1.MSN産経ニュース(2009.7.25 22:37)
「入院中の息子を刺す 無職の女を現行犯逮捕
2009.7.25 22:37
25日午後5時15分ごろ、東京都文京区千駄木の日本医科大学付属病院から「入院中の患者を家族が刺した」と110番通報があった。警視庁駒込署員が駆けつけたところ、集中治療室に入院していた千葉県柏市西原、会社員、和田正人さん(40)が胸を刺されており、近くにいた母親が「刺しました」と認めたため、殺人未遂の現行犯で逮捕した。
逮捕されたのは同県我孫子市我孫子、無職、和田京子容疑者(66)。正人さんは約2時間半後に死亡したため、容疑を殺人に切り替える方針。
同署の調べによると、京子容疑者は午後5時10分ごろ、隠し持っていた包丁で正人さんの胸を刺した。病院関係者が目撃し、110番通報した。
正人さんは自傷行為を行い、約10日前から入院していた。同署は動機を調べている。」
長男である和田正人さんは自殺を行いましたが、幸いにも未遂にとどまり一命は取り留めたわけです。ですから、本来、家族としては助かったことを喜ぶべきことなのに、母親は和田正人さんの胸を刺して殺してしまい、悲劇をもたらしたのです。そのため、誰もが「なぜ?」と思ったことでしょう。警察も疑問におもって「同署は(母親の)動機を調べている」わけです。
その後の報道として、「自殺を図った息子の回復が見込めないので将来を絶望し殺した」と供述していることが分かったともされていますが、 回復ができないほど意識不明という意味なのか、よく分かりません。そこで、母親が刺した動機にかかわる点について、東京新聞平成22年2月9日付夕刊で記事になっていたので、紹介したいと思います。
東京地裁は平成22年2月5日、3被告人の請求を受けて保釈を決定し、検察側は決定を不服とする準抗告をしなかったため、石川知裕さん、大久保隆規さん、池田光智さんは、5日夕方、小菅の東京拘置所を出ています(共同通信:2010/02/05 18:27)。
1.報道記事を。
(1) 毎日新聞平成22年2月5日付東京朝刊1面
「小沢氏団体不透明会計:小沢氏は不起訴 虚偽記載、容疑不十分 石川議員ら3人起訴
小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入を巡る事件で、東京地検特捜部は4日、当時の事務担当者で同党衆院議員、石川知裕容疑者(36)ら3人を政治資金規正法違反(虚偽記載)で起訴した。虚偽記載額は約21億6900万円に達する。同法違反容疑で告発されていた小沢氏については容疑不十分で不起訴処分とした。
ほかに起訴したのは、当時の会計責任者で公設第1秘書、大久保隆規(48)と石川議員の後任の事務担当者で元私設秘書、池田光智(32)両被告。
起訴状などによると、陸山会が04年10月に東京都世田谷区の土地を約3億5200万円で購入した際、石川議員と大久保秘書は共謀して原資となった小沢氏からの借入金4億円を同年分の政治資金収支報告書に記載しなかったなどとされる。また、大久保秘書と池田元秘書は共謀し、07年5月に小沢氏に返済した4億円を同年分の収支報告書に記載しなかったなどとされる。
特捜部は土地購入費に充てられた4億円を「小沢氏の手元に集まった金」と認定。虚偽記載は、この4億円を隠す経理操作と判断。4億円の原資について「公判で明らかにする」とする一方、「隠ぺい工作の執ようさ、額の大きさから起訴すべきだと判断した」と述べた。
これまで中堅ゼネコン「水谷建設」(三重県桑名市)元幹部らが「土地購入直前に5000万円を石川議員に渡した」と供述。石川議員らは授受を否定しているが、特捜部は立証を目指す。一方、小沢氏について特捜部は、虚偽記載の意思や共謀関係を立証するだけの証拠はないと結論づけた。
小沢氏の不起訴処分については、告発した市民団体などが検察審査会に不服を申し立てる可能性がある。
毎日新聞 2010年2月5日 東京朝刊」
