松事件 検察「寄付は闇献金」

 西松建設から民主党の小沢一郎前代表側への違法献金事件をめぐって、19日に東京地裁(山口雅高裁判長)で開かれた初公判は、即日結審した。検察側は論告で「ダミー団体名義の寄付は闇献金と何ら異なることはない」と両者の「金銭的癒着」を厳しく非難。政治資金規正法違反などの罪に問われた同社前社長の国沢幹雄被告(70)に禁固1年6ヵ月を求刑した。判決は7月14日に言い渡される。 

 検察側は論告で、西松建設から小沢側への献金は、公共工事の受注談合をめぐって小沢事務所から「天の声」を得ることが目的だったと主張した。実際には西松建設が寄付しているのに、ダミー団体の名義を使って寄付の主体を偽り、談合の構造・実態を隠蔽(いんぺい)したことは「寄付の存在そのものを収支報告書に記載しない、いわゆる闇献金と何ら異なるところはない」と位置づけた。

 そのうえで、西松建設が少なくとも4件の公共工事を談合のうえ高い落札率で受注したことから、「納税者である国民に負担を強いた。まさに公共工事受注に係る建設業者と特定政治家側との金銭的癒着を国民の目から覆い隠した」と指摘。 「政治資金規正法の趣旨・目的を踏みにじる、きわめて悪質な犯行だ」と述べた。

 国沢前社長は、被告人質問で弁護人から心境を問われ、「他のゼネコンも大なり小なり(談合を)しているので、競争に勝つために必要だと思い続けてきた。悪弊をなくす発想がなかったのは、私の経営者としての限界で、忸怩(じくじ)たる思いだ」と述べた。

 また、山口裁判長が「談合をしていた頃と、後とどちらが楽だったのか」と尋ねると、「談合がなくなって気は楽になったが、競争が激しくなって(会社の)実績そのものは伸びなかった」と説明した。

 国沢前社長の弁護側は最終弁論で、「一種の形式犯で、マスコミの過熱で贈収賄と同列かのような報道があった。罪刑を超える非難は許されない」と主張。身柄の拘束期間が長期にわたったことも批判し、「(小沢側への寄付は)ゼネコン他社との競争で無理からぬ面があった」と執行猶予付きの判決を求めた。

 外国為替及び外国貿易法違反の罪に問われた同社元副社長の藤巻恵次被告(68)には、検察側は懲役6ヵ月を求刑した。(浦野直樹、藤森かもめ)」」



(2) 朝日新聞平成21年6月20日付朝刊39面(14版)

争わぬ西松、一日結審 
株主総会前 会社再生優先
2009年6月20日5時31分

 東京地裁で19日開かれた西松建設前社長・国沢幹雄被告(70)らの初公判。即日結審は、会社再生のために早期に決着を着けたい西松建設側の意向だったが、立証に自信を見せる検察側も早急な公判準備に対応。政界からも注目された重要公判の審理は意外にも1日で幕を閉じた。検察側は「説明責任」に応えるべく議論を重ね、小沢事務所とゼネコン談合の癒着構造という、違法献金の「悪質性」を冒頭陳述で強調した。

 午前10時から始まった初公判は、被告人の罪状認否、検察側の冒頭陳述と速いテンポで進んだ。午後も公判は続き、被告人質問などがあった。

 弁護人から心境を問われた国沢前社長は「外為法違反、政治資金規正法違反とも大なり小なり競争に勝つためには必要であると思い続けてきた。立件されて、悪弊をなくす努力はなぜできなかったのか、と思う。忸怩(じくじ)たる思いだ」と述べた。

 昼の休憩を挟み、予定された午後4時半より1時間半近く前に、弁護側の最終弁論が終わって結審した。

 西松建設関係者らによると、即日結審は、組織改革を進めている同社側が、6月26日の株主総会前に事件を総括するため、早期の結審を望んだ結果だったという。今月上旬から検察側に即日結審を打診し、検察側も論告求刑の準備まで急ピッチで進めた。

