1.報道記事を。
(1) 東京新聞平成20年5月10日付朝刊1面(11版S)
「病気腎移植容認提言へ 超党派議連が方針 万波医師処分は不要
2008年5月10日 朝刊
厚生労働省が「原則禁止」とした病気腎移植について、与野党国会議員約八十人からなる「修復(病気)腎移植を考える超党派の会」(会長・杉浦正健元法相)が、正反対に病気腎移植容認の見解をまとめる方針であることが九日、分かった。議員立法も視野に、十三日に正式見解をまとめるが、自公民各党の厚労部会長ら医療行政に通じた議員たちによる反対論に、厚労省は苦慮しそうだ。
厚労省や愛媛社会保険事務局は、宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の万波誠医師らが手がけた病気腎移植について、保険請求が不当だったとして、同病院などの保険医療機関指定取り消しと、万波医師らの保険医登録取り消しを検討している。
しかし、「見解案」によると、「超党派の会」は、症例の一部に「腎摘出の適応が適切だったか疑問がある」としつつも、臓器不足を考慮すると、病気腎移植は「第三者委員会によるドナーの疾患の客観的な評価や、適切なインフォームドコンセント(十分な説明と同意)の確認等を要件とすれば認められると考えられる」と判断。
さらに、病気腎移植は、既存療法の組み合わせであり、臨床実施例の知見が蓄積されていると指摘。高度医療や先進医療の枠組みで、「保険診療を認めていくべきだ」とした。
その上で、病気腎移植の中には、診療報酬請求を社会保険診療報酬支払基金で審査して適用した例もあると指摘。万波医師や病院を処分する「理由は認められるとはいえない」と、処分は不要との考えを示した。」(*見出しは、紙面のものに変更しました。)
(2) 東京新聞平成20年5月10日付朝刊3面(11版S)
「病気腎移植 認めぬ学会、厚労省 超党派議連13日に正式見解
宇和島徳洲会病院の万波誠医師らが行った病気腎移植は、昨年3月、日本移植学会など関連学会が、医学的に問題があり、インフォームドコンセントなど手続き上も問題だと指摘し、「現時点では医学的に妥当性がない」との統一見解を発表。これを受け、同7月、厚生労働省が「臓器移植法運用指針」改正の中で、臨床研究以外での病気腎移植は「原則禁止」とした。
日本移植学会などは、「修復(病気)腎移植を考える超党派の会」の意見聴取でも、「治療上摘出の必要のない腎臓を移植している」などとし、あらためて妥当性を否定。
しかし、超党派の会は万波医師や海外で病気腎移植をしている医師の意見聴取も行い、万波医師は「捨てるなら、と利用した。問題なかったと思っている」と発言。病気腎移植を第3の道として認めてほしい考えを強調した。
社会保険庁(厚労省の外局)の地方組織で、宇和島徳洲会病院や万波医師らの処分を検討している愛媛社会保険事務局は、19日に聴聞会を開く予定だったが、直前の13日に超党派の会の見解が出ることで、延期の可能性も出てくる。
超党派の会は、厚労省や学会からも見解について意見を聞く予定だが、病気腎移植に「NO」を出した厚労省・学会と、「YES」を志向する超党派議連。患者たちは、早急かつ真剣な議論を望んでいる。 (特別報道部・片山夏子)」
5日は「世界の紛争と非暴力」「アジアの中の9条」などの分科会を開催し、最終日の6日、武力によらない平和実現を呼び掛けた世界宣言を採択し、閉幕しました。
1.まず、初日である5月4日についての報道記事を。
初日は、北アイルランド問題の平和的解決に取り組み、1976年にノーベル平和賞を受賞したマイリード・マグワイア氏らの基調講演が行われました。そして、夜には、趣旨に賛同する加藤登紀子さんやUA(ウーア)さんらのコンサートも行われました。
「基調講演した英国北アイルランドの平和運動家で、1976年にノーベル平和賞を受賞したメイリアド・マクガイアさんは「9条は60年間にわたって世界の人々に希望を与え続けた」と評価。「北アイルランド紛争で、私たちは武力なしで平和をつくることが可能だと実践した」と非暴力の重要性を説いた。
一方で「9条をないがしろにすることは、広島、長崎の被爆者への侮辱でもある」と憲法改正の動きを批判した。(共同通信)」(東京新聞2008年5月4日 20時20分:「9条は希望与え続けた」 平和憲法を考える世界会議)
(1) 朝日新聞平成20年5月5日付朝刊千葉版
「9条世界会議
2008年05月05日
「世界は、9条をえらび始めた」を合言葉に国内外から平和運動に取り組む人々が集まった。4日、千葉市の幕張メッセで始まった「9条世界会議」。定員を超える約1万5千人が訪れ、3千人が会場からあふれた。「予想以上。長期化するイラク戦争など世界情勢の変化で憲法9条への関心が高まっているのでは」という。5日は午前10時から9条をどう生かすかを分科会で話し合う。