(2) 東京地検特捜部は、昨年3月の西松建設事件以降、約1年間にわたり執拗に小沢一郎氏・民主党を狙い撃ちした捜査を行い、民主党への選挙妨害を繰り広げるだけでなく、「検察リーク」により、証拠もないのに様々な疑惑――例えば、贈収賄、脱税、談合、闇献金など多数――を垂れ流して世論操作を行ってきました。最後は、国会開会直前に衆議院議員を逮捕するといった不逮捕特権(憲法50条)を潜脱し、任意とはいえ国民の代表者である議員であり、政権与党の幹事長である小沢氏に2度も聴取を行い、国会審議を大きく阻害するという国会軽視の行為までやったのです。
イ しかし、起訴状などによると、「陸山会が04年10月に東京都世田谷区の土地を約3億5200万円で購入した際、石川議員と大久保秘書は共謀して原資となった小沢氏からの借入金4億円を同年分の政治資金収支報告書に記載しなかった」ことと、「大久保秘書と池田元秘書は共謀し、07年5月に小沢氏に返済した4億円を同年分の収支報告書に記載しなかった」だけで、政治資金規正法違反(虚偽記入)の罪のみでの起訴であって、それ以外の多数取り上げられた罪はすべて起訴事実にありません。
今回の捜査は、足利事件を髣髴とさせるような、長期間小沢一郎氏・民主党を付け狙った異常な捜査でした。また、多くの報道機関が、「検察リーク」を無批判に垂れ流し、いわゆる「光市母子殺害事件」と同様に、極めて感情的で「有罪視」した報道を行っており、またしても刑事手続の大原則である無罪推定の原則(憲法31条)が大きく損なわれました。
異常な捜査も小沢一郎氏の秘書・元秘書を次々と逮捕したのも、ともかく小沢一郎氏を起訴したいという一念であったことは誰の目にも明らかです。しかし、約1年間にわたって検察と報道が一体となってバカ騒ぎした挙句、結局は、本来、入り口にすぎなかったはずの、政治資金規正法違反(虚偽記入)の罪のみの起訴で「一連の捜査は終結」(東京新聞平成22年2月5日付)したのです。
もっとも、特捜部は土地購入費に充てられた4億円を「小沢氏の手元に集まった金」と認定し、「虚偽記載は、この4億円を隠す経理操作と判断」し、「隠ぺい工作の執ようさ、額の大きさから起訴すべきだと判断した」と述べています。しかし、所詮は、入り口にすぎなかった政治資金規正法違反(虚偽記入)の罪を大きく見せているだけであって、「張子の虎」にすぎないのです。見込み捜査の失敗をこうした言い訳で取り繕うことは、捜査機関の常套手段ですから、また同じことの繰り返しをしているのかと、うんざりする思いです。
ロ 政権交代により、やっと利権と腐敗にまみれた自民党政権と決別し、民意が尊重される社会に変え、格差社会の是正を図りつつあるのに、また元に引き戻そうとする検察と報道機関にはうんざりする思いです。米国さえも次のような記事にあるように、小沢氏が起訴されることを望んでいなかったのです。
「小沢幹事長、春の訪米検討 キャンベル氏の要請うけ
2010年2月5日21時3分
民主党の小沢一郎幹事長が4月末から5月上旬の大型連休中に訪米することを検討している。来日したキャンベル米国務次官補が2日、小沢氏と国会内で会談した際、民主党の大規模な訪米団を編成するよう要請。小沢氏は即答を避け、検討する姿勢を示したという。
鳩山由紀夫首相は5月末までに、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先を決定すると明言している。キャンベル氏が求めた訪米時期は決着期限に近く、小沢氏が訪米した場合、移設問題が協議される可能性もある。」(朝日新聞平成22年2月6日付朝刊4面)
このように、「来日したキャンベル米国務次官補が2日、小沢氏と国会内で会談した際、民主党の大規模な訪米団を編成するよう要請」していることから分かるように、米国は小沢一郎・民主党幹事長を日米関係において重要な役割をもつ人物と評価しています。2月2日といえば、小沢氏を起訴するか否か最終決定される直前であり、その時期に小沢氏に対して訪米を要請しているのですから、ある意味、米国が日本国に対して(いい加減に「バカ騒ぎ」と「暴走する検察」は止めさせて)小沢氏を不起訴にすることを強くアピールしていたといえます。