 民主党の小沢一郎前代表の公設第1秘書・大久保隆規被告(48)=政治資金規正法違反の罪で起訴=の初公判の日程のめどが立たない中で、西松建設側の公判でスムーズな審理を望む検察側の意向とも合致したとみられる。

 一方、裁判関係者によると、注目される大久保秘書の初公判については、検察側、弁護側とも総選挙に影響を与える可能性があることについて考慮しているため、「総選挙前に開かれる可能性は低い」という。

■説明責任を意識 検察、大久保被告裁判控え

 東京地検は、3月24日に大久保秘書を起訴した際、「看過しえない重大かつ悪質な事案」などと述べた。だが、「悪質な事案」の意味については、「公判で明らかにする」としていた。

 その後、国沢前社長らの初公判が6月19日に決定。検察関係者らによると、東京地検特捜部は、違法献金の動機を明らかにするためにも、東北地方の公共工事をめぐるゼネコン談合組織と小沢事務所の関係について、この初公判で指摘することを早期に決めたという。東京地検内には、「検察の説明責任を問う声も高まっていたので、ぜひそれに応えたい」という考えが強かったという。

 ただし、最高検など上級庁と公判の方針を検討する中で、「踏み込んだ内容にして、小沢氏側の余計な反発を招くことにならないか」との慎重論も出た。

 特捜部が初公判前に準備した冒頭陳述は約20ページに及んだ。それが上級庁との検討を重ね、約半分となった。西松建設以外のゼネコン各社と小沢事務所の関係など、直接立証にかかわらない部分を削っていった結果だという。

 また、談合にかかわる罪は立件しておらず立証する必要もないことから、西松建設の献金の動機という範囲におさめるように工夫したという。」




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2009/06/18 [Thu] 23:58:58 » E d i t
衆議院は平成21年6月18日午後の本会議で、臓器移植法改正4法案のうち、脳死後の臓器提供の年齢制限(現行法で15歳以上)を撤廃するA案を賛成多数で可決、参院に送付しました。

衆議院本会議では、4つの改正案の採決が提出されたA・B・C・Dの順に始まり、採決は記名投票で行われました。その結果、欠席・棄権を除いたA案への投票総数430票のうち、賛成263票、反対167票であり、欠席・棄権は48人でした。A案の可決により、その他の3案(B・C・D案)は採決されずに廃案となっています。

与党や民主党などは「死生観にかかわる」として党議拘束をかけず、議員個人の判断で投票しています。そのため、麻生太郎首相、民主党の鳩山由紀夫代表、公明党の太田昭宏代表がA案に反対票を投じ、一方、自民党の小泉純一郎元首相・福田康夫前首相、民主党の小沢一郎代表代行は賛成票を投じ、自民党の安倍晋三元首相はD案を支持してA案の採決を棄権するといった、個々人で異なる投票行動をとっています(時事通信:2009/06/18-13:45、毎日新聞)。なお、他の政党とは異なり、共産党は(党議拘束をかけ)「審議が尽くされていない」として棄権しています(いずれの案の採決も棄権する方針でした)。



1.報道記事を幾つか。

(1) 朝日新聞平成21年6月18日付夕刊1面(4版)

「脳死は人の死」可決  0歳から移植容認

臓器法改正 A案が衆院通過 参院に慎重論
2009年6月18日13時24分

 衆院は18日午後の本会議で、臓器移植法改正案を採決し、原則「脳死は人の死」とし、臓器提供の拡大をめざすA案を賛成多数で可決した。残りのB、C、D各案は採決されないまま、廃案となった。ただ、参院では、多数を占める民主党内に臓器移植の要件緩和に慎重な議員が多く、独自案提出の動きもある。A案がそのまま成立するかどうかは不透明な情勢だ。

 衆院議員は現在、欠員を除き478人。採決は記名投票で行われ、欠席・棄権を除いたA案の投票総数は430(過半数216)、賛成263、反対167だった。共産党は「採決は時期尚早」として本会議には出席するが採決は棄権する方針を決定。自民、民主など他の主要政党は「個人の死生観」にかかわるとして党議拘束をかけずに採決に臨んだ。97年に成立した現行法の改正案が採決されたのは初めて。