第一部のテーマは「世界の希望としての9条」。北アイルランド紛争の平和的解決に尽くしたノーベル平和賞受賞者マイレッド・マグワイアさんと、米国・ハーグ平和アピール代表のコーラ・ワイスさんが基調講演した。ワイスさんは「教育や医療費などに使われるべき予算が、軍事費に向けられないようにするために9条は役立つ」と訴えた。
マグワイアさんは記者会見で、「暴力」を公共の場所での喫煙に例え、キャンペーン(運動)でなくせる事例として紹介、「暴力は健康に悪い」ということを広めるため、「例えば、非暴力や非戦を呼びかける広告をバスや電車の車中に下げてみては」などと提案。「市民一人ひとりができる等身大の活動をやっていきましょう」と呼びかけた。ブース会場では、各地の市民団体121グループが写真やキルトなど憲法9条を考える展示を披露した。
5日の分科会のテーマは「世界の紛争と非暴力」「アジアのなかの9条」「平和を創る女性パワー」「環境と平和をつなぐ」「核時代と9条」「9条の危機と未来」。」
(2) 東京新聞平成20年5月5日付朝刊23面
「『9条で命守られた』 9条世界会議 高遠さん語る 千葉で開幕
2008年5月5日 朝刊
世界各地で紛争が絶えない中、戦争放棄をうたった日本国憲法九条の意義を再確認する「9条世界会議」が四日、千葉市の幕張メッセで始まり、海外の参加者も含め約一万五千人(主催者発表)が会場を埋めた。
イラク支援ボランティアの高遠菜穂子さんは、武装勢力に拘束された経験を基に発言。「(自衛隊のイラク派遣で)日本が九条を突破したことで人質にされた。殺されなかったのは、私たちがイラクで丸腰で対話を続けてきたと分かったから。九条(の精神)を実践し、九条で命を守られた」と振り返った。
作家の雨宮処凛さんは「貧困で生存権を脅かされた人が『希望は戦争』と言う状況は、貧困層が戦争に駆り出される米国と近いものがある。軍事費を削って人が生きるために使うべきだ」と話した。
「人類の敵は貧困、病気、無学、人権侵害、テロ、温暖化。戦争ではなくせない。むしろひどくしている」と訴えたのは、米国の平和運動家コーラ・ワイスさん。元日弁連会長の土屋公献さんは「立派な軍隊を持ちつつ九条を世界に広めようとはおこがましいが、矛盾を打破して堂々と呼び掛けるべきだ」。
連合国軍総司令部(GHQ)で憲法草案を執筆した米国のベアテ・シロタ・ゴードンさんは「押し付けというが、自分より良いものは押し付けない。日本の憲法は米国より素晴らしい」と日本語で演説し、拍手を浴びた。
会議は作家井上ひさしさん、国際政治学者の武者小路公秀さん、歌手の加藤登紀子さんら各界の著名人が呼び掛け人となって催した。五日は分科会、六日は総会を開く。」
(3) 朝日新聞平成20年5月5日付朝刊
「「9条世界会議」開幕 市民続々、約3千人会場に入れず
2008年05月04日19時13分
作家の井上ひさしさんらが呼びかけ人となった「9条世界会議」が4日、千葉市の幕張メッセで始まった。憲法9条の意義や核兵器撤廃などについて議論する。9条を守ろうという趣旨に賛同する市民らが主催者の予想を超えて各地から集まり、主催者によると、3千人以上が会場に入りきれない事態になった。
この日は、9条にエールを送る海外ゲストの発言が相次いだ。76年にノーベル平和賞を受賞した北アイルランドのマイレッド・マグワイアさんは「9条を放棄しようとする動きが日本にあることを憂慮している」と述べた。
約1万2千人が入れる会場からあふれた人たちは近くの広場で、講演を終えたアメリカの平和活動家コーラ・ワイスさんらを囲んで、集会を開いた。バス2台で福島県郡山市から来た星光行さん(57)は「会場に入れなかったのは残念だが、ゴールデンウイークのさなかに9条のためにこれだけ人が集まったことに感動した」と話していた。
会議は5日に分科会などを開き、6日に閉会する。」
まさか「9条世界会議」の初日に、海外の参加者も含め約1万5千人(主催者発表)も参加するとは思いませんでした。しかも、そのうち「3千人以上が会場に入りきれない事態」になったのですから、参加者も予想外だったようです。
改憲の旗振り役をつとめてきた読売新聞の調査では今年、93年以降の構図が逆転し、改憲反対が賛成を上回り、朝日新聞の調査でも、9条については改正賛成が23%に対して、反対は3倍近い66%でした(朝日新聞)。このように、改憲を行う意識が減退し、むしろ現行9条の「戦争放棄」の理念を維持しようという意識が増しています。 「9条世界会議」が大規模集会になったことは、この世論調査が正しいものであったことを物語っています。