「小沢氏は即答を避け、検討する姿勢を示した」とありますが、もし「検察と報道機関が一体となったバカ騒ぎ」がなければ、訪米することを即答できたはずです。「バカ騒ぎ」は、実に無駄な時間を費やしていると感じます。
2月2日に米国が訪米要請という事実からすれば、米国は、日米双方の国益にとって、小沢氏が政治的に失脚することを望んでおらず、早く日米間の政治問題を解決してほしいかがよく分かります。こうした米国の明示的な行動を目にすると、「検察と報道機関が一体となったバカ騒ぎ」は、米国側も苦々しく思っており、日米双方の国益を害するものであったように感じられるのです。
検察当局は2月3日夕方から検事総長をトップに、最高検察庁、東京高検、東京地検の幹部らが集まり、小沢幹事長についての刑事処分を決める協議を行いました。その結果、政治資金収支報告書にうその記載をしたとする政治資金規正法違反の罪について、小沢幹事長の関与を示す具体的な証拠はないと判断し、不起訴処分とする方針が固まったのですが(TBSニュース:02月03日20:04)、そうした協議をする前に方向性は決まっていたわけです。
1.報道記事を幾つか。
「不起訴の方向」という記事を出したのは朝日新聞と毎日新聞だけで、他社は特オチしています。最高検など上級庁不起訴の見通しは、「検察リーク」、それも最高検などの検察幹部からの「リーク」なのでしょうが、朝日新聞や毎日新聞だけはそうした確かな情報源からの情報を得られたようです。
(1) 朝日新聞平成22年2月3日付朝刊1面
「小沢氏 不起訴の方向 検察検討 4億円不記載で
2010年2月3日3時4分
小沢一郎・民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地取引事件で、検察当局は、政治資金規正法違反(虚偽記載)容疑で刑事告発された小沢氏については不起訴処分(嫌疑不十分)とする方向で検討していることがわかった。
■石川議員は起訴の見通し
東京地検特捜部は、同法違反容疑で逮捕した元秘書ら3人の調べを勾留(こうりゅう)期限の4日まで続け、小沢氏と併せて処分を最終決定する方針だ。実務を担当した元秘書の衆院議員・石川知裕(ともひろ)容疑者(36)と、会計責任者だった公設第1秘書・大久保隆規(たかのり)容疑者(48)を4日に起訴する見通し。元秘書の池田光智容疑者(32)については関与の度合いを慎重に検討するとみられる。
検察当局は、小沢氏に虚偽記載の認識などがあったかどうかの解明を進めてきた。だが、陸山会が土地を購入した原資4億円などを政治資金収支報告書に記載しなかった行為に小沢氏が関与した証拠は2日の時点では不十分とみている模様だ。
一方、石川議員と池田元秘書は故意に虚偽の記載をした事実を認め、「大久保秘書にも報告した」と供述していたが、大久保秘書も最近になって、事実と違う記載をする旨の報告を受け了承したことを認めたことが判明した。大久保秘書は当初、「2人に任せきりで報告も来ていない。会計責任者としての報告書の署名も代筆だ」と関与を否定していた。
ただ、石川議員ら3人は、虚偽記載に対する小沢氏の明確な関与や、4億円の原資にゼネコン側からの裏金が含まれることは否定しているという。
3人は2004年10月、原資不明の計4億円で東京都世田谷区の宅地を約3億5千万円で購入し、07年に同額の4億円を小沢氏に戻すなどした収支を報告書に記載しなかった疑いが持たれている。小沢氏に対しても、都内の市民団体から告発状が提出されていた。」
「「共犯」証拠不十分か
検察当局は、小沢氏の立件の可否を判断するうえで、土地取引に絡む資金の出し入れなどを行った石川議員の供述を最も重視してきた。
陸山会は、04年10月に原資不明の4億円で土地代金3億5千万円を支払った直後、預金担保を組み合わせた4億円の融資金を小沢氏個人が転貸するなど複雑な資金操作をしていた。東京地検特捜部は、これらは本来の4億円の原資を隠すための工作とみて捜査。中堅ゼネコン「水谷建設」元役員らが、「胆沢(いざわ)ダム」(岩手県奥州市)工事の受注謝礼として04年10月に裏金5千万円を石川議員に渡したと供述したため、4億円にこの5千万円が含まれる可能性があるとみて調べてきた。