 本人の意思が不明な場合でも家族が同意すれば臓器提供できるとするA案では、小児を含むすべての年齢で臓器提供が可能となる。移植学会や患者団体も推しており、最も多くの支持を集めているとみられていたが、原則「脳死は人の死」とすることなどに抵抗感も根強く、過半数確保のメドは立っていないとされていた。

 朝日新聞が5月に衆参両院の全議員を対象に行ったアンケートでも、7割近くが回答せず、回答者のなかでも「わからない・検討中」が2割超を占めるなど、多くの議員が態度を決めかねている様子が浮き彫りになった。A案が可決された背景には、今国会で改正が実現しなければ、当分、改正の機運が遠のくとの議員心理が働いた可能性もある。

 採決は国会提出順に、A、B、C、D各案の順で行われ、いずれかの案が投票総数の過半数の賛成を得た時点で、残りの案は採決されずに廃案になるルールだった。より広範な支持を集めようと、折衷案としてつくられたD案も、採決されないまま廃案となった。」



(2) 読売新聞平成21年6月18日付夕刊1面(4版)

移植法A案 衆院通過 年齢制限は撤廃

賛成263、反対167 参院審議、曲折も

 臓器移植法改正案は18日午後、衆院本会議で採決され、脳死を「人の死」とすることを前提に、現行では禁止されている15歳未満からの臓器提供を可能とすることを柱としたA案が賛成多数で可決された。

 審議の舞台は参院に移るが、A案の成立に消極的な意見や慎重審議を求める声が出ており、成立までには曲折も予想される。

 採決は記名投票で行われ、投票結果は賛成263、反対167だった。投票総数は430だった。共産党は時期尚早との理由で採決を棄権し、そのほかの政党は個人の死生観や倫理観に基づく問題であるとして、党議拘束をかけず議員個人の判断に委ねた。

 A案は脳死が「人の死」であることを前提として、臓器提供の条件について、書面による生前の意思表示と家族の同意を必要としている現行制度を大幅に緩和した。本人意思が不明でも生前の拒否がない限り家族の同意で臓器提供できるよう改める。現行では臓器提供の意思表示ができる年齢を15歳以上としているが、本人意思が不明でも臓器提供が可能になることで年齢制限は撤廃され、乳幼児からの臓器提供が可能となる。また親族への臓器の優先提供についても本人の意思表示ができると定めている。

 国会に提出された四つの改正案のうち、最も臓器移植の機会を拡大する可能性があり、患者団体や日本移植学会などが支持していた。

 残る3案は、臓器提供可能年齢を現在の「15歳以上」から「12歳以上」に引き下げるB案、脳死の定義を厳格化するC案、15歳未満について家族の同意と第三者による審査を条件に可能とするD案だったが、最初に採決されたA案が過半数の支持を得たため、採決されないまま廃案となった。

 A案は同日中に参院に送付され、参院厚生労働委員会で審議が行われる見通しだ。参院の民主、社民両党の有志議員はC案の考えに近い新案を参院に提出する構えを見せており、西岡武夫・参院議院運営委員長は「参院でまだ何の議論もしていない。この問題は慎重にあらゆるケースを考えないと禍根を残す」として、一定期間の審議が必要との認識を示している。

 現行の臓器移植法は1997年6月に成立した。施行後3年の見直し規定があり、臓器提供条件の緩和や15歳未満の臓器提供を認めるよう、患者団体や日本移植学会が法改正を求めてきた。2006年にA、B両案が与党の有志議員によって国会に提出された。C案は両案の対案として、野党の有志議員によって07年に提出されたが、長らくたなざらしの状態が続いていた。

 昨年5月、国際移植学会が自国外での臓器移植自粛を求めた「イスタンブール宣言」を採択し、世界保健機関(WHO)も臓器移植の自国内完結を促す指針を取りまとめる方向となった。このため、15歳未満の臓器提供が禁止されている日本の小児患者は臓器移植を受ける道が閉ざされる可能性が出てきたことから、にわかに同法の改正論議が活発化した。

(2009年6月18日 読売新聞)」




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