土地取引を進める中で、小沢氏と石川議員との間で、当時「土地購入原資に裏金が含まれるため、政治資金収支報告書に虚偽を記載する」といった動機面での謀議を裏付けるやりとりがあった場合、小沢氏も虚偽記載の共犯となる関係が成立する可能性が出てくるため、その解明に力を注いだ。
しかし、石川議員は自ら虚偽記載をした事実は認めながらも、小沢氏の関与やゼネコン側からの裏金5千万円の受領を否定した。
さらに、小沢氏が4億円は東京・湯島の自宅を売約した際の残金と家族名義の口座から引き出した「個人資産」と主張。石川議員も「活動資金が不足するため、小沢氏に相談して個人資産を借りた」と説明した。銀行融資の書類に署名するなど小沢氏が関与している部分もあるが、虚偽記載について小沢氏は、任意聴取に秘書の「独断」として自らの関与を否定しているという。
特捜部は捜査を続けたが、現時点では、小沢氏側の主張を覆す証拠は得られていない模様だ。こうした状況から、小沢氏が虚偽記載に加担した証拠は十分に認められないとの見方を強めつつある。」
(2) 毎日新聞平成22年2月3日付朝刊1面
「小沢氏団体不透明会計:小沢氏、不起訴の方向 虚偽記載、容疑不十分−−東京地検
小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入を巡る事件で、検察当局は政治資金規正法違反(虚偽記載)容疑で告発された小沢氏を容疑不十分で不起訴処分とする方向で検討を始めた模様だ。東京地検特捜部は最高検など上級庁と協議のうえ最終判断する。小沢氏については政治資金収支報告書に記載されなかった4億円を提供するなど一定の関与は認められるものの、現時点では虚偽記載の罪に問える明確な証拠がなく、刑事責任の追及は困難との見方を強めているとみられる。
一方、特捜部は同法違反容疑で逮捕した当時の事務担当者で民主党衆院議員、石川知裕(36)と当時の会計責任者で公設第1秘書、大久保隆規(48)両容疑者について、拘置期限の4日、起訴する方針を固めた。石川議員の後任の事務担当者で元私設秘書、池田光智容疑者(32)は関与が従属的な面もあり、さらに検討するとみられる。
これまでの特捜部の調べによると、石川議員は大久保秘書と共謀して04年10月、小沢氏から手持ち資金4億円を受領し東京都世田谷区の土地(代金約3億5200万円)を購入したのに、04年分の陸山会の収支報告書に記載せず、池田元秘書は大久保秘書と共謀して07年4月、小沢氏に4億円を返済したのに07年分の収支報告書に記載しなかったなどとされる。
陸山会は土地購入直後に別の4億円で定期預金を組み、それを担保に小沢氏名義で同額の融資を受けたが、特捜部は小沢氏の4億円を隠す偽装工作とみている。小沢氏はこの融資の関係書類に署名していた。さらに、小沢氏が大久保秘書らに土地購入を指示して土地を選定しているうえ、石川議員と池田元秘書が「陸山会の総収入や支出を小沢氏に報告した」と供述したことなどから、虚偽記載への関与を捜査していた。
しかし、大久保秘書と石川議員、池田元秘書は自らの容疑を認める一方、いずれも小沢氏の積極的な関与を否定。小沢氏は1月23日の任意聴取で「実務は秘書に一切任せていた」などと話し、同31日の再聴取でも同様の説明をしたとみられる。特捜部は、これらを覆す供述や物証が得られなければ、小沢氏の刑事責任追及は困難との見方を強めている模様だ。
毎日新聞 2010年2月3日 東京朝刊」
(3) 時事通信:2010/02/03-19:00
「小沢氏、不起訴の方針=関与立証、困難と判断−4日、嫌疑不十分・東京地検
小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」をめぐる政治資金規正法違反事件で、東京地検特捜部は3日、小沢氏を不起訴処分とする方針を固めたもようだ。最高検などと同日協議した結果、衆院議員石川知裕容疑者(36)らとの共謀について、立証が不十分と判断したとみられる。
特捜部は、拘置期限の4日に石川容疑者と小沢氏の公設第1秘書大久保隆規容疑者(48)を起訴し、小沢氏を嫌疑不十分で不起訴処分とする方針。元私設秘書池田光智容疑者(32)については、関与の程度を慎重に検討し、処分を決める。
特捜部は1月23日と31日の2回、小沢氏から任意で事情聴取。同氏は「秘書が独断でやったことで、(虚偽記載は)知らない」などと関与を全面否認した。
関係者によると、石川容疑者は調べに対し、「政治資金収支報告書に4億円の収入を記載しないことを、小沢氏に提出前に報告し、了承を得た」と供述したという。
同容疑者はまた、陸山会が土地購入直後に受けた銀行からの融資について、「資金の出どころを隠す偽装工作だった」と供述。小沢氏は、この融資の関係書類に署名するなど、手続きに直接かかわっていた。特捜部は、こうした証拠を総合的に検討した上で、最高検など上級庁と協議。その結果、小沢氏が積極的に虚偽記載を指示したという供述は得られておらず、大久保、池田両容疑者が小沢氏の関与を否定していることなどから、公判で有罪を立証することは困難と最終判断したもようだ。
特捜部は、報告書に記載されなかった4億円には、中堅ゼネコン「水谷建設」からの5000万円の裏献金が含まれるとみているが、石川容疑者は受け取りを否定しているとされる。(2010/02/03-19:00)
1.その報道として2つほど挙げておきます。
(1) 毎日新聞 2009年12月27日 東京朝刊
「新生・自由党:解党時残金、小沢氏側に 大半の22億円余
小沢一郎民主党幹事長が過去に率いた2政党「新生党」と「自由党」を解党した際、党に残った資金の大半に当たる計22億円余を、自分の運営する政治団体に移して支配下に置いていたことが分かった。自分の政治活動のほか、親族への支出などにも充てていた。両党の資金には政党交付金など多額の公金が含まれており、こうした資金移動の手法が論議を呼びそうだ。(以下、省略)
毎日新聞 2009年12月27日 東京朝刊」
(2) 読売新聞平成22年1月11日付
「政党交付金見えぬ使途、自由党解散で返納せず
鳩山首相や民主党の小沢幹事長の「政治とカネ」が問題化する中、税金を原資とする政党交付金制度の在り方が改めて注目されている。
自民党は18日召集の通常国会で、小沢氏が党首を務めた自由党が解散した際、政党交付金を国庫に返納しなかったことなどを追及する構えだ。
◆揺さぶる自民◆
「藤井さんが辞任しそうだ。自由党幹事長当時のカネの問題を国会で追及されたくないということだ」
藤井裕久・前財務相の辞任に先立つ今月3日夜、自民党の閣僚経験者が谷垣総裁に電話でこう告げた。この議員も自由党出身で、当時の政治資金の不透明な処理が小沢氏や藤井氏の「弱点」であると推察した。予算編成を巡る小沢氏とのあつれきや健康不安だけが辞任の理由ではない、というわけだ。
自由党は2003年9月に解散し、民主党と合併した。自由党は解散当日、すでに党に支給されていた政党交付金を、党の政治資金団体だった「改革国民会議」に5億6096万円、所属国会議員の政治団体などに500万円ずつ計1億7500万円を寄付するなどして使い切った。
政党助成法は、解党時の残金について「総務相が返還を命ずることができる」と定めており、自由党の処理方法には「返還逃れ」との指摘がある。
自民党は18日召集の通常国会に、解党を決めた政党が他の政治団体に政党交付金を寄付することを禁じる政党助成法改正案を提出する構えだ。成立の見通しはなく、民主党、とりわけ小沢氏を揺さぶる狙いであるのは明らかだ。
改革国民会議は現在も一般の政治団体として存続しており、08年時点で10億円余りの資金を持つ。08年の政治資金収支報告書によると、小沢氏を支持する民主党の若手衆院議員グループ「一新会」に500万円を寄付するなど、小沢氏の政治活動を支えている。
西松建設の違法献金事件では、検察側は改革国民会議が献金の受け皿になったと追及している。自民党は「返還すべきだった政党交付金と違法献金が今も小沢氏のために使われているなら、決して終わった話とは言えない」(幹部)と主張している。(以下、省略)
(政治部 鈴木雄一、山田真也)
(2010年1月10日17時40分 読売新聞)」
小沢一郎民主党幹事長が、過去に党首などを務めた「自由党」を解党した際、両党に残っていた政治資金を、同氏関連の政治団体や所属議員の政治団体に移動させていた点について、政党助成法33条が、政党が解散した場合、「総務大臣は……政党交付金の返還を命ずることができる」としているため、自民党やマスコミは「返還逃れ」の行為であるとして問題視しているようです。
「政党助成法33条
2 総務大臣は、政党交付金の交付を受けた政党が次の各号のいずれかに該当することとなったときは、総務省令で定めるところにより、当該政党(当該政党が解散し、又は目的の変更その他により政治団体でなくなった場合にあっては、その代表者であった者とする。第6項、第8項及び第9項において同じ。)に対し、期限を定めて、当該各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額に相当する額の政党交付金の返還を命ずることができる。(各号は省略)」
そこで、政党が合併するなどの理由で解党する場合、使用されずに残った政党交付金は国に返還するべきなのかについて検討してみたいと思います。
そこで、いつも分かりやすい説明をしてくれる元NHK報道記者主幹でジャーナリストの池上彰さんによる説明を紹介したいと思います。池上彰さんは、朝日新聞の夕刊で「池上彰の新聞ななめ読み」というコラムを連載していますが、そのコラムにおいて、「陸山会」の土地購入をめぐる疑惑事件の報道について分かりやすく説明していましたので引用してみます。
1.朝日新聞平成22年1月25日付夕刊3面「池上彰の新聞ななめ読み」
「小沢氏の金をめぐる報道 捜査の意味や見通し示して
なんとも、もどかしい。何が問題で、これからどうなろうとしているのか。新聞は見通しを示してほしい。
このところ、そんな気分にさせられます。民主党の小沢一郎幹事長のお金をめぐる問題の記事のことです。
小沢幹事長の資金管理団体「陸山会」の会計事務を担当した秘書らを、東京地検特捜部が政治資金規正法違反の容疑で逮捕しました。
連日の大々的な新聞報道で、「いずれ小沢幹事長がお金の問題で東京地検に逮捕されるのではないか」と考えてしまっている読者が、私のまわりには大勢います。
ところが、記事を読むかぎり、そんな話ではないのですね。新聞報道によれば、小沢氏の当時の秘書で会計事務担当だった石川知裕容疑者(現在は衆議院議員)が、政治資金収支報告書に虚偽の記載をしたという容疑です。
東京地検は、石川議員個人による行為なのか、小沢氏の指示があったのかを調べている、という段階のようです。
政治資金規正法違反の容疑が出てくれば、捜査するのは当然のこと。その結果、不自然なお金の流れが見つかれば、徹底的に捜査するのも当たり前でしょう。お金の流れを解明せずに捜査を終了すれば、今度は検察が批判されてしまいます。
お金の流れを解明していたら、お金が建設業者から出ていた疑いが浮上したので、建設業者からも話を聞く。これも当然の捜査です。
ところが、もし建設業者から小沢氏側にお金が渡されていても、小沢氏は当時野党議員でしたから、何の職務権限もありません。職務権限のない人にお金を渡しても、贈収賄事件にはなりません。
ただし、小沢氏側が、職務権限のある当時の与党議員あるいは官僚に働きかけをしていれば、「あっせん収賄罪」ないしは「あっせん利得罪」の容疑が出てきます。
とはいえ、新聞報道を読むかぎり、いまのところ、小沢氏に、そんな疑惑が浮上しているようには見えません。
となると結局、小沢氏をめぐる報道は、「小沢氏が4億円も現金を持っていた。土地を購入する際、不思議なお金のやりとりがあった。よくわからないが、けしからん」というレベルです。
検察は、石川議員の事件の立証のための証拠集めをしているだけなのか。小沢氏の別の容疑を視野に入れているのか。新聞は、単に東京地検の捜査状況を報道するだけでなく、捜査の持つ意味や見通しまで説明してくれなくては、読者の不満が募ります。(ジャーナリスト)
◆東京本社発行の最終版を基にしています。」」